仮面ライダーディケイド~ランド大陸の世界~ 作:gazerxxx
~アバンタイトル~
夏海「大ショッカーを倒して、ライダーの世界も救った。なのにどうして旅は続くんでしょう」
ユウスケ「何?夏海ちゃん、もしかして元の世界に帰りたいの?」
夏海「そうじゃありません。ただ、この写真館が移動してばかりで、お店として地について営業してた頃と違うっていうか…」
士「旅人である俺がここにいるからだろ。なんなら出て行ってやろうか?」
夏海「士君そんな言い方…」
栄次郎「まあまあ、次の世界に行ってみればわかるかもしれない。今そんな予感がするんだ」
栄次郎がスクリーンを下ろすと、そこに映ったのは廃墟とそれを取り囲む壁のような山脈。そしてその中央で激突するバイクの意匠を持った戦士と三体のドラゴンの姿だった。
第1話:原因不明の侵略者
光写真館が現れたのは、荒れ果てた町。他の建物がほとんど崩れている中、健在な光写真館は異彩を放っていた。
ユウスケ「ひどい…何でこんなことに」
士「これだけ荒れてるとなんの世界だかわからないな」
夏海「でも、この世界を守っているライダーがどこかにいるはずですよね」
光写真館から出てきた3人の前には、いつの間にか見たこともない生き物たちが集まってきていた。天使のような翼をもったドラゴンや、球体のような体で浮遊する小動物と言った見た目だ。彼らは共通して体の表面に同じマークがついている。星に握り拳を重ねたようなマークだ。
士「ははっ、ここは魔宝石の中みたいな怪人の世界らしいな」
ユウスケ「いやでも怪人っていうほど悪そうな見た目じゃないけど」
夏海「それに何だか戦いに来た様子じゃありません」
そんな3人に、少年と少女の二人組が声をかけてきた。
グレンモルト「あんたたち、ヒューマノイドみたいだな。新しく来たのか?」
アイラ「ここにキャンプがあるって聞いたけど、もしかしてあなたたちがやってるの?」
ユウスケ「うわっ、人間がいた!」
士「人間に驚いてどうする」
夏海「私たちはヒューマノイドっていうか他の世界から来た人間ですけど…」
そこに栄次郎が出てくる。
栄次郎「いつの間にかお客さんがたくさん。立ち話も何だし、上がってコーヒーでもどうぞ」
アイラ「やっぱりキャンプだったのね、助かるわ。わたしはアイラよ」
グレンモルト「恩に着るぜ。俺はグレンモルトだ。“仲間のヒューマノイド"なんて久しぶりだな」
お礼を言いながら上り込んで椅子に座るグレンモルトとアイラ、そして球体たち。
士「おい、お子様とボールはともかく、ドラゴンは写真館に入れないだろ」
時間龍ロッキンスター「お気遣いなく。私たちは食事だけいただければ、外で結構です」
ユウスケ「しゃべれるのか?」
時の玉ミラク「ボクたちの世界じゃ、ほとんどの生き物と言葉が通じるんだ。ボクたちの世界の生き物はひっくるめてみんなクリーチャーっていうんだけどね、いろんな種族がいるんだ」
時の玉ミラク「ここにはボクみたいなジャスティス・オーブ、外のエンジェルコマンド・ドラゴンがいるんだ。たまに黙ってるだけなのもいるけど。さっきはジロジロ見ちゃってごめんね」
夏海「“ボクたちの世界"って、知ってるんですか、別の世界があるってこと?」
グレンモルト「あんたの一言を聞いてみんなピンときたぜ。他の世界から来たって話は、アウトレイジの連中から聞いてるんだ」
グレンモルト「別の世界から来たっていう一人、破壊者(スクラッパー)シュトルムさんも、俺たち革命軍の仲間なんだぜ」
夏海「皆さんは革命軍っていうんですか?」
グレンモルト「聞きたいか?俺たち革命軍は(ry」
アイラ「いい加減飲み物も飲みなさいよグレン。せっかくおいしいのに冷めちゃうでしょ」
モルト「あっ、悪いアイラ」
