「日向は囮にて最適!……だけど最終的に思い通りに動いてくれないorz」byダンゾウ
――――その男は、気が付けば自分の遥か前方を歩いていた。
六歳の頃、中忍に昇格してから一年程経った時期であろうか、少年の父親は突然亡くなった。
中忍に昇格したとはいえ、まだ六歳だった少年を残してだ。
ならばその死因は何か――――
戦死か。
暗殺か。
はたまた相討ちか。
否、そのどれでもなかった。
答えは“自害”である。
少年の父親はあの「伝説の三忍」と呼ばれる者たちすら霞んでしまう程の才をもつ天才忍者であり、そして少年にとっては自慢で憧れの父親だった。
任務中は敵を容赦なく切り殺す冷徹さを持ってはいたものの、その心根は暖かく優しい。
そんな父親の両方の側面も含めて少年は父親を尊敬していた。
その態度を表に出す事こそは少なかったものの、少年は父親の事が好きだった。
――――そんな父親が、目の前で死んだのだ。
“……すまない、カカシ”
死に際の父親の声は未だに耳に残っている。
息子を残してただ自分だけ逝ってしまう事の罪深さがどれほどのものかを、はたして少年の父親は理解していたのか。
いや、おそらく理解はしていただろう……そうでなければ、あんな言葉を言うはずがない。
少年の父親を自殺に追い込んだのは他でもない。
少年の父親を英雄「木の葉の白い牙」として持ち上げながら、最後には「任務を自ら放棄した掟破りの忍び」というレッテルを貼り、自害に追い込んだのは他でもない、木の葉の民たちだった。
それだけならばまだよかっただろう。
少年の父親とて、いくら故郷の人たちとはいえ、自分を英雄に押し上げるだけの「赤の他人」に手のひらを返されただけで精神を摩耗させるほど軟な精神はしていない。
否、そうでなくとも耐える事はできただろう。
だが、それだけではなかった。
そもそも少年の父親が「掟破りの元英雄」という汚名を背負わさせれることになったのは無論ある任務の出来事であった。
とある敵地への潜入任務において、「仲間の命」か「任務の遂行」の二択に迫られた状況の中、彼は前者のほうを選び取り、任務を中断する選択肢を取った。
――――なんとしても任務を遂行しなければならない。
そのような状況下で「仲間の命」という選択肢を選んだ少年の父親を待ち受けていたのは、木の葉の里全体からの誹謗・中傷であった。
本人とてそのような事は承知の上だっただろう。
民衆たちからの誹謗・中傷も甘んじて受けいれよう、同僚からの非難も喜んで被ろう……そんな覚悟でいたつもりだった。
だが、実際は民衆や同僚からのソレだけではなく、その任務で彼が救った仲間からすらも、ソレを受けたのだ。
少年の父親の唯一の味方であったはずの彼らは、「掟破りの忍」に命を助けられたというレッテルを貼られ、少年の父親のように其れを一身に受ける事を恐れた彼らは、まるで少年の父親を庇う姿勢から手のひらを返すかのように、少年の父親を非難する側に回ったのだ。
――――そしてついに彼は、少年の前で自害した。
他ならぬ彼の周りにいた人たちと、本来は彼に感謝するはずであった仲間の手によって自害にまで追い込まれたのだ。
これが少年、はたけカカシにとっての、一番最初の「闇」だった。
幼くして中忍に昇格し、よりいつか父親の隣に立ちたいと思い頑張ってきた結果が、これだった。
――――忍の世界で掟を破った者はクズ呼ばわりされる。
カカシ自身が口にしたこの言葉こそが、カカシの脳裏に刻まれた呪いだった。
以降、カカシは今まで父親に憧れていた自分自身から目を背けるようかのように、我武者羅に自分を鍛えた。
憧れた父親を目指すためではなく、「掟を一切破らない忍」になるように。
かつての目標とは違う、そんな空虚な目標を掲げながらカカシは忍としての任務を全うし続けた。
その頃であろうか、カカシより一つや二つ上の、「日向の矜持に反した反逆児」と噂にされていた少年の姿が、目に入ったのは。
――――あいつも、掟を破ったのか。
なら、あのように周りから中傷を受けるのは当然の事だ。
その掟とやらどんなものなのかこそ分からないものの、忍である以上、あいつもまたクズ呼ばわりされて然るべき存在なのだと、そう考えた。
――――なのに、どうしてあんな目ができるのだろう。
その筈なのにと、ふと、彼の目を見てカカシは疑問に思う。
淀みない目でも、純粋な目でも、真っすぐな目でもない。
