【未完】問題児たちが世界の引き金を握っているそうですよ? 作:銀炭
ほんとなら昨日のうちに上げるつもりだったんですが、時間がなくて日付が変わってしまった。
その上焦りんがら書いてたんで後半内容が薄くなってるかもしれないです。
太陽が地平線の彼方に沈み、逆に人工の光で眩いほどに照らされる町。
軽快な音楽が流れ、夜とは思えないほどの活気に満ちている。
カボチャのお化けを象ったイルミネーション、魔女や吸血鬼、ゾンビなどの衣装に身を包んだ市民。
10月31日 午後7時
三門市はハロウィン真っ只中である。
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三門市にある孤児院、カナリアファミリーホームでもハロウィンは盛大に祝われる。孤児院設立者の女性が絶対に譲らない物事の一つであり、それを受け毎年の恒例行事となっていた。
勿論、今年もカナリアファミリーホームではハロウィンパーティーが行われるわけで、
「よし、これで最後だな」
我らが筆頭問題児、逆廻十六夜はパーティーの準備を完璧に終えたところである。
普段は食堂として使っている大広間から長テーブルを全て撤去し、パーティー用に買ってあるラウンドテーブルを適当な感覚で並べる。
天井や壁にはハロウィンらしい飾り付けがバランスよく、しかし問題児らしく設置された。そこはバランスを重視して欲しいところなのだが、この男にはどこか違う部分がないといけないという使命感でもあるのだろうか。
「焔、鈴華、始まるまで休んでていいぞ。けど摘まみ食いは無しな」
「うっ、あっさりバレてる・・・。何で気づくのさイザ兄!」
「いや気づかねぇほうが可笑しいだろ、テーブルから髪の毛丸見えだ。あと焔、お前は止めろよ」
「無茶言うなよイザ兄、元気の塊を止めるのは難しいんだ。俺は降参」
ヒラヒラと手を降っ振って諦めの意思表示。焔にはもうちょっと頑張ってほしいところ。あと鈴華は落ち着いてほしい。
ゴツンと拳骨を落とした十六夜は涙目で講義してくる妹を華麗にスルーし、スマホを確認する。
「あー今日の参加メンバーは・・・春日部、お嬢様さま、彩鳥、遥、時枝、歌川、弾バカと槍バカ、とりまるか。他は来れないみたいだな」
那須隊や高3組、一部の大学生組も誘っているのだが、体調だったり年上ということで遠慮していたりと大体はこのメンバーだ。ちなみに太刀川やお荷物くんは一度も誘われていない。遠慮なしの駄目大学生とウザったい御曹司は性格面から十六夜に避けられている。
「そろそろ着く、っと。来たのか、案外早かったな」
ピンポーンとチャイムが鳴り、ワイワイガヤガヤと主にバカ二人の声がマイクから聞こえる。いつも通りだ。
玄関まで歩いていき、ガチャリとドアを開ける。
「イザッチ!トリックオアトリ」
「てい」
「ぐわあああああやられたあああ!!」
とりあえず槍バカ──────米屋陽介に腹パンを入れる。他の面子を中に入れ、ガチャリ。ガチャン。
「え、ちょっと待ってイザッチ!?何で俺だけ入れてくんないの!?」
「開口一番に菓子を要求してくるような礼儀知らずにやる菓子はねぇな。それにほら、トリックオアトリートってお菓子くれなきゃ悪戯されるぞ!だろ?」
「いやちげぇから!それ逆!てか早く入れてくれ結構寒いんだよ!」
「ならそこで土下座して謝れ」
「え、いや土下座はちょわかりましたさせて頂きますだから入れて!」
寒さに耐えるだけの元気はないようで、プライドをかなぐり捨てて土下座をする槍バカ。ドアを開けた十六夜はその頭をグリグリと踏む。
「無様だなぁ、ヨネヨネ」
「ヨネヨネ!?なんだその馬鹿っぽいネーミング!?」
「いや実際馬鹿だろ槍バカ。っとそうだ逆廻、毎年悪いな」
「ヤハハ、気にすんな。盛大にやれってのがクソババアからの伝言だしな」
一応礼を言ってきたのは弾バカ─────出水公平。
「逆廻先輩、毎年ありがとうございます」
「俺らまで世話になって」
「正直申し訳ないです」
「だから言いっつってんだろ。お前らはうちのチビ共の相手もしてくれて助かるしな」
