この素晴らしい世界にアンチ・スカルガール兵を!   作:真庭猟犬

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今回半オリ化したスカルガールズのキャラとオリ紅魔族が登場します。


とある廃屋の冒険者達 1F~2F

この異世界に転生し、冒険者となって半月が経った。現在、俺は身体をバラバラにされていながらも生きていた。

 

 

「仕留めたと思った? 残念、死んでないんだよな。【フィフス・オブ・ディスメンバー】!」

 

「ギャ…ッ」

 

 

空中に浮いた頭部目掛けて四肢と胴体が血を噴出しながら飛来し、モンスター(ワータイガーをベースに蛇と蟷螂・蜘蛛の要素を合わせたようなもの)を巻き込んで元の人の体へと戻る。モンスターは元通りになる時に血によってできた大きな猫の形をした刃と爪による斬撃によってさっきまでの俺と同じ状態になって絶命した。ナディアの不死身とそれを活かした戦法を覚えておいてよかったと思える。

 

 

「さーて、これで13体目。ただの調査依頼だったはずなのに、どうしてこう合成生物ばかり相手にしているんだ?」

 

 

元々はアクセルの街から遠く離れた場所に突如現れた廃屋(大きさは大型病院並みの屋敷)の調査だったが、廃屋周辺にはおぞましい姿の巨大な蟲や飛行するアンデット、廃屋の中には人間に他の生物を合成させたような何かが徘徊しており、こっちを見つけると直ぐ襲い掛かってくる。まるで人を餌として見ているようだ。

 

 

「今までの奴等もそうだが、この廃屋自体も不気味だな」

 

 

やけに赤黒い上に錆特有の臭いが鼻を衝く。まるで【サイレントヒル】の裏世界に迷いこんだ気分だ。正直言って【スカルガールズ】の世界にいる原作キャラや過去の悲劇で慣れていた身であっても不快な気分になる。

 

 

「チャッチャと終わらせよう。こんな気味悪いとこに長くいたら頭が可笑しくなって死にそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

「あーウザイ! どんだけ蟲型のモンスターがいるんだよ!?」

 

 

イラつき混じりの叫びが大きめの部屋中に響く。2階を調査している間、やたらとムカデやハエ、G等を巨大化させたモンスターが何度も襲い掛かってきた。数が多い上に廊下でも個室でも集団でくるし、無駄に素早いのでウンザリする。

 

 

「今分かるのはこの廃屋自体が異世界、しかも裏世界に準ずるものだけか」

 

「それだけではないわ。センカ」

 

「誰だ!」

 

 

背後からの声に反応して振り向くと、アクセルの街で聞いたメイド服に近い格好の女性だった。

 

 

「ニューメリディアンで貴方と殺し合いをした者よ」

 

「お前…。もしかしてマリーなのか!?」

 

「ええ。まさかあなたもここに転生するなんてね」

 

「それは俺も思った。つうか、なんでマリーが年上なんだ? ニューメリディアンで殺し合いした時はパトリシアと同じだっただろ?」

 

「時間のズレ、と言ったところでしょ? 私が転生した時間は今から約22年も前だったから」

 

「それならまあ、納得がいくな。そういや、何でマリーがここにいるんだ?」

 

 

依頼の紙は俺が受託した際に掲示板から外したんだが…。

 

 

「あるギルド職員が胸騒ぎがするって私に依頼してきたの。その人の勘は下手な占い師より信頼できる人間だから受けてきたわけ」

 

「なるほどなぁ。で、マリーの冒険者としての職はなんだ?」

 

「アークウィザードよ」

 

「それって後衛職だよな? ソロだと、詠唱に時間を掛けたらアウトじゃないか?」

 

「体技ができるから平気よ。それと、私は一人で来たわけではないわ」

 

「?」

 

「姐さーん。速いでふぎゃ!」

 

「…誰?」

 

 

マリーが来た時とは別の声色の疑問が自然と出た。部屋に入ってすぐに転んだのは黒髪の女子だった。いかにも中世ヨーロッパに似た世界を舞台にした魔術師が着るような赤色のフード着きローブを着ている。

少女を見てマリーがため息を吐くと、それが聞こえたのか涙目で起き上がった。瞳の色がルビーのような赤色だったので紅魔族だろう。

 

 