まるで刃物のように冷たいその目は、しかし自分の父親とは違い周りからの中傷を意にも介さずあらぬ方向を見ているように見えた。
――――一体、その白い瞳で何を見据えているんだ。
鳥籠を食い破った烏は、まるで周囲の中傷を目もくれず、一体何を見ているのだろうか。
(いや、自分には関係ない)
何故、ただ掟を破った奴をそこまで気にしなければならなかったのか、その時は未だに分からなかった。
自分の父親が自害してから更に一年、中忍になってから二年が経ち、カカシに新たな任務が言い渡される。
――――ミナト班への所属。
アカデミーを卒業したばかりの下忍二人、およびその担当上忍でのフォーマンセルに所属する任務を言い渡された。
……確かに、自分の歳を考えれば自分の本来の今頃の立ち位置はそのような所であったかもしれない。
だが、何故すでに中忍となった自分に今更そのような任務を言い渡したのかはカカシにとっては疑問だった。
しかし、任務ならそれに逆らう訳にはいかないとカカシはその任を受けた。
それに担当上忍「木の葉の黄色い閃光」と称されるあの波風ミナトである事に、多少の好奇心はあったかもしれない。
班のメンバーは、野原リン、うちはオビト、そしてカカシの三人に加え担当上忍の波風ミナト。
アカデミーを卒業したばかりの班の集まりという扱いという事もあって、最初は里内の雑用などをこなす低ランク任務ばかりであった。
それらの任務をこなしていく内、カカシは再び、彼の少年の名を聞くことになる。
――――日向コヅキ、または、「木の葉の白い牙の再来」と。
聞けば、オビトやリンと同様にアカデミーを卒業してから、何故かは知らないが囮任務ばかりを引き受けさせられていたらしく、他里の暗部から狙われるばかりの日々を送っていたらしい。
そして、事あるごとにその暗部の者たちを全て返り討ちにして帰還するという、アカデミーを卒業したばかりの下忍、いやそこいらの上忍ですら到底なしえない偉業を成し遂げた。
別名「暗部殺し」とも呼ばれるようになった。
同じ班員であったリンとオビトが中忍になった、その時に其れを耳にしたカカシ。
その事実は、カカシが今まで押し殺し、目を背けてきた「自分自身」に多大なる衝撃を与える事になる。
……とっくに忘れた筈の、父親への想いと、父親への失意から来るカカシ自身の闇が入り混じった複雑で、そして強烈な感情がカカシに湧き上がってきた。
――――何故、一度は掟を破ったやつが
――――何故、それでクズ呼ばわりされ続けてきた奴が
――――何故、自分とそう歳が変わらない筈の奴が
(何で――――父さんの跡を継いでいるんだ!?)
忘れた筈の激情、そして劣等感。
一度は忘れた筈の父親への憧れ、そしてそれに入り混じる父親への失意の感情。
当時、まだ幼かったカカシの精神を揺さぶるのにこれ以上のものは存在しなかっただろう。
表にこそ出さなかったものの、カカシ自身すらも気づかぬうちにその激情に頭が支配されていた。
そして、日向コヅキは自分より先んじて、中忍の位を飛ばして飛び級で上忍となったのだ。
そして、知らず知らずの内に激情に駆られていたカカシもまたそれに続くように上忍となる。他の班員や担当上忍がそれを祝ってくれたが、そんなものは眼中に映っていなかった。
担当上忍であるミナトも、カカシ自身自覚していない彼の少年への激情と劣等感を感づきはしたものの、そんなカカシにしてやれる事は遠まわしな事しかなかった。
それ以降、カカシの「忍の掟」に対する拘りは一層強くなる。
一度掟を破った奴などに負けられるか、と仲間よりも任務を優先する姿勢はさらに強くなり、カカシのその更なる変化に気づかぬオビトとリンではなかっただろう。
リンが敵の忍に攫われ、それでもなお仲間である彼女よりも任務を優先するカカシに、ついに堪忍袋が切れたオビトが、カカシを殴り倒した。
「オレは木の葉の白い牙を本当の英雄だと思ってる」
「――――ッ!!?」
「忍の世界でルールや掟を守らない奴はクズ扱いされる。――――けどな、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!!」
――――なら、その白い牙が大切にした仲間はどうなった?
例えお前が言った事が正しかった所で……結局はその仲間に裏切られたじゃないか……!?
そこまでして、守る価値が「仲間」にはあるのか!?
「お前はリンがそんなんに見えるのかよ!?」
――――ッ!?
