至らない部分もあるかと思われますが、どうぞお楽しみください。
タケル「マコト兄ちゃんの願いも俺と同じ、命を明日につなげることだと分かった。俺たちは力を合わせて眼魔になった西園寺を倒し、カノンちゃんを生き返らせた。俺たちの願いは一つかなった。後は俺が生き返るだけだ!」
~ナレーション終了~
生き返りのためにアイコンを探すタケルたち。だが、見つからずに時間だけが過ぎていく。死を予感したタケルたちは、最後の時間を静かに過ごし始めていた。そうすることで、タケルを安心させられると思ったからだ。
スペクターとして戦えるマコトは、散らばったアイコンの内二つを持ち去ったジャベルの行方を追っていた。しかし、ジャベルも簡単には捕まらない。また、万が一に備えて早々にアイコンをアランに託してあった。
アラン「では、このアイコンは眼魔界に持って帰ろう。それで、私が留守の間にマコトが味方になり得るかどうか見極めてくれるというのか?私が話した方が早いと思うんだが・・・」
ジャベル「アラン様が奴を信じているお気持ちはわかります。ですが、話し合いを望んでも天空寺タケルが横やりを入れてくるやもしれません。この場はまず私にお任せを。必ずこちらに戻ってこさせましょう」
アラン「マコトの本気を見るにはいいかもしれないな。天空寺タケルにやられて死ぬなよ」
アランは眼魔界に向かう。
ジャベル「これでいい。アイコンが手に入らなければ天空寺タケルはもうすぐ死ぬ。そうなればすでに願いをかなえて天空寺タケルもいなくなったマコトは、こちらに敵対する理由を失うだろう。全ては眼魔界のためだ」
ジャベル「とはいえ、どうせなら死にかけの天空寺タケルをマコトへの見せしめにして、二度と妙な気を起こさせないようにするのも手か・・・。人間は眼魔には逆らえないと教育してやる」
タケルの延命期限最終日、ジャベルはシブヤを人質に、タケルをおびき出す。
タケルは当然ジャベルに挑むが、ジャベルが変身する眼魔スペリオルには隙がない。マコトが加勢するも、依然として劣勢。そして、生命力が限界に来たタケルは、変身解除して倒れる。
タケル「ごめん、マコト兄ちゃん。俺もう・・・ここまでみたいだ」
マコト「謝るなタケル!謝るのは俺の方だ・・・。俺とカノンのためにお前が・・・お前が死ぬなタケル!」
アカリ「そうよタケル!あたしタケルが死ぬのが怖くて・・・マコトとカノンちゃんに助かってほしくても言えなかった。タケルの代わりに生きてほしいなんて」
アカリ「でもタケルがカノンちゃんを助けてくれた時、あたしにできなかった決断をしてくれたことがうれしかったの!だから最後まで決めたことを貫いてよ!タケルも死んじゃイヤ!」
御成「自分の命以上に人の命をタケル殿は大事になさった・・大天空寺の跡取りにふさわしい御心ですぞ!そんなタケル殿が死んではなりません!」
タケル「ありがとうみんな・・・ああ、でも悔しいな・・・もう、力が出ない・・・」
完全に力尽きて目を閉じてしまうタケル。タイムリミットが来てしまった。
仲間たちの悲痛な泣き声を背に、タケルの魂は天空へと昇ってゆく。
たどりついたどことも知れぬ場所には天空時龍がいた。
龍「よく来たな、タケル。お前は人生にもう満足したのか?」
タケル「父さん・・・俺、まだ生きたいよ。まだ命を燃やしてやることがあるんだ」
龍「なら、私の魂を分けてやろう。それでもう一度やり直せ」
タケル「魂を分けるって・・・それじゃ父さんはどうなるんだよ!?」
龍「お前がもう一度ゴーストとして死んだとき、消滅するかもしれないな。だが、大したことじゃない。お前なら生き返れると信じてるからな。さあ、15の英雄の魂をつなぐんだ」
タケル「父さん・・・俺絶対につないでみせるよ。俺の命も、偉人の魂も、父さんの魂も」
龍の魂がタケルに吸収され、タケルが現世に戻る準備が整った。
一方の現世では、マコトがジャベルを相手に何とか食い下がっていた。しかしとっくに変身は解け、生身で食らいついてはあしらわれるという有り様。
ジャベル「貴様にもう戦う理由はないはずだ。そのままでは貴様・・・死ぬぞ」
マコト「タケルが俺たち兄妹を助けて死んだんだ・・・俺が命を賭けなくてどうする!」
アカリ「もういいマコト!マコトまで死んだらあたし・・・」
御成「タケル殿に救われたなら命を無駄にしてはいけません!逃げる道もありますぞ!」
マコト「悪いな・・・俺はどうやら戦うことでしかけじめをつけられないらしい」
ジャベル「アラン様に従う気はもはやないか・・・馬鹿は死ななければ治らない。望みどおりあの世に行け!」
とどめを刺そうとしたジャベルを飛来した火の玉が突き飛ばした!
