「仮面ライダーゴーストif   作:gazerxxx

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仮面ライダーゴーストのif展開です。今回は解説編なしで。


仮面ライダーゴーストif第49話

タケル「俺たちより人足先に乗り込んだアランのおかげで、アデルは家族の絆を取り戻し、家族一丸になって、ガンマイザ―の暴走を止めてくれた。いいもんだな、家族って。でも、どうしてガンマイザ―が暴走したかは、わからない。まだ戦いが続きそうな予感がする…」

 

イーディスは一堂に会したタケル、マコト、アランたち眼魔世界の住人に、深々と頭を下げる。

 

イーディス「お主らに尻拭いを押し付けて、本当に済まんかった。わしも間に合っていれば、ガンマイザ―を止める手助けができたんじゃが…」

 

タケル「おっちゃん、しょうがないよ。イゴールに邪魔されたんだから…」

 

アラン「結果的には、私たちの手で片づけられて、良かったかもしれない」

 

アデル「皆と気持ちを一つにできたからな」

 

マコト「それにガンマイザ―を倒した今、タケルは生き返らないとな」

 

ガンマイザ―が消えて、グレートアイはすぐ頭上にある。ここまで来て、タケルの願いを邪魔するものはもういないと思われた。

 

イーディス「…ここまで来ては、もう黙ってはおれんな。実は、本当の敵はガンマイザ―ではない」

 

イーディスの告白に、一同には衝撃が走る。

 

アラン「どういうことだ?私たちはガンマイザ―の暴走を止めて、兄上も世界の平和を望むようになった!」

 

マコト「タケルの生き返りを邪魔していたのも、ガンマイザ―のはずだ!バックアップにされていたもう一人の俺も、そのために…」

 

タケル「おっちゃん、もしかして、ここまで口に出せない敵がいたってこと?」

 

イーディス「そうじゃ。わしがタケルに、願いの叶うアイコンを口実として近づいたのも、全てはそやつに気取られんように注意を払ってのこと。皆が気づかんのも無理はない。わしもこの数百年かけて調べなくては、気づかなかったんじゃ……」

 

そもそもイーディスは、眼魔世界のシステムやガンマイザ―の開発者。それらが不具合を起こしてからは、アドニスにその調査を任されていた。そのバグを調べているうちに、何者かが意図的にアイコンシステム、ガンマイザ―を狂わせているという結論に行き当たった。

 

アデル「話が違うぞ。父上の話では、エネルギーが不足したから、人間世界から魂を集めることで補おうと……」

 

イーディス「アドニスはグレートアイから、そうお告げがあったと言っておった。全知全能のグレートアイと、友人とはいえ失敗作の開発者。わしが信用されないのも当然じゃった」

 

アリア「なぜ私たちを導いてきたグレートアイが、そんなウソを?」

 

イーディス「アドニスがガンマイザ―にグレートアイを守護させると決めた時から、密かにグレートアイの意思を、少しずつ乗っ取っていた者がいたのじゃ。わしらが厳重に管理しているつもりのグレートアイを、独占するつもりでな」

 

アラン「まさか、あの父上が人間世界を侵略し始めたのも…」

 

イーディス「グレートアイではなく、陰で操る者がお告げの形で唆したのじゃろう。わしもこの疑惑を、にわかには信じられんかった。グレートアイに導かれてきたアドニスは、なおさらじゃ」

 

マコト「いったい誰がそんなことを…」

 

イーディス「そやつはガンマイザ―と同時開発していた眼魔ウルティマアイコンを盗み出し、わしらよりもいち早く眼魔の体を得て、グレートアイに干渉し始めたのじゃ。じゃが、グレートアイも無抵抗ではなかった。タケルとマコトは見ているはずじゃ。グレートアイが分身として遣わした双子、そしてそれを追ってきたやつの姿を」

 

タケル「それって…シバルバ!」

 

かつてタケルとマコトにライダーアイコンをもたらした双子の男女がグレートアイ。それを追って取り込もうとしたシバルバが、全ての黒幕だというのだ。

 

イーディス「全知全能のグレートアイを取り込んだ奴の計画をくじくには、奴に反撃を悟られてはならんかった。だが、奴はもう操るべき手駒を持っておらん」

 

イーディスは祈りの間の天井を見上げて、啖呵を切る。

 

