この素晴らしい世界にアンチ・スカルガール兵を!   作:真庭猟犬

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異世界転生二日目

昨日冒険者登録を済ませ、冒険者になった。そして、登録日から翌日。初心者向けのクエストであるジャイアントトード5体を3日以内に討伐するために平原地帯へと来ていた。エンチャーター専用スキルを試すのとスカルハートとダブルを融合させた身体の軽い確認のためには丁度いいので朝食を済ませてから少しした後で受けたのだ。

 

 

「さーて、サンドバックはっと…、あ、いた」

 

 

視界を遮るものが全く無いので軽く見渡すと呑気に跳ねている巨大なカエル―ジャイアントトードを見つけた。このジャイアントトードは繁殖期になると子を増やすための栄養と体力を付けるために動きが活発となる。毎年繁殖期には人里から山羊が丸呑みにされたり、農家の人や子供が行方不明となる被害が出ているので冒険者へ討伐依頼を出すほどに危険視されているのだ。普通は金属装備があれば食われることはないが、現在の俺の服装は薄茶色のコート。コートの下は長袖のシャツとズボンと金属がベルトの金具だけの普通に食われやすい格好である。

ぶっちゃけた話、自前の能力+冒険者スキルだけで攻撃も防御もソロで可能なのと、今回行うのはあくまで軽い確認だけなので使い慣れていない装備を身につけるのは悪手だ。

 

 

「さてさてスキルの検証と肩慣らしといきますか」

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、魔法の属性の名がついたエンチャントは武器や生身でもできる。一度付加したエンチャントはいつでも消すのが可能。音楽や踊り等は精神系とバフデバフのみ、と。エンチャータースキルで分かったのはこれぐらいか。あと、能力でコピーしたバトルスタイル等は問題なしだな」

 

 

20体のジャイアントトードの屍と用意しておいたメモ帳に書かれた箇条書きの文を見ながら先程の結果を口にする。アンチ・スカルガール兵として活動していた時と比べて劣っている部分はなく、むしろ強化できているとこだな。

 

 

「さてと、倉庫の鍵を開けて収納するか」

 

 

ポケットから金色の鍵を取り出し、錠前を開ける仕草をして空間を造る。これはエンチャントとコピーした技等の検証の副産物である特殊な倉庫で、持っている鍵はその倉庫の開閉(もしくは空間生成)に必要なものだ。他にも色々できたが今は割愛する。

倉庫自体は複数創れる+時間を止めたり生ものの冷凍・解凍ができるのに加え、大きさも自在なので余裕があるので次々とジャイアントトードを倉庫へといれていく。討伐数自体は冒険者カードに自動で記録されていくから今のような行為をしても怒られることはない。

 

 

「ギルドに戻ったら解体の仕方と調理法を聞くか。原作だと唐揚げくらいしか料理なかったし、他の料理があったらそれらを作るのもありだし」

 

 

肉自体は少し硬いだけで味は淡白かつサッパリしてるらしいし、動画で見たアライとか試してみるか。

 

 

 

 

 

 

 

「はい、確かに。ジャイアントトードを三日以内に五匹討伐。クエストの完了を確認しました。お疲れ様です」

 

「あの、ジャイアントトードの解体って見れますか?」

 

「ジャイアントトードの解体を、ですか?」

 

「クエストで指定された数以上を倒したのと倒したもの全部を特殊な倉庫に入れてるんで自分で調理してみたいと思ったので」

 

「そうですね…私一人の独断ではできないので上司に話をしてきますので少々お待ちください」

 

 

そう言って受付のお姉さんが奥へと消えていき、数分経った頃に戻ってきた。

 

 

「お待たせしました。今回討伐したジャイアントトードを出してもらえるなら解体場での見学を許可するとのことです」

 

「分かりました。いつでも取り出せますので案内をお願いします」

 

 

受付のお姉さんに案内されて着いた場所は体育館並の広さがある石造りの大部屋だった。そこでは幾つかのグループ(7~10人で1グループ)がそれぞれを解体を行っている。初心者でも討伐できるジャイアントトードが多いが、鹿っぽいモンスターや狸っぽいモンスターも解体されている。

 

 

「……見学者?」

 

「あ、はい」

 

 

近づいてきたのはやや小柄な女性だ。簡素なシャツとズボン、頭にバンダナを巻き、大きめなエプロンを掛けているが、血抜きで付着したのかチラホラと血痕が目立つ。

 

 

「……私はこの解体場の責任者。名はレリーズ」

 

「桜宮茜渦です」

 

「……ん。それじゃあ、ジャイアントトードを出して。解体を教える」

 

「了解です」

 

 

ジャイアントトードを入れた倉庫を出し、中からジャイアントトード1体を取り出す。適当に引っ張り出したそれは頭部がない。検証の際に【ビースト・オブ・ゲヘナ】を模した技が頭部のみを食い千切ったせいだ。

 

 

「……頭部がない」

 

「あー。スキル等の検証の際に頭部のみを消したやつです」

 

「……頭を切り落とす手間が省けた」

 

 

 

カエルの解剖を細かく文字にするのは一部の人には吐き気を催してしまうかもしれないのでカットします。詳しい描写を知りたいかたはネット等での検索をお願いしますby作者

 

 

 

「まさか異世界で日本最古のカレーに近いカレーと蛙のアライをつくるとはな…」

 

 

現在俺はギルドにある酒場の調理場にいる。理由は大量に生産されたジャイアントトードの肉を消費することでどうしようかと悩んだ際、蛙入りのカレーや動画でみたカエルのアライのことををポツリと呟いたら食い意地の張った職員が聞きつけ、あれよこれよと話が進み、何故か俺が作ることになった。ニューメリディアンにいた時でも色々と料理を大量に作る時が何度かあったので慣れているが、こんな状況になるとは思わなかった。

 

 

「とりあえずカレーの定番の具材はあるし、お湯や水は初期魔法でやるか」

 

 

まずはアライで、その後はカレーだな。

 

 

 

 

 

 

 

「ちゃんと並んでくださいよー! 暴動起こしたら二度と食べさせないですよー!」

 

「くそ! 出遅れた!」

 

「大盛りで頂戴!」

 

 

ジャイアントトードのアライとカレーは人気だった。鍋の中身が空っぽになったあと、ギルドスタッフや冒険者、酒飲み好きの常連のお願いでジャイアントトード肉のカレーは不定期販売のメニューとなった。




蛙のカレーは日本初のカレーだそうです。この話にでたカレーはネットで検索するとでる当時のものとは違いますが。
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