我らこそは天が遣い八咫烏(笑)   作:ナスの森

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さらば真選組篇での朧の扱いに納得が行かず、もやもやして書き始めたものです。


原作開始前
鳥籠の中から烏が飛び去った


 火の国の殿中(でんちゅう)――この国の中で最も上の立場に位置する火の国大名とその家族が住む城の中。

 その殿中の広場において、ある騒ぎが起こっていた。

 城周りの警護の者達はその侵入者たちの存在に気付かず、不届き者の侵入を許してしまったことを未だに知らぬままであった。

 それもその筈――侵入者たちの力量はそれこそ侍やそこいらの傭兵などとは比較にならない――その者達は(しのび)と呼ばれていた。その気配を悟ることなど至難の業であろう。

 今、火の国の城にこの大勢の抜け忍達が、火の国の大名の首を取らんと、この城の殿中にまでに乗り込んでいたのだった。

 

「火の国の大名とお見受け致す」

 

「そ、其方らは一体・・・・・・ど、どこから入ってきたのかえ!?」

 

 大勢の抜け忍たちに囲まれ、冷や汗をかきながら殿中の壁を背に固まる大名。

 この火の国の大名が狙われる理由――そんなものはいくらでも思いつく。

 火の国そのものに恨みを持つ者か、大名の地位を狙う一派か、そういった火の国のトップに反抗心を持つ者が雇った抜け忍たちが、こうして殿中にまで忍び込んで、火の国の大名を追い詰めていたのだ。

 

「その命、貰い受ける!」

 

 先頭にいた(しのび)(がしら)らしき男がそう言うと同時、抜け忍たちは一斉に苦無(くない)を大名へ向けて投げつける。

 無慈悲に放たれた苦無の雨が、大名の身体を剣山に変えようとしたその時――

 

 シャラン、と烏が舞い降りた。

 

 鳴り響いたその錫杖の音の衝撃により、大名に向けて投擲された全ての苦無は粉々に砕け散った。

 

「っ!?」

 

 抜け忍たちの目が見開かれる。

 錫杖の音で苦無を砕き、大名を背に守るようにして抜け忍たちの前に立ちはだかったのは、虚無僧の男だった。

 砕け散った大量の苦無の破片が虚無僧の男の前に転がる。

 

「天変に遭いて、天照(てんじょう)を恨む者があろうか――」

 

 白い法衣(ほうえ)の上に八咫烏の紋章が描かれた黒い袈裟を架けた虚無僧の男が呟くと同時、上階の通路に並んだ障子が一斉に開かれ、その中から男と同じ錫杖を持った集団が現れる。

 

「いかなる凶事に見舞われようと、それは天が成し事、天が定めし宿命――」

 

 障子の中から出てきた集団――チャイナ服を思わせるスリットの入った黒い()(ほう)を身に纏い、編み笠を被った者達――は錫杖の音を鳴らしながら上階の通路の上に並び、抜け忍たちを見下ろす。

 

「ただ(もく)して受け入れよ。天照(てん)の声を、我らが(やいば)を!」

 

 その者達の出現に――抜け忍たちは一斉に戦慄する。

 

『あ、あれは・・・・・・!!』

 

 震え上がる抜け忍たち。

 その者達の脅威を、彼らの所業を、抜け忍たちはよく知っている。

 この火の国が擁する木の葉隠れの里と対をなす、もう一つの(しのび)組織。

 第三次忍界大戦終戦直後の冷酷無比の仕業から、新興組織でありながら五大国を始めとした各国から警戒される暗殺組織。

 その名は――

 

「我らこそは(あま)が遣い八咫烏――天照院奈落」

 

 天照院(てんしょういん)奈落(ならく)――虚無僧姿の男がそう名乗り出た直後、彼らに天の裁きが下された。

 

     ◇

 

 

 ――輪廻転生という言葉がある。

 

 前後の熟語を逆にして転生輪廻ともいい、死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わってくる事を言うらしい。

 この世界で再び意識を覚ます前、男はそんなオカルトチックな事は毛の一本たりとも信じてはいなかった。

 とあるMARCHクラスの大学の工業系の学部に通っていた男には何の縁もない話だ。

 