イーディス「聞こえているじゃろう、シバルバ!お前がガンマイザ―や眼魔を操ろうとした計画は、もう破たんした!わしらはもうお前の思い通りにはならんぞ!」

 

その声に応えて、グレートアイが封印されている天井から、眼魔ウルティマが降りたつ。

 

シバルバ「イーディス、貴様が我の計画に気づいていたとはな。仙人などに身をやつしていたのも、天空寺龍の息子だけでも助けたいわけではなかったか」

 

イーディス「わしは龍から、自らの可能性を信じる勇気をもらったんじゃ。あやつのおかげで、わしはグレートアイよりも自分を信じることができた。わしがすべきは、お前を倒すことじゃ!」

 

かつて眼魔ウルティマ・エボニーに変身したイーディスの強襲を退けた、天空寺龍。あれがなければ、イーディスは迷いを抱えたまま、アドニスの計画に従ったままだったかもしれない。

 

シバルバ「ならば、お前の友であるアドニスは、誰よりも我を信じたことになるな。最初は家族の蘇生を望んでいたやつに、我が『誰も死なぬ理想の世界』をちらつかせて、この世界を創るよう仕向けたのだ。我の言葉にばかり踊らされ、友や家族、自分さえ見失った実に滑稽な傀儡だったぞ。フハハハハ!」

 

アドニスの心を惑わせたのも、グレートアイを装ったシバルバの仕業だった。その真実は、眼魔の面々の怒りを買う。

 

アリア「父上は人形ではありません!あの人が理想と心の間で、どれほど迷い、苦しんでいたか…!」

 

アデル「グレートアイの力は、使う者の心を惑わす…。だが、お前は父上を惑わせた悪霊だ!」

 

アラン「お前のせいで、私たち家族は……許しておくか!」

 

他の眼魔たちも怒号を上げて、アデルたちが戦いの号令を下すのを待っている。

 

シバルバ「我は既に貴様らに興味はない。貴様らがアイコンシステムのために集めたエネルギーは、グレートアイを通じて、我へと供給されているのだ。放っておけば、貴様らは我の糧となって滅びる。少し寿命を早めてやろう」

 

シバルバが天井に手をかざすと、天井のグレートアイが光り、眼魔たちからエネルギーを吸い上げる。眼魔コマンドは消滅し、眼魔怪人やスペリオル、アデルは倒れる。

 

アラン/アリア「兄上!」

 

アデル「体の力が吸われていく……。アイコンシステムのエネルギーが消耗していったのは、お前が原因だったのか…!」

 

シバルバ「いかにも。我がその気になれば、貴様らの寿命などいつでも吸い尽くせる。デミアが完成すれば、人間の世界も同様に我の糧にできたのだがな」

 

シバルバが、アドニスにアイコンシステムを作らせたのも、人間の世界を侵略させたのも、魂のエネルギーを集めるため。自らの力を高めて、グレートアイを完全に乗っ取るためだった。

 

シバルバ「ご苦労だった、アデル。貴様にその気がなければ、我が自ら人間の世界を手に入れるとしよう。我が二つの世界を手にする、新たな大帝だ!」

シバルバは天井からグレートアイを手の中に吸収、その体に輝きを増す。そして光の玉となって、祈りの間から飛び出していった。向かったのは、人間世界に通じるゲートのある方向。

 

マコト「あいつがアイコンシステムを造らせ、グレートアイを独占していた黒幕…。ならば、俺たち兄妹が眼魔の世界で送った、地獄のような日々も…!」

 

マコトとカノンは眼魔の世界でアリアに保護され、アイコンシステムで生きながらえることはできた。しかし、カノンの体はアイコンシステムのエラーによって消滅。アイコンシステムでは、人間世界から来たカノンの身体を再現できず、カノンは妹アイコン状態から戻れなくなった。マコトはカノンの肉体を取り戻す願いを背負って、スペクターの資格を得るべく、がむしゃらに訓練を重ねてきた……。

 

だが、マコトとカノンがゲートに吸い込まれた事故は、シバルバが企てた人間世界の侵略のため。アイコンシステムに頼らざるを得ず、エラーでカノンの身体が消えたのも、シバルバが造らせたシステム故。タケルと願いを争ったのも、シバルバがグレートアイを独占していたから。

