問題児たちが異世界から来るそうですよ?ーいえ、ただの変態ですー   作:零崎良識

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第1章
ツいてねえよ


「うぅー寒い」

 

雪が降りしきる一面真っ白な住宅街を独りの少年が歩いていた。

 

「クリスマスにぼっちだなんて……」

 

普通なら仕事を終えたサラリーマンや遊び終えたの高校生などがいる時間帯だというのに全くと言って良いほど人がいない。

 

「リア充爆発しろよ……」

 

今頃恋人とイチャイチャしているであろう人生の勝ち組達に恨み言を言いながら歩く少年は急に足を止める。

 

「全員女の子で俺に告白しにきてくれた、とかだったら嬉しいのに」

 

その声と共にぞろぞろと3人ほどの男達が物陰から出てきた。

 

「銀髪で左目に眼帯……。テメェで間違いねぇな?」

 

「人違いじゃない?ギャルゲーとMMORPGが俺を待ってるから早く帰りたいんだけど」

 

「ふざけんな!テメェが俺らの仲間ぼこったのは分かってんだよ!」

 

声を荒げるモヒカン男の目の前で考え込むような仕草をする少年。確かにこの少年の髪は月の光と相まって美しく銀色に輝いているし、左目に眼帯(因みにこの眼帯は病院でもらうような普通の物で決してこの少年が邪気眼な訳ではない)をしているが身に覚えがないようだ。

 

「おい、ホントにコイツか?」

 

「間違いないっス。俺をぼこったときと服装も一緒っス」

 

少年の態度が予想外だったのか自信をなくしたリーゼントのリーダーっぽい男が身体中包帯だらけの男に問いかけると、即答される。

 

銀髪に眼帯、下は黒の学ランに上はシャツの上に改造したのか裾の長い黒の学ラン(いわゆる長ラン?)を羽織り黒いマフラーを巻いた少年なんてそういるわけもなく……

 

「あぁ~あの時の」

 

と、まるで今思い出したかのように言った。その言い方が勘に障ったらしく、モヒカンの男とリーゼントの男がそれぞれ武器を構えた。

 

「おまえらツいてねえな……」

 

しかし少年は呆れたように溜め息混じりに呟く。

 

「俺にケンカ売るなんて……ホントツいてねえよ」

 

 

 

   ★☆★☆

 

 

 

数分後、何事もなかったかのように少年はその場に座っていた。いや、『その場に』というのは訂正しよう。何故なら少年は気絶した3人の男を積み重ねてその上に座っているからだ。

 

「ハァ~クリスマスだしサンタさん獣耳美少女を降ってこさせてください」

 

そんなことを呟きながら空を見上げるとーー

 

「は?」

 

ーー手紙が降ってきた。

 

いくら不良に絡まれ慣れているとはいえこれには少年も驚いーー

 

「俺は獣耳美少女って言ったんだよ!どうやったら手紙と聞き間違えるんだよ!期待させるだけなら何もすんなよ!」

 

ーーていなかった。と言うかサンタクロースに文句言っていた。

 

しかし手紙に『月詠睦月殿へ』と書かれているのに気づくと、少年の空気が一変する。

 

「最初から俺宛てってわけか……」

 

次の瞬間、見た者が凍り付くような不気味な笑みを浮かべて手紙を開きながら呟いた。

 

「おもしれぇ」

 

 

 

   ★☆★☆

 

 

 『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

  その才能を試すことを望むのならば、

  己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

  我らの箱庭に来られたし』

 

 

   ★☆★☆

 

 

 

「なっ!?」

 

睦月の視界が間を置かずに開ける。空中に投げ出されたらしく体が重力に従い落ちていくが、睦月は目の前に広がる風景に心を奪われていた。

 

世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁、巨大な天幕に覆われた未知の都市。

 

「いやっっほぉぉぉおおい!!!」

 

思わず叫んでしまう。退屈な現実に飽き飽きして毎日のようにやっていた、ゲームのような光景が目の前にあるのだ。そう、ここはーーー完全無欠に異世界だった。

 

 

 




とりあえずプロローグは終わりですね。

次回はオリ主の変態っぷりを押し出していこうと思います!

感想などお待ちしております(*・ω・)ノ

因みにですがオリ主の名前は『つくよみむつき』と読みます。
この主人公ですが先に『ツいてねえな』という口癖が決まってしまいまして……。

ツいてない→ツキがない→月が無い→無月→睦月

と、こんな感じで言葉遊びから名前が生まれました。

名字の方は『月』という漢字が入っていれば何でも良かったんですが、ふと『月詠』という名字を思い出し、『ツキ』を『よむ』だと面白いと思って今の『月詠睦月』になりました(笑)
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