 だが、輪廻とは行かずとも『転生』という出来事を体験した男は今になってみればそれは真実であったと実感した。

 

 日向一族――木の葉の里でも名のある一族で在り、瞳力・白眼を血継限界とし、かつソレを利用した柔拳という一族独特の体術を伝えてきた一族。

 男はあろう事かその一族のとある分家の長男として生まれ、そして幼い頃から日向としての英才教育を受けて育った。

 

 ――宗家に仕える、分家としての定め、運命、教え。

 

 僅か三才までの間にこれら全てを叩きこまれてきた男は、その頃は親からの言い付けを守らんとし、宗家の為に精一杯頑張ろうと努力する健気な男児であった。

 生まれながらにして膨大なチャクラ量を持ち、才能もあった男児は親からの言い付けのままに一族代々伝わる体術である柔拳にてその才を発揮し、その日向の宗家に迫るであろう才能に親は歓喜した。

 が、同時に親はそんな己の子に対して複雑な感情を抱いた。

 才があるのは親として喜ぶ事だ……だが、それだけに日向の宗家として生んでやりたかったという無念が募ってくるのだ。

 日向の才に愛されていながら、分家として生きなければならぬ遣る瀬無さ。

 この子はソレをずっと抱いたまま生きてゆかねばならぬのかと。

 

 ――そして彼が四才の手前まで迫った頃、日向の分家にのみ施されるある儀式、それが男児にとっての転機となった。

 

 日向の呪印――日向一族に代々伝わる血継限界である白眼の力が他里や他国の勢力に流れぬよう、そして宗家に逆らえぬようにするために分家の者に施される呪印。

 男児はその呪印を他の分家の者と同じように額に刻まれた。

 

 ――それがトリガーとなったのかは今でも分からなかった。

 

 額に呪印を刻まれる事で脳が何等かの作用を起こし、彼に『ソレ』が戻ったのかはもう定かではない。

 だが、男児の頭に『ソレ』が蘇ったのだ。

 “前世の記憶”というものが。

 

 額に呪印を刻まれると同時、男児の視る世界は180度反転する事となる。

 儀式の直後、しばらく現実味が湧かず己の部屋に引きこもりがちになる男児。

 呪印に関する件で苦悩しているのだと親は思っていたが、生憎と男児が悩んでいたのはソレを含めたまったくの別件だった。

 

 ――これって、NARUTOの世界か?

 ――もしかしなくともこれNARUTOの世界?

 ――しかも日向の分家……だと!?

 ――嘘だと言ってよバーニィ……。

 

 薄暗い自室の中で何度も現実逃避の呟きを連呼したが、現実は非常であった。

 何せ日向の分家である。

 下手したらネジの父親と同じ運命を辿らなければならない場合もあるのだ。

 この呪印は日向の個人を守るモノではなく、日向一族を守るためだけにあり、そして宗家には一生逆らえぬという呪いなのだ。

 通学途中の電車の人身事故に巻き込まれるというなんとも言えない死を遂げ、何故かは知らないが九死に一生を得て前世の記憶付きで2度目の人生を得たというのに、一族のつまらぬ掟によってあっさり死んでいくのは何が何でも御免であった。

 ……別に宗家に生まれたいとも思わないが。

 いずれ滅びる定めにあるうちは一族に生まれるよりはマシであるにせよ、さすがにこれはないだろう神様とやらと悲観する男児(中身青年)。

 

 そもそも、だ。

 この世界がNARUTOという時点で自分にとってはもうアウトなのだ。

 男はNARUTOのファンではあるものの、それは二次元だったからこその話であったからだ。

 だがこの世界は違う。

 二次元とは違う、まごうとなき三次元なのだ。

 二次元では「すげ~」としか思わなかったキャラクター達の実力のインフレも、三次元ではガチで洒落にならない。

 この世界の自分も天才の類ではあるようだが、所謂「天才の一人」でしかない訳だ。

 そもそもNARUTO世界は天才達が蔓延る世界である。

 ここからは男の主観ではあるが、NARUTO世界の人間は「天才ではない人間はそもそも名前が出てこない背景同然の存在」として捉えられる節もある。

 たかが天才というだけでは自分はインフレの波に乗れずにそのまま十尾の攻撃に巻き込まれてまるでモブの如く死んだっておかしくないのだ。

 日向始まって以来の天才と謳われたネジだって結局は、そのインフレに飲まれキューピッドになってしまったのだ。

 

