問題児たちが異世界から来るそうですよ?ーいえ、ただの変態ですー   作:零崎良識

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パンツの色

「迷うとは………ツいてねえぜ」

 

苦労さぎもとい黒ウサギから箱庭やらギフトゲームやらの説明を受けた睦月は森をさまよっていた。心の底から望んでいた異世界にテンションが上がった睦月だったが、

 

「こんな事なら普通に黒ウサギについて行けば良かったぜ。ん?」

 

目的もなく歩いていると角の生えた馬が歩いているのを見つける。

 

『こんな所に人間がいるのは珍しいな。何をしているのだ?』

 

「おおー、幻獣から話しかけられるとは光栄だなぁ。俺は月詠睦月だ。アンタは?」

 

『ふむ、名乗られたなら名乗り返さねばな。私はネロだ。種族は見ての通りユニコーンだ』

 

「そっか、よろしくな。ちなみに迷っちまったんだが街はどっちだ?」

 

『まあ、無理もない。街までなら案内してもよいが?』

 

「マジか!じゃあ頼むよ。あ、それとお願いがあるんだけど」

 

『願いとは?』

 

「ユニコーンの背中に乗るのって憧れだったんだよね。というわけで乗せてくんね?」

 

『無遠慮なヤツだな………まあ歩くよりはマシか。いいだろう乗れ』

 

「サンキュー」

 

黒ウサギが聞いたら『幻獣に向かってなんて口を!』とかいって卒倒したに違いないやりとりで街を目指すことになった。

 

「あ、ちなみにネロって女の子?」

 

『いや私は雄だが?』

 

「なーんだ」

 

その呟きを聞いた瞬間ネロは自分が雄で良かったと何故か思うのだった。

 

 

 

   ★☆★☆

 

 

 

 ドーーーン!

 

『なんだ!?』

 

「あー、多分十六夜かなー」

 

『睦月の仲間か?』

 

「まあ仲間になるかもしれないヤツだね」

 

睦月たちが街を目指して走り出した直後のこと。それほど遠くない場所で地響きと共に巨大な水柱が上がったのだ。

 

「ネロ。あっちに行っても良いかな?」

 

『君の仲間がいるのならその方がいいだろう。』

 

「じゃあ行こうか」

 

 

 

   ★☆★☆

 

 

 

「あん?なんでここにいるんだ?それに随分と面白いヤツに乗ってるな」

 

「十六夜こそ何してるんだい?黒ウサギたちと街に行ったと思ったんだけど?」

 

「こっちに来た方が面白そうだったからな」

 

ヤハハ、と笑う十六夜に対して睦月は苦笑いをしていた。

 

「御二人様!一体何処まで来てるんですか!?」

 

そこへ黒ウサギがやってくる。

 

「ん?黒ウサギさっきと髪の色違わない?」

 

「“世界の果て”まで来てるんですよ、っと」

 

自分の怒髪天を衝くような怒りを向けられても動じない二人にげんなりしたような顔をする黒ウサギ。

 

『箱庭の貴族が仲間とは………睦月は意外と大物なのか?』

 

「そうかもね」

 

笑う睦月とは対照的にユニコーンを見て驚愕する黒ウサギ。

 

「ユニコーンがなんでこんな所に!?いや、それよりも睦月さんはユニコーンと意志の疎通が出きるんですか!?」

 

「まあね。だいたいの生き物と会話は出きるよ。ほら動物に懐かれるとモテるし、猫とかと会話出きると女の子のパンツの色とか教えて貰えるし」

 

「お馬鹿様!」

 

黒ウサギははりせんを喰らわせ、ネロは絶句し、十六夜は珍しく顔をひきつらせていた。

 

『まだ………まだ試練は終わっていないぞ小僧ォ!!』

 

しかし唐突にギャグパートは終わりを告げる。

 

「蛇神………!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」

 

驚愕する黒ウサギをよそにケラケラと笑う十六夜は事の顛末を話す。

 

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるのかどうか試させてもらったのさ。結果はまあ残念な奴だったが」

 

 

『貴様………つけあがるな人間!我がこの程度の事で倒れるか!!』

 

蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。

 

「やっぱ十六夜は面白いなー」

 

『いや笑い事ではないだろう!?』

 

「十六夜さん下がって!」

 

笑う睦月と対照的にネロと黒ウサギは焦っている。

 

「駄目だよ黒ウサギ。これは十六夜のケンカなんだから」

 

「そうだぜ黒ウサギ。これは俺が売って奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

本気の殺気が籠もった二人の声音に後退る。始まってしまったギフトゲームには手出しできないことにも気づき歯噛みする。

 

『心意気は買ってやる。それに免じこの一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

 

『フンーーーその戯言が貴様の最後だ!』

 

蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。時に嵐を呼び時に生態系さえ崩す“神格”のギフトを持つ者の力だった。

 

「十六夜さん!」

 

黒ウサギが叫ぶがもう遅い。竜巻く水柱は川辺を抉り木々をねじ切り十六夜の身体を激流に呑み込むーーー!

 

「ーーーハッーーーしゃらくせえ!!」

 

十六夜は竜巻く激流の中ただ腕の一振りで嵐をなぎ払ったのだ。

 

「ひゅー」

 

『なっ!?』

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

獰猛な笑いと共に着地した十六夜は、

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

大地を踏み砕くような爆音と共に勝敗は決した。

 




なんか長くなっちゃったんで微妙な終わり方ですね

ちなみにネロは仲間になるとかではありません。しかもたまたま月姫の漫画が目に入ってたまたまネロ・カオスを思い出してつけた名前ですし(笑)

それではまた次回!
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