異世界で悪魔退治するのは間違っているだろうか   作:しゅーぞー

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みなさん、お久しぶりです
夏休みも終わってしまい、非常に悲しいです笑
さて、今回はダンジョンにネロくんがいくそうですよ...?


Mission8 ダンジョンを攻略せよ

「それじゃあファミリア加入も終わったことだし、ステイタスの確認をしてみようか!」

 

 ネロのヘスティアファミリアへの加入が終わった後、ネロは妙にテンションの高いヘスティアに促されるままうつ伏せになりその裸の背中をヘスティアに向けていた

 そのネロの腰に座り込んでいるヘスティア

 正直ステイタスが一体どういうものなのかネロはよくわかっていなかったのだが、とりあえず言われるがままになっていた

 ネロの無言を肯定と受け取ったのか、ヘスティアはステイタスを確認する

 その間ネロは考えていた

 これからどうするのかを

 この世界に来てから怒涛のように出来事が流れていって忘れていたが、自分は元の世界からこちらへなんらかの手段で召喚されたのだ

 最後に覚えている元の世界(あちら側)での記憶は、大口を開けている魔物のような何かの姿だけだった

 背中でチャリ、と音がなっているが、深く考えを巡らせていたネロには、それがなんの音なのか考える余裕はなかった

 今ネロの頭の中を支配しているのはどうすれば元の世界に帰れるかだった

 しかし、それについて考えるにはあまりに情報が少なすぎた

 などと色々と思考したネロが最終的にたどり着いたのはこの世界に精通している人物(ヘスティア)に尋ねることだった

 思い立ったが吉日、ネロのステイタスをチェックしているヘスティアに話しかけようと首だけ傾け後ろを振り向いたネロの目に入ったのは

 

「...........」

 

 一点を見つめたまま静止してしまっているヘスティアだった

 その一点はネロの背中があるであろう位置で固定されており、さらに言えば神の恩恵(ファルナ)が刻まれている点であると思われる場所であった

 

「おい、どうした?なんか変なもんでも見たのかよ?」

 

 明らかにおかしいヘスティアに話しかけるネロ

 するとヘスティアはその細い肩をビクゥ!と震わして

 

「い、いや、なんでもないさ。ネロくんが気にすることなんて、な、何にもないよ」

 

 どこからどう見ても見え透いた誤魔化しだ

 しかし、ネロはそんなことよりも聞かなければいけないことがあった

 

「それよりもヘスティア、いきなりで悪いんだが、元の世界への戻り方を教えてくれ。ずっと考えてたんだけど見当もつかない。流石にいつまでもこの世界にいるわけにはいかない」

 

 真面目な顔をしてそういったネロにヘスティアも真面目な雰囲気を感じ取ったのか気を取り直したかのようにゴホン、と一つ咳払いをしてからネロの問いかけに対してこう返した

 

「そのことなんだけど、キミが来てからボクもそのことについて考えてたんだけど...結論から言うと元の世界に帰るのは現状不可能だよ」

 

 その可能性も少しは考えていたのだが、きっぱりと言われるとやはり来るようなものがあり、うなだれるネロ

 別の世界に飛ばす悪魔など今まで聞いたことない

 ここに来たのは偶然ではなく誰かの意思が関わっているのはなんとなく気が付いていた

 簡単には元の世界になど返してはくれないだろう

 だがそうするとこの世界に飛ばされてきた意味がわからない

 今のところ悪魔の出現もないし、そもそも悪魔がこの世界に存在するのかどうかも定かではない

 ヘスティアは知っているような口ぶりだったから、いるにはいるのかもしれない

 

「ボクら神々でも今までの歴史の中で外の世界からこちら側に飛ばされてきた人間なんて見たことない。悪魔なんてもってのほかさ。つまりネロくんの存在はボクらにとって初めての経験なんだよ」

Serious...?(マジかよ...)

 

 トドメのように突きつけられたその現実にネロは目の前が暗くなるような心境に陥った

 帰る手段があればどんなことをしてでもやるのだが、それがないとこればどうしようもない

 深くうなだれるネロに、ヘスティアが気を取り直すように明るい口調でヘスティアが言葉をかける

 

「でも、今帰る方法がわからないだけで、これからそれが分かるかもしれないだろう?まだ何もしてないのに、諦めるには早すぎると思わないかい?」

「それも...そうだな。なんとしてでも元の世界には帰らねえと」

 

 ネロの元の世界への執着にどこか寂しいものを感じるヘスティアだったが、その寂しさは押し殺してただ笑顔を浮かべていた

 しかしヘスティアにはそんな感情などよりも万倍興味を強く惹かれているものがあった

 それはネロのステイタスである

 

 冒険者 ネロ

 Lv.1

 力 : SSS 7926

 耐久 : SSS 5872

 器用 : SSS 3568

 敏捷 : SSS 6231

 魔力 : | 0

 

 青年のステイタスは、もはや規格外だった

(アビリティ...オールSSS...!?)

