仮面ライダーディケイド~ランド大陸の世界~   作:gazerxxx

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第3話:爆ぜろドラッケン!!

~アバンタイトル~

 

これまでの仮面ライダーディケイドは!

士「スピードを追い求めるだけが強さじゃないってことだ」

レッドゾーン「いけすかねえ奴だ。だが確かにお前は強い」

ドギラゴン「お前はあのライダーと戦いで分かりあったんだろう?あいつは俺に味方してくれた。ならお前も今は味方、それだけだ」

レッドゾーン「いずれ革命ゼロのドラゴンがあと2体そろうんだろ?その時もう一度決闘を申し込むぜ。それまで馴れ合うつもりはねえ」

 

ミラダンテ「革命のゼロの力に目覚めたボクでも、ユウスケを止められなかった。ユウスケを止められるのは仲間の夏海ちゃんだけだ」

グレンモルト「ミラダンテは負けちゃいない、信じて俺たちに託したんだ」

アイラ「そしてわたしたちが勝利へとつなぐ!」

夏海「ユウスケ、いつもみたいに笑ってください…光家秘伝、笑いのツボ!」

ユウスケ「今度はお前を倒してみんなの笑顔を取り戻すんだ。変身!」

 

キラー・ザ・キル「たとえお前が協力しても、我は死ぬつもりだ。宝も渡せん」

海東「そうまで言われちゃ黙ってられないな。僕の実力を次の戦いで見ていたまえ。話はそれからだ」

 

第3話:爆ぜろドラッケン!!

 

自分であけた壁の雪山の大穴から火の国を出て、光の国との国境沿いまで戻ってきたレッドゾーン。その変身が解け、元のザ・レッドとバイクの姿に戻ると、ザ・レッドは停止させたバイクに背中を預けて一息ついた。

轟速ザ・レッド「ドギラゴンの野郎が鈍臭くてよかったぜ。仮面ライダーは気づいたかもしれねえが…あの野郎はわざわざ喋ったりしねえだろ」

ザ・レッドが抑えている脇腹からは、その真紅の体と同じ色の液体がこぼれ出ていた。装甲で隠していたが、ザ・レッドはドリルとの戦いですでに手負いだったのだ。しかしそれをドギラゴンに気づかれ、引き留められるのは彼のプライドが許さない。自分一人の力でこのお礼参りはしてやらなくては。

 

超轟速マッハ55「おい、ザ・レッドか…?どうしたその怪我…お前ほどの奴が…」

ザ・レッド「マッハ55…どの口が言うんだよ。テメエほどじゃねえぜ…テメエこそどうしたんだ?」

ザ・レッドに声をかけてきたのは、山から下りてきたマッハ55だった。だが、その体は一面が凍りつき、軋むような音を立てながらぎこちなく手足を動かしている。声を絞り出しながら途切れ途切れにしゃべっている。ミラダンテの予想通り、マッハ55が無事に雪山を降りるのは不可能だった。それでも火の国まで向かったザ・レッドに会うため、マッハ55は凍りついた体を無理に動かし、麓まで下りてきていた。火の国に降りるつもりが、吹雪で方向すらわからず光の国の側に降りてザ・レッドと再会できたのは運命のいたずらと言える。

マッハ55「お前に伝えなきゃならねえ…俺たち音速の侵略者は…全滅した…最後に残った俺も…このざまだ」

ザ・レッド「テメエが侵略しても負けたのか。このザ・レッド様がいれば勝てたと思うか?」

マッハ55「分からねえ…俺が負けた光の国の新しい竜王…あいつの革命ゼロは…俺たちより速いかもしれねえ」

ザ・レッド「革命ゼロ、本当に2体目が出やがったか。よく戦ったじゃねえか、強かっただろ?」

マッハ55「ああ喜べ…お前と張り合えるくらい強いぞ…あのミラダンテは…だが俺たちはド腐れゾンビにも負けた…俺たちを要らねえと抜かした…そいつだけは殴り倒してやりたかったんだがな…」

ザ・レッド「なるほど決まったな、俺の戦う相手が。後は任せとけ」

マッハ55「頼むぜザ・レッド…お前は勝って自由に生きろよ…俺たちを必要とするのは…俺たちなんだ」

マッハ55はそれきり固まって動かなくなった。完全に凍り付いてしまったのだ。故郷などなく、各地を走り回るザ・レッドにとって唯一ともいえる拠り所である仲間の死。だが、仲間はその場にとどまり、死を悼むことなど望んでいない。

ザ・レッド「バカ野郎、死ぬまで意地張りやがって。おかげで俺がこんな傷で寝てられなくなったじゃねえか」

ザ・レッドの傷はもう血が凝固していた。そして本来感じる痛みも、戦いへの意思で抑え込んだ。ザ・レッドは立ち上がり、バイクに乗ってそのエンジンをかける。

ザ・レッド「俺たち音速の侵略者は誰にも止められねえぜ」

そこへ突然青い火球が向かってきた。素早くバイクでかわすザ・レッド。どこからか飛んできた火球だが、ザ・レッドはその出所を見切っていた。

ザ・レッド「隠れてないで出てこいよ。空中から火の球ぶつけるだけじゃ俺は倒せねえぜ」

空中の一点を見つめて挑発するザ・レッド。

 

眼魔ウルティマ・ブルーファイア「奇襲失敗。次のプログラムを模索中」

モノリス眼魔「だから言っただろう、半端な奇襲は通じないと。指揮はやはり私に任せてもらおう」

ウルティマ・ブルーファイア「了解」

空中から十数体の影が出現した。黒いフードを被ったのっぺらぼうが十数体。彼らは仮面ライダーの世界でいうところの眼魔コマンドだ。ただし、侵略者マークがついているところを見ると、彼らもすでに改造(ボーグ)の侵略者と化しているらしい。そして彼らを率いているらしい際立った存在感の持ち主が二人。純白の体に青い炎のような装飾が施された人型のクリーチャーと、青い瞳に片眼鏡をつけ、両肩に小型の石版、と大理石模様のコートを羽織ったようなクリーチャーだ。彼らは眼魔コマンドを指揮する眼魔怪人、その中でも強力な戦闘能力を持つ存在だ。

 

モノリス眼魔「早くも我々の存在に気づいたようだな。お前には姿を消して悟られぬよう攻撃しても、圧倒的速度で逃げられそうだ。だが、こうして姿をさらせば戦わざるを得まい。注意をひきつけた方が我々も戦いやすい」

ザ・レッド「余裕じゃねえか。少しはビビると思ったぜ」

モノリス眼魔「お前など私にとっては力を試す試金石にすぎないのだ。奇襲で倒さない方が箔がつく」

ザ・レッド「テメエもドリルどもと同じでライダーを狙ってるのか?」

モノリス眼魔「確かにライダーは邪魔者だが、私と洗脳された連中と一緒にしないでもらおうか。私はあくまで彼らに力を買われて復活させられ、邪魔者の排除に協力してやっているのだ」