マコトに強いられた過酷な宿命も、奴はあざ笑いながら見ていたに違いない。

 

タケル「俺も許せない。あいつは多くの命を、心を……魂を弄んだ!!」

 

その場の全員が、シバルバの巨大な悪行が、どれほど波及していたかを実感していた。人間と眼魔、あるいはガンマイザ―まで、全てが彼の被害者と言ってもいい。

 

その時、グレートアイが奪われて吹き抜けになった天井から、少女の声が聞こえてくる。そこで苦しげに宙づりになっていたのは、グレートアイが分身として遣わした少女・フレイヤ。

 

フレイヤ「お願い止めて、眼魔の世界に巣食う怨霊を」

 

タケル「フレイヤ!大丈夫?」

 

フレイヤ「いいの。シバルバに操られてない私は、ここでアイコンシステムを守る。ゲートはフレイが開いてくれてる。だから、速く…」

 

マコト「分かった、頼むぞ!」

 

イーディス「見ての通り、今奴と戦えるのは、仮面ライダーだけじゃ。心してかかるぞ!」

 

アデル「私たちはまだ動ける。構わず行け、アラン、アリア!」

 

アランやアリアが気にしているのを察したのか、アデルや眼魔たちは喝を入れる。

 

アラン「兄上、必ず戻ります!」

 

アリア「どうか御無事で!」

 

仮面ライダーに変身できるタケル、マコト、アラン、アリア、イーディスが、人間の世界へと向かう。

 

入れ違いに、祈りの間に、足元をふらつかせながらも、ジャベルが駆けつけてきた。

 

ジャベル「アデル様、遅れて申し訳ありません…」

 

アデル「お前も聞いていたか、アランの声を。私たちもこのザマだ、お前が気にすることはない。ここからは、アランたち仮面ライダーに任せるしかないようだ」

 

アデルが自嘲する一方で、ジャベルは感慨深げな笑いを見せていた。

 

ジャベル「しかし、今のアラン様は、私から見ても頼もしいお姿です。王位を継ぐまでもないと思っていた末っ子のアラン様が、随分と立派になられた」

 

アデル「ああ、私もアランの声に、あれほど民を動かす力があるとは思わなかった。私も責任を取って、退くべきかもしれないな」

 

ジャベル「しかし、眼魔がアデル様を慕っているのも、また事実のはずでは…」

 

アデル「これからの眼魔の世界は、それだけでは足りない。新しく生まれた人間の世界とのつながりを大切にしていくのは、人間と心通わせた、アランにしかできないだろう?」

 

そう口にするアデルは、弟の成長を誇る、したり顔になっていた。

 

一方、シバルバはゲートを突破して大天空寺の天井も破り、広場に降り立つ。それを追って来る5人のライダー。

シバルバは発光をやめて、黄金のパーカーを纏った眼魔ウルティマの姿を見せる。

 

ザ・グレート・シバルバ「我こそは新たな大帝、ザ・グレート・シバルバ!生者も死者も、我が意のままに!」

 

タケル「そうはさせるか!お前は俺たちが止める!」

 

ザ・グレート・シバルバ「貴様らごときは、大帝への謁見も許されん。こいつらを相手にしなくてはな!」

 

ザ・グレート・シバルバは、腕の一振りで何体もの怪人を呼び出す。モノリス眼魔、眼魔ウルティマ・ブルーファイア、ガンマイザ―・アポロン、パーフェクト・ガンマイザ―が復活する。

 

マコト「今まで倒したはずの…」

 

アラン「これもグレートアイの力か?」

 

ザ・グレート・シバルバ「お前たちの戦いから得たデータで、バックアップを取っておいた。全ての死者も我の物だ」

 

アリア「死んだ者まで愚弄しようというのですか…」

 

ザ・グレート・シバルバ「それだけではない。グレートアイの力で、アップデートも行える」

 

15のモノリスを空中に出現したかと思うと、それが合体し、さらに黄金の光がパーカーとなって纏わりつく。新たなガンマイザ―・グレートアイザーまでもが誕生した。

 

イーディス「どこまでガンマイザ―を利用すれば、気が済むんじゃ!」

 

ザ・グレート・シバルバ「眼魔の世界にとって、完璧な存在は長きにわたる夢だったはずだ。我が貴様らを糧として、それを体現してやろう。不完全な命に縋る貴様らは、その礎になることを、光栄に思うがいい!」