「確かに、お前の父さんの仲間はそんな奴だったかもしれねえ……けど、リンは違うだろ!? ずっと俺たちを支えてくれた、俺たちに微笑んでくれた……それら全部が偽りだって言いたいのかよ!?」
………………
「オレはお前の父さんの事なんて何も知らない。だけど、きっと信じたかったんだ……! その仲間がどんな奴でも、自分が信じた仲間を助けたかったんだと思う……」
……………………
「お前がリンをどう思ってるかなんて知らねえ。
……俺はリンを助けに行く。俺たちを信じてくれたリンを、俺が信じたリンをなんとしても守るんだ!」
………………オビト………………
呆然とするカカシに背を向け、オビトはリンが攫われた方向へと走ってゆく。
……その背中には微塵の迷いもなく、それが……その姿が、かつて慕った自分の父親と重なって。
「……ッ!?」
――――今更何を思っているんだ、自分は。
掟を破ったものはクズなんだ……仲間を優先して助けたものも、助けられた仲間も総じてくずに成り下がる。
それになるくらいなら、掟を守り続けてクズに成り下がらないようにする方がましだ……なのに、なのに……どうして……
――――オレは木の葉の白い牙を、本当の英雄だと思っている。
「……ッ」
――――忍の世界でルールや掟を守らない奴はくず呼ばわりされる。
「……る、さい」
――――けどな、仲間を大切にしない奴は、それ以上のくずだ。
「……ッ、うるさい!!」
そんな事、とっくに分かっている。
時代が悪かっただけなのだ、カカシとて自分の父親が間違っているなんて本心からは毛一本たりとも思ったことがない。
……だけど、それを肯定してくれる人など周りには存在しなかった。
理解してくれる人などいなかった。あまつさえ父親が助けた仲間でさえ裏切り、自分も周りと同じように、掟を破った父親が悪いのだと、自身にそう暗示してこなければ壊れてしまいそうだった。
――――なのに、なんで今になって……自分が欲しかった言葉を、言ってくるのだ……!?
――――なんで、もっと早くその言葉を、自分にではなく、亡くなってしまう前の父さんに言ってくれなかったのっ!!?
「……」
――――自分は今、一体何がしたいのだ?
自分の激情をようやく自覚し、頭の中が冷えてゆくカカシ。
――――アイツを超えて、自分こそが木の葉の白い牙の息子であると証明したい/違う。
――――このまま忍の掟を破らないまま、任務を遂行する/それも違う。
「俺、は……」
葛藤し続けるカカシの脳裏に再び、オビトの言葉が過った。
――――お前の父さんはきっと信じたかったんだ……! その仲間がどんな奴でも、自分が信じた仲間を助けたかったんだと思う。
(そうだ、俺は……)
ようやく、今の自分の気持ちに気づく。
嬉しかった。……自分の父親を英雄と言ってくれた事が。……自分の父親は間違っていなかったと言ってくれた事が。……仲間として自分に怒ってくれた事が。
だから。
(俺は、信じたい……)
自分を信じてくれた仲間を。
(俺たちを繋いでくれたリンを、父さんが間違ってなかったと言ってくれたオビトを……俺は信じたい!!)
ようやく今の自分の本当の気持ちを自覚したカカシの行動は早かった。
オビトが向かった方向とは逆の方を向いて歩いていた足は即座に種を返し、オビトを追いかけんと森の中を疾駆した。
森の中で敵にやられそうになっていた
『そのチャクラ刀……お前、木の葉の白い牙か!?』
「違う……」
カカシは光を灯した目で敵を真っすぐに睨む。
本当の自分から目を背ける必要も、その蟠りもなくなった。
だから、カカシは誇らしく堂々と名乗り出た。
「俺は、木の葉の白い牙の息子だ!!」
言って、カカシはオビトとともにその忍に立ち向かい、カカシの左目が切られたものの、その瞬間にオビトが写輪眼を開眼、オビトはその写輪眼を用いて敵を一突きで倒した。
……カカシを守りたいという一心で開眼した写輪眼だった。
そしてリンが囚われている洞窟の中へと向かい、リンの救出には成功したものの……
敵の罠による落盤で次々と落下してくる岩石。
落下する先はカカシがいる地点、そしてカカシをその地点から押し出した影が一人。
……その影の正体だったオビトが、カカシの身代わりとなって体を岩石で押しつぶされたのだ。
「オビト!」
リンと共に落石により押しつぶされたオビトの元へ向かう。
……あったのは、右半分を押し潰されたオビトの姿だった。
そのオビトの姿を見たカカシは、己の無力さに項を垂れた。
「くそ!」
――――何が上忍だ! 何が隊長だ!
結局は、掟に拘る自分自身の自分勝手さこそが、仲間を死なせてしまったのだ。
……それでもオビトは、最後の力を振り絞ってその目を開けた。
オビトは言う、もう体の痛みを感じないと、もう自分は助からないと。
だからせめて、あの時渡していなかった上忍祝いのプレゼントをやろうと。
――――オレの……この……写輪眼を、やるから……よ……
その写輪眼でリンを守ってくれ、オレもお前の目になって、その力になる。
だから、どうか、オレがいなくなっても、共に戦わせてくれと。
――――里の奴ら……何を言おうと……お前は、立派な……上忍だ、それが……オレの気持ちだ……受け取って……くれ……
時間はもうなかった。
カカシはオビトの頼みを承諾し、リンの医療忍術でオビトの左目の写輪眼をカカシの左眼として移植し、二人はオビトから背を向ける。
――――リンを……頼んだぞ、カカシ……
「……ああ」
もう、仲間を死なせやしない。
アイツを追いかけるのはもうやめだ。
アイツはアイツ、自分は自分。
あいつは「木の葉の白い牙の再来」で、自分は「木の葉の白い牙の息子」。
ただそれだけの関係でしかない。
(俺はこの目と共に、お前との約束と、そして俺たちをつないでくれたリンを守るんだ!)