 ――生き残るには天才である事はまず前提……それでも付いてゆけなかったら死ね。

 

 まるで世界そのものからそう告げられているかのような錯覚を覚える男児(転生者)。

 こうしてはいられないと思い立った男児は、前世の記憶を取り戻す前よりも何百倍ものハードな修行を開始した。

 アカデミー入学を決意し、猛勉強と猛修行を両立した。

 如何に才能があろうとも柔拳と白眼だけでは明らかに安心できない。

 日向宗家にしか取得できない八卦掌回天(熟練度次第では十尾の攻撃すら弾く事が可能な技だが、あくまで防ぐことができる程度)や八卦六十四掌でもまだまだ心許なさすぎる。

 幸い親からの柔拳の稽古により白兵戦での基本的な足運びの基礎は出来上がっていたため、それらを発展させて体術の成績は常に上位を維持することができた。

 

 そして接近戦の手段を柔拳だけでなく、剣術、剛拳なども視野に入れて猛修行し、自分が強くなるうえで必要のないアカデミーの授業はサボったりもして、修行に時間を費やした。

 その妄念に取り憑かれる以上の異様な努力に、両親、そしてアカデミーの教員たちは声を掛けられずにドン引きするだけだった。

 両親は色々な苦心の末に息子が単に宗家の為に全力を尽くすという決意を固めただけだと無理やり納得した。

 

 色々な修行に手を出した、自分の向き不向きを確かめるために。

 自分にも極める事ができると判断した術は即座に極め、妄念に取り憑かれたかの如く修行をし、修得する。

 それでも修得できない技や術があれば潔く諦める(例えば飛雷神など)。

 もはや作業と化したソレを男児はアカデミーを卒業するまで延々と続けた。

 

 やがて里にある既存の術には留まらず、前世の記憶を引っ張り出して、時にはNARUTO関係以外の知識すら引っ張り出し何か使える物はないかと模索した。

 

 ――手足の筋肉が壊死しかけた。

 

 ――精神は摩耗しかけたが、それでもこの世界で生き残るという一心で何とか気を保った。

 

 ――――血反吐を吐いたが、それでも止まる事はなかった。

 

 それでも自分に不向きな技や術は数えるのも億劫な程もアリ、時には原初に立ち返って柔拳をひたすら極め続けた時期もあった。

 やがて呪印を解く術にも手を出したが、この呪印を解くのに役立つ手がかりは一つとてありはしなかった。

 

 ――そこで、少年はある可能性にたどり着いた。

 

 そもそも呪印とはどのような過程で人体に刻まれるかである。

 その模様は人々の信仰に則っている事には違いないが、どのようにして呪印そのものが人体にまるで身体の一部であるかのように付着するのか。

 そして、その刻まれた印一つで対象の行動を制限したり、縛ることができるのか。

 少年は考える。

 大蛇丸がサスケに刻み付けた呪印であるが、アレは対象の自由を奪う代わりにそのチャクラ、および力を増大させる効果がある。

 ――――ならば、どのような過程で増大させてるのだろうか?

 呪印そのものがチャクラの集合体であるとして、どのようにしてチャクラを対象に流し込み、力を与えているのかと。

 

 ――少年はそこで経絡系という単語が頭に過った。

 

 経絡系に干渉し、チャクラを送り込み、力を与えているのだとしたら得心のゆくものがあった。

 更に言うと経絡系はチャクラ、ひいては人体を動かすエネルギーの通り道だ。

 経絡系に干渉するという事は、そのエネルギーにも干渉しうるという訳だから、対象の動きを制限する事だって、訳ないと思う。

 

 ――つまり、経絡系そのものを歪めてしまえば、呪印はなくなるんじゃないかと。

 

