初投稿で至らない部分もあるかと思われますが、どうぞお楽しみください。
*ナレーションは本編と同じ
大天空寺に戻ってきたタケルはキュビに詰め寄る。
タケル「キュビ、教えろ!お前ら眼魔がこっちに来るのを止める方法は?」
キュビ「さあ~知らないんだな~。新しい絵がかけたんだ(ry」
タケル「どうやって来たとか、何でもいいから思い出せ、今すぐ!」
キュビにつかみかかるタケル。
キュビ「ちょっ、絵が、やめてほしいんだな!」
アカリ「タケル、よしなさいよ!」
御成「暴力はいけませんぞタケル殿!」
アカリが怒り、御成が間に割って入る。
タケル「早く眼魔を止めなきゃだめなんだよ!」
アカリ「タケル、キュビを見なさい!」
そこではキュビが傷の付いた絵を抱えてうつ向いていた。
キュビ「吾輩、絵を見せたら怒られたんだな・・・。やっぱり吾輩絵を描いちゃ、この世界にいちゃだめなんだな・・・」
タケル「キュビ・・・」
タケルはその姿を見て思わず黙り込む。
アカリ「キュビはタケルが友達になろうって言ったからここにいるのよ。そのタケルに突き放されたらキュビがどれだけ傷つくか分からないの?」
タケル「そうか・・・キュビ、ごめん」
御成「タケル殿とキュビ殿はご友人ですぞ。真心を持って向き合えば、キュビ殿も正直に答えてくれるはずです」
キュビ「吾輩、また絵を描いても、ここにいてもいいんだな?」
タケル「もちろん、俺はキュビの絵大歓迎だよ。もう一度教えてくれないか、眼魔がこっちにどうやってきてるのか」
キュビ「吾輩、イゴール様が開けたゲートを一緒にくぐってこっちに来たんだな。その時イゴール様は「今回はこのゲートがいいだろう。目的の場所に近すぎず遠すぎない」って言ってたんだな」
タケル「ゲートを開けたのはイゴール」
アカリ「でもKMSが「今回は」て言ってたからすでにゲートは複数あるわね。町中にそれらしきものはなかったし、巧妙に隠してるんじゃ探しようがないわ」
御成「眼魔が幹部に誘導されているとしたら、眼魔の侵攻を防ぐにはイゴールのような眼魔の幹部を倒すのが先決ということですな」
眼魔の行き来を封じるために眼魔幹部を打倒すると方針を固めたタケルたち。しかし、タケルが知る限りでもアラン、ジャベル、イゴール、眼魔の世界で戦った幹部の4人がいるため、実現は困難だ。
質問が終わるとキュビはすぐに絵を描くのに没頭し始めた。現金なものだ。
アカリ「それにしてもタケル、眼魔の世界でいったい何があったの?キュビに当たるなんてらしくないわ」
御成「是非話してくだされ。何しろ拙僧たちは」
タケル「わかってる。アカリは幼馴染で、御成は・・・一応兄弟子だもんな」
御成「一応とはなんですか!この御成、修行の量では今でもタケル殿に負けてはおりませんぞ!」
アカリ「はいはい、そのへんにしといて。それでどうだったのタケル。マコトの体は?」
タケル「悔しいけどマコト兄ちゃんの体は取り返せなかった。でも俺は見たんだ。マコト兄ちゃんの体がどうなってるか」
タケルは眼魔の世界でみた一切の経緯を二人に話した。
アカリ「人間をカプセルに閉じ込めて塵にしてるなんて・・・あいつらに捕まったらそうなるっていうの?」
御成「死ぬまで閉じ込めて人の命をもてあそぶとは・・・眼魔はもはや鬼ですぞ!鬼!」
タケル「俺、自分が生きてる間に目の前の人を救えればそれでいいって思ってたけど違った。俺の知らないところであんなに多くの人が・・・だからこれ以上眼魔の好きにさせちゃいけないんだ」
タケル「今からアランを探しに行くよ。あいつは俺とマコト兄ちゃんを助けてくれた。もしかしたら説得できるかもしれない。でもどうしても眼魔の侵攻を止めないって言うなら・・・その時は倒す」
アカリ「タケルが眼魔を許せなくなった理由はわかったわ。でもアランはマコトの友達でもある。これだけは忘れないで」
御成「タケル殿のおかげでこうして足を洗った眼魔もそこにいるのです。どんな相手とも分かり合おうとする真心を持ってくだされ」
タケル「ありがとうアカリ、御成。行ってくるよ」
一方その頃、疲労困憊のアランのもとには、差し入れを届けに来たマコトが現れた。
アラン「貴様に、そして兄上にも裏切られた私を笑いに来たのか」
マコト「おまえが俺たちを助けてくれた。今度は、俺がお前を助ける番だ。そろそろ、これが必要なんじゃないのか」
アラン「誰が施しなど・・」
マコト「無理するな。生身の体だ」
サンドイッチと牛乳パックを手渡しながらマコトが語りかける。
マコト「なあ、覚えてるか?俺たちが友になった時のこと」
アラン「友か・・・それも今では空しい響きだな」
そう言いつつも、アランはマコトとの思い出話を聞きながらその日のことを思い出していた。
