問題児たちが異世界から来るそうですよ?ーいえ、ただの変態ですー 作:零崎良識
ーーー箱庭二一〇五三八〇外門居住区画、第三六〇工房
「………上手く呼び出せた?黒ウサギ」
「みたいですねえ、ジン坊ちゃん」
ジン坊ちゃんと呼ばれた幼い少年は小さな体躯に似合わないダボダボなローブを着ている。その隣には黒ウサギと呼ばれた扇情的なミニスカートとガーターソックスという随分とあざとい格好をしたウサ耳の少女が立っていた。
「まあ後は運任せノリ任せって奴でございますね。あまり悲観的になると良くないですよ?表面上は素敵な場所だと取り繕わないと。初対面で『実は私達のコミュニティ全壊末期の崖っぷちなんです!』と伝えてしまうのは簡単ですがそれではメンバーに加わるのも警戒されてしまうと黒ウサギは思います」
それを聞いた少年も同意するように頷いた。
「何から何まで任せて悪いけど………彼らの迎えお願いできる?」
「任されました」
ピョン、と椅子から黒ウサギが跳ねる。『工房』の扉に手をかけた黒ウサギに少年は不安そうな声をかけた。
「彼らは………僕らのコミュニティを救ってくれるだろうか?」
「………。さあ?けれど“主催者”曰くこれだけは保証してくれました」
クルリとスカートを靡かせながら振り返りおどけるように悪戯っぽく笑った黒ウサギは
「彼ら四人は………人類最高クラスのギフト所持者だ、と」
★☆★☆
「随分手荒い歓迎だな………ったくツいてねえぜ」
上空4000mから落下した四人(と一匹)は落下地点にあった緩衝材のような薄い水膜を幾重も通って湖に投げ出される。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「………。いえ石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
二人の男女はフン、と互いに鼻を鳴らして服の端を絞る。その後ろに続く形でもう一人の少女が岸に上がる。因みに睦月は水面に浮かんだまま空を眺めていた。
「此処………どこだろう?」
「さあな。まあ世界の果てっぽいのが見えたしどこぞの大亀の背中じゃねえか?」
少女の呟きに少年が応える。何にせよ彼らの知らない場所であることは確かだった。
「まず間違いないだろうけど一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけどまずは“オマエ”って呼び方を訂正して。ーーー私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて。それでそこの猫を抱きかかえてる貴女は?」
「………春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。それで野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけお嬢様。最後はオマエだな」
「ん?俺か?特に紹介するようなことは無いんだが………。ああ、月詠睦月だ。以後よろしく」
心からケラケラと笑う逆廻十六夜。
傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。
我関せず無関心を装う春日部耀。
終始マイペースな月詠睦月。
そんな彼らを物陰から見ていた黒ウサギは思う。
(うわぁ………なんか問題児ばっかりみたいですねえ………)
しかしこんなものはまだ序の口であることを黒ウサギはまだ知らない。
あれオリ主が空気っぽい(゚Д゚;)
つ、次こそはオリ主の変態っぷりをお届けします!
因みにこのお話は二、三日に一回程度で更新します(今決めました( ̄。 ̄;))