 

タケル「そんな歪んだ夢、誰も望んじゃいない!」

 

ザ・グレート・シバルバの追っ手を、5体の怪人が阻む。5対5でライダーは怪人に戦いを挑みかかる。

 

ダークゴーストは、モノリス眼魔と戦う。

 

モノリス眼魔「すべてを支配する力が目の前にある。邪魔はさせませんよ!」

 

イーディス「西園寺よ、あの力がどれほど呪われているか、お主は知っているのか?」

 

モノリス眼魔「知ったことか!」

 

モノリス眼魔はグレートアイの力を狂信して、イーディスが相手でも容赦なくレーザーを打ってくる。

ダークゴーストは、ガンガンセイバーとサングラスラッシャーの二刀流で弾いて防ぐ。さらにレーザーを反射して、モノリス眼魔に隙を造る。

 

イーディス「お主に必要なのは力ではない。一時の眠りじゃ…」

 

ダークゴーストは二つの剣のトリガーを押して、オメガドライブを同時に発動。ガンガンセイバーとサングラスラッシャーの2連撃で、モノリス眼魔を切り裂いた。

 

モノリス眼魔「私が蘇ったのは…力を得るチャンスではなかったのかあ!!」

 

やはりオメガドライブ2発分が同時にヒットしては耐えきれず、モノリス眼魔は爆散した。

 

イーディス「お前はまず、向こうで龍に詫びてこい」

 

眼魔ウルティマ・ブルーファイアに挑むダークネクロムピンクは、ピンク色のオーラを纏うことで、敵が放つ猛火をものともしない。ガンガンハンドの銃撃で炎を消化し、ダメージを蓄積させていく。眼魔ウルティマとの戦い方を心得ているため、相手に捕まりもしなかった。

 

アリア「私達は、アイコンシステムにも頼らない、新たな世界を創って見せます!」

 

眼魔ウルティマ・ブルーファイア「自爆プログラム起動」

 

眼魔ウルティマ・ブルーファイアは、火の手を上げて自爆しようとする。だが、ネクロムのパーカーが覆いかぶさり、その蒼い炎を吸収する。自爆を封じられた眼魔ウルティマ・ブルーファイアに、ダークネクロム スパイラルが炸裂した。

 

ネクロムはガンマイザ―・アポロンと対峙する。以前はワームホール作戦の補助に徹していたネクロムだったが、今の彼はその限界などとっくに突破している。

 

サンゾウ魂でお供と連携して波状攻撃を仕掛けて、敵を翻弄する。ガンマイザ―・アポロンが火球で反撃してくると、ネクロムデストロイで筋斗雲に乗って回避。そのままゴコウリン、お供と上空から突撃する。これだけでも、限界突破によって、ガンマイザ―・アポロンには相当のダメージとなって襲い掛かる。

 

ガンマイザ―・アポロン「以前のデータとの齟齬を確認」

 

ネクロム「心の力は、データでは計り知れん。心の叫びを聞け!」

 

ガンマイザ―・アポロンは重力でネクロムを吸い寄せようとするも、ネクロムはガンガンキャッチャーにグリムゴーストアイコンをセットして、オメガフィニッシュを発動する。

無数に分裂したペン先状の砲弾が、ガンマイザ―・アポロンの重力ですべて引き寄せられて命中、大爆発を起こした。

 

ディープスペクターは、パーフェクト・ガンマイザ―に挑む。パーフェクト・ガンマイザ―の触手や光弾を飛んでかわし、遠距離からディープスラッシャー・ブラスターモードで攻撃し続ける。さらにギガオメガ弾を撃ち込んで、パーフェクト・ガンマイザ―を倒れさせる。

 

パーフェクト・ガンマイザ―「なぜそこまで高く長く、飛び続けられる?理解不能」

 

マコト「俺一人では無理かもしれない。だが、カノンが、もう一人の俺が、仲間が、俺を奮い立たせてくれる!俺の生き様、見せてやる!」

 

倒れたパーフェクト・ガンマイザ―にディープスペクターは急降下、ギガオメガ斬りを叩きこんだ。パーフェクト・ガンマイザ―はショートして爆発した。

 

 