アイラ「その続きはわたしが話してあげる。どうして町がこうなったのか、その初めからね」
アイラが語った経緯はこうだった。
ある日、このランド大陸で正気を失い、暴れ出すクリーチャーが続出した。暴れ出したクリーチャーたちは、周りの仲間や住処を侵略することしか考えず、“侵略者"と呼ばれた。侵略者の力は強大で、クリーチャーたちは倒され、住処は次々に略奪されていった。だが、それと同時期に、侵略者への反抗を決意したクリーチャーたちもいた。その決意に呼応してか、彼らの体には共通のマークが浮かび上がり、彼らは革命軍を名乗った。革命軍は侵略者に対抗しうる力を持ち、少ないながらも各地で団結して、侵略者の軍勢に抵抗し続けている。侵略者が発生した“侵略の日"は、謎のウイルスがばらまかれたのが原因で、革命軍はその抗体を身につけた者たちではないかと噂されているが、真相は定かではない。この光の国は、革命天王ミラクルスターという国王にして革命軍のドラゴンが守っていたが、“音速の侵略者"にミラクルスターは敗れ、壊滅状態。グレンモルトとアイラは、他の大陸からこのランド大陸に訪れて革命軍入りし、今では各地の革命軍の連絡役としてこの光の国に駐在してるという。グレンモルトとアイラは大陸外から来たヒューマノイドの種族だが、このランド大陸のヒューマノイドたちは、“音速の侵略者"と化してしまったらしい。光写真館も、敵か味方か確認するために、革命軍が偵察に来ていたそうだ。
アイラ「侵略者にも共通のマークがあるの」
アイラが絵で示したマークは、大鷲が地球を背にしたようなマーク。大鷲がDCDの文字が入った地球をつかんでいる大ショッカーによく似たマークだった。
ユウスケ「こいつら…まさか、大ショッカー!」
夏海「そんな、大ショッカーは倒されたはずです!」
士「どうだかな。あいつら毎年のように復活するからな」
グレンモルト「あんたらも侵略者を知ってるのか?」
士「腐れ縁だ。となると、俺がこの世界でやることも決まった」
ユウスケ「やる気になったのか士!じゃあ俺たちも今から革命軍だな!」
グレンモルト「あんたらも一緒に戦ってくれるのか、よろしくな」
グレンモルトと握手するユウスケ。しかし、士は手を出さない。
士「悪いが、俺はこの世界で戦うライダーを探さなきゃならない。そいつに協力するのが俺の使命だ」
ユウスケ「水臭いぞ、士。シンケンジャーの世界じゃライダーじゃなくても協力したじゃないか」
夏海「そうですよ。ここにいなくても革命軍として戦ってるライダーがどこかにいるはずです。革命軍とは協力しないと」
グレンモルト「ライダーなら…俺たちの敵だ」
ユウスケ「ライダーが敵?どういうことだよグレンモルト」
グレンモルト「俺たちの知ってるこの世界のライダーは“音速の侵略者"だ。奴らはこの光の国を滅ぼしたんだ」
その会話を引き裂くように、外から爆音が聞こえてきた。何十台と言うバイクの音だ。
グレンモルト「噂をすれば来たか、音速の侵略者たちだ。革命軍出撃!」
ユウスケ「俺たちも行くぞ」
士「俺が捜してるライダーだといいがな」
夏海と栄次郎を残して再び表に出る面々。廃墟の悪路をものともせず、バイクでこちらに突っ走ってくる集団がそこにはいた。先頭を切る真紅のバイクに乗ったクリーチャーは、こちらに気づいていても全く速度を緩めない。
轟速ザ・レッド「オラオラどきやがれ!ザ・レッド様のお通りだ!」
士「バイク…あれがこの世界のライダーか?」
ユウスケ「どう見ても暴走族じゃないか。おい危ないぞ止まれ!」
轟速ザ・レッド「文句あるのか。なら俺に追いついてみな!」
ザ・レッドはバイクで士たちの周りを旋回し始める。あまりの速度に、全員ザ・レッドに追いつくどころか、轢かれないよう避けるので精一杯だ。
