――様といっしょ   作:御供のキツネ

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オリ主はダメ人間製造機(弱)
ヨシテル様に対してはダメ人間製造機(強)
尚、自制中。


ケンシン/シンゲンさまといっしょ

 武田様と上杉様が満足するようにと、下ごしらえから気を使った料理が遂に完成間際だ。しかしそうなったのは良いのだがあの二人はまだ浴場から出てきていないらしい。どうせ蒸し風呂にでも篭っていて出て来ないだけだろうと予想していたので侍女に声をかけて様子を見に行ってもらう。

 声をかけたときには何事かと警戒もされたが、事情を説明すると納得したようで快く様子を見に行ってくれた。まぁ、蒸し風呂に篭っているのではないか、と言った際にはなんだまたか。と言うような表情になっていたので実は良くあることなのかもしれない。

 それならば俺があれこれと気を使わなくても問題なさそうなので気にせずに料理を続けて完成させる。後は必要な物をあらかじめ聞いておいた部屋に持っていくだけだ。ただ、必要な物が多い。

 料理は勿論として、武田様が食べるということで大量に炊いた白米にツマミ、更にはあの二人が飲むということで尋常ではない量の酒がいる。これを一人で運ぶことは出来ないわけではないが難しい。なのでこれも侍女に説明して手を貸してもらう。

 声をかけた侍女は苦笑いと共に承諾してくれて、少し話をした結果これもいつものこと。ということがわかった。いつものことで済まされるくらいに同じことばかりしていることよりも、やはりあの二人は仲が良いのだな。と納得してしまった。もはや武田様と上杉様は二人で一つの扱いをされているのだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが。

 

 とりあえず、その辺りのことは考えないこととして持って行けば暑いせいだとは思うが大胆に衣服を肌蹴させた武田様と、そうしたいのだろうが俺が来るとわかっていたためにしっかりと着ている上杉様がいた。

 

「あーちー……毎回だけど蒸し風呂で我慢対決はきついぜ……」

 

「そう思うなら次はなしにしなさいよ……」

 

「いや、でも恒例になってるし……」

 

 二人で話をしているがどちらも元気がない。侍女の話と二人の話。それを聞いて思うことは蒸し風呂なんかで我慢対決をするのはやめてしまえば良いのに、ということである。

 ただ武田様が言ったように恒例となっているのならばずるずると引きずってしまい、やめることはないのだろう。それを理解しているようで、上杉様は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。

 

「夕食を持ってきた訳ですが……食べられますか?」

 

「あー……今はそんな気分じゃねぇな…」

 

「そうね……とてもじゃないけれど、食事をする気にはならないわ……」

 

「だよなぁ……そうだ、結城。そこらへん探せば団扇か扇子があるから扇いでくれよ」

 

「シンゲン……流石にそれはないわ……

 子供じゃないんだから自分でやりなさいよね」

 

「良いじゃねぇかよー……なー、ゆーきー……」

 

 大きな子供が現れてしまった。というかやけに甘えてくるのはどうしてだろうか。普段の武田様であればもう少し遠慮というものがあるのに。それに甘えるのなら上杉様に甘えて欲しい。本来俺が甘やかすのはヨシテル様や義昭様だけなのだから。

 それだというのに武田様は間延びした声で話し掛けてくる。そんなに扇いで欲しいのか。そんなに自分で扇ぐのが面倒なのか。

 仕方なしに氷遁で氷の華を一輪作り武田様と上杉様の間に置いた。ただ綺麗なだけではなく周囲の温度を下げるようになっているので、これだけでも幾らか変わる。

 

「あら……綺麗ね。それに何だか涼しくなったような気がするわね……」

 

「確かに……なぁ、これ何だ?」

 

 二人とも興味深そうに眺めたり、つついてみたりしている。まぁ、つついているのは武田様だけで、上杉様は壊れないかと心配しているようにも見える。

 

「氷遁で作った華、というのは見ればわかると思いますが……造形美と機能美の二つを求めた術の先駆けとなるものです。

 まぁ、基本的には夏の暑さを凌ぐ為の、周囲の温度を下げる術になります」

 