どれも強敵怪人だったが、過去と今では、思いの積み重ねが違ったのだ。

 

一方、ゴースト・ムゲン魂は、新誕したグレートアイザーに押されていた。グレートアイザーには、ムゲン魂の6つの必殺技ラッシュも効かず、逆に掌底からの黄金波動を受けて、変身解除させられてしまう。

 

イーディス「タケル!やめるんじゃ、ガンマイザ―!」

 

一早く戦いを終えたダークゴーストが、タケルを庇って、立ちはだかる。

 

グレートアイザー「我々は完璧なるプログラムの指令で動いている。最早、開発者の指示など必要ない」

 

イーディス「お主らガンマイザ―も利用されてきたんじゃ!何も思わんのか!」

 

グレートアイザー「プログラムに感情は必要ない。グレートアイを守護し、近づく者は排除するのみ」

 

一方、大天空寺では、帰還したキュビ、音符眼魔が倒れてしまい、カノンたちで看病していた。

 

カノン「キュビ、音符さん、しっかりして」

 

キュビ「すまないんだな、カノンちゃん…」

 

音符眼魔「急に力が抜けてしまいました」

 

シブヤ「さっき何かがゲートを突き抜けていきましたけど」

 

ナリタ「やっぱり、二人の不調って、タケルさんたちの言うとおり、あいつの仕業なんじゃ」

 

御成「大天空寺を壊すばかりか、功労者の二人まで、もう許せませんぞ!」

 

アカリ「でも、そっちはタケルたちに任せて、私たちは二人と、大天空寺を見ていないとね」

 

御成たちは大天空寺の大穴を修理していた。タケルたちが帰ってくる場所を元通りにするために。

 

グレートアイザーは、ダークゴーストを圧倒していた。だが、イーディスは積極的に攻撃せずに、粘り続けている。

 

グレートアイザー「なぜ攻撃しない。理解不能」

 

イーディス「わしにとって、お主らは子供のようなものじゃ。シバルバさえ倒せれば、戦う必要はない」

 

グレートアイザー「グレートアイはシバルバと同化した。我々はグレートアイを守るが使命。よって、我々を倒さねば、シバルバとは戦えない」

 

タケル「そうやって、プログラムにばかり縛られて、何のために作られたのか、忘れてしまったのか!」

 

グレートアイザーの機械的な結論に、タケルが反論しながら、再変身して立ち上がる。

 

グレートアイザー「天空寺タケル、まだ立ち上がる力が?」

 

グレートアイザーが注意を向けた隙に、ダークゴーストが後ろからグレートアイザーを捕まえる。

 

イーディス「今じゃタケル、お主の力で、ガンマイザ―に思いを叩きこんでくれ!」

 

ダークゴーストの仮面の下に、タケルはある強い思いを感じ取る。

 

タケル「分かったよ、おっちゃん。思い出してくれガンマイザ―!おっちゃんが、お前たちに込めた思いを!」

 

ムゲン魂の目覚めていなかった最後の必殺技、ラブボンバーを繰り出す。ただし、それは単なる攻撃ではなく、思いを伝えるための一撃。

 

グレートアイザー「この攻撃は、ダメージがない。何か包み込まれるような…」

 

グレートアイザーの目に、目の前の光景でない映像が映る。それは、彼らが造られた数百年前の記憶。

 

━アドニス「グレートアイの守護神・ガンマイザ―。なるほど強力だが、プログラムは大丈夫か?」

 

━イーディス「大丈夫じゃ。彼らは何度でも復活し、グレートアイを守る使命を遂行するようにできておる。お主の理想と目的を同じくする存在じゃよ」

 

━アドニス「そうか、ありがとう。これで、私も愛する世界と家族のために、グレートアイの管理を任せられる」

 

━イーディス「ガンマイザ―なら、欲望に惑わされず、グレートアイを守り続けてくれるはずじゃ。よろしく頼むぞ、ガンマイザ―」

 

グレートアイザー「我々が造られた理由は…愛?」

 

イーディス「すまんかったガンマイザ―。わしはお主らの親なのに、教えを間違ってしまったんじゃ…。お主らのことも、シバルバから守ってやるべきじゃった…」

 

そう謝罪するイーディスに対して、グレートアイザーは攻撃するそぶりを見せない。信じてきた唯一のプログラムと、現状が矛盾していると気付いてしまった。

 