ユウスケ「このっ、なめられてたまるか。俺たちもバイクだ士!」
士「言われるまでもないな。この生意気な奴にライダーのドラテクってのを見せてやる」
士/ユウスケ「変身!」
士は仮面ライダーディケイド、ユウスケは仮面ライダークウガに変身する。そしてジャンプでザ・レッドを飛び越えて写真館に戻る。すぐに二人はバイクに乗って現れる。そしてバイクでザ・レッドに追いつき、横から交互に体当たりを仕掛ける。ザ・レッドも負けじとぶつかり返し、お互いに揺らぎつつもバランスを保って並走する。埒が明かないと、二人はザ・レッドの横から離れ、クウガがウィリー走行でザ・レッドに迫る。ザ・レッドは横にかわし、通り過ぎたクウガが前輪を着地させる隙を狙う。だが、ザ・レッドに上から
ジャンプしてきたディケイドのバイクが接近する。よけきれずに衝突し、横転するザ・レッド。だが衝撃を殺し、すぐに体勢を立て直した。
ザ・レッド「チッ、こんなバイク乗りがいたとはな」
士「ライダー同士のバイク勝負と行こうぜ」
ユウスケ「俺たち仮面ライダーが相手だ!」
グレンモルト「あれがあいつらの戦う姿、仮面ライダーか。あいつらならやるかもしれない」
アイラ「わたしたちは残りを引き受けないとね」
ザ・レッドに宣戦布告する仮面ライダーと、残りのバイク軍団に向かい合う革命軍。しかし、ザ・レッドはそれを鼻で笑う。
ザ・レッド「フッ、誰がそんなこと決めた。革命軍なんて全員、俺一人で十分なんだよ。野郎ども、手ェ出すんじゃねえぞ」
ザ・レッドの号令を聞いて、バイク軍団が停止する。
ユウスケ「お前ひとりで十分だと?ふざけるのもいい加減しろ!」
グレンモルト「いや、ハッタリじゃない。光の国のほとんどを滅ぼしたのはあいつなんだ」
アイラ「せめて後ろのバイク数体だけでも倒そうと思ったんだけど、本気であいつ一人でわたしたち全員を倒すつもりなら…わたしたちでも厳しいわ」
士「後悔するなよ、世間を知らないヤンキーは見栄を張りたがる」
ザ・レッド「俺にスピードで挑もうとしたテメエらに応えてやろうと思ったのさ。見せてやるぜ、俺の変身を。侵略発動!!」
ザ・レッドが加速し、それにバイクが反応する。バイクからジャンプするザ・レッド。バイクがパーツに分解し、ザ・レッドに装着される。変身が完了し、降り立ったザ・レッドの姿は、スクリーンに映っていたあのバイクを意匠とした戦士のものだった。
轟く侵略レッドゾーン「俺はバイクと一体となった、轟く侵略レッドゾーンだ!」
士「やはりこいつがこの世界のライダー。すでに侵略者の手に落ちていたということか」
ユウスケ「嘘だ、こんな奴はライダーじゃない!」
グレンモルト「全員がかりじゃないとこいつとは戦えない。行くぞみんな!」
グレンモルトの合図とともに、革命軍がレッドゾーンめがけて突っ込む。
レッドゾーン「レッドゾーンラッシュ!」
レッドゾーンが目にもとまらぬ速さでパンチを繰り出した。そのパンチは何十、何百発と言う残像を生み、革命軍と仮面ライダーを嵐のように打ち据える。残像より遅れた拳の唸りが聞こえた時には、声を上げる暇さえなく、すでに倒れている革命軍の姿があった。パンチのスピードが、拳が唸る音さえも置き去りにしたのだ。エンジェルコマンド・ドラゴンたちはすでに倒れ伏し、ジャスティス・オーブたちはその球形の体が崩れかけて地に落ちていた。グレンモルトとアイラは剣で体を支えている状態だ。何とか拳をしのいで、立っていたのはディケイド。クウガも持ちこたえているが、攻撃はしのげず、気力だけで立っている有り様だ。
レッドゾーン「俺の音速を越えたパンチを受けて立ってられるとはただ者じゃねえな。平和ボケしたこの大陸出身の奴らとは違うぜ。少しは戦い方を知ってやがる」
士「当たり前だ。お前みたいなのを井の中の蛙って言うんだ」