 ヘスティアの驚きは、誰にも知れることはなく、ただ彼女の胸の内にしまわれたままだった

 

 

 

 

 

 

 それから少しして、ネロはギルドに来ていた

 ヘスティアから

 

『とりあえずはギルドに入って冒険者として登録してもらってきなよ。そのほうが色々と楽だと思うぜ?』

 

 と薦められたからだ

 冒険者ギルドは冒険者通りの突き当たりに建っている

 荘厳な見た目をしており、白い柱が力強く立てられており、一見神殿のような雰囲気を醸し出していた

 

「ここか」

 

 ギルドの前で立ち上がり、見上げながらそうひとりごちるネロ

 ギルドの前は冒険者と思しき人々でごった返しており、ギルドの中に入るだけでも一苦労といった様子であった

 その人ごみの中には様々な人種がおり、あるものは獣の耳を、あるものは鋭い耳と美貌を、あるものは身長が低い代わりに尋常ならざる筋肉に覆われていた

 そんな様々な人種が入り乱れる人ごみの中を白銀の髪の毛の青年が歩いていた

 

 ギルドの中に入ると、その中奥には受付のカウンターが設置してあり、向かって左手には"換金カウンター"と書いてある看板がぶら下げられているブースがあり、それ以外にも様々な部屋があった

 さすがに全てを一度に把握し尽くすのは不可能なので、ネロはひとまず受付カウンターへと向かった

 幾つかあるカウンターのうち、"冒険者登録受付"と書かれた札が壁に設置されているカウンターへ向かう

 

「こんにちは、本日は冒険者登録にお越しいただき誠に...」

 

 一礼とともに定型的な口上を述べる受付嬢の顔が、ネロの顔を見た途端にフリーズする

 前もこんなことあったなと思いながら、これから起こる出来事になんとなく予測がついてしまうことにため息をつく

 

「輝くような銀髪に整った顔立ち...高身長に鋭い目つき...間違いないわ..."銀髪の剣士"よ!」

 

 妙な二つ名と共に叫ぶ受付嬢

 その瞬間にざわつくギルド内

 

「あいつが銀髪の剣士...」

「あのオッタルと互角に戦ったっていう?」

「バカ、互角以上だよ、打ち負かしたらしいぞ」

「マジかよ!?凄まじいな...」

 

 あちらこちらでひそひそ話が飛び交っている

 ここではおちおち冒険者登録も落ち着いてできないのか

 ネロは辟易としながら、どこか疲れたような低い声で

 

「めんどくせえな...早いところ冒険者って奴に登録したいんだが、いいか?」

 

 そう受付嬢に頼んだ

 それと同時に後ろを振り向き未だざわざわとしている冒険者達に

 

Bite me.Don't fuckin' look(うるせえな。見せもんじゃねえぞ)

 

 そう一言言い放つと同時にサァッ、と静かになるギルド内

 先ほどまで好き勝手に噂話をしていた冒険者達もどこか所在無げにギルドを出て行く

 その光景を見て満足げに椅子にドカッと腰掛けるネロ

 背中にかけてあるレッドクイーンは外してそばの壁に立てかける

 

「それで、冒険者登録するにはどうすりゃいいんだ?」

 

 さっきまでのテンションとは一転、しおらしくなった受付嬢

 

「は、はい、こちらの用紙に必要事項を記入していただきまして...」

 

 

 

 そうして冒険者登録と冒険者についての説明を一通り受けた

 曰く、冒険者とは天を衝く巨塔、摩天楼施設"バベル"の地下一階に入口のあるダンジョンを探索し、モンスターを倒してそのモンスターから入手することのできる魔石を金銭と交換して生計を立てているそうだ

 その魔石を交換することができるのが先ほどのカウンターだ

 そして冒険者には1人につき1人、担当の受付嬢がつくらしい

 ネロの担当はエイナ・チュールというらしい

 登録を担当した受付嬢によると人気No.1の受付嬢らしい

 あいにく今日はいないらしいのだが

 その後、ギルドを出てからネロはそびえ立つ塔、バベルにあるダンジョンへ向かっていた

 