ザ・レッド「テメエよりも上の連中がまだいやがるのか」

モノリス眼魔「彼らが上だと思っていられるのも今の内、ライダーと革命軍を排除すれば、最後には私が上に立つ。もう二つの世界のみつなぐモノリスになど頼らぬ。時空を超えてすべてを支配する力を!」

モノリス眼魔は鍾乳洞のような乱杭歯をむき出しにして笑う。

ザ・レッド「よく分からねえが、テメエがあのセコイ連中と同類だってことはわかったぜ」

モノリス眼魔「チッ、この私の偉大さを理解してひれ伏せば手下にしてやったものを…ライダー抹殺作戦開始だ!」

眼魔ウルティマ・ブルーファイア「標的を排除」

 

ウルティマ・ブルーファイアが火球を何発か発射するが、ザ・レッドにはすべてかわされ、見当違いの方向へ飛んでいく。ザ・レッドはそのまま加速し、眼魔コマンドへと突っ込む。眼魔コマンドは短刀で応戦しようとするが、ザ・レッドに一太刀も当てることすらできず、跳ね飛ばされていく。最後の眼魔コマンドを跳ね飛ばすと、ザ・レッドはそのままさらに加速する。

ザ・レッド「侵略発動!」

バイクからジャンプしたザ・レッドにバイクのパーツが装着され、レッドゾーンの姿となる。そしてジャンプした勢いのままに、宙を浮遊していたモノリス眼魔を殴りつけた。

レッドゾーン「オラ!」

モノリス眼魔「ぐはっ!」

モノリス眼魔の石のような歯が何本か折れる。そのままレッドゾーンは地上に降り立った。

レッドゾーン「高いとこから他人を見下しても安全とは限らねえんだよ。俺は空中にいようが追い付けるぜ」

モノリス眼魔「ぐうっ、私とブルーファイアが空中にいるのは、逃げるのではなく次の攻撃の布石のためだ。そろそろ来るころだ」

その言葉通り、何かの轟音が響いてくる。レッドゾーンはあたりを見回し、その出所が壁の雪山だと気付いた。

レッドゾーン「まさか最初の火球は…」

モノリス眼魔「フフフ、そうだ。あの火球は雪山を狙った。そしてお前が地上の眼魔コマンドを、先手として片づけることに気を取られていたのも私の計画通りだ。雪崩から逃げられるかな?」

ウルティマ・ブルーファイアの火球で雪が解かされ、雪崩となって押し寄せる。しかも複数個所に布石を打っておいたらしく、四方から雪崩が押し寄せてくる。

レッドゾーン「逃げ場は上しかねえ」

レッドゾーンは全力で上に跳躍する。そのまま先ほどのように、モノリス眼魔の方向へと跳ぶ。滞空時間の限り、モノリス眼魔を殴りつけ、次はモノリス眼魔を足場にジャンプしてブルーファイアを倒す。空中戦を得意とするクリーチャーたちも、レッドゾーンはそうやって倒してきた。だが、こちらを見ているモノリス眼魔は片眼鏡からレーザーを発射した。

レッドゾーン「ぐおっ!」

ジャンプの姿勢が崩れて一気に重力がかかり、雪の上に落下するレッドゾーン。幸いにもレッドゾーンが落ちるまでに雪崩は静まっていたが、あたり一面は雪で埋め尽くされた銀世界だ。これではレッドゾーンの機動力が落ちるのは否めない。

 

モノリス眼魔「先ほどは見せていなかったが、私には光速のレーザーがあるのだ。これで私に向かってくると分かっているお前は必ず迎撃できる。そして地上は雪で埋まり、逃げきることもできない。さあ、どうする?」

レッドゾーン「その攻撃も敵に顔を向けるアクションがいるじゃねえか。地上を走る俺を目で追えるのかよ?」

レッドゾーンは雪原を縦横無尽に走り、敵を攪乱し始める。雪原の外まで一瞬で逃げ切る速度は出せないが、モノリス眼魔が目で追うよりはるかに速い。しかし、レッドゾーンの周囲に青い火球が着弾し、足元の雪が崩れてクレバスが開く。

ブルーファイア「標的の進路を妨害」

ブルーファイアはレッドゾーンの進路を機械的に予測し、それを絶ったのだ。方向転換してクレバスを避けたレッドゾーンをモノリス眼魔のレーザーが打ち抜く。方向さえわかればモノリス眼魔のレーザーをレッドゾーンは見切ることはできない。

モノリス眼魔「光速で照射される私のレーザーこそ最速だ。走って避けられるものではない!」

レッドゾーンはわずかな進路をスピードを上げて突っ切ろうとするが、モノリス眼魔のレーザーが牽制する。

モノリス眼魔「お前が進路を限定される以上、お前の反応速度より、私の光速レーザーの速度が勝る。もう勝負はついた」

レッドゾーン「ぐっ…負けられねえ。再びあいつと戦うまではな!」

 

レーザーに焼かれた各部が焦げ付きながらも、レッドゾーンはあきらめていなかった。どうすればいいか、レッドゾーンは考えてディケイドとの戦いでの、クロックアップによる時間加速、さらにタイムによる時間停止の感覚を思い出していた。自分はすでに時間加速に感覚で追いついた。さらにスピードを研ぎ澄ませば、自ら時間を加速できるのではないか。

レッドゾーン「もっとスピードを!」

モノリス眼魔「逃げても無駄だ!」

モノリス眼魔のレーザーが傷のある脇腹に直撃し、ふさがったばかりの傷口が開く。

レッドゾーン「ぐおあっ!」

モノリス眼魔「もう限界らしいな。足が止まっているぞ」

レッドゾーンの体から血が流れ続ける。しかし体の限界が近づくに比例して、レッドゾーンの体内ではアドレナリンが分泌され、彼の体を熱くする。すると、レッドゾーンに装着されたバイクのパーツまでも発熱し始めた。彼の体の発熱でオーバーヒートを起こしている。だが、レッドゾーンはこの極限状態にニヤリと笑う。このまま突っ切れば、自分の限界を超えられると。

レッドゾーン「俺は手に入れるぜ。音速も、光さえも超えた、神速の速さを!」

全身から血と熱と蒸気を発しながらも、走るレッドゾーン。

モノリス眼魔「悪あがきを!」

モノリス眼魔がレーザーを発射した次の瞬間…レッドゾーンの姿が消えた。そして突然、モノリス眼魔の眼前に現れた。

レッドゾーン「オラ!」

モノリス眼魔「ぐはあっ!」

一気に地上に叩き落されるモノリス眼魔。地上に降り立ったレッドゾーンは、先ほどまでの重傷が治っている。

モノリス眼魔「なんだ今の速度は?私のレーザーをかわしただと?それにさっきまでの怪我は?」

レッドゾーン「俺は俺自身の時間を一気に加速した。この世界のすべてを置き去りにするほどにな。時間を加速したことで、どうやら俺の怪我も速攻で回復したらしいな」

モノリス眼魔「時間を加速しただと?だが、同じような力ならこちらにもある。やれ!」

ウルティマ・ブルーファイアがこちらに急降下し、レッドゾーンを捕まえる。

ブルーファイア「時間逆行プログラム起動」

モノリス眼魔「そうだ、時間を巻き戻して時間加速を得る前に…いっそのこと生まれる前まで戻してしまえ!」

ブルーファイアには触れ続けた者の時間を巻き戻す力がある。数十秒でもつかみ続けた相手を戦闘不能に追いやれる力だが。

レッドゾーン「遅えな。その程度のバックギアじゃ!」

レッドゾーンの時間加速の方が速かった。完全にブルーファイアの時間逆行は無力化される。レッドゾーンは逆に自分をつかむブルーファイアに回し蹴りを食らわせる。通常の時間の流れよりも1万倍以上加速された蹴りを受け、ウルティマ・ブルーファイアは成すすべなく蹴り飛ばされる。