グレートアイザーの黄金のパーカーは、ラブボンバーの衝撃で消滅する。そして、彼らは元の15のモノリスに戻った。

 

ガンマイザ―「我々は本来のプログラムを復旧した。あなたと戦うべきではない、イーディス」

 

イーディス「本物のグレートアイは、眼魔の世界でアイコンシステムを維持しているんじゃ、そっちを手伝ってくれんか」

 

ガンマイザ―「了解した」

 

ガンマイザ―は本来の使命を果たしに、眼魔世界へと飛んで行った。

そこに、戦いを終えた3人も駆けつける。

 

マコト「ガンマイザ―が飛んでいったように見えるが、大丈夫なのか?」

 

イーディス「本来のプログラムを取り戻したんじゃ。シバルバに近づかせるよりは、向こうで協力してもらった方がいいじゃろう」

 

アラン「これで、残るはシバルバのみ」

 

タケル「あっ、いなくなってる!」

 

アリア「恐らく、私達が戦ってる隙に、魂を奪いに!」

 

ザ・グレート・シバルバは街に繰り出して、人々の魂を食い荒らしていた。

 

ザ・グレート・シバルバ「貴様らの魂、我が為に捧げろ!」

 

タケル「やめろ、シバルバ!」

 

ザ・グレート・シバルバ「貴様等バグどもか。まあいい。恐怖の純度が低い魂ばかりで、あと少しエネルギーが足りなかったところ。貴様らの魂をメインディッシュに、我は完全にグレートアイを取り込む!」

 

ザ・グレート・シバルバは、黄金の火炎弾で、5人のライダーを吹き飛ばす。さらに、横側から二刀流で斬りかかってきたダークゴーストを、炎を纏った剣を出現させて切り返す。

ガンガンハンドで銃撃するダークネクロムピンクを、黄金火炎弾の連射で跳ね返す。

筋斗雲に乗ったネクロム、飛翔するディープスペクターが空中から挟み撃ちにしようとするが、腕を交差させて、黄金火炎弾と炎の斬撃を繰り出し、二人とも墜落させる。驚異的な力で、4人は地に伏せる。

 

さらにムゲン魂が追撃に放ったイカリスラッシュも効かない。そして、ザ・グレート・シバルバは、炎の剣でムゲン魂を貫き、捕まえる。

 

ザ・グレート・シバルバ「なぜ貴様を最後に回したかわかるか?貴様はバグの中で、最も強い英雄だからだ」

 

マコト「強いから、最後まで倒しきれなかったというのか?」

 

ザ・グレート・シバルバ「天空寺タケルが、この場の支えになっているからだ。ここで貴様を殺せば、残る者からは、最高純度に恐怖した魂が手に入る。フハハハ!」

 

アラン「貴様あ!」

 

敢えて瞬殺せず、タケルの死を見せつけて魂を恐怖に染め上げようとするザ・グレート・シバルバ。4人は見ているしかできない。

 

ザ・グレート・シバルバ「バグどもの英雄の死は、我のような大帝の力を見せつけるためにある!我に屈し、我が糧となるがよい!」

 

タケル「それは違うな…」

 

タケルが苦しみながらも反抗する。

 

タケル「英雄の死は、絶望ばかりじゃない。英雄は命を燃やして、限りある人生で偉業を成し遂げたんだ。その生きざまを、人々は『自分たちにもできる』って希望として記憶して生きていくんだ。例え俺が死んでも、皆絶望なんてしない。魂は、永遠に不滅だ!」

 

英雄の生きざまに希望を持ち、視線をくぐってきたタケルには、ザ・グレート・シバルバの言葉も脅しにはならない。他の4人も、タケルの言葉に奮起して、もう一度立ち上がろうとしている。

 

ザ・グレート・シバルバ「恐怖がないなら、おとなしく消えるがいい!」

 

とどめを刺そうとするザ・グレート・シバルバに、パーカーゴーストたちが出現して、体当たりを仕掛けた。

 

武蔵ゴースト「今だ、タケル!」

 

ザ・グレート・シバルバ「ええい、離れろ!」

 

すぐにパーカーゴーストたちは全身からの黄金火炎弾で宙に吹き飛ばされたが、そのうちにムゲン魂は抜け出し、身構えていた。イサマシュートがザ・グレート・シバルバに直撃する。