『もしよければ、ダンジョンに潜っていかれてはいかがですか?でもくれぐれも危険は冒さないでくださいよ?』

 

 と先ほどの受付嬢に言われ、ネロ自身少し興味がわいたからだ

 それにオッタルとの一戦以来体をほとんど動かしていない、いい加減そろそろ鈍ってしまっていそうだ

 運動ついでにネロはダンジョンへ挑もうとしていた

 バベルに着くと、ギルド前と同じくらいの人数がたむろしていた

 徒党を組んでダンジョンに挑もうとしているものや、1人でダンジョンに潜っていこうとしているもの

 ダンジョンに向かう姿勢は千差万別だった

 ネロはもちろん冒険者の知り合いなどまだ1人もいないので必然的に一人(ソロ)でのダンジョン攻略となるのだが

 

 ダンジョン1階層に到着したネロの目に最初に飛び込んできたのは視界を埋め尽くす薄青色に染まった壁面と天井

 空の見えない天然の迷路はどこまでも途切れることなく四方八方に続いている

 一緒に降りてきた他の冒険者達は方々へ散っていってしまい、今ここにはネロしかいなかった

 散歩がてらゆっくりと歩く

 二股道、十字路、緩やかな下り坂

 一定間隔で整った道を形作っている地下空間を

 すると

 

『グルオォォォォォ!』

 

 目の前に犬のような異形の生物が現れた

 その口には鋭い牙が生えており、その手にはこれまた同様に鋭い爪が生えていた

 コボルト

 その鋭い牙や爪を武器として戦う犬型の魔物だ

 先ほどギルドの職員にモンスターについての話を聞いたので記憶に残っている

 

『ガルアッッッッ!!』

 

 有無を言わさず直線的に襲いかかってくるコボルトをネロは

 

Humph(フンッ)

『ギャウッ!?』

 

 軽く右手(デビルブリンガー)で掴み

 

Catch this!(喰らえ!)

 

 腕を振りかぶり、壁に猛烈な勢いで叩きつけた

 強烈に全身を打ったコボルトは

 

『グェ!?』

 

 そう間抜けな断末魔の叫び声をあげてから霧のように消えていった

 本来なら魔物の心臓部にあるはずの魔石はネロの叩きつけの勢いで破壊されてしまったらしく、その場にはもとより何もなかったかのような雰囲気が流れていた

 ネロはコボルトを叩きつけた壁を見ながら

 

「...Too weak(弱すぎる)

 

 そう退屈そうに言ったのだった

 すると

 

 ビキッビキビキビキッ

 

 近くの壁が割れる音がする

 見やると、確かにダンジョンの壁に亀裂が入っていた

 何事、と思っているとその中から

 

『『『『『『『『ギュピィッ!!』』』』』』』』

 

 先ほどのコボルトが8体も出てきた

 しかもちょうどネロを取り囲むような位置取りで

 一見知能がなさそうな見た目をしているのに、獲物を集団で狩る程度の知能はあるようだ

 ネロに獲物になるなどという意識は毛頭なかったが

 

「ハッ、束でかかれば倒せるとでも思ったか?」

 

 囲まれてなお余裕綽々といった立ち居振る舞いでネロは左手でレッドクイーンの柄を握り、一度ブィィン!!と高らかにイクシードの駆動音を鳴らす

 刀身に赤が混じる

 そして正面を見据え

 

「行くぜ」

 

 その一言と共にネロは地を蹴り天高く飛び上がった

 咄嗟のことで動きが止まりその場でボケーっと宙に浮かんでいるネロを見上げるコボルト達

 そんな彼らにネロは一切躊躇せずレッドクイーンの柄を思い切り捻り、推進剤を起爆した

 鐔の下部についているエンジンのような噴出口から紅蓮の炎が巻き上がる

 大音量と共にネロはレッドクイーンを盛大に地面に叩きつけた

 付加された推進剤の凄まじい勢いと共に

 

「Double Down!!!」

 

 とてつもない衝撃波が生じる

 その衝撃波は、ダンジョンの床に大穴を開けた

 その勢いのまま一瞬のうちに二階層に到達したネロが濛々と煙の立ちこめる中、姿を現す

 そして彼の周りには魔石が丁度8個、散らばっていた

 その一つ一つを拾い、コートのポケットの中に突っ込むと

 

「準備運動にもならねえな」

 

 フン、と鼻を鳴らしてネロは次の獲物を探して歩き出した

 

 

 

 

 それから何度か戦闘を繰り返し(一方的な虐殺が戦闘のうちに入るのかはさておき)ネロは順調に各階層を攻略して行