「酷いですよ姐さん! そりゃウチはドジ踏んだりしますが、そんなあからさまに呆れたって言わんばかりのため息を吐かれたら精神的にくるものあるんですけど!!」

 

「……この子はねるみん。紅魔族でも冒険者でも珍しいサモナーよ」

 

「スルー!?」

 

「なるほど。出落ち担当か」

 

「初対面に酷い言葉の刃!? てか犬っぽいよこの人!」

 

「言っておくが俺は男だからな」

 

「ウソーーーン」

 

 

紅魔族=中二病気味なのに、こいつは何かしらのネタが多そうだな。さっきのはなんか震えると【でぶでぶ】と効果音が出る同人作家っぽいニュアンスだったし。

 

 

「で、話しを戻すがマリーは何か気付いたのか?」

 

「気付いたのは私じゃなくてねるみんよ」

 

「ウチは昔っからイドの怪物や残留思念とかを見たり聞いたりすることができるんです。ですからこの屋敷に残っている残留思念を見聞きしましたが、もうエグイの一言につきます」

 

 

そう話すねるみんの顔色は少し青く、若干引きつってる。即刻忘れたいほどのものだろう。だが、この屋敷が何なのか情報が少しでほしいので我慢してもらうしかない。

 

 

「その残留思念ってのはなんだ?」

 

「……ああいうのを狂信者って言うんですね。やたらと我が主のために、とかもっと贄を、多くの捧げ物を、悲鳴を、苦痛を、とか何かを信仰していた人の異常な信仰心と狂った感情混じりの声と……犠牲者の「OK.流石に俺が悪かった」…お気遣いどうもです」

 

 

まさかあのゴミ屑共以下の輩がいたとはな。けど分かったことがある。この屋敷は小さな異世界で、元々はどこかのパラレルワールドの教団の隠れ家か所有物だったんだろう。

 

 

「ここがどんな場所か察したのかしら?」

 

「ああ。あのメディチがマシかどうか分からんが、外道共の活動拠点だってのはな」

 

「え? それってもしかして…」

 

「ねるみん、もう後戻りはできないわ」

 

「これは俺独自の憶測だが…」

 

 

 

【茜渦説明中】

 

 

 

「あばっ…あばばばばばばばば…!」

 

「……」

 

 

憶測としてサイレントヒルの教団みたいな組織のこと、ねるみんが聞いたものから想像した活動内容、犠牲者達の末路等を話した結果、ねるみんは白目を剥いて口から泡を噴出し、マリーは寡黙な表情で憶測を聞きながらも瞳に憤怒の感情を宿らせた。あくまで憶測であって外れた方が良いんだが、その可能性は皆無だろう。二人もそのことに考えが至った、至ってしまった故の態度だろう。

 

 

「もし、ねるみんが聞いてたものの成れの果てがまだ存在するなら、俺達がとる行動はその存在を殺してこの廃屋からでるか、ここで死ぬかの二択しか残っていない。しかも、今までの化物どもがまだまだいるだろうな」

 

「むしろそれ以外の可能性があったら聞きたいわ」

 

「狂人だったものとか、グールとかはありえそうだな。もしくはこの世界に刻まれた負の思念から生み出されたクリーチャーとかな」

 

「な、何でそんなに冷静なんですか!? こんな訳わかんない世界に閉じ込められてしまってるのに!?」

 

 

パニックに陥ったのか、ねるみんは青い顔で叫ぶ。こんな無茶苦茶で非現実的な状況をアッサリと受け入れている俺達が異端に見えてるのか、現実逃避をしたいのか、声色は恐怖に染まっている。

 

 

「こんな状況だからこそ冷静でいるんだよ。パニックに陥ったらそれこそ死にやすくなる」

 

「それに私とセンカは異常な出来事を経験しているの。今私達が置かれている状況とは別の形で異常な出来事をね。だから冷静でいられるの」

 

「…………ハア。何かギャーギャー騒いでたのがアホらしくなったです。このクエストが終わったら二人の過去を話してもらうですよ?」

 

「はいはい」「わかったわ」

 

 

優先すべきは生き残ることと敵の殲滅だ。やれやれ、調査どころじゃなくなっちまったな。




茜渦が言った教団が信仰している主はサイレントヒルの女神とは違います。禍々しい姿なのは同じですが。
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