 

ザ・グレート・シバルバ「この程度の攻撃…!」

 

だが、即座にダークゴーストのガンガンハンドとサングラスラッシャーの2連射が着弾し、防いだ炎の剣が砕ける。

 

イーディス「タケルよ、見せてくれたな、無限の可能性を!」

 

さらに、ダークネクロムピンクの必殺銃撃・オメガフィニッシュがザ・グレート・シバルバの頭部に、正確に命中し、バランスを崩す。

 

アリア「希望を捨てないあなたの姿で、私達にも気力がわいてきました」

 

アラン「お前のように命を燃やし続ければ、私達も英雄のように戦える!」

 

ネクロムが後ろから回し蹴りのネクロムデストロイで、ザ・グレート・シバルバは大きく蹴飛ばされる。

 

マコト「そうして、英雄となる人間は、過去から未来に受け継がれてきた!それが無限の可能性だ!」

 

蹴飛ばされたザ・グレート・シバルバに、飛行するディープスペクターが、ギガオメガドライブのストレートパンチを叩き入れる。

 

息をつかせぬ怒涛の連撃に耐えきれず、墜落して黄金のパーカーがはがれるザ・グレート・シバルバ。

 

ザ・グレート・シバルバ「貴様等、死んだ英雄如きを信じるというのか…死んでしまえば、所詮はそれまでだろう!数百年生きながらえ、完璧な存在に近づいた、我こそが……」

 

タケル「英雄が希望なのは、生きていても死んでいても関係ない。つながった思いは俺たちが守る!」

 

ゴーストはオレ魂に変身し、パーカーゴーストが彼の周囲に集まって、曼荼羅を描く。先代の英雄たちが、次世代の英雄である仮面ライダーに力を託す。これが、時代を超え、生死を超えた、思いのつながりだ。

 

15の英雄による強化オメガドライブが、ザ・グレート・シバルバを捉える。

 

ザ・グレート・シバルバ「完璧な大帝となった我が、バグごときに…ぐああああっ!!!」

 

ザ・グレート・シバルバは爆炎を上げて消滅、数百年にわたって命を吸ってきた眼魔アイコンも破壊された。

 

マコト「やったな、タケル」

 

アラン「お前のおかげで、長きにわたる呪縛から救われた」

 

アリア「あなたは、まぎれもなく英雄です」

 

イーディス「良く戦ったな。さあ、行って来い」

 

タケル「ありがと、みんな」

 

空中には、ザ・グレート・シバルバから解放されたグレートアイが。パーカーゴーストが作った曼荼羅が、タケルを引き寄せていく。

 

タケルは再びグレートアイの空間にいた。

 

フレイヤ「あなたは、生き返るのが願いだ、と言っていましたね。今回もそうですか?」

 

タケル「確かに、俺が頼もうとした願いはそれだった」

 

フレイヤ「一つ言っておくと、あなたはもう蘇る必要はありません。私たちと同様に、生死の境を超えた存在となっています」

 

タケル「フレイヤと同じ?」

 

フレイヤが語るところでは、タケルを助けようとしたら、タケルの魂にタケルの父の魂が混ざり、更に英雄の魂と共鳴したことで、タケルの魂はアイコンに固定されやすくなった。シバルバが魂を吸って何百年と生きながらえていたが、同様にタケルの魂も他の魂が結合を望んだことで、強固な存在になっていたのだ。

 グレートアイとは、生死の境界を行き来して、生者と死者のバランスを取る存在。英雄と人間、眼魔のために戦ったタケルも、そのバランスのために戦ったと言えるだろう。

グレートアイは生死観を変え得る眼魔の世界を観察するつもりが、シバルバに囚われてしまったという。

その事実を教えられたタケルは……。

 

タケル「良かった…これでみんなに気兼ねなく、別の願いができる」

 

フレイヤ「あなたの願いは、違うのですか?」

 

タケル「今は、別の願いができた。シバルバのせいで、失われた命を、取り戻してほしいんだ」

 

シバルバは今までの戦いの元凶と言える存在。その願いなら、全ての犠牲者が救われるだろう。

 

フレイヤ「あなたは、自分のために願わなくていいの?」

 