 NARUTOとは別のジャンプ漫画のキャラに己の経絡を思いのままに操り、それを用いて戦闘をするキャラがいた事を記憶していた少年。

 無論の事、経絡系という物がNARUTO世界においてどれだけ重要かを理解していた少年がソレを実践していない訳もなかった。

 経絡を歪めて致命を避ける手段は役立つかもしれないから。

 そして、幸いな事に少年はその技を獲得していたのだった。

 

 ――そして、少年は頭部の経絡を限界まで歪めた。

 

 下手すれば命すら落としかねない行為だった。

 実際致命を避けるだけだったら、その部位の経絡を少しだけ歪めればいいだけの話なのだ。

 だが、経絡を歪めすぎるとチャクラの流れが狂ってしまい、最悪命を落としかねない。

 それも額部分――つまりはほぼ脳髄を通る経絡系を歪めているのだ。

 そのあまりの激痛のあまり――少年は数時間ほど意識を失った。

 

 そして、同じ日向一族の者が倒れている彼を発見した時、その者は少年にあるべき物がない事に驚愕し、そしてその出来事は全日向の者達に、瞬く間に知られる事となる。

 

 ――少年は自力で呪印を抜け出したのだ。

 

 その後、少年は日向の分家としての務めや矜持を破棄した反逆児と罵られ、両親は少年を一族から勘当した。

 両親とて本意ではなかったが、一族の総意であるのなら仕方のない事だった。

 

 少年は一族から勘当された……が、それで彼のナニが変わる訳ではなかった。

 強いて言うならいきなり勘当されるのは少し予想外だった。

 

(ふと思い付いた事を試しただけなのに……それだけで一族追放とか宗家マジキチ)

 

 自分としては再び呪印を付け直され、どのようにして呪印から抜け出せたのかを問い詰められる事を予想していたのだが、それらの過程をいきなりすっ飛ばして勘当とは。

 呪印を付け直してもまた自力で消し去られると思い、無駄だと判断したのだろうか。

 だが、白眼を封じる手段である呪印を持たない自分をほっぽりだすのは、他里への白眼の力の流出をよしとしない宗家の方針を考えると、本末転倒ではなかろうか……。

 

 ――――『卑の意志』を代々受けつぐこの里の事だ。白眼の流出を防ぐ為に同族が殺しに来ることは十分に予想できる。

 

 ……が、それをしてくる様子もないので、警戒するのも馬鹿らしくなった少年はアカデミー卒業まで修行に専念した。

 強くなり、この世界で生き残る事が何よりも先決であったのだから。

 

 そして、その時は来た。

 

 

 

 ――――第三次忍界大戦。

 

 第二次忍界大戦の終結以降、五大国の統治は揺らぎ、 国境付近で小国を巻き込んでの小競り合いが続いていた。

 それが次第に戦火という戦火を呼び、再び戦争へと発展。実質第二次忍界大戦の延長といってもよかった。

 そしてアカデミーを卒業したばかりの下忍の子供たちも即戦力として投入される事となる。

 少年もまたその一人だった。

 里の少年に対する扱いは最初はぞんざいな物だった。

 日向の才能に愛されていながら、日向の分家としての教えと矜持を捨て去った反逆児。

 日向としての矜持を捨てているのならば、どうせ碌な修行もせずにその才能も持ち腐れているのだろうと。

 だから、木の葉は少年を使い捨ての駒としか、囮としか見ていなかった。

 

 しかし、時を重ねる内に少年に対する木の葉の面々の見る目は変わってゆく。

 

 アカデミーを卒業したばかりの小童でどう見積もっても生きて帰ってこれないだろう任務の中で、少年はただ一人単身で幾度となく帰還した。

 いや、それを抜きにしても少年は日向一族の分家の中で唯一呪印を持たぬ忍であった。

 そのため、木の葉から与えられた任務に関係なく他里の忍から白眼を目的に攫われそうになったり襲われたりしたが、それでも全て返り討ちにし、生き延びてきた。

 

 ――――この時、生き残るのに必死であった少年は、何故自分が日向分家の中で唯一呪印を持たないという事が他里に知れ渡っているのか疑問に思いもしなかったが……。

 