ユウスケ「お前らにだけは…負けたく…ない」
アイラ「わたしたちは、この大陸にも、平和を取り戻して、みせる!」
グレンモルト「それに、革命軍をなめるな…俺たちは、しぶとさがウリなんだ」
レッドゾーン「言うじゃねえか。だが、俺にとってこのシケたコースは第一コーナーにすぎないんだよ」
ユウスケ「どういう意味だ!」
レッドゾーン「この先の火の国で、ベガスダラーの野郎が火の国の王に負けたって聞いたからな。そこを攻めて俺の新しいサーキットにした方がひりつきそうだぜ」
アイラ「ベガスダラー…奇天烈の侵略者の幹部が?」
グレンモルト「それに、火の国の王、ドギラゴンが勝ったのか!」
レッドゾーン「俺は火の国まで突っ切るが、走れない奴に用はねえ。お前らの中で俺についてこれそうなのは、そこのピンクライダーしかいねえぜ」
士「ピンクじゃない、マゼンタだ!ご指名なら付き合ってやるよ。10秒間だけな!」
ディケイドはディケイドファイズにカメンライド、すなわち変身する。さらにフォームライドで、10秒間1000倍のスピードで行動できる強化フォーム、アクセルファイズに変身する。
レッドゾーン「10秒もいらねえな。おい野郎ども、このサーキットはくれてやる」
レッドゾーンは革命軍とクウガの相手を残りの音速の侵略者に任せ、走り出した。ディケイドファイズも加速して追いかける。二人は高速移動しながら激しくぶつかり合い、廃墟を駆け抜けていく。
ユウスケ「あいつは士に任せるしかないか」
ディケイドとレッドゾーンを見送ったクウガを銃弾が襲う。
ユウスケ「痛っ、卑怯だぞ!」
音速ドライブ「この音速ドライブ様は先制攻撃が得意技なんだよ」
音速ニトロフラグ「レッドゾーン様には追い付けないが、俺たちのスピードも音速並みだ」
音速ニトロエアー「走れもしないノロマどもを片付けてやる」
アイラ「確かにわたしたちはもう走る力が残ってない」
グレンモルト「それでも守ることはできる」
押し寄せる音速の侵略者を、クウガ、グレンモルト、アイラが迎え撃つ。
ユウスケ「超変身!」
廃墟から鉄パイプを拾い上げて、基本フォームのマイティフォームから、ドラゴンフォームへと変身。鉄パイプも専用武器ドラゴンロッドへと変化させた。ドラゴンフォームになって俊敏さの上がったクウガは走ることはしないが、軽やかな動きとジャンプで、音速の侵略者の攻撃をいなし、ドラゴンロッドで叩き伏せていく。音速ドライブが銃撃してくるも、乱戦を利用してうまくかわされてしまう。
グレンモルト「おりゃあ!」
アイラ「やあーっ!」
グレンモルトは鍛え上げた腕力による剛剣で、アイラは洗練された居合で、音速の侵略者を切り伏せる。
小数の革命軍が、多数の音速の侵略者に囲まれた状況。この圧倒的優位が、音速の侵略者の意識を「後一撃入れれば」という攻めに向かわせ、倒れた仲間を背水の陣とした革命軍のカウンターを可能にしていた。
音速ドライブ「しゃらくせえ、侵略発動だ!」
音速ドライブは当たらない銃を投げ捨て、大型のガトリング砲を装備した別の姿へと変身する。
音速ガトリング「ハチの巣にしてやるぜ」
音速ガトリングの機銃掃射が、革命軍を襲う。この火力はいなすことができず、ダメージを受けるクウガと革命軍。
ユウスケ「ぐああっ!どうすれば…」
倒れこんだクウガの目の前には、さっき音速ドライブが投げ捨てた銃が転がっていた。
ユウスケ「これだ、超変身!」
今度は銃を手に取ってペガサスフォームに変身、銃も専用武器のペガサスボウガンとなる。
音速ガトリング「撃ちかえす気か、バカめ。俺の音速のスピードと銃火器を合わせたヒットアンドアウェイには無意味なんだよ」