タケル「俺は、今までの戦いで、ゴーストや眼魔を見てきて、思ったんだ。どんな姿でもいい、生きようと命を燃やすことが、生きてるってことなんだ。だから、皆に生きていてほしいって思う今の俺は、きっと生きてる」

 

我ら思う、故に我あり。それがタケルの出した答えだった。だから、フレイヤが告げた真実も、タケルは受け入れる。その答えに興味を示したのか、少年のようなグレートアイの声も聞こえてくる。

 

フレイヤ「タケルがそう望むなら」

グレートアイ「そのような死生観を有言実行できる者は、始めてみました。人間の無限の可能性とは、本物かもしれませんね」

 

タケル「俺もこれが正解かわからないけどね。帰ったら、アカリたちにまた怒られるかもしれないし」

 

グレートアイ「いいえ、興味深い答えでした。他に何か、お礼できることはありますか?」

 

タケル「それなら、眼魔の世界を、少しの間守ってほしい。アランたちが変えてくれるまでは、まだアイコンに頼らないといけないだろうから」

 

グレートアイ「生死のバランスを保つには必要なことですね、お安いご用です。では、私はこれで」

 

グレートアイは、タケルを解放し、眼魔の世界へと飛び立っていった。

 

タケルは空を飛んで、アカリたちが待つ大天空寺へと降りてきた。

 

御成「タケル殿おおお!みんな、タケル殿の凱旋ですぞ!!」

 

それに気づいた御成の叫び声で、皆が集まる。

 

アカリ「タケル!……飛んできたってことは、まだ生き返ってないわね!?」

 

アカリはすぐにタケルが生き返りを願わなかったと気付いて、怒り始める。

 

タケル「ごめん、アカリ。でも、俺は大丈夫らしいから…」

 

シブヤ「タケルさん、眼魔にやられた人たちが、一命を取り留めたっていうんですよ!」

 

ナリタ「もしかして、タケルさんの願いはこれだったんじゃ…」

 

騒ぐ周囲に、タケルはグレートアイに願った一部始終を話す。

 

アカリ「ふ~ん、よく分かったわ」

 

タケル「分かってくれた?今回はそういうことだから…」

 

アカリ「タケルに任せてたら、いつまでたっても他人の願いしか叶えないってことよ!こうなったら、タケルは私が科学で元に戻して見せるから」

 

タケル「えっ、俺は魂が不滅だから大丈夫だって…」

 

アカリ「魂が不滅なんて非科学的よ!そうよね、イゴール?」

 

勢い込むアカリに応えるのは、同じく科学者を自負するイゴール。

 

イゴール「もちろんですとも。ま、デミアの尻拭いをされたままでは、唯一無二の頭脳である私も収まらないですからね。この女よりも先に、私の冥術学で生死ある魂に戻して見せますよ」

 

イゴールは協力するが、アカリと張り合うのは変わらないようだ。

 

アラン「グレートアイを留め置いたのも、お前なんだろう、タケル。おかげで、私達にも、世界を変える時間ができた」

 

アリア「グレートアイは、今度こそガンマイザ―が守ってくれています。その間に私たちは、この世界のように、グレートアイに頼らない世界を創っていきたいと思っています」

 

アデル「というわけだ、次の大帝は頼んだぞ、アラン」

 

アラン「兄上!しかし、私にはまだ…」

 

ジャベル「ご謙遜する必要はありません、アラン様。これからの眼魔世界を一番イメージしているのは、他でもないあなたです」

 

カノン「アラン様なら、きっとできます。私もついていきたい」

 

キュビ「吾輩、丸い美しいものがたくさんある世界にしてほしいんだな!」

 

音符眼魔「音楽がいつでも聞ける世界にもしてほしいですな」

 

アラン「丸いもの、音楽…そうか、音楽を掛けながら、タコ焼きの屋台を引けばいいな!」

 

周りは大笑いするも、幸せそうだった。

 

マコト「俺もアランを向こうで手伝う。お前も頑張れよ、タケル」

 

タケル「そうだね。この先どうなろうと、俺は生きてる。命、燃やすぜ!」

 

それぞれ進むべき道を決め、彼らはあるがまま生きていく。

 

 




ゴースト未回収の伏線まとめを参照にしましたが、回収しきれてない所や、おかしい所もあるかも。
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