目覚めた白き獅子はここに、死んでいった親友に誓いを立てる。
自分の仲間は何があっても死なせない、例え掟を破ろうとも、周りから中傷されようとも自分が信じ、自分を信じてくれた仲間だけは何が何でも守り通す。
――――そう、誓いを立てた筈だった。
「カ、カ、シ――――」
――――なのに、なんだろうこの光景は。
守ると誓った筈の少女が、何者かの手によって貫かれていた。
心臓を一突きにされ、貫いた者の手はまるで少女を殺すためだけにあったかのようにバチバチと鳥の鳴き声のような音を発していた。
その手は紛れもない、カカシ自身の手だった。
「リ、ン――――」
何が起こったか分からずに、いや分かろうともせずに呆然としたカカシの手から力が抜けてゆく。同時にリンの体も崩れ落ち、ズチュ、内臓と肌が触れる生々しい感触を残したまま、それは終わってしまった。
……目の前の少女が倒れてから数秒、カカシは自分が犯した事を自覚し、涙を流し
――――友から託された左目は、二重の三枚刃の手裏剣模様へと変化する。
己が悲しみと失意によって目覚めた力は、しかしそれにそぐわぬ“器”であるが故にそれに耐えきれなかったカカシを倒れさせてしまう。
……その近くで、“もう一つの闇”が目覚めてしまった事にすら気付かずに……。
友を直接この手で殺したという事実はカカシの心に更なる影を落とす事になる。
以後、カカシは自らの罪を懺悔するかのように、リンとオビトの墓に立ち寄るようになった。
二度も友の屍を踏み越えて生き残ってしまったカカシに残されていたのは、オビトから言われた一言。
“忍びの世界でルールや掟を守らない者はクズ呼ばわりされる。だが、仲間を大切にしない奴はそれ以上のくずだ”
もう壊れかけたカカシの心を支える、否、縛っているこの言葉こそがかろうじてカカシを前に進ませんとし、そしてカカシをカカシたらしめる唯一のものとなっていた。
そして、カカシは自らを戒める為に、暗部へと入隊。
「コピー忍者」・「冷血カカシ」という仮面を自ら被り、そして友の言葉を忘れぬよう自らを戒め、影から木の葉を支え続ける決心をした。
第三次忍界大戦が終結し、その戦績を称えられて火影となったミナトの下で暗部として暗躍し続ける中、カカシを傍に置くミナトの前に、唐突にその少年は現れた。
そして、火影であるミナトにこう宣言した。
「里ではなく、国直属の暗部を設立する」
いくら上忍とはいえ、まだ十四歳でしかない筈の少年がそう宣言したのだ。
突然の爆弾発言にミナトも、そして内心ではカカシも呆然とするだけだった。
――――人員はどうする?
――――そもそも何故それが必要なのだ?
そんな疑問を抱き続ける彼らに、少年は眉一つ動かさずにそれを淡々と説明する。
一般人、侍、および自衛の手段を持たない大名たちと忍との力の差と、そこから生まれる忍に対する不信。
国の中心に連れていかれた少年だからこそ、見て、知ることができた事実。
今まで里の忍や三代目、現火影である自分ですら見向きもできなかった問題を指摘され、その事実を叩き付けられたミナトはそれを承諾せざるを得なかった。
承諾を得るや否や、さっそく里から数人の忍を引き抜き(その中にはまだアカデミーを卒業していないうちはの女児もいた)、各地に散らばる腕の立つ抜け忍を片っ端から集め、暗部を設立した。
設立されたその暗部は数か月で国のために様々な功績を上げ、やがて名を暗殺組織「天照院奈落」と改める事となる。
その頭であった少年はやがて大名たちから「八咫烏」の異名を授かり、国に貢献し続けた。
また、平和方針を掲げた小国により切り捨てられた忍び里を買い取り、それを建て替えて奈落の養成機関とし、正式な人員育成所も早期に確保した。
これだけの短い期間で示された少年の行動力にカカシは度肝を抜かれてしまった。
――――お前はどうして、そこまでできるんだ?