高速で移動し、攪乱しようとするガトリング。だが、その姿は感覚が鋭くなったクウガ・ペガサスフォームにははっきりと捉えられていた。クウガの発射した空気弾は、廃墟を縫うように移動していたガトリングに直撃する。
音速ガトリング「この俺が、撃ちかえされた、だと…」
ガトリングは爆散する。これを見て、音速の侵略者にも動揺が走る。
音速ニトロエアー「侵略が破られただと、相手はたった3人だぞ!」
音速ニトロフラグ「落ち着け、弟よ。ザ・マッハの侵略が可能になるまで攻め続けろ!」
アイラ「相手に焦りが出てきた。根競べはわたしたちの勝ちね」
グレンモルト「いけるぜユウスケ、これなら!」
ユウスケ「任せてよ、だって俺クウガだし!」
その時、黒い翼の生えたミイラのようなクリーチャーが、頭上からクウガに忍び寄り、クウガの首に注射器のようなものを突き刺した。
不死(ゾンビ)デッド「隙あり!」
ユウスケ「ぐっ、お前、何を…」
クウガは言葉が続かない。そして、クウガの体には侵略者に似たマークが浮かび上がっていた。ただし、そのマークは書いてある鳥の体は丸く、羽が細かい、今までのマークと違うものだ。
アイラ「ユウスケ!ユウスケに何をしたの!?」
グレンモルト「お前いったい何者だ!」
不死(ゾンビ)デッド「俺様は不死の侵略者デッド。そいつにS級ウイルスを注入してやったゾ」
アイラ「ウイルスってことは、ユウスケを侵略者に!」
グレンモルト「何でユウスケを狙った!」
不死デッド「ただのウイルスとは違うゾ。S級ウイルスは今までの侵略者を超えたS級侵略者を生み出すウイルスだゾ」
不死デッド「レッドゾーンを探して注入して来いって命令だったけど、速すぎて追いつけないし、こいつは革命軍と違って抗体がないから腐ったゾンビになりそうだったゾ」
グレンモルト「ゾンビだと、ユウスケがそんなものになるか!」
アイラ「グレンの言う通りよ、ユウスケ目を覚まして!」
だが、クウガはその身を藍色に変え、目を妖しい紫色に光らせ、グレンモルトとアイラに襲いかかってきた。二人は、そのパンチやキックを、剣で防ぐしかない。
不死デッド「お前らの知ってるこいつは死んだんだゾ。今のこいつはS級不死(ゾンビ) デッドクウガだゾ」
音速ニトロエアー「やるなミイラ野郎。これで革命軍はおしまいだ」
音速ニトロフラグ「俺たちについてきて援護するその根性は認めてやる」
不死デッド「いやいや礼なんていいんだゾ。お前ら侵略者はもういらないんだから」
音速ニトロエアー「お前、何言ってんだよ」
不死デッド「聞いてなかったゾ?元々S級侵略者をレッドゾーンから作るつもりだったんだゾ。S級侵略者の方が強いから。革命軍に勝てない侵略者なんていらないんだゾ」
音速ニトロフラグ「何様のつもりだ。気に食わん」
不死デッド「やる気ならお前らも腐った死体にしてやるゾ。デッドクウガ!」
不死デッドの呼びかけで、デッドクウガが音速の侵略者へと目標を変える。
音速ニトロエアー「ノロマなゾンビが俺たちに追いつけるか!」
音速の侵略者たちが、バイクでデッドクウガに迫る。だが、デッドクウガは両手から黒い瘴気を放つ。その瘴気を浴びてバイクが腐食し、停止してしまう。
不死デッド「バイクがなきゃお前らもノロマだゾ。やれ」
デッドクウガが音速の侵略者を一人一人殴り倒し、蹴散らしていく。
グレンモルト「ユウスケ!くそっ、どうすりゃいい」
不死デッド「心配いらないゾ。次はお前らもこいつと同じ死体になれるんだゾ」
アイラ「いいえ、まだユウスケには仲間がいるわ」
そう言ってグレンモルトを連れて写真館にとって帰るアイラ。
一方、ディケイドとレッドゾーンはお互いに殴り合いながらも走り続け、3秒間で火の国との国境である山脈「壁の雪山」まで来ていた。
レッドゾーン「どうやら俺のパンチにも応戦できているな。楽しめそうだぜ」