ブルーファイア「プログラム失敗、危険度最大のバグを確認」

ブルーファイアは大爆発した。その爆風で雪は巻き上げられ、熱で全て溶かされる。雪原はほとんど元の平野へと戻っていた。

レッドゾーン「次はテメエだ」

モノリス眼魔「いくらお前が速かろうと、私は奴のように倒されはしない!この最硬の体はあらゆる衝撃に耐えうる!」モノリス眼魔はレーザーを発射する。

レッドゾーン「レッドゾーンラッシュ!」

レッドゾーンは加速状態で数万発のパンチを放つ。その拳はほぼ同時にモノリス眼魔の体にヒットし、体表面はひび割れ砕けていく。レッドゾーンがパンチを終えてモノリス眼魔の後ろまで走りぬいた瞬間、モノリス眼魔のレーザーが、先ほどまでレッドゾーンがいた場所を射抜いた。

モノリス眼魔「なぜだ…」

レッドゾーン「衝撃に耐えるといっても、全方向から同時にくまなく打ち込まれた攻撃に耐えられるか?」

モノリス眼魔「確かに…同時攻撃には脆いか…だがお前こそ、その加速は命を縮める…お前ももうすぐ…」

そこまで言うとモノリス眼魔は完全にばらばらに砕け散った。戦いを終えたレッドゾーンのオーバーヒートも収まる。

レッドゾーン「ダラダラ走るのは趣味じゃねえ。全速力で駆け抜けてやるぜ」

限界に挑み、寿命を縮めてでも速度を極めようとするレッドゾーン。

レッドゾーン「ここなら敵も集まってくるかもしれねえな。俺が道を開いたコースから離れるわけにもいかねえか」

火の国の国境に自分が開けた大穴の側で、敵の刺客を待ち構えるレッドゾーン。

 

光の国では激戦を終えて数日、まだ動ける方であるユウスケ、夏海、栄次郎、グレンモルト、アイラが、革命軍を手当てしていた。事実上物置でしかなかった革命軍アジトの廃屋から、救護用物資が運びこまれた光写真館が現在では革命軍のアジトとなっている。中でもミラダンテは自分の時間を少しずつ進めているためか、体の腐食はもう完治していた。

ミラダンテ「ありがとう、もうすっかりよくなったよ」

夏海「いいえ、私たちは大したことしてません」

ユウスケ「時間操作でも治したんだろ、すごいな~。でも一気に時間を進めちゃダメだったの?」

ミラダンテ「時間を進めてもし悪化してたら大変だから、慎重に調節するしかないんだ。それでも安心して時間を進められるのは、みんなが治療してくれてるおかげだよ」

グレンモルト「それに一番助かってるのはこの写真館のおかげだぜ」

アイラ「ちゃんとした建物があるとないじゃ環境が違うもの」

夏海「皆さん…この写真館って、このためにあるのかもしれませんね」

写真館が定住はできなくとも、旅先の客から愛されることもあると知り、この前の疑問が解消される夏海。写真館の主である栄次郎も忙しくも楽しそうだ。

 

ミラダンテ「動けるようになったところで、火の国に行くよ。レッドゾーンが向かったら大変なことになるかもしれない」

ユウスケ「えっ、レッドゾーンが行ったのは数日前のことじゃ…」

ミラダンテ「いや、ボクなら数日前までさかのぼれる。ドギラゴンと士がいるなら大丈夫だとは思うけど…万が一の時は僕も加勢する。10分後のここに戻ってくるよ」

夏海「ミラダンテさん、士君の無事も確かめてきてください」

ミラダンテ「任せて。10分後に戻るけど戻らないことも覚悟してほしい。後を頼んだよ」

ミラダンテは姿を消した。数日前の火の国へ遡ったのだ。

 

一方、士はレッドゾーンと革命ゼロの決戦の時を待ち、火の国に残っていた。国境沿いはパトロールしているドギラゴンしかいなかったが、他の火の革命軍は、海に面した沿岸を警備していた。海からも侵略者が現れることが多く、壁の雪山ではばまれた国境よりは、海の方が警備が重要になるらしい。しばらく滞在することになるため、仲間に紹介しようとするドギラゴンの案内についていく士。

破壊者(スクラッパー)シュトルム「あんたが他の世界からの旅人か。俺もこの世界の革命軍に寄り道してるとこだぜ」

士「俺は革命軍に入った覚えはない。侵略者を倒したいだけだ」

ドギラゴン「一緒に戦う敵がいるなら俺たちは仲間じゃないか」

シュトルム「いやいやいいんだよ、旅人は自由で。俺も元の世界じゃただ自由だけ求めて戦ったものさ」

ドギラゴン「まあそういうものかもしれんな。だが肩を並べる奴の顔だけでも覚えとけ。この火の国にはシュトルムのような流れ者以外には、俺たちメガ・コマンド・ドラゴンと、その友であるファイアー・バード炎がいる。それと壁の雪山から避難してきた自然の種族、スノーフェアリー風や、ジュラシック・コマンド・ドラゴンもな」

革命龍ドラッケン「俺たちは歌って踊れるドラゴンのスーパースター、メガ・コマンド・ドラゴンよ!」

ラブ・ドラッチ「そしてオイラたちがその応援団、ファイアー・バード炎だッチ!」

炎のような鬣を持った赤いドラゴンと、頭に“DR♥GON"と書かれた鉢巻をつけた赤い小鳥たちは、サイリウムを振っている。

 