以前のような劣等感はもう抱かなかった。純粋な驚愕と疑問だった。
自分より一、二つ上である少年もまた辛い思いをしてきた筈なのに、なぜ眉一つ動かさずに淡々と成し遂げることができるのか。
カカシの心は再び、違う形で少年に釘付けられる事になった。
――――その最中に、その厄災はやってきた。
突如、九尾の妖狐が里を襲撃した。
尾獣の一角にして最後の数字を駆るその化け物が、何の前触れもなく里を襲撃してきたのだ。獣と言えど人に等しい心を持つはずの尾獣にそれを有している様子はなくただ暴れまわり、里に蹂躙の限りを尽くす。
多くの犠牲者が出た。
多くの命が失われた。
里の忍が総出でかかり、それでも化け狐にとっては有象無象でしかなかっただろう。
幸い四代目火影、つまり
だが、里出身の忍の中で、英雄と謳われながら駆けつけることはおろか、駆け付ける素振りも見せなかった者が一人。
天照院奈落首領の少年その人だった。
里の英雄でありながら、里の危機に駆けつけようともしなかった彼に、里の民衆たちは一斉に敵意を露わにした。
それは、カカシの父親が受けた誹謗・中傷を遥かに上回るひどいものだった。
『卑しい烏』
『国に尻尾を振った元英雄』
決して少年が悪い訳ではなかった。
奈落は大名の護衛組織にして、国の中心を守る御徒歩士組の集団だ。
態々里から大名の護衛を派遣する手間を省かせる為に設立された組織が、里の救援にかけつけるなど本末転倒。
彼は、心を押し殺して自分の任を全うしただけなのだ。
その結果がこれだった。
(どうして……)
里の民衆の有様に、まだ十三歳だったカカシはその拳を震わせ、沸々と憎悪に近い怒りが彼の中に湧き上がってきた。
彼の父親の時もそうだった。
――――任務を放棄し、仲間を選んだカカシの父親。
――――自らの想いを押し殺し、尚任務を全うした少年。
「木の葉の白い牙の再来」とうたわれていたにも関わらず、少年が取った選択は皮肉にもカカシの父親が選んだ物とは真逆なもの。
なのに、少年もまた自分の父親と同様に誹謗・中傷を受けている。
(こいつらは……英雄一人が何か一つでも自分たちにとって気に入らない事をすれば、一方的に攻め立てずにはいられないのか……!!?)
元々、父親の件もあって木の葉に対して暗い感情を抱いていたカカシだが、この一件をきっかけに再び里に対するその感情を強くすることとなる。
しかも、少年と共に里を出て奈落の一員となった木の葉の忍すらも奈落を抜け、少年を中傷する側に回ったと聞く(ただ一人を除いて)。
これではまるで自分の父親の時の二の舞ではないか。
――――なあ、オビト。
カカシは今は亡き友に問う。
――――ここは、この里は……掟を破ってまで守る価値があるのか?
――――いや、そもそも掟に従う価値すらあるのか?
そんな疑問を抱いたまま、八年の歳月が過ぎ、カカシが二十一歳になった頃。
木の葉の民衆の奈落に対する不信とは反比例するかのように、奈落という組織の規模は強大になってゆき、瞬く間に一大の暗殺組織へと成長していた。
そして現在、またカカシの闇を深くするような出来事が目の前に起こっていた。
『おらっ、思い知ったか化け物』
『お前のせいで!』
『貴様のせいで!』
大人たちから謂れのない暴力を受ける子供が一人。
地面に這いつくばらされ、力一杯に踏みつけられる。
何度も何度も。
自分たちの鬱憤が晴れるまで、そして子供の顔を見てはまた鬱憤が溜まり、また暴力をふるい続ける。
……そして、周りにいる大人たちもまたソレを止めようとはせず、まるで子供に侮蔑するかのような視線を向けている。
「――――……っ、……ッッ!!」
子供は必死に耐えていた。
自分がこうして暴力を振るわれる理由は分からないが、反抗すれば今以上にひどい事をされるという事を理解していた。
故に、耐え続ける。
いつか、自分が大人たちを見返すその日が来るまで、子供は耐え続ける。
『お前のせいで、オレのお袋が……!!』
『息子が……!!』
『娘が……!!』
『弟が……!!』
そんな子供の苦悩などお構いなく、大人たちは憎悪のままに子供に暴力を振るい続ける。
我を忘れるかのように、あの事件の惨状を思い浮かべる度、大人たちの子供に対する理不尽な憎悪は増大し続ける。
(何故だ……)
彼らの来訪を伝える任を請け負い、そして偶然その現場を目撃してしまったカカシは今にもそこに飛び出したいという欲求を抑えながらそれを見ていた。
……少年が迫害される理由など本来なら何処にもない。
いや、むしろ知らずの内とはいえ里を壊滅寸前まで追い込んだバケモノをその身を持って背負っているというのに、本来ならば少年が感謝されてしかるべきなのに……
――――この仕打ちは、何だ?
(いつから……)
――――いつから、木の葉はこんな場所に変わった?