 氷遁で涼しくなるには、という師匠が出した課題に真面目に取り組んだ結果完成した術である。完成してから師匠に報告したら「冗談だったんだけどね」と言われたのを今でも忘れない。

 そして幼い頃の冗談の通じない、純粋だった頃の自分の姿は今すぐにでも忘れたい。あの頃のせいで未だに里では子供扱いされることもあるのだから。

 

「へぇ……悪くないわね……」

 

「これ貰っても良いのか?」

 

「構いませんが、温度を下げるのは今だけでもう少しするとただの氷の華になりますよ」

 

「なんだ、ならいらねぇや」

 

 完全に涼む為だけに欲しかったようだが、この術自体幼い頃に作った術であり、特に改良もしていないので効力はそう続かない。精々が華としての形を保つことが出来るだけだ。まぁ、夏の暑さ程度で溶けることはないので置物や飾りとしては使える。

 それを聞いて武田様は興味をなくしたようだが、上杉様はより興味を持ったようだった。

 

「ねぇ、それなら私が貰っても良いのよね?」

 

「えぇ、置物でも何かの飾りでも、お好きなようにお使いください。注意点としては夏の日差しで溶けることはありませんが、火を近付けると普通に溶けます。それと、氷ですので触れば冷たいのは冷たいですね」

 

「誰も火なんて近付けないわよ。

 それにしても夏でも溶けないのは良いわね。見てるだけで何だか涼しくなりそうだわ。まぁ、触れば冷たいなら見るだけの置物には出来ないわね」

 

 そう言ってまだ冷たい華を手に取って大切そうに指先で少し撫でている。その表情は柔らかく笑んでいて、非常に絵になる。まぁ、そんな上杉様の隣でだらけている武田様がそれを台無しにしているのだが。

 

「ケンシーン……その涼しい奴独り占めすんなよー」

 

「はいはい、それじゃ置くけど壊したりするんじゃないわよ」

 

「いくら俺でもそんなことしねーよ」

 

 そうして二人で楽しそうに話をしているがだいぶ落ち着いているように見える。これなら食事も取れそうな気がする。というか今ならまだ炊いてそう時間が経っていないので白米も温かくて美味しく食べられるのだから食べてもらいたい。俺はただ作っただけではなく、美味いと言わせなければならない。

 そのことを考えてわざわざ氷遁を使ったのだ。本当なら放っておいても問題などなかったのに。

 

「さて、そろそろ良いでしょう。食事としましょうか」

 

「お、確かにそろそろ大丈夫そうだな。なら飯だ飯!

 結城が何を作ったのか知らねぇけど、あれだけ自信満々だったんだし期待してるぜ!」

 

「そうね、これのおかげだわ」

 

 言いながら華を手にしている上杉様と飯だ飯だと楽しそうにしている武田様。戦国乙女とは言うけれど、武田様は乙女らしい所がほぼないこは何故だろうか。

 いや、俺が知らないだけでちゃんと乙女なのだろうけれど。とりあえず言えることは上杉様があまりにも武田様相手に乙女らしい一面を見せるせいで、それと比較してしまうのも乙女らしくないと思えてしまう要因だということだ。何故上杉様は男性ではなく女性である武田様にああも乙女の反応をしてしまうのだろうか。そっちの人なのか。

 

 まぁ、そんなことは実際にはどうでも良いことだ。そんなことよりもさっさと食べてもらわなければ。

 

「さて、ではこちらが今回用意した料理になります」

 

 底が浅くそれでいて広めの鉄の鍋に大きめにかつ薄く切った牛肉、少し火で炙って表面を焼いた豆腐に長葱やしらたき、それから春菊に少し大きい麩と上杉様が好きな三歳を数種類ほど入っており、砂糖醤油酒その他幾分かの調味料を合わせた割り下で充分に味をつけている。

 里ではそう珍しくもない料理だが、何故か里の外では食べられることがほとんどないようで武田様と上杉様は非常に興味深そうに見ている。

 

「肉はちゃんと入ってるし、ケンシン用に山菜も入ってるな。で、何なんだこれ」

 

「見たことの無い料理ね……」

 

「すき焼き、という料理になります。

 こうして鍋を使ってはいますが鍋料理なのかと問われると答えに窮しますが……味は保障しますのでどうぞ召し上がってください。ご飯をよそいますが上杉様は標準的に、武田様は山盛りで構いませんか?」