雪精X-girls「わたしたちは、スノーフェアリー風のアイドル、X-girlsでーす!あなたもカモになってみる?」

革命類突進目トリケラX「うおーっ!そして俺たちがカモのジュラシック・コマンド・ド

ラゴンだーっ!X-girls今日も最高!」

マイクで歌う妖精の少女3人組を、緑のドラゴンが背中に乗せている。他の緑のドラゴンも別の妖精を背中に乗せているが、3人組の方に喝采を送っている。他の妖精たちは少し

詰まらなそうだ。

士「…こいつら戦えるのか?」

成長目ギョウ「大丈夫だギョ。みんなやる気十分な革命軍だギョ」

士「歌って踊らないドラゴンもいたんだな」

成長目ギョウ「僕は卵から生まれたばかりでついていけないだけだギョ。でも戦う時は進化するから任せてほしいギョ」

士「フォローするのが生まれたての奴じゃ、先が思いやられるな。ま、よほど平和な奴らだったということはわかる」

士はいつものように愛用のカメラで彼らを映す。写真は知らなくても注目されてるらしいと気付いた彼らは、士の現像した写真を興味津々で覗き込んだ。だが、自己主張の激しい彼らも士の写真ではピンボケしてばかりで姿が薄れている。X-girlsの写真を「想像力が刺激される」と欲しがったトリケラXなどのカモたち以外には、例によって不評だった。しかもドギラゴンが士の名前を紹介してしまった後なので、士は余計に面白くなかった。

 

ドギラゴン「仲間と言えばだ、レッドゾーンは俺たちと一緒に戦ってくれると思うか?あの様子じゃ自分が捨て駒だと気付いたんだろう?胸くそ悪い話だが」

士「俺にもどうなるかはわからん。今はあいつが答えに気づく時だ」

士はレッドゾーンが怪我を隠していると気付いていた。そのプライドの高さから、必ず答えを探そうとするはずだ。

 

ドギラゴンの前に突然、白いドラゴンが現れる

時の革命ミラダンテ「ドギラゴン、無事だったんだね!レッドゾーンが君を倒しに行くと宣言したからボクはもう心配で…」

士「そのマーク、お前も革命ゼロのドラゴンか」

ドギラゴン「本当に俺の他にも革命ゼロが…今目の前に現れたのも革命ゼロなのか?」

ミラダンテ「僕は時の革命ミラダンテ。グレンモルトとアイラから君のことを聞いて、革命ゼロで時間を遡ってきたんだ」

ドギラゴン「時間を遡るだと!なるほど、それならレッドゾーンと戦えるかもしれないな」

ミラダンテ「なんだって!君がレッドゾーンを倒したんじゃなかったのか!?」

ドギラゴン「そいつのことで話があるんだ、ミラダンテ。俺たち革命ゼロとの決闘を望んでいる奴がいる。そいつは俺たちとの決闘を約束して自ら退却した。だから俺たちはそいつともう一度戦う責任がある」

ミラダンテ「君もレッドゾーンも生きてるのはそういうわけか。でも、そういって不意打ちで仕掛けてくるかもしれないよ。相手は侵略者だ」

ドギラゴン「俺は一時でも負けを認めたあいつの心意気を信じる。あいつは約束を破らないはずだ」

士「それにあいつは深手を負って退いたからな。回復するまで不意打ちはないはずだ」

ドギラゴン「なんだと!お前それを知っていてなぜ言わなかった?もし知っていれば…」

士「知ってたら決闘までに手当てするつもりだったんだろう。だがあいつは決闘相手にこれ以上助けられるのを望んじゃいない」

ドギラゴン「そうか…確かに火の国の王である俺がそこまでしてやるのは奴の言う“なれ合い"かもしれないな」

ミラダンテ「あえて怪我をさらして懐に入り込む手を使わなかったか。それなら騙す気はないだろうね。では光の国の王であるボクも信じてその決闘に臨もう」

ドギラゴン「恩に着るぞミラダンテ。光の国はどうだ」

ミラダンテ「光の国は革命軍と新たに加わったライダーたちが守ってくれた。しかもライダーのユウスケは革命ゼロに目覚めたんだ!」

ドギラゴン「また新しい革命ゼロか!ということはこれで革命ゼロは3体か?」

士「いや、レッドゾーンはこの地で生まれた革命軍の力を見たがっている。もう1体革命ゼロの竜王が必要なはずだ」

ドギラゴン「もう一体の竜王と言えばキラー・ザ・キル…あるいはミラダンテのように別の奴が?」

士「どっちにしろその時は近い。お前らそれまでやられるなよ」

ミラダンテ「やはり君は未来が分かるんだね」

士「時を超えるお前も似たようなもんだろ」

ミラダンテ「ボクの場合はタイムパラドックスを起こさないように、ボクが認識してない時間にしか移動できないんだ」

ミラダンテ「遥か過去のランド大陸を知らなかったから、ボクは未来から来れた。ドギラゴンとレッドゾーンの決着を知らなかったからボクはここに来れた。ボクは知ってしまった過去や未来を変えることはできない」

士「不確定な過去や未来は変えられるが、一度知った時点で未来や過去には介入できない…シュレディンガーの猫って奴か。時間犯罪者どもにもかけてやりたい制限だな」

士の知ってる世界では、むしろ都合よく過去や未来を変えられる可能性があるために、時間移動を悪用する輩(イマジンとか)が多かったのだが…ミラダンテにそういう悪用はできないらしい。

ミラダンテ「時が来るまでボクは光の国を守る。音速の侵略者の縄張りじゃなくなったことはもう広まってるかもしれないからね。他の侵略者に備えないと」

ドギラゴン「ああ、俺たちもレッドゾーンが来るまで生き残らなくては」

ミラダンテは元いた時間、体が完治した数日先へ戻っていった。

 

成長目ギョウ「おーい、みんな大変だギョ!」

ドギラゴン「ギョウ、どこに行ってたんだ?」

成長目ギョウ「海岸に釣りに行ったら、侵略者がこっちに来るのが見えたギョ。すごく強そうだギョ」

ドギラゴン「ベガスダラーやレッドゾーンの後続としてきたなら、相当強いはずだ。みんな、気を引き締めていくぞ!」

ドギラゴンの号令で、火と自然の合同革命軍と士は侵略者の来襲した海岸へ向かう。

原始(トライブ)トゥリオ「「「頼もー、俺たちはお前たち革命軍に、3対3の勝負を挑みに来た!」」」

改造(ボーグ)マグネポール「仮面ライダーディケイドよ出てこい、貴様を破壊してやる!」

海岸に上陸してきたのはしS仮面をかぶった原始人のような原始(トライブ)の侵略者の群れと、蒼黒い体色や赤黒い体色で浮遊する改造(ボーグ)の侵略者たちだ。

士「ずいぶん敵が多いな。火の国は火薬庫が由来か?」

改造(ボーグ)マグネポール「ディケイドよ、破壊者である貴様が戦いを呼び寄せているのだ。貴様を狙う者はいまだに多い」

士「お前らもそうだっていうのか。だが、俺は世界の破壊者だ。お前らこそ破壊してやる」

改造(ボーグ)マグネポール「原始の侵略者たちよ、我らはディケイドの破壊と貴様らの補助を任された。貴様らは火の国の革命軍を倒せ」

原始トゥリオ「「「おー、わかったぞ。さあー、俺たちと戦うのは…そこの妖精3人組だ!」」」

雪精X-girls「私たちが?」

原始トゥリオ「「「俺たちは何をするにも3人一緒、だからお前たちも3人で来いと言ってるんだぞー」」」

革命類突進目トリケラX「待て待て―!X-girlsだけを戦わせるなんてカモのこの俺が許さんぞ!」

X-Girlsに火の粉が降りかかり、黙っていられなくなったのか、トリケラXがトゥリオの3人に向かって突進する。

原始トゥリオ「「「んー?お前が乱入してくると相手は4…よ、ん?…4なんて認めねー!バゴーン!」」」

原始の侵略者は3以下の数字までしか認識できない。ゆえに4以上の数を認識すると、平常心を失うのだ。怒りの雄たけびを上げてトゥリオは侵略を発動する。3人の仮面の獣人が一体となり、新たな侵略者が誕生する。

