【未完】問題児たちが世界の引き金を握っているそうですよ?   作:銀炭

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では第一話、どうぞ!


1話 ボーダー問題児たちの日常①

那須隊との一人合同任務があった翌日。十六夜は自宅であるカナリアファミリーホームで学校へ行く支度をしていた。

 

「焔、鈴華。お前らも遅れねーようにしろよ」

 

「わかってるよイザ兄、って鈴華!早くしろ!なんでまだ着替えてないんだよ!?」

 

「ええーいうるさい焔!急いでるからちょっとま、ってうわわ!!」

 

「・・・・・・俺はもう行くからな、お前ら怪我すんじゃねぇぞ」

 

朝から慌ただしい弟たちに呆れながら、とりあえず学校行くかと十六夜は家を出た。

 

_________________

 

 

「ふああ、ったく。あいつらは朝くらいちょっとは静かにできんもんかねぇ」

 

あくびをしながら通っている進学校への通学路をスタスタと歩く十六夜。もうちょい経てば落ち着くかと結論付けておく。それがいつになるかはさて置いて。

彼の住む家、カナリアファミリーホームは所謂孤児院と呼ばれる場所だ。ただ、カナリアの家は普通の孤児院とは違う。身寄りのない子供たちを保護するところは同じなのだが、カナリアの家に集まるのは〝特殊な力〟を持った子供たちだ。普通の人間にはない異能を持つが故に、恐怖され捨てられた。そんな子供たちの家がカナリアの家なのだ。だが今は置いておくとしよう。何故なら、

 

「・・・・・・」

 

我らが問題児が薄暗い路地を睨みながら絶賛不機嫌オーラを発しているからである。

路地の前を通ったところで声が聞こえた。どうやら朝っぱらからナンパらしい、しかもナンパされているのは十六夜の知る人物のようだ。

はあ、とため息を吐いて路地裏へと歩を進める。イライラの解消にでも使われるであろうナンパやろうが哀れに思えてくる。それほどまでに十六夜は不機嫌であった。

 

「・・・!」

 

「・・じゃ・・かよ?」

 

「ほら、俺た・・遊ぼう・!」

 

「やめてください!」

 

ハッキリと、拒絶の意思が聞こえたところでナンパ野郎のもとにたどり着いた十六夜は穏便にすませるかと

 

「おい、あんたら」

 

「あ?誰だてめぇ、部外者は引っkゲフウ!?」

 

片方を殴り飛ばした。壁まで吹き飛ばされ叩きつけられたナンパ野郎1はそのまま気絶。

 

「な!?くそ、何しやがんdぶべら!」

 

「オラオラもう一発オマケだ!!」

 

「ほがあ!?」

 

もう片方は合計2発くらって瀕死。殴った本人は満面の笑みを浮かべて

 

「ふぅ、スッキリしたぜ」

 

どうやら反省する気はないらしい。まあこの男に反省しろと言うのが難しいのだが。

 

「っとそうだ、大丈夫か?遥」

 

パッパッと手を払いながら絡まれていた少女、綾辻遥に十六夜は問う。

 

「あ、うん、大丈夫だよ。ありがと、十六夜君」

 

若干戸惑ったようにお礼を言う綾辻。彼女は十六夜の通う高校の生徒会副会長であり、十六夜の幼馴染だ容姿端麗、成績優秀、芸術面壊滅と隙のない少女だ。が

 

「それより、こんなとこ一人で歩いてんじゃねぇよ。オペレーターは戦闘力皆無みたいなもんじゃねぇか、一部を除いて」

 

「だって、ナンパされるなんて思ってなかったんだもん」

 

「いや、お前自分の容姿の良さに気づかねぇのか?」

 

自分の容姿のレベルの高さを理解していないのである。十六夜から見てもそうとう高いのだ、一人で歩いていたらナンパされてもおかしくない。

 

「・・・・え?え、ちょっと十六夜君何言ってるの!?」

 

「あ?何って忠告じゃねぇか。お前かわいいんだから」

 

ちなみにこの発言、特に意識しているわけではない。ただ思ったことを淡々と述べているだけである。朴念仁の恐ろしいところだ。

 

「~~~!!だ、だったらさ、十六夜君」

 

「ん?なんだ?」

 

「お、お願いがあるんだけど・・・」

 

顔を真っ赤にしながら、勇気を出して、少女は言った。

 

「登校するとき、一緒に行ってくれない・・・?」

 

「ああ、いいぞ」

 

2つ返事だった。綾辻が意を決してというレベルで言ったのに、十六夜は考える素振りすら見せずに承諾。思わず綾辻は唖然とする。

 

「おい、遥、どうかしたか?」

 

「え?あ、うん!何でもないよ!(即答!?なに?私が勇気出して言ったのはなんだったの!?)」

 

顔を覗き込まれてさらに焦る綾辻。表面上冷静を装うとするものの、内心大パニックのせいで顔は赤いままである。

 

「そうか、ならさっさと行くぞ。遅刻したくねぇだろ」

 

すたすたと路地裏から出ていく十六夜、急いで後を追う綾辻。不意打ちが多すぎていまだに冷静になれていない。やはり彼女も一人の女子だった。

 

________________________________

 

 

「んで、どうしてそんなに近いんだ?」

 

「いいでしょ。さっきの、結構怖かったんだからね」

 

「とてもそうは見えなかったけどな」

 

あれから暫く通学路を歩き落ち着いた綾辻は、十六夜にほとんど密着した状態で歩いている。

 

「にしても久しぶりだなぁ、こうやって十六夜君と並んで歩くの」

 

「まあ、数年ぶりではあるな」

 

「ほんと、何年か前から学校と本部以外じゃ会ってくれなくなっちゃったし」

 

「仕方ねえだろ、俺らだって忙しいんだよ。第一、お前らだって広報で時間なんてあんま取れねぇだろ」

 

「うーん、まあ、そう考えると仕方ないね」

 

他愛のない話をしながら、並んで歩く。たったそれだけのことが、綾辻には嬉しかった

 

「あ、着いたね」

 

「じゃあまた放課後になるな」

 

「うん、じゃあね十六夜君」

 

軽い足取りで教室へと綾辻は向かった。その後ろ姿を見て、

 

「・・・・・・なんかあったのか?あいつ」

 

検討違いのことを考える十六夜であった。




目標3000文字にはまだまだ届きそうにないですね・・・頑張って増やしていきます。
原作はまだスタートしません、しばらくは問題児たちの日常でお送りします。
では、感想などお待ちしています!
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