タケル「父さんに命を託されたんだ。もうお前の好きにはさせない!」
タケルが変身した闘魂ブーストは、アイコンの力をある程度知っているジャベルでさえ予想外の強さだった。
オメガドライブを受けて爆発するジャベル。
タケル「みんなのあんな姿は二度と見たくない。父さんだって魂をかけて背中を押してくれた。俺は絶対に生き返って見せる」
集まってくる仲間に応えながら、決意を固くするタケルだった。
~第12話完~
自分が勝手ながら考えたif展開、いかがでしたか。
以下、手前味噌な解説になります。
まず、書き方としては不満点を修正していくので、ドラマ部分の描写が多く、戦闘シーンや本編と同じシーンはほぼ省略です。また、西園寺が死んだり、アイコンが散らばったり、タケルが生き返ってジャベルを倒す大まかなオチは同じです。オリジナルの展開やセリフについてはそれぞれの理由があります。
・タケルに最後まで「命をつなぐ」願いを持たせる
タケルが願い事でカノンを優先したことについては、タケルの生存を願う仲間よりも強い理由が必要でした。後になって聞かされても納得のいくような。そこでタケルの命をつなぐ願いと、カノンの命をつなぐ願いは全く同質のものだということにしました。また、アカリは幼馴染として、御成は僧として、カノンの蘇生も望んでいたという描写を加えました。マコトも仲間に加えたことで、願いの譲り合いを強調して、焦っていた仲間たちにも次はタケルの番と希望を持たせてみました。とにかく場を収めるには本来安心感が必要だったと思っていたからです。
そしてタケルの死は、登場人物全員に「受け入れがたい」という感想を持たせています。何しろタケルの死の感想は本編では次の4行で説明できます。
Q:「俺、命燃やせたかな?」
A:「燃やせましたとも!」
「いや・・・いやあああ!」
「俺はタケルの分まで戦って見せる」
後悔や遺恨が残りそうなのにあっさり爽やかでした。このタケルが死んでもほとんどの人が納得してる状況で無理して生き返ろうという気になるでしょうか。第1話の復活よりも盛り上がらないと思います。なぜ復活するのか。それは死にたくない、まだ生きたいからに他なりません。こちらではそういう感想になるように、タケルが生きる意味を追求しています。眼魔たちはマコトを取り返すためにタケルを殺そうとします。仲間たちは、タケルに助けられたからこそ、ここで終わらずに生きてほしいと叫びます。タケルにも死んで悔しいとはっきり自覚させます。そして父さんは自身の魂をかけてタケルを延命してくれるという、重いリスクを描写します。第1話ではこんな雰囲気が少なからずあり、第12話でタケルの死に満足させる意味はなかったでしょう。
・アランとジャベルの行動
アランは本編で活躍が隠されているので、それなりに冷静な立ち回りをさせ、ジャベルへの態度も落ち着かせています。本編での成果がないのに部下への扱いが悪くてマコトに固執する態度はさすがにアレなので。ジャベルはアイコンの知識を握っていることから独自の作戦を取らせました。惜しい人材なので、アランとの喧嘩別れもありません。
こんなところが書いた理由です。読んでくださったみなさんありがとうございました。