S級原始(トライブ)サンマッド「俺は3対3つったんだ!4人目なんていらねーんだよ!」

サンマッドが巨大な石刀を地面にたたきつけると、トリケラXの足元まで亀裂が走る。そして、トリケラXの巨体を地割れが呑み込んだ。

トリケラX「うわーっ!X-girlsうううー!」

もちろん近くにいたX-girlsの足元にも亀裂が広がっていたが、彼女たちは背中の羽で空へ飛び、地割れを回避してた。

雪精エリカッチュ「わたしたちをかばって落ちちゃうなんて…カモの鑑ね」

雪精マリニャン「わたしたちのために戦うカモかあ…次の歌のテーマにしたら受けるかな?」

雪精サエポヨ「でももうちょっと頑張ってほしかったかなあって…結局倒せてないんじゃ無駄死にでしょ?」

…えらく腹黒い反応をされたが、トリケラXも覚悟の上である、多分。

シュトルム「要するに3人までしか相手できないってことか。なら俺たち全員でかかれば楽勝じゃねえか」

雪精X-girls「あっ、それいいかも。やっちゃえみんなー!」

シュトルムを先頭にした革命軍の相当数が、サンマッドを袋叩きにしようとする。ところが、その革命軍たちがサンマッドに迫ろうとすると一斉に弾き飛ばされた。

改造(ボーグ)マグネポール「させん。3対3で戦え。これは命令だ」

いつの間にかマグネポール4体がサンマッドの上空に浮かび、等間隔でサンマッドの周囲を囲んでいる。

改造(ボーグ)マグネポール「サンマッドの周囲には我らの磁力網(マグネット)が張られている。4人目以降が乱入することは許さん。サンマッドよ落ち着いて存分に戦うがいい」

S級原始(トライブ)サンマッド「マグネポール、助かったぞー。俺たちは3対3なら絶対負けないぞー!」

シュトルム「しびれて動けねえ…見えないのにそんな強力な網が張られてるっていうのか」

雪精X-girls「それじゃあ私たちも出られないってこと?そんな…」

サンマッド「いくぞーお前たち。必中の石斧を受けてみろ!」

雪精X-girls「えっ、ちょっと、きゃあ!」

サンマッドの投げた石斧がX-girlsへと飛ぶ。X-girlsは飛んでよけようとするも、石斧はブーメランのように弧を描き、X-girls3人を叩き落とした。X-girlsはまともに地面にたたきつけられて気絶してしまう。

サンマッド「俺の野生の勘で投げる石斧からは逃げられないんだぞー。さあ、次の獲物を選ぶがいいぞー!」

武家類武士目ステージュラ「よくも俺たちのX-girlsとカモ仲間を!俺たちカモが相手だ!」

ドギラゴン「いや、ここは俺が行こう。サンマッドはおそらくうわさに聞くS級侵略者だ。革命ゼロの俺が出なくては、3人ずつ狩られてしまう」

ステージュラ「ドギラゴン!俺たちじゃ仇をとれないっていうのか!」

ドギラゴン「大切な相手がやられたからこそ自分を見失うな!お前たちはX-girlsとトリケラX、シュトルムたちを助けてやるんだ」

ステージュラ「ドギラゴン…そうだ、X-girlsとカモ仲間を助けられるのは俺たちしかいない!」

ドギラゴン「倒れた仲間を救出するだけだ!一時場所を変えてくれないか」

改造(ボーグ)マグネポール「いいだろう。場所を変えるだけだ」

マグネポールは囲んでいるサンマッドを浮遊させ、そのまま横へ平行移動し始めた。サンマッドを磁力で持ち上げて移動させている間も、周りには磁力網が張ってあるのだろう。元の場所に磁力網がなくなると、ジュラシック・コマンド・ドラゴンたちは、X-girlsとシュトルムたちを運び出して介抱し、さらにトリケラXが落ちた地割れへ少しずつ降りて救出を開始した。

ドギラゴン「礼は言っておく。言った通り次は俺が相手だ」

サンマッド「お前だけか?後二人選んでもいいんだぞー」

ドギラゴン「お前も今は合体して一人だろう?ならば俺だけで戦う。それが先ほどの借りに対するせめてもの礼儀だ」

サンマッド「お前、気に入ったぞー。見せてやるぞー、俺たちの三位一体の攻撃を!」

 