礼儀正しく挨拶するのは名クッション歌川ともさもさした男前烏丸、デキルキノコ時枝。毎年ハロウィンパーティーに来ており、手伝いもしていく。良く出来た後輩である。先輩よりも。
「こんばんは、十六夜くん。今年もお邪魔させてもらうわ」
「十六夜、料理ある?」
「あるから心配すんな、でもがっつくなよ。それとお嬢さま、また大量に持ってきたな」
逆廻隊の久遠飛鳥と春日部耀。まず料理の話から入るあたり相変わらずの耀。バスケットに菓子を詰め込んで持ってきている飛鳥。二人とも(方向性は違うが)やる気で満ちている。
「こんばんは、十六夜さん。月が綺麗ですね」
いきなり遠回しの告白をぶつける逆廻隊新人、久藤彩鳥。最初に比べて随分大胆になったものだ。最近なにかとアタックしているのだが、
「よう、彩鳥。確かに良い月だがそれがどうかしたか?」
この朴念仁には通用しない。万能人間十六夜の欠点、恋愛方面での致命的な鈍さ。
「こんばんは、十六夜くん。今日もよろしくね」
「ヤハハ、毎年のことだ。我が家みたいに来てもいいんだぜ?」
嵐山隊オペレーター、綾辻遥。十六夜と誰よりも仲の良い彼女は、十六夜にとって身内であり最も近い存在なのだろう。サラッとこの発言。
「ところで十六夜くん」
「なんだ?」
「何時まで踏んでるのかしら、米屋さん。動かないのだけれど」
「あ、忘れてた」
槍バカに合掌。
──────
「よし、いいなお前ら!」
十六夜が広間の前方にグラスを持って立つ。ボーダー組も全員テーブルの近くに立ち、孤児院の子供たちもそれぞれ好きなところにいる。
「んじゃ、今年もハロウィンだ。目一杯楽しめよ!乾杯!」
『かんぱーい!』
「あ、弾バカてめぇ俺のやつ取ってんじゃねぇよ!」
「ハハッ、アタッカーのくせに動きが遅いぜ?」
「からすまお兄ちゃん!トリックオアトリート!」
「よしよし、これを上げよう」
「時枝、これこっちでよかったよな?」
「ああ、そこでいいよ」
「春日部さん、十六夜くんにがっつくなって言われてたわよね?」
「むぅ、これで抑えてる」
「遥さん、最近イザ兄とどうなんです?」
「す、鈴華ちゃん!?どうってそんな・・・」
「こら鈴華、あんまり遥さんをいじめるな」
「イザ兄、おかしちょーだい!」
「おいこらまずは並べ、それからトリックオアトリートだろ」
パーティー開始から数十分。料理を食べ、菓子を貰い、また食べ。
とにかくパーティーらしく騒いでいる。
「あ、十六夜くんあっちのお皿料理がなくなってる」
「うおマジか。とりまる、あの皿頼む!」
「わかりました」
子供たちの相手をしながら周りを上手く見ている十六夜と遥。それをサポートする烏丸たち後輩組。
「お、よしいい子だな。ポテチ一袋だ、仲良くわけろよ」
「トリックオアトリートってちゃんっと言ったら飴が待ってるぞー」
「春日部さん、あっちにもお願い」
「飛鳥、お菓子足りない」
「姉さん、こっちもお願いします」
高2組も意外としっかり対応している。逆廻隊は言わずもがな。
騒がしく、楽しく。町同様にカナリアファミリーホームにも活気が満ちていた。
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さらに時間が経ち、午後10時。子供たちは疲れて眠り、メンバーも片付けをしていた。
「十六夜くん」
「ん?どうした遥」
皿を運んでいた十六夜に、遥が不意に近づいてきた。なにやら少し期待したような顔の遥に十六夜は首を傾げる。
「トリックオアトリート」
「あ、悪い。菓子なくなっちまった」
お菓子ちょうだいである。しかし遥の目的は別にあった。
「・・・なら、悪戯しちゃうからね」
「いや悪戯って何を───────」
ふわっと。十六夜の頬に、柔らかいなにかが軽く触れた。
ピシッと固まる十六夜。顔を赤くしながら微笑む遥。
「──────ありがと」
ハロウィン特別篇、どうでしたでしょうか。
もっと時間に余裕を作るべきだと改めて実感しました、まる。
感想待ってます!