士「それよりお前でもあの山を超えるには10秒以上かかるんじゃないのか?10秒もいらないは大口だったか」
レッドゾーン「超えるだと?下らねえ。俺のコースに壁なんざいらねえんだよ」
レッドゾーンは減速せず壁に接近し、山脈に向かって飛び蹴りを繰り出した。蹴りを受けた壁の雪山は崩れ、逃げ場のない落石がディケイドにまで迫る。
士「あいつ、無茶しやがって!」
やむを得ずディケイドはアクセルファイズ状態の必殺技、アクセルクリムゾンスマッシュを繰り出す。無数の岩石をすべてロックオンし、高エネルギーのフォトンブラッドを込めたキックで、残らず灰と化した。必殺技を終えるとアクセルファイズは解除され、元のディケイドの姿に戻る。
爆炎が晴れた後、壁の雪山にはレッドゾーンの蹴りによる風穴があいていた。レッドゾーンは蹴りの勢いで一気に穴をあけた向こうまで跳んだようだ。そしてその穴の向こうで一匹の赤いドラゴンが、レッドゾーンと対峙している。
レッドゾーン「よう、会えてうれしいぜ。侵略者幹部すら倒す革命ゼロに目覚めた火の国の竜王、ドギラゴン」
燃える革命ドギラゴン「俺たちの国境にでかい穴をあけてくれたな、侵略者が。こいつは俺たちの国の平和の象徴。ただでは帰さんぞ」
壁の穴を通じてその様子を見守る士。
士「あいつの言うとおり10秒たたないうちに、リードを取られたな。さてと、俺も火の国にお邪魔するか…あいつにはだいぶ後れを取りそうだ」
士の目の前にある風穴は、少なくとも距離数十キロという洞穴だった。
その頃、第3の王国、闇の国に面した壁の雪山にも、別世界からの旅人がいた。
幻影ミスキュー「僕のびっくり入れ替えマジックが効かないなんて、君何者?」
海東「何しようとしたか知らないけど、カードから出した兵隊さんにあてたんじゃ魔法も効かないさ。僕は海東大樹。名前の通りの怪盗さ。この地に眠る伝説の禁断のお宝をいただきに来たんだ」
幻影ミスキュー「禁断の封印は僕たちが解くもんね~。壁の雪山からおかえり願えない?」
海東「その口ぶりじゃ、お宝はこの山に封印されてそうだね。譲ってくれない?」
幻影ミスキュー「そうはいかないよ、侵略発動!」
ミスキューが人型トーテムポールのようなその体を、龍を模した巨大トーテムポールに変身させる。
超幻影ワラシベイベー「びっくり入れ替えマジックが効かないなら、かみ砕いちゃえ!」
海東「ダメダメ、人の目を欺きたいなら、切り札は最後まで隠しておかないと」
海東が変身した仮面ライダーディエンドは、必殺技のクロスアタックを発動する。隠れていた2体のライオトルーパーが現れる。ディエンドと、さっきミスキューの魔法を無力化したライオトルーパーと並び立つ。
超幻影ワラシベイベー「あと2体いたの!」
ワラシベイベーが戸惑った隙に、2人のライオトルーパーは跳躍する。そして上下に気を取られたワラシベイベーを、下からディエンドとライオトルーパーが狙撃し、上からライオトルーパー2人が切りつけた。4人がかりのライダーの必殺技を受け、地に沈むワラシベイベー。
超幻影ワラシベイベー「こんな侵入者を近づけるなんて…闇の国の獣軍隊は何をやって…」
愚痴を言い終わらないうちに爆散するワラシベイベー。
海東「闇の国か。そこにいる連中に会えばもっと情報を聞き出せるかな」
ランド大陸近海の海底のさらに地下にある地下都市。そこにはこの世界を侵略者で揺るがす謎の科学者集団がいた。彼らは巨大なポッドを操縦し、その姿は外からはうかがえない。今の彼らは「正体不明」「No Data」とでも呼ぶべきだろう。
No Data「レッドゾーンをはじめとする音速の侵略者が、大陸外からの侵入者と交戦中。どうします?」
正体不明「放っておけばいい。音速の侵略者が暴走するほどに、禁断の封印が解けやすくなるのはわかっている。奴らが倒されたところで、我々に支障はないのだ。我々が動き出すのは禁断の封印が解けた時」