ドギラゴンとサンマッドの決闘が始まったちょうどその時、残りのマグネポールたちが士に近づく。

改造(ボーグ)マグネポール「これで革命軍の主要な戦力は全てサンマッドが相手取ったことになる。ディケイド、余計な邪魔も入らず貴様を破壊できるわけだ」

士「これが狙いか。だが、俺を磁力で弾いただけで倒せると思うなよ。磁力網を突破する方法はいくらでもある」

改造(ボーグ)マグネポール「我らはただ磁力を操るだけではない。我らの体そのものがN極かS極のどちらかの磁性体のみで構成された単極子(モノポール)なのだ」

士「なるほど、お前らの内青い方がS極、赤い方がN極か。両極端しかないなら、三馬鹿と気が合うわけだな」

改造(ボーグ)マグネポール「構成要素が少ないということは、それだけ無駄なく突き詰められているということだ。原始(トライブ)が三位一体なら我らは二つで一つだ」

ドラッケン「おい、俺たちを無視するな」

ラブ・ドラッチ「まだ、オイラたちが戦えるッチ!」

成長目ギョウ「僕らの力を合わせるギョ!」

雪精ホルデガンス「革命軍は追い込まれてからが本番でガンス!」

原始サンナップ「「「そうはいかんぞー革命軍!」」」

原始サンモス「「「トゥリオ以外にも俺たち原始の侵略者がいるぞー!」」」

わずかに残った革命軍の前には、原始の侵略者たちが立ちはだかる。

成長目ギョウ「今こそ僕の革命能力を見せるギョ、進化!」

成長目ギョウが、生まれたてのドラゴンから、獰猛な猛禽のようなドラゴンへと姿を変える。

革命目ギョギョウ「ギョギョーウ!僕の革命で仲間をかき集めるギョ」

ギョギョウの革命能力で残りのスノーフェアリー風たちが一瞬で移動し、原始の侵略者たちを取り囲むフォーメーションを作った。

雪精ホルデガンス「よし、俺たちスノーフェアリー風なら地上と空の両方から攻撃できる、行くでガンス」

原始サンナップ「「「敵が1,2,3…ううう…3より多いだと、ふざけるなー!」」」」

原始サンモス「「「S級侵略発動―!」」」

何と怒り狂ったサンナップ3人とサンモス3人が侵略を発動し、新たなサンマッドが2体出現した。

サンマッド2「敵が3より多いなら、こっちは2体目、3体目のサンマッドだ-!」

サンマッド3「数で囲みやがって、何人いようと狩りつくしてやる!」

サンマッド2の地割れが地上のスノーフェアリー風を落とし、サンマッド3の石斧が空中のスノーフェアリー風を全て叩き落とした。

雪精ホルデガンス「そんな、落ちるでガンス~!」

革命目ギョギョウ「ギョギョ―!S級侵略者が3人なんてズルいギョー!」

ドラッケン「ギョギョウの革命が通じない、となると俺の火のドラゴンを呼ぶ革命も危険か。こうなったら…おい、俺とギョギョウだけでお前ら2人と戦うぜ!」

ドラッケンもギョギョウのように、革命能力で火のドラゴンを好きな場所に呼び出せるが、みんな倒れてもう呼び出せるドラゴンがいない。自力で戦うしかない。

サンマッド2「数が多いだけじゃ勝てないとようやく分かったか―!」

サンマッド3「どこからでも来るがいいぞー!」

ラブ・ドラッチ「無茶だッチ、ドラッケン!あいつら一人でもドギラゴンと互角かもしれないッチ!」

ドラッケン「俺には3以上が分からないあいつらにはないものがある。応援してくれるお前らがな。応援がありゃスターは百人力、3人に負けるわけないぜ!」

ラブ・ドラッチ「すごいッチ、やっぱりドラッケンはスーパースターだッチ!」

革命目ギョギョウ「ギョギョーウ!僕もS級侵略者なんて初めて相手にするけど、頑張るギョ!」

ラブ・ドラッチたちファイアーバード炎が応援する中、ドラッケンとギョギョウのタッグが、サンマッド2体に挑む。

 

改造(ボーグ)マグネポール「これで本当にお前だけだ。ディケイドよ、お前は誰からも助けられずに破壊されるのだ」

士「もとから助けてもらおうなんて考えちゃいない、ライダー狩りの相手は俺一人で十分だ。変身!」

士はディケイドに変身、さらにアタックライド・イリュージョンで3人に増える。これで

マグネポール二人の数を上回った。ディケイド二人がライドブッカー・ソードモードとガンモードで攻撃しようとするが、剣も銃も遠くへ弾き飛ばされた。

士「あらゆる物理攻撃をはじいて防ぐか。だが、これならどうだ」

ディケイドはディケイド龍騎に変身し、必殺技のストライクベントを発動する。腕に装備した籠手から火炎放射を放つ技だ。火は磁力では弾かれない。3方向から逃げ場のない火炎放射を放つ。だが、炎を吐き出した途端、ディケイドの腕の向きが勝手に変わった。それぞれマグネポールではなく、ディケイド自身に向けてしまう。

士「ぐああっ!何やってんだ俺!」

ディケイドの分身はダメージで消滅、さらにディケイド自身も変身が解けて元のディケイドに戻る。

改造(ボーグ)マグネポール「原始同様、我らに数で勝てると思ったらそれは大きな間違いだ。我らは今磁力で貴様自身の腕を操った。我らの磁界に入ったが最後、貴様に自由はない」

強力な単極子であるマグネポールは、単に自分たちや鉄分を多く含む金属の間でのみ磁力が働くわけではない。一度磁界を張れば、その磁力は生物の血液中に存在する鉄分にまで作用し、磁力の吸着と反発でその動きを完全に操作してしまう。ただし、ライダーは自由を奪ったところで倒す手段は限られる。敵の自滅を待っているのだ。

改造(ボーグ)マグネポール「さあ、どうする。自分にとどめを刺す技は選ばせてやる」

士「確かに俺を倒すなら俺の力でないとな。だが、お前らも道連れだ」

士はケータッチでディケイドコンプリートフォームに変身、さらにファイズブラスターフォームの分身を呼び出し、必殺技のフォトンバスターを発動する。その光線を発射するファイズブラスターを、マグネポールが強制的にディケイドとブラスターファイズに向けさせる。フォトンバスターのビームがぶつかり合い、拮抗する。

改造(ボーグ)マグネポール「派手な技だな。望みどおり自爆するがいい!」

士「ファイズのエネルギー源であるフォトンブラッドは、触れた生物を灰化させる威力だ。ここで一気に爆発して解放されたら、どうなるかわかるか」

改造(ボーグ)マグネポール「貴様、ここでそんな自爆を起こすつもりか!?それでは我らも貴様らも…」

士「俺は世界の破壊者だ。最後にはすべてを破壊する」

フォトンバスターを押し切られたブラスターファイズがビームを受け止めて倒れ、その莫大なフォトンブラッドが解放されようとしている。

改造(ボーグ)マグネポール「まずい、同胞を巻き込まぬよう磁界フルパワーで爆発を抑え込まねば!」

マグネポールが限界まで磁界を強めた瞬間、ブラスターファイズが大爆発した。その爆発とエネルギーをまともに受け止めたマグネポールは、灰になって吹き飛んだ。皮肉にも彼らが磁界を張った外には、爆発とエネルギーの威力は及んでいなかった。そして、そんな爆心地の外に、士は逃れていた。マグネポールが爆発を止めようとすることで、自分の拘束が緩むのではと予測し、もくろみ通り磁界と爆発も相殺した。しかし、爆発の衝撃を少しもらって変身が解けてしまった。流石にその場にへたり込む士。

士「思ったより俺のことを知ってるやつらだったな…これは俺一人じゃキツイかもな」

 

サンマッド「落ちろー!」

サンマッドの地割れを空へ飛んでかわすドギラゴン。

サンマッド「くらえ、そりゃあー!」

ドギラゴン「ドギラゴン一刀双斬(スラッシュ)!」

サンマッドの投げてきた石斧を剣で叩き落とすドギラゴン。

サンマッド「やるなー、なら俺のとっておきだ!」

石でできた手押しの原始的な台車を持ち出すサンマッド。上手く傾斜を利用して走り出したその台車に乗り込み、石刀を構えるサンマッド。

サンマッド「この突撃に耐えたやつはいないぞー!勝負!」

ドギラゴン「いいだろう、俺も全力で迎え撃つ。完全攻撃革命(パーフェクトオフェンス)!」

重い台車に乗って勢いをつけたサンマッドの石刀を、ドギラゴンも剣で迎え撃つ。そして、ドギラゴンの左肩についたアームを切り裂かれる。だが同時にサンマッドの石刀と台車が破壊された。台車を失ったサンマッドは、慣性のままにドギラゴンの後方へと跳ね飛ばされた。その勢いで地面にぶつけられたサンマッドは、そのまま事切れていた。

ドギラゴン「あいつ、自分の身だけなら俺の剣をかわせたのか。そして俺に一撃与えた。野生の勘は確かだったらしいな。気をつけろよ、ドラッケン、ギョギョウ」

 