一部の者が謂れなき汚名を背負い、そして民衆がそれを破滅に追い込むまで誹謗・中傷の対象とする。
……今度は、自分たちをも破滅に導く行為であるという事すら知らず、お構いなしに叩いている。
いつから、こんな場所に……?
――――そんなの、最初からだろう?
幼い頃、自分の父親がたった一度の御法度を犯しただけで、こんな有様になったではないか。
(これの何処が、『火の意志』だと言うんですか、ミナト先生……!?)
忍とは耐え忍ぶ者、師であった自来也の受け売りでミナトもまた自分にそう言ってきた記憶があるが、どこが耐え忍んでいるというのだ?
――――耐えているのは、あそこでただ迫害されている忍にもなっていない子供ただ一人だけではないか!?
――――一部の者だけが耐え、大半はその一部の者を心壊れゆくまで誹謗・中傷する事が耐え忍ぶ事だとでも言うのか!?
『火の意思』とは、一体なんなのだ?
心の中で葛藤するカカシ、その間にも少年に対する民衆の迫害は続いてゆく。
そしてついに――――
『まだだ化け物め、コイツをくらえ!』
ガラス器具を取り出す大人たち。
態々自宅から取ってきたのか、それともたまたま持ち合わせていたのか、傍観している側の連中から譲られたのか分からなかった。
そして、大人たちはそれを少年に向けて投げつけた。
(――――っ、いかん!!)
少年に迫りくるガラス器具を目視したカカシは物陰から飛び出そうとする。
いくら九尾の影響で傷の治りが早いとはいえ、あの歳の子供が怪我を負ったら変な治り方をして一生後遺症として残る可能性だってあるのだ。
いくら人柱力でも、これ以上は――――!!?
――――シャラン、と音が響く。
その男の突如の出現に飛び出そうとし身を乗り出しかけたカカシの体が止まる。
カカシも、少年も、そして民衆もその男の突如の割り込みに呆然となった。
……いや、それよりも……
(錫杖の音圧で、投擲されたガラス器具を割る……だと!?)
割り込んできた男は幼い頃のカカシの在り方を狂わせた存在(※本人は無意識)にして、いまだにカカシの中でも大きな存在である男。
天照院首領にして、奈落最強の凶手、
「……去ね」
貫禄と静かな威圧を感じさせる声が、我に返った大人たちの耳に響く。
立っているのは八咫烏の紋章が付いた法衣を身にまとう虚無僧姿の男。
「聞こえんか、去ねと言ったのだ。お前たちの叫びも慟哭も、この小童には何一つ届きはせん。届くとすればそれは、小童に当たり己が虚無を満たさんとする貴様ら自身の醜さだけであろう」
『何……だと!?』
男の言葉に大人たちが噛みつく。
自分たちの何が分かるのかと、あの少年は化け物だと、人間じゃないのだと。
そんなバケモノなど、
「ほう……ならば今ここで、貴様らの望み通りにしてやろうか?」
朧がそう言うや否や、後ろにいた部下の男性が後ろにいた少年を大人たちの前へと突き出し、持っている錫杖で上着をたくし上げ、錫杖から仕込み刀を抜き、それを少年の腹の封印式に突き付けた。
「この童の命は、貴様らの思いのまま」
『――――ッ!!?』
その光景に、大人たちの顔が青ざめていく。
「さあ、言うがいい。この小僧を殺すか否か。答えなければ十秒後にこの小僧の腹を掻っ捌く」
『――――ッッ!?』
それは如何に残酷な選択肢であるかをわからないカカシではなかった。
確かに大人たちに自身の醜さを自覚させるにはうってつけの選択肢かもしれないが、それにしたってひどい選択肢であると思う。
……しかも、態々「殺す」ではなく「腹を掻っ捌く」というあたり更にえげつなかった。
「どうした……この小僧など死んでしまえばよかろう? 何故躊躇う必要がある」
冷淡な声で、しかし煽るような口調で大人たちに問いかける朧。
そして回答を渋る大人たち。
(何て奴だ……一瞬にしてこの場の主導権を完全に握りやがった……!?)
