感想欄で地の文が少ない等で内容が薄い等の意見を頂きました。
ここで返させていただきますと自分は読みやすいのを第1にと考えていまして地の文が多いような文は堅苦しさを覚えるのであまり多くはしていません。
文字数が多いのも1話1話が長いと読者様が読むの疲れないかなぁと思ったりしていて、文字も少なくしています。
内容が薄いは・・・すいません。単純に自分の文才不足です。オハズカシイ
今回は指摘を踏まえて少し地の文を多めにしてみました。故にあまり進んでいませんがご了承ください。
光陰矢のごとし。月日は瞬く間に経ち、トーカ=ゾルディック。18歳の冬。年齢相応に育ちはせず、まだまだ若すぎる見た目のトーカは、現在詰問を受けていた。
というのもトーカが二度目の家出を宣言したからであり、尚且つ今度はいつ家に帰るかわからない、というものだった。
これに強く反発したのが母親であるキキョウ、その才能を腐らせるのは惜しい、と父親のシルバ。トーカがよく遊んでいたミルキ。そして、幼き頃からトーカを見続けていたツボネだった。
「それで、家出の目的はなんだ?」
曾祖父を除くゾルディック家全員が集められたゾルディック家の食堂。一番奥にシルバが座り、その隣にキキョウとミルキ。そしてそれに付き従うようにツボネがいる。対面にはトーカが座り、両者に挟まれるようにイルミとゼノがいた。
父、シルバの問いにトーカは嘆息し、何度も同じことを言わせないでとばかりに対面に座る3人をギラリと睨み付けた。
「私は今のままじゃダメなの。まだ強くなる必要がある。その為の家出よ」
何度も繰り返し行われる同じ質問にシルバも語気が少し荒くなる。
「そういうことを聞いているんじゃない。それがどうして家業を継がないことになるんだ?その修行が家で行えないならば修行を終えて帰ってくればいいだけじゃないのか?」
シルバがトーカへと問いただしていたのはトーカの答えた上っ面のような動機ではなく、その本質、中身の話だった。これがただの家出なだけであれば、シルバもここまで強くは止めていない。実際5歳の頃の家出騒動の時は秘密裏にシルバとの約束は済ませており、その目的もはっきりしていたためシルバがトーカを止めることはなかった。
だが今回はその目的をトーカが話さない。それが原因で、トーカは今現在詰問を受けていた。
「・・・・父さん。私が出来ない約束はしない主義だって知ってるよね」
シルバの問いに長い沈黙を経てから、重々しくトーカが口を開く。
トーカが胸に秘めている2つの規則。信念と言い換えてもいい。それは"家族に対して出来ない約束はしない"と"最強になる"の2つである。今回のトーカには前者が引っ掛かっており目的を話せずにいた。
「何度か聞いたことがあるな。それがどうした?」
要領を得ない、そんなシルバの口ぶりにトーカはまるで死刑を宣告された受刑者のような、はたまた犯人が自らの罪を自白するようなそんな雰囲気を漂わせながら言葉を発した。
「私は下手をしたら今度の修行で死ぬかもしれません。そうなったら家に帰ってくるという約束は果たせなくなる。だから私は今度の家出の際、いつに家に帰るか、わからないと言いました」
その言葉にシルバは僅かながらに目を開き、キキョウとミルキは絶句する。"死ぬ"という穏やかじゃない言葉に聞き流し茶を飲んでいたゼノも針をいじっていたイルミもピクリと反応する。
「"発"を習得する、などという生易しいものではないのだろうな」
"発"。心源流において念の集大成と言われるモノで習得の際に命を落とすものも少なからずいるだろう。しかし、この場にいる人間は皆、トーカ=ゾルディックという人間の異常性を知っている。
生まれた頃より念を覚え、僅か5歳にして念の熟練者であるツボネを撃破し、帰ってきた頃には更に強くなっていた。強くなることへの飽くなき探求心と努力。正直誰もが何故そこまで強くなる必要がある?疑問に感じていたがトーカはそんな疑問を一言で蹴散らした。
"私は最強になるべく生まれてきた"。誰でもない、トーカ自身がそう直感していた。
「私の最後の奥の手になるわ。この技は」
普通の人間、ゾルディック家の人間ですら引くような修行の数々をこなすトーカが死ぬかもしれないと言った修行の末に完成する奥義。皆が一応にその奥義を夢想した。
「やはり・・・認められない」
シルバが言葉を発した瞬間、シルバの額めがけてナイフが飛んだ。それを見もせずに掴むシルバ。
投げた本人、トーカも掴まれることは予想の範疇だったのか、憮然とした顔でシルバを見る。
「だったら"家族内指令"ですわ」
その瞬間皆の顔つきが変わった。
"家族内指令"。ゾルディック家において意見が分かれた時に行われる真剣勝負で、唯一として原則となるのが家族を殺さないことである。
ここにトーカは以下のルールを付け足した。
①家族のみならず、使用人や一般人をも殺さない
②移動範囲はゾルディック家の敷地全て
③制限時間は1日
④トーカ=ゾルディックは一人で挑み、味方はなし
⑤反トーカ側は協力者、助っ人要請有り
トーカの敗北条件は気絶、もしくはルール違反
反トーカ側の敗北条件は総大将であるシルバの気絶、もしくはルール違反、というトーカには厳しすぎる条件を自ら課した。
「お主、本気か?」
これまで沈黙を保っていたゼノがギラリとトーカを睨む。確かにこれは誰が見ても有利不利がはっきりし過ぎていた。だがトーカはニヤリと笑う。
「これは言わば私の覚悟よ。これぐらい成し遂げれなければ最強なんて名乗るに値しませんわ」
「開始はいつ?」
ミルキがパソコンを取り出しながら、シルバが僅かながらに拳を握りながら、キキョウが浮かべていた笑みを消しながら、ゼノがゆっくりと席を立ちながら、イルミがいじっていた針の照準をトーカに合わせながら、ツボネがいつでも動けるように浅く腰を落としながら、皆はトーカの一言を待った。
「時間?決まってるじゃないミルキ」
そんな四面楚歌の中、トーカは大胆不敵に家族内指令の開始を宣言した!
「時は今!家族内指令の開始を宣言します!」