サンマッド2「落ちろー!」

ドラッケン「そんな石斧当たるかよ」

スタミナとスピードに任せて空中を飛び、石斧のブーメランをかわし続けるドラッケン。

サンマッド3「落ちろー!」

ギョギョウ「ギョギョー!僕はまだ飛べないギョ、本当に落ちるギョ、助けてー!」

サンマッド3の地割れで、落とされかけ、なんとかしがみつくギョギョウ。

ドラッケン「ギョギョウ!今助ける!」

ドラッケンがギョギョウのところへ飛ぼうとすると、追ってきた石斧がヒットする。

ドラッケン「ぐふっ、邪魔しやがって」

サンマッド2「お前の仲間は足手まといだぞー。お前も数に頼らなければもっと自由に戦えるはずだぞー」

ドラッケン「スターがついてきてくれる奴を見捨てるわけないだろ!」

ラブ・ドラッチ「そうだッチ。オイラたちは頭数じゃない、仲間だから一緒にいるんだッチ!ドラッケン、ギョギョウ頑張るッチ!」

ギョギョウ「みんなごめんギョ。グググ…今行くギョ」

何とか自力で這い上がろうとするギョギョウ。

サンマッド3「ならばまずはお前からだ、俺の攻撃も受けてみろー!」

サンマッド3の石斧までもドラッケンを狙い、二つの石斧がドラッケンを乱れ撃つ。

ラブ・ドラッチ「ドラッケン!負けるなッチー!」

ドラッケン「そうだ、俺は負けねえ。火のドラゴンが呼べなくたって俺にはまだファンがいるんだ。爆ぜろ、俺のスター魂!」

その時、ドラッケンの革命マークが変化した。革命ゼロのマークほど特徴的ではない。だが、それはドラッケンが新たな革命を得た証だった。そして両肩には一対のガトリング砲が装備されている。新たな姿、爆ぜる革命ドラッケンA(アサルト)だ。

ラブ・ドラッチ「ドラッケン、革命マークが変わってるッチ!」

ドラッケンA「よし、見せてやるぜ、俺の新しい革命!」

ドラッケンAはガトリング砲を発射する。その弾幕が隙間なくサンマッドたちに迫る。

サンマッド2「何―!」

サンマッド3「よけきれないぞー!」

サンマッドに命中した弾幕が爆ぜる。問答無用のすさまじい火力だった。

ドラッケンA「見たか、俺のド派手な革命を!」

ラブ・ドラッチ「すごいッチ!本当にS級侵略者に勝ったッチ!」

ギョギョウ「ドラッケンは本物のスーパースターだギョ、僕なんかとは比べ物にならないギョ」

ドラッケンA「気にすんなギョギョウ、お前ももっとピンチを乗り越えれば、もっと強くなれる」

ギョギョウ「ありがとうドラッケン、僕ももっと強くなるギョ」

ドラッケンAはファイアーバード炎や、やっと這い上がってきたギョギョウと喜びを分かち合う。

 

サンマッドが敗北し、そのために磁力網を張っていた4体のマグネポールが下りてくる。

改造(ボーグ)マグネポール「サンマッドがやられるとは…だが、まだ我らがいる!」

ドラッケンA「そうだ、こいつは士の動きを完封するほどの奴ら…」

士「お前らがビビることはない、こいつらの磁力にも限界があるのがはっきりした。おそらくデカいドラゴンの動きを封じることは不可能だ」

ドギラゴン「なんだと、本当か士?」

士「サンマッドの3対3も、ドギラゴンをはじめとしたドラゴンを相手させて、その隙に俺を倒すのが狙いだろ?数を減らすためにあんなパフォーマンスをしたんだ」

士「だが、まだ戦えるドラゴンが残ってるようじゃ失敗だったな。もう帰った方がいいんじゃないか?」

改造(ボーグ)マグネポール「貴様の言うとおりだディケイド。すべては我らの主が立てた作戦。だが、同胞を失ったまま退く気はない。貴様らだけでも磁界で操ってやる!」

マグネポールの磁界でドギラゴン、ドラッケンA,ギョギョウのドラゴンたちを除いた全員が操られる。そのままドラゴンたちと同士討ちさせる気だ。

ドギラゴン「仕方ない、みんな我慢しろよ…完全攻撃革命(パーフェクトオフェンス)!」

ドギラゴンが四足を使って操られた面々を薙ぎ払った。全員吹き飛ばされて地割れの中に落ちていく。

ギョギョウ「ギョギョーウ、カモのみんな!落ちてくる仲間をキャッチしてくれギョ!」

ステージュラ「お前がカモと呼ぶな!だが任せろ!」

普段からスノーフェアリー風を乗せやすくしている背中に、ジュラシック・コマンド・ドラゴンたちは、落ちてきた仲間を軟着陸させる。

士「痛っ!ったく、無茶なとこだけはレッドゾーンと張り合えるな」

改造(ボーグ)マグネポール「チッ、磁界の外まで飛ばされたか!」

ドラッケンA「今度はこっちの番だ、爆ぜろ侵略者!」

ドラッケンAの弾幕が爆ぜ、マグネポールを焼き尽くした。

改造(ボーグ)マグネポール「ぐおおおーっ!侵略者万歳!」

 

ドギラゴン「士、お前を狙ってる奴と戦うからって、俺たちに遠慮しなくてもいいんだぞ。お前の敵なら、俺たちにとっても戦う理由は十分だ」

ドラッケンA「俺たちの力が必要だったらそう言え。スーパースターはみんなの味方だ」

士「ま、今回敵にそこをつかれたのは認めるしかないか。なら俺様もお前らの無茶に付き合ってやる。それでおあいこだ」

成長目ギョウ「素直じゃないギョ」

士「お前らと違って、俺様は孤高な旅人なんだよ」

ラブドラッチ「照れてるッチ~」

士「うるさい、さえずるな」

士は火の国に来たばかりの時よりも、いつの間にか打ち解けた口調となっていた。

 

数日前の過去から現在の10分後に戻ってきたミラダンテ。

ミラダンテ「みんな、ドギラゴンも士も無事だ!でもレッドゾーンとはまた戦わなくちゃならない」

夏海「良かった…でもレッドゾーンともまた戦うって、どういうことでしょう」

ユウスケ「俺には分かる気がする。士があいつをライダーと認められる何かがあったんだ。それで士はレッドゾーンの心を開こうとしてる。士はああ見えてライダーを見る目だけは確かなんだ」