まるで八咫烏の巨大な羽根がこの地に根を下ろし、支配しているような錯覚に陥るカカシ。
……そうしている間にも、制限時間は過ぎてゆく。そして――――
「そうか、ならば決まりだな。――――殺せ」
部下の男にそう命令を下す朧。
仕込み刀が少年の腹へ振り下ろされる直前――――
『ま、待て!! やめてくれ!』
『お願い!! やめて!!』
『頼む、この通りだ!』
そして大人たちは、大衆の前で自らの醜悪さを認めてしまった。
部下の男の手が止まる。
「……所詮、お前たちはこの程度だ。己が怒りと殺意を年端もゆかぬ小童にぶつけ、しかしその先にいる己が本当に憎むべき仇を恐れ、殺さないように配慮しながら痛めつけることしかできない。……その愚行こそが、あの厄災を再び招く爆弾を刺激し、お前たち自身の寿命を縮めている事も知らずに……」
カカシは目撃した。
朧のこの発言で、傍観していた側の人々の白い目線が、少年から彼らへと移り変わってゆく所を。朧の発言で、彼らの少年に対する認識が180度覆されてゆく様を。
「それでも尚それを続けるというのであれば――――」
何も言い返せずに黙る大人たちに背を向ける朧。
その背中すら、誰にも踏み込めない、そこに踏み込むのは即ち八咫烏の神域に踏み込むのと同義であると語っているようだった。
「四代目もあの世で嘆いていよう……己の命を賭して護った者たちが、己が為に憎しみに手を焦がし、その命を散らしていくことを」
最後に、カカシですら背筋が凍るような冷たい声で、大人たちにそう言い残し、朧は部下と共に背を向けて歩いてゆく。
『――――ッ』
そして、四代目という単語を耳にした大人たちは背を向いて歩いてゆく者たちに再び食いついた。
『なら、お前たちはなぜ来なかった!?』『四代目は命をかけて俺達を守ってくれたのに、お前たちは一体何をしていた!?』
(……その四代目の犠牲を、他ならないお前たちが無駄にしているという事に、何故気付かない?)
カカシからしてみれば、四代目を、自分の尊敬する師を侮辱しているのは朧ではなく、他ならぬ大人達であった。
つくづく里の民衆たちに落胆させられるカカシであったが、すぐに別の事に気づき、その思考を破棄した。
(いや、違う! これは……)
朧の先ほどの言葉は、里の民衆たちを侮蔑するために放たれたものではないという事に気付いた。
――――彼らの矛先を自分たちに向けさせ、そしてその隙に少年を逃がすためのものだ。
朧のもうひとりの部下の女性が装束の袖から紙切れを放ち、それが風に乗って少年の手に渡ってゆく所をカカシは目撃した。
その紙切れを覗いた少年が、一度朧とその部下たちを見上げた後、そそくさとこの場から去っていく所を見たカカシはほっ、と胸を撫で下ろした。
そして、大人たちの誹謗・中傷を物ともせずに平然と立ち去ってゆく朧の背中を見つめた。
――――瞬間、朧が一瞬だけ自分の方に顔を向けたのを、カカシは見逃さなかった。
(気付かれた……いや、気付いていたのか……)
生憎、朧は深編笠を被っていたため、その表情は最後まで分からなかったが、まるで自分をもう一度確認するかのような感じだった。
そして、カカシはある結論にたどり着いた。
(まさか……俺の代わりに!?)
その結論にたどり着くのに時間はかからなかった。
朧は日向一族の出だ。
深編笠の下でこっそり白眼を発動し、自分の位置を確認していたっておかしくない。いや、彼ならばそれをしなくても自分の位置なんてわかったかもしれない。
だからこそ、辻褄があった。
暗部である自分が少年を助けに行ったところで、火影直属の部隊があの少年の味方をしてしまえば、火影の信用にも関わってしまうだろう。
だからこそ、彼が代わりに割って入ったのだ。
奈落は元から木の葉の民から嫌われているため、逆に問題になることはない。いや、嫌われていなければ、民衆の矛先を自分に向けさせ少年を逃がすと言った芸当もできなかっただろう。
カカシが割り込もうとした直前に、彼はそこに割り込んできた。
彼とて一組織の頭として里の問題に割り込む事は決して良くなかったであろうが、カカシが割り込めばもっと問題になっていたかもしれない。
何より、カカシ自身が誹謗を受けていた可能性もある。
(お前は、どうしてそんなに……いや、違うな)
あの時、父親が死んだばかりの頃にはじめて目撃していた頃から、彼は強かったのだ。
誹謗と中傷を浴びても、目もくれずに何処かを見据える目を、カカシは最初は何も感じなかった。
だけど、今ならあの目の意味も分かる。
(お前は、最初から強かった)
あくまでカカシの想像でしかないが、もしかしたら、最初から自分が何をすべきかを、自分の将来の忍像を見据え、耐え忍んでいたのかもしれない(実際は如何にして生き残るかを必死で考えるあまり周りの目を気にする余裕がなかっただけなのだが)。
今にして振り返って、彼に対して激情や劣等感を抱いていた自分が恥ずかしくなってきた。
ただ先を見据えずに掟にこだわっていただけのあの頃の自分が、彼に勝てる訳がなかったのだ。
――――そこから更に五年。