 そして、木の葉は少年の実力を認知する事になる。

 木の葉は少年を飛び級で上忍認定をする。

 合口拵えのチャクラ刀を与えられ、少年は更なる過酷な戦地へ繰り出された。

 木の葉は純粋に少年の実力を認めた上での扱いだったのだが、少年は自分が認知される前よりも更に過酷な戦地へ送り出す木の葉に対して不満を抱くようになる。しかし、生憎と反抗する訳にも行かずソレを飲み込んだ。

 そして、少年はまた任務を成功させ、帰還した。

 そのチャクラ刀を振るう姿から、少年はこう呼ばれるようになる。

 

 ――――「木の葉の白い牙の再来」と。

 

 やがて少年は「大名の娘の護衛」という大御所任務を任される事となる。

 国の大名などの要人はこういう戦争に限って人質などに利用されてしまう。

 少年を部隊長とし、その他の木の葉下忍中忍で結成した忍部隊が、その任に当たることとなった。

 

 ――――木の葉に娘の護衛を依頼した大名の予感が的中し、敵の忍の精鋭部隊が大名の娘もろとも彼らに牙を向ける。

 

 部隊は少年を除き全て戦死。

 その中で少年は一人奮闘し続け、顔に大きな切り傷を残しながらも、少年は敵の忍の精鋭部隊を殲滅。

 無事、大名の娘を護衛し続ける。

 

 そして、少年はふとある事に気付いた。

 ――――白髪ワカメ、顔についた傷、如何にも寝不足マッハですとアピールする目下の隈。

 大御所の任務を成し遂げ、精神的に落ち着いてきた少年が自分の面を振り返る。

 

 

 

 ――あれ、これ銀魂の(おぼろ)じゃね?

 

 

 

 朧――――人気を博したジャンプ漫画、「銀魂」にて登場する敵キャラである。

 「一国傾城篇」にて初登場し、主人公である銀時と同等の実力を持つ暗殺組織の首領。

 最初は主人公の銀時と激突し、毒針を用いた戦法で銀時を圧倒したが、再戦にて銀時と壮絶な空中戦を披露するも、銀時の機転により木刀で身体を貫かれ、死亡したと思われた。

 が、生きている事が判明し、再び銀時達と対峙するその日まで出番はお預けという事になった。

 満を持して「将軍暗殺篇」にて再登場する……が、登場早々に高杉から左目を奪われ、その場で退散。

 そして「さらば真選組篇」にてようやくまともに銀時達の前に立ちふさがってくる。

 しかし、土方との斬り合いで優位に立つも、復活した近藤からの奇襲を受けることとなる。

 結果、土方に脇腹を切られ、近藤から左腕を切り落とされるという如何にもヤラレキャラらしい損な役回りを演じながら倒れる。

 それでもまだなんとか生きていたが、時折吐血するようになり、彼の身体には限界が近づきつつあった。

 ……最初は強敵として登場したにも関わらず、後半になってただのかませと化した不憫な悪役である。

 

 少年の経絡系を歪めたり操ったりする技術もこのキャラを参考にしていたが、いよいよここまで似てくるとは思わなかった。

 思えば劇中にて朧が披露した技は全て会得していた。

 朧は発勁(はっけい)による衝撃を利用して経絡系への攻撃を可能にしていたりと、限りなくNARUTOの柔拳に近い技を使っていた。

 加えて毒針による経穴への攻撃も、少年は会得していた。

 それに加えて少年自身が編み出したり、会得した忍術も数あるが、気付けば劇中にて朧が出来た技は少年には全て出来るようになっていたのだ。

 

 

 その後、大名は顔に傷を残してまで娘を守り通した少年に目を付けた。

 恩賞がたくさん送られ、木の葉の英雄として少年は知れ渡るようになる。

 少年を気に入った大名は、木の葉に少年を自分に貸し出すように命じる。

 そして大名は少年を自分の警護役として任命した。

 

 

 日向コヅキ――後に火の国の暗部と呼ばれる事となる大名直属の暗殺組織「天照院奈落」の首領にして、奈落最強の凶手、名を「朧」と名乗るようになる

 

 

天照院奈落のどんなところが好き?

  • 錫杖を使っているところ
  • 弓を使っているところ
  • 装束が好み
  • 単純に朧が好きなだけ
  • 全部

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