グレンモルト「ミラダンテ、俺たちからも連絡がある」

アイラ「さっき海にいる水の革命軍から通信があったの」

ミラダンテ「ボクがいない10分の間に…いったい何が?」

グレンモルト「ランド大陸近海で戦う革命軍が異常を発見した。水中のマナが急速に減少してるらしいんだ」

アイラ「マナが減ったことで、革命軍の補給が途絶えてる。おそらく侵略者が奪ってるのね。ユウスケと夏海さんはわたしたちと来て」

ユウスケ「もちろん、だって俺クウガだし!」

夏海「ここはミラダンテさんに任せて大丈夫ですか?」

ミラダンテ「ここはボクたちの国だからね。写真館も必ず守るから安心して」

時間龍ロッキンスター「私たちもそこまでご迷惑をかけられません」

他のエンジェル・コマンド・ドラゴンや、ジャスティブ・オーブたちもミラダンテの力になろうと奮起している。

ミラダンテ「海岸まで送るよ。一瞬でついちゃうからね」

グレンモルト「助かるぜ。革命軍出撃だ!」

ユウスケ、夏海、グレンモルト、アイラの4人は一瞬でランド大陸の海岸に移動し、気づく間もなくミラダンテは光の国に戻っていた。

 

ミラダンテ「みんな、わかってるね。国境から近づいてくるあの軍勢を」

時間龍ロッキンスター「ええ、かなりの高度から接近してくるあれは、おそらく侵略者でしょうね。あれを見たら革命軍として寝ていられません」

ミラダンテ「光の国は今度こそボクたちが守らなきゃいけないんだ。革命軍出撃!」

一斉に空へ飛ぶ光の革命軍たち。彼らが向かった上空にいたのは、同じ光の力を持つエンジェル・コマンド種族のクリーチャーたち。ネズミをはじめとした小動物を模したファンシーな天使のような見た目だが、彼らはやはり侵略者マークを持っている。

九極デュエンジェル「お友達とのお別れはすんだでチュかー?ギャッハー!」

一極マウチュ「みーんなまとめて天国に送ってあげるからまた会えるよ、チュチュチュー!」

ミラダンテ「ボクたちは負けないよ、未来があるからね」

ロッキンスター「私たちは必ず光の国を再建する!」

一極マウチュ「僕たちも未来なら知ってるでチュー。僕たちはもうまもなく“神の存在"によって楽園に導かれるでチュー」

九極デュエンジェル「。選ばれし僕たち以外に未来なんてないんでチュ、ギャッハー!」

ミラダンテ「どちらが正しいか、すぐにわかる!」

九極デュエンジェル「ギャッハー!楽しい戦いがはじまるっチュー!」

光の革命軍と九極の侵略者が、天空で激突する。

 

地下都市では、原因不明がクローン培養器を、自分のポッドからの放電で破壊している。

正体不明「何をしている?おやおやこれは…レッドゾーンの細胞を培養していたものか?」

原因不明「いかにも。レッドゾーンはすでに革命軍についた。クローンも裏切る可能性は十分ある。わしがいた組織ではそれで何度も失敗したのだ」

正体不明「ふむ、元々音速の侵略者は忠誠心が薄く、記憶を消して衝動のままに暴れさせなければ使えなかったからな。そいつらも廃棄しようとは考えていたところだ」

そこへ侵略者ランドヘッドが報告に来た。

侵略者ランドヘッド「海帝の侵略者に革命軍が気づきました。大陸外からの侵入者が応援に来ました」

正体不明「気づいたというより、ようやく気付く余裕ができたということか」

原因不明「海帝の侵略者はマナを集めていたな。ライダーどもめ、わし自ら始末してやろう。改造(ボーグ)の侵略者も向かわせる」

正体不明「今なら正確な戦力も把握できそうだ。ワタシも出よう。ランドヘッドよ、オペレーションルームに戻り、No Dataとともに後方支援を頼む」

ランドヘッド「かしこまりました」

原因不明と正体不明が地下から海へと出陣する。計画の最後のピースを手に入れるために。

 

次回、仮面ライダーディケイド!

 

士「お前も守るために戦う、そういう答えに気づいたんじゃないか?」

レッドゾーン「違うな、俺は戦うために守っただけだ。さあ、決着の時だぜ!」

ドギラゴン「やはり戦わなければ認められないようだな」

 

ユウスケ「俺は仮面ライダーで革命軍だ!」

夏海「この世界での士君の敵ってまさか…」

 

海東「それがお宝の正体…」

キラー・ザ・キル「夢幻騎士団に栄光あれ!」

 

第4話:甦れデス・ザ・ロスト!!

 

 

 




チートが加速するレッドゾーン。原典でもライバル補正が強力だったんですが、こちらでは主人公補正で正統進化までやってのけました。光よりも速くなった結果、自力で時間を加速し始めたレッドゾーン。まあ相対性理論とかありますし。

モノリス眼魔と眼魔ウルテイマ・ブルーファイアは、他の自作2次小説である「ゴーストif」からディケイド恒例のゲスト出演。この二人はあまり戦闘シーンの描写なかったので。設定は下のとおり。

モノリス眼魔→西園寺が「すべてを支配する力」を願ったことで、その願いが一部だけ叶えられて変身した姿。片眼鏡からレーザーを照射でき、硬質の体は数か所同時に衝撃を与えなければひび割れることはない。西園寺は自分が最も偉大になると信じているため、裏モチーフの偉人は西園寺本人。眼鏡、コート、目立つ歯など。

眼魔ウルティマ・ブルーファイア→ウルティマ・ファイヤーがマコトの眼魔アイコンの破片からスペクターの力を取り込んだ姿。ライダー魂でシバルバがあのままスペクターを糧にしてたらこうなったんじゃないだろうか。眼魔アイコンから復元したため、中身は陣頭指揮のモノリス眼魔に従うようプログラミングし直されている。もちろん中にジャベルなんていません。

ミラダンテは時間操作では、自分だけ時間を遡る時間遡行、自分の時間を進める時間加速、自分以外の時間を止める時間停止が可能。ただし、時間移動する先は、自分の知らない過去や未来でなくてはなりません。シュレディンガーの猫で例えれば、50%の確率で中に入れた猫が死ぬ箱がある場合、箱を開けて確認する前なら過去に戻って猫を救えます。箱を開けるまで、猫は生死両方の可能性があるからです。ただし、箱を開けて生死を確認してしまった場合は、一度死んでしまったと分かった猫を救うことはできません。
こうでもないと過去に戻って好きなだけやり直せちゃうので、原典を見てもさすがにそこまではないだろうと、制限を設けました。禁断の封印が解ける前に戻るなんて話もなかったですし。
それぞれの時間軸をまとめると下記の通り。矢印の間に数日たってます。

士: 光の国から火の国へ、レッドゾーン、ドリルと戦う→(火の国滞在 )→原始、マグネポールと戦う

ユウスケ:光の国で戦う→(けがで療養)→大陸近海へ出発

海東:壁の雪山に到着 →(闇の国で様子見)→闇の国用心棒に

ミラダンテ:光の国で戦う→(けがで療養)→火の国に出発→(数日逆戻り)→ドギラゴンと情報交換→(元の時間へ)→ 光の国で九極を迎え撃つ

レッドゾーン:光の国から火の国へ、ディケイド、ドギラゴン、ドリル、眼魔組と戦う→(火の国と光の国の国境に居座る)→次回へ

ミラダンテは時間移動ありなので、他より数日間の移動が多くなってます。
お楽しみいただけたでしょうか。読了ありがとうございました。
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