すでに暗部をやめ、担当上忍をする任を火影から与えられていたカカシは、今まで卒業演習で一人も合格者を出した事がない担当上忍として知られていた。
“忍びの世界でルールや掟を守らない者はクズ呼ばわりされる。だが、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ”
未だに今は亡き友の言葉に縛られていた彼は、仲間よりも任務を達成せんとする卒業者たちを次々とアカデミーに返していった。
中には折れてアカデミーをやめるものまでいた。
それでもカカシは、己に定めた卒業演習のルールを変える事はなかった。
しかし、カカシが理想とする卒業者は未だに出てこず、それでもあきらめずに続けてきた。
――――そして、暫くして転機が訪れた。
彼が新しく担当する班のメンバーは以下の通りだった。
あの時、迫害されている所を朧に助けられた少年、うずまきナルト。
実の兄に、一族を滅ぼされ、ただ一人生き残った少年、うちはサスケ。
そして、そのサスケに惚れている春野サクラ。
そして演習の結果はまあ……散々だと言ってよいだろう。
ナルトは何も考えずに一人で突っ走り、挙句の果てには用意された弁当を勝手に食べようとした。
サクラは傍にいるナルトに目もくれずにサスケを探すばかりであり、演習内容にすら興味を示さない始末。
サスケは他の二人を足手まといと決めつけ、ナルトと同じく一人で突っ走る。
協調性もチームワークもない。
このままでは今までと同じくアカデミーに逆戻りコースか、もしくは忍者をやめるかの二択だ。
……だが、まだカカシの演習は終わっていない。
カカシが与えた最後のチャンスだった。
表向きは一人で弁当を勝手に食べたナルトに罰として弁当を取り上げ、そしてそのナルトの前で二人に弁当を食わせ、再演習を行う。
だが、それ自体が、カカシが彼らに課したもう一つの、いや、本命の演習と言ってよかった。
初演習で連携が取れないのは仕方がない、それは実戦や修業で慣れていくしかないだろう。
問題は、彼らが如何に仲間を思いやり、大切にする事ができるか。
特にナルトは奈落の入隊を志願した経歴がある。……窓口に出した途端その志願書を破り捨てられたようだが。だが、どのみちナルトがカカシの理想とする忍でなければ、カカシはナルトを絶対に彼のいる奈落に入れさせはしないだろう。何故なら奈落に入る際には、その腕前よりも、その志願者にある“特殊な覚悟”があるかどうかである。一人で突っ走るナルトにそれが務まる筈がないのだ。
――――だから、ここで見極める。
彼が、自分が担当するに値する忍であるかを試す為に。
そして――――
『……ほらよ』
サスケが、開けた弁当をナルトに差し出してきた。
「――――ッ!?」
カカシは目を見開き、その光景に目を見やる。
サクラもまたそれに続いてナルトに自分の弁当を近づけ、動けないナルトの口に食べ物を掴んだ箸を近づけた。
足でまといのままでは困ると言いながらもナルトに弁当を分けるサスケ、ナルトにごめんなさいと謝って弁当を分けるサクラ。
それを見つめるカカシは、彼らに一途の希望を見出した。
(オビト、俺は未だに迷っている。ただ里のために動けばいいのか、それとも父さんを死に追いやった里に見切りを付ければいいのか……)
里はカカシから多くの物を奪い、そして失望させてきた。
だが、カカシがこうして『はたけカカシ』でいられたのも、彼が同期の仲間に恵まれていたからこそ。
(何故あいつがああまでして国と里を守るために歪な忠義を持って国に自分を売り込んだのか……そんな価値があるかも分からない……)
(もし、その価値があるのだとしたら、それはあいつらなのかもわからない……けど、これだけは言える)
カカシは弁当を分け合う彼らの微笑ましい光景を見て、新たな決意をした。
九尾の人柱力、うちは一族の生き残り、そんな彼らと同じ班になってしまった少女……彼らもいずれ里の闇を見ることとなるだろう。
彼らの立場も考えるとそれは尚更だ。
――――その闇に食われて、破滅してしまうかもしれない。
日の当たる場所へと足を踏み入れるカカシ、そして煙玉を用いて突如とナルト達の前に現れた。
「お前らぁっ!!!」
怒っているように見せかけ、ドスをきかせた声でナルト達に叫ぶ。
その形相に三人はしまった、と怯えながらカカシを見つめた。
そんなカカシに彼らは、表情を怒りから笑顔に変えて言った。
「ごーかっく♡」
(いずれ闇を見るこいつらが、もしその闇に押しつぶされそうになったら、俺が支えてやろう。二度と俺のような奴が出ないように……俺がこいつらを何としても守ってみせる!)
こうして、カカシ班の物語は幕をあけた。
とりあえず書いてみて思ったこと……この人なんで闇墜ちしなかったんだろう?
ヒナタ「お願い、ナルト君を助けて!」
朧「アイマム!」
カカシ「こいつ……俺の代わりに!?」
天照院奈落のどんなところが好き?
-
錫杖を使っているところ
-
弓を使っているところ
-
装束が好み
-
単純に朧が好きなだけ
-
全部