 

「おう、ちゃんと山盛りにしてくれよ!」

 

「それくらいでお願いするわ。シンゲンみたいなのはお断りだけど」

 

 その言葉を聞いて武田様専用の丼に本当に山になるように白米をよそう。普段なら絶対にしないし、する人もいないはずのこれは武田様には良く似合う。むしろ普通の茶碗によそう程度では体調が悪いのかと考えてしまうだろう。

 上杉様には通常の大きさの茶碗に山になるようなこともなく、そして少なすぎることもないようにしてから渡す。ヨシテル様やミツヒデ様と同じくらいの量であり、普通は大体こんなものだ。まぁ、良く食べる豊臣様や前田様、武田様辺りには絶対に足りないのだろうが。

 

「さて、これは用意してあるように少し高い位置に置いてありますが、これはこのようにする為です」

 

 火遁で火を着けてから少し経てばグツグツと音を立てて温かい状態から美味しく食べられる熱々の状態へとなった。美味しそうな匂いが部屋中に充満しており、武田様の腹の虫が盛大に鳴き始めた。

 

「なぁなぁ!食って良いんだよな?充分温まってるし、ってか今が一番美味いだろ!」

 

「あぁ、その前に少し良いですか。

 武田様とは話をしましたが、美味いと言わせたら俺が協力を仰いだ際に力を貸してくれる。ということで良いですね?」

 

「おう!俺に二言はねぇから安心しとけ!

 あ、ケンシンもやるか?」

 

「やるかって……結城の料理を食べて、美味しいと言ったら何か協力しないといけない、ってこと?」

 

「元々は何か褒美をって話だったんだけど、今は特に欲しい物はないって言うしな。それでその内欲しい物とか必要な物が出てくれば手に入れるのを手伝うってことになったんだよ。

 まぁ、よっぽど無茶苦茶なことじゃねぇ限りは手伝うつもりだぜ」

 

 その手伝って欲しいことは榛名を手に入れることなのだが、今は黙っておこう。特に封印の塔の守護者である上杉様に素直に話して反対されるのは困る。約束を盾にしてしまえば上杉様であれば断りはしないだろうし。

 それとこういうことは俺が言うよりも武田様に巻き込んでもらうのが一番だ。俺だと何か企んでいると勘付かれてしまう可能性がある。以前に暗躍していたせいではあるのだが、本来忍とはそういうものなのだから仕方ない。

 

「そうねぇ……まぁ、良いわ。前までの結城だと何を企んでいるのかわからなかったけど、今なら大丈夫でしょうし。……大丈夫よね?」

 

「さて、どうでしょうね。ただ、泰平の世となりましたし、無茶なことをするつもりはありませんよ」

 

「なら良いわ。それに美味しいと言わなければ良いだけだもの」

 

 良し、かかった。料理の腕にも選んだ料理にも自信があるし、言わないようにと思っていても油断した瞬間に零す可能性は充分にある。それに武田様と一緒に居るときの上杉様は基本的に色々とゆるくなっているので楽勝だろう。

 ただ勝利を確信して失敗すると恥ずかしいので内心に留めておく。決して表には出さないように。

 

「良し、話もまとまったしもう良いよな?」

 

 言うな否や箸を持って合掌。確認を取っているようでいて、そんなことはないようだった。

 

「そんじゃ、いただきますってな!」

 

 そして迷うことなく肉へと箸を伸ばして数枚ほど掴むと一気に口の中へと放り込んだ。そうして数度噛んでから山盛りの白米をかき込んで咀嚼する。それから飲み込んでから再度同じ行動をする。

 完全に無言で食べ続ける武田様と何事かとそれを見ている上杉様を尻目に、事前に侍女と話をして持って来てもらうようにしておいた追加の食材と白米の入った御櫃を受け取っておく。この様子だと、足りなくなるかもしれないので更に追加をお願いしたが、武田様が一心不乱に食べているのを見てから頷いてくれた。

 事情を説明するよりも実物を見てもらうのが早いという良い例になりそうなほどに理解がはやかったような気さえする。

 