並みいる軍人を格闘術で蹴散らして「つまらん」と吐き捨てるアラン。そこに相手として名乗り出たのがマコトだった。
アラン「人間に私の相手は務まらないだろう。ハンデとしてお前だけ武器を使ってもいいぞ」
マコト「そうか、ならこれを使わせてもらおう」
マコトが取り出したのは一本の木刀。
アラン「なんだそれは。そんな棒きれで戦おうというのか」
マコト「子供の頃からこれを使った剣道に慣れてるんだ。この世界では材料の角材を探すのにも苦労したがな。俺が拾ってきた角材を妹のカノンが仕上げてくれたんだ」
アラン「剣道?まあいい。お前の力、私に見せてみろ!」
その言葉を合図にマコトが正面から斬りかかると、アランは軽く横にかわす。マコトは横から胴を狙うも腕で払われ、その隙に反対から回し蹴りを食らう。腰に当たって体勢が崩れたところで、パンチを腹に受けて、吹っ飛ばされる。
アラン「どうした、その程度か。まだやれるなら武器を拾うまで待ってやる」
マコト「まだまだだ。お前に見せてない技があるからな」
マコトは瞬時に木刀を手放し、代わりに受け身をとっていた。
マコト「いくぞ!うおーっ!」
マコトが気合とともに上段から木刀の連打を浴びせる。
アラン「なるほど、先程は小手調べだったか。だが、この程度の速さもどうということはない!」
アランは踊るような流麗な動きでマコトの連撃をさばく。それでもマコトの気迫は衰えない。
アラン(十数発は防いだ。息も上がっている。なのにこいつはいつまで続ける気だ?このまま押し切るつもりでいるのか?)
なかなか決着がつかず、アランに焦りが生じる。
マコト「そこだーっ!」
マコトが構えを変えてアランの顔めがけて突きを繰り出す。アランはとっさに両腕を交差して防御しようとする。だが、マコトは素早く腕を引き、鳩尾に改めて突きを繰り出した。
アラン「何!ぐあっ!」
鳩尾に突きが決まって倒れこむアラン。経験したことのない痛みで体が言うことを聞かない。
マコトの方は肩で息をしながらもしっかりと足を踏ん張ってかまえている。勝敗は明白だった。
アラン「今のが・・・お前の言っていた技か・・・」
マコト「木刀の先端を当てることで圧力を増す「突き」という技だ。とはいえ、そのまま繰り出せばおまえは防げただろう。だから当てられるように気迫でのごり押しやフェイントを混ぜたんだ」
アランが戦った相手にそんな戦法を使う者はいなかった。相手をする軍人たちはアランの高い地位ゆえに、気迫をぶつけたり、フェイントを混ぜたりすることがはばかられたからだ。それでも高い技量で挑んでくる軍人たち相手にアランは勝ってきた。アランの最大の敗因はそれゆえの慢心だったのだ。それを知り、深呼吸して息を整えるアラン。
アラン「面白い。お前こそ私と肩を並べる戦士だ」
マコト「肩を並べるか・・・なら俺たちは友になれるかもしれないな」
アラン「友?なんだそれは?」
マコト「友とはどんな事をしても助け合える存在。少なくとも俺はそう思ってる」
アラン「そうか、お前とともに戦えるなら、それも悪くない」
その後、アランが木刀を作ったカノンにも興味を持って会いに行き、マコトが「俺と実力伯仲の友」と紹介したことで、カノンが尊敬の念を抱いたのはまた別の話。
マコト「俺はお前が眼魔の世界での立場を崩さない以上、お前に味方することはできないと思っていた。今では人間の世界に大切なものが出来てしまったからな」
マコト「家族から裏切られ、人間の肉体に戻ってこの世界に来たんだろう?もういいだろ、あの世界に戻らなくても。俺たち兄妹だってこの世界に戻ることができたんだ。お前もきっと(ry」
アラン「黙れ!お前が友と呼ぼうとも私が眼魔として生きてきたことに変わりはない!いまさら不完全な人間などに・・・」
マコト「わかった、今決めろとは言わない。せめてこれは食べてくれ。友としてお前を助けたいんだ」
アラン「憐みではなく友情ということか。ならば仕方無い」
マコトの友情を受け入れてようやく口をつけるアラン。
アラン「こんな不便なものが、お前たちが望むものなのか」
マコト「今にわかる」
そこへタケルが駆け付ける。
タケル「アラン、お前に話がある。お前がこれからどうするか、それにここにある15個のアイコンをどうするか」
アラン「私がどうするかだと?私は追放されようと眼魔だ。そしてお前にアイコンを渡すと思うか」
マコト「アラン、落ち着け、今結論を出さなくても(ry」
アラン「スペクターは黙っていろ。この男と決着をつければはっきりするだろう?」
タケル「そうだマコト兄ちゃん。俺は今すぐ答えが欲しいんだ」
タケルとアランの間に緊張が走る。