侵略者ランドヘッド「お客様でございます」
正体不明の側近である、頭部に手足の生えた体型の小型ロボット、ランドヘッドが客を案内してきた。
正体不明「この地下都市に客だと?面白い、通してみよ」
這いずるように入室してきたのは、どの種族のクリーチャーとも知れない奇怪な人物だった。
???「不思議ではない。この地下都市に来られるよう、水のクリーチャーの力を取り込んで我が身を“改造"したのだ。」
No Data「それにしては今にも死にそうだな。改造と言うよりも延命措置ではないのか」
???「諸君もウイルスを防ぐために、そのポッドにこもっているのだろう?生きるためには誰しもなりふり構わぬものだ」
正体不明「なるほど、一理ある。要件はなんだ?新たな延命措置としてこのポッドを使いたいとでも?」
???「それだけではない。わしの目的は諸君と同じく世界を支配すること。そしてそのための力がここにある」
その人物はカードに封じ込められたある呪文を示した。
No Data「この呪文は…これなら禁断の封印を予定よりも早く解ける。そして邪魔者もすべて消去できる」
正体不明「しかしこれを唱えるには大量のマナがいる。並行して調達する必要がありそうだ」
???「マナの調達は我が軍団も協力しよう。そして発動させるのだ。別の世界で手に入れた最悪の呪文“オールデリート"を。」
正体不明「よかろう、お前はもう我々の一員だ。このポッドを使うがいい」
No Data「我々は時が来るまで名前すら出さない。お前も名前を隠すのだ」
???「ならばわしの名前は、理由なき侵略者“原因不明“とでもしようか」
ポッドに身を包み、謎の侵略者がここに誕生した。
次回、仮面ライダーディケイド!
レッドゾーン「俺は自由に走り続ける。その自由を邪魔する奴は誰であろうと排除するだけだ」
士「革命軍の奴らは自由じゃない、そう思ってるのか」
グレンモルト「俺もユウスケみたいに、暴走したことがあるんだ」
アイラ「ユウスケがゾンビになったとしても、仲間が呼びかければ!」
夏海「笑顔を思い出してください、ユウスケ!」
時の玉ミラク「ボクが、あいつらを止めるよ!」
海東「君が闇の国の竜王、キラー・ザ・キルか。お宝を平和なんかに埋もれさせて、もったいないと思わないかい?」
第2話:爆走せよレッドゾーン
ディケイドの二次創作、結構読んできましたが、自分で書いてみるのは初めてです。ディケイドの前篇でやってることは、第1話でやってみようと思ったのですが…
・ディケイド一行の引っ越し、遭遇
・世界観説明
・↑できれば危機もアピール
・ライダーの活躍
・ディケイドの活躍
・怪人の活躍
・ラスボスチラ見せ
・時々サブライダー
…やること多い。オムニバス形式とはいえ、かなり1話の尺に詰め込んでますね本編。そしてディケイド一行が苦戦中。だいたいレッドゾーンのせいです。この世界のライダーはレッドゾーンで、原典では最後まで革命軍と敵対してました。ただ、ディケイドが訪れたことで、その物語も変わっていきます。原典と違って、レッドゾーンの代わりに、クウガがゾンビにされるのも変化の一環です。そしてゾンビにされたクウガも次回には…?
このランド大陸を舞台とした革命編とクロスオーバーさせた理由はいろいろあります。
・レッドゾーンをはじめとした音速の侵略者に、特撮ヒーローパロディが多い
・侵略者もショッカーオマージュ
・革命編はランド大陸が滅びるバッドエンド
革命編のストーリーの全容が分かり、ランド大陸がほろんだあとの続編が始まろうとする今のタイミングで書きたかったわけです。
お楽しみいただけたでしょうか。読了ありがとうございました。