「武田様が落ち着くまでは放っておくとして、上杉様もどうぞお召し上がりください」

 

「シンゲンが無言で食事をしているなんて、悪いことが起きそうな気がするけれど……まぁ、放っておきましょうか。

 それじゃ、私も……頂きます」

 

 合掌をしてから箸を取り、まず箸を伸ばしたのは武田様のように肉ではなく豆腐だった。ここで真っ先に肉に箸を伸ばす姿は想像が出来ないのである意味では予想通りと言える。

 

「……なるほどね、この鍋の中に入っているこれ自体がしっかり味が付いているから豆腐にも充分味が染みこんでるようね……良いじゃない、気に入ったわ。

 他のはどうかしら」

 

 そうしてしらたきや春菊、長葱や山菜に麩と箸を伸ばす上杉様は全て味わってから頷くという動作を繰り返している。最後に肉を食べてから少し思案するように箸を止めた。

 

「んー……少し味が濃いというべきかしら……一口目はなんてことなかったけれど、食べ続けるとそこが気になるわね」

 

「でしたら溶いた卵に一度潜らせてから食べてみては如何でしょうか。そのまま食べるか、溶き卵に潜らせるか、大体この二通りの食べ方がありますよ」

 

「溶き卵に?ならやってみましょうか」

 

 言いながら小鉢に卵を割ってから渡せば、言葉通りに卵を溶いてから長葱を取り、潜らせる。それを口にして味わっているのだが先ほどよりも口元が綻んでいるので上杉様は此方の方が好みのようだ。

 そのまま他の食材にも端を伸ばし順番に丁寧に味わっている。

 

「溶き卵に潜らせるとなんて言えばいいのかしら……味の角が取れてまろやかになる気がするわ。

 シンゲンはそのまま食べているみたいだけれど、私はこっちの方が好みね」

 

「それは良かったです。あぁ、ほうとうもありますからそちらも冷めないうちに食べてくださいね。武田様はほうとうは眼中にないようなので諦めていますが」

 

「……シンゲンに作るように言われたのよね?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「はぁ……まったく、シンゲンは本当に相変わらずだわ……」

 

「らしいといえばらしいので俺は構いませんよ。なんとなく、読めてはいましたし」

 

「まぁ、確かにそうかもしれないわね……」

 

 それにあの様子を見る限りは食べるのを終えれば期待している通りの言葉をもらえそうだ。上杉様も言葉にはしないように気をつけているが満腹にでもなって気が緩めば口を滑らせるだろうし、今更折角作ったほうとうが冷めてしまったとしても俺は気にしない。気にしないようにする。

 そんな風に自己暗示をかけている間にも武田様は食事を続けているし、上杉様も食事に集中し始めたようで無言で箸を進めている。話すことがないのであれば俺はお代わりを無言で要求してくる武田様に応えて御櫃から再度山盛りでよそい、渡しておく。

 なんというか、ヨシテル様たちが相手であれば特に気にならないのだが普段食事の席を共にしない人と一緒だと微妙に居づらくなってしまう。俺自身が食事をしていないのも要因ではあると思うのだが。

 

 暫くの間、黙々と食事を続けていた二人だがほぼ同時にその手を止めた。

 上杉様は問題なかったが武田様は途中で鍋の中身が空になってしまったので念のために予備として作っていたすき焼きと入れ替えることになったり、追加で肉を足したりとしていたのだが、その間も武田様は無言だった。

 それだけ集中していたということなのだろうが、普段の武田様を知っている身としては無言の武田様は不気味とも言える。黙っていることのほうが少ない、とまでは言わないがどうにも騒がしい印象があるのだから。

 

「ご馳走さん!いやー、美味かった!

 いっつも食うのとは違う味だし、気に入った!後で料理番に作り方教えておいてもらっても良いか?」

 

「それは何より。作り方は簡単ですし、構いませんよ」

 

「なら私も教えてもらえるかしら。そうすれば城に戻ってから料理番に伝えられるしね」

 

 二人とも気に入ってくれたようで良かった。教えるのは構わないので、後はついうっかり上杉様が口を滑らせるのを待つだけだ。

 

「あぁ、それでしたら次は越後に向かおうかと思っていますのでその際にお教えしましょうか。

 武田様から話は聞いているのでしょう?」

 

「ええ、話は聞いているわ。それならその時にお願いするわね」

 

 やはり武田様は俺が何の目的で諸国を回っているのか話してくれていたようで俺からは何の説明もなく話が進んだ。毎度これなら楽なのだが、そうもいかないのが現実である。とりあえず今回は運が良かったと思っておこう。

 

「にしても……本当に美味かったなぁ……ヨシテルとか食いたいときに結城に言えば食えるんだろ?良いよなー」

 

「結城は忍であって料理番じゃないのよ。シンゲンは何か勘違いしてるんじゃないかしらね?」

 

「良いだろ別に。結城は料理できるんだし、言えば作ってくれるみたいだからさ」

 

「まぁ、確かに少し上様が羨ましいとは思うわね」

 

「料理の腕で評価されるのは忍としてはどうかと思いますが……」

 

「小せぇこと気にすんなよ」

 

「小さくはない、と思うけれど気にしなくても良いんじゃない?」

 

 満腹になっているせいか、受け答えか幾分かゆるいことになっている。何と言えば良いのか、少しばかり幼児退行を起こしているようにも思える。二人ともゆるーく笑いながら何を言っているのか考えずに喋っているようだ。

 それに関しては俺にとってはどうでも良いことなので別に構わないのだが、護衛の忍や膳などを片付けに来た侍女が微笑ましいものを見るような目をしていたり、呆れたのか苦笑を漏らしていたりしていたのは良いのだろうか。

 

「それよりも、酒とツマミを持ってきましょうか。

 すぐに飲み比べをしないまでも、すぐにでも始められるように」

 

「おー、悪いな。それじゃ頼むぜ」

 

「何から何まで悪いわね」

 

「いえ、この程度はいつものことですので」

 

 いつものこととは言うが、あくまでも俺が勝手にやっていることであってヨシテル様が望んだからしていることではない。ミツヒデ様にヨシテル様がダメになるので世話をし過ぎないようにと怒られてからはなるべく自重するようにはしているのだが。

 というよりも、ヨシテル様の場合は何でもかんでも自分でやろうとしていた時期があり、それを見ていられなかったのが原因である。それを今でも少しばかり引き摺っているのは確かに俺にも非があるとは自覚している。

 それでも、ついつい世話をしてしまうのはやはりヨシテル様の力になりたいだとか、少しでもヨシテル様が楽を出来るように、だとか考えてしまうからだろう。本当にあの人に対して甘くなったものだ。

 

「あぁ、そうだ。夜はどのようになるのか、領地の視察をしたいので席を外しますがそこはご容赦ください」

 

「別に構わねぇよ。流石に飲み比べの世話までさせるのは気が引けるしな」

 

「そうね……まぁ、今更何を言っているのか、なんて思われるかもしれないけど」

 

「いえ、では用意をさせて頂きますね」

 

 言ってから飲み比べの為の準備をしようと動き始めるその前に。

 

「そんじゃ、ツマミも美味いことを期待してるからな!」

 

「料理は美味しかったし、そっちも大丈夫でしょ」

 

「まぁ、今更不味いんじゃねぇかって心配なんざしてねぇけどな」

 

 そんな言葉を受けて、勝負に勝ったことを内心で嬉しく思いながら一礼をして部屋を後にする。

 さっさと準備をしてから離れるとしよう。流石に飲み比べに巻き込まれるようなことは御免である。以前に二条御所でヨシテル様と大友様が飲みすぎてしまったのを思い出すと、酔っ払いの相手なんてのは絶対にしたくないと思ってしまうからだ。

 そう思って、本来であれば滞在する数日の間に済ませればそれで良い夜間の視察を開始することにした。まぁ、戻る時間を考えなければ飲み比べの最中か終わり頃の片付けに巻き込まれる可能性があるのでその点は気をつけなければ。




丼に山盛りというか山にしたご飯をかき込むシンゲン様可愛すぎか。萌えカットインは偉大。
ケンシン様は正統派美人、綺麗な花とか絶対に似合う。そしてそれを見て微笑んだりするとヤバい。

タイトル、ケンシンゲンさまといっしょ、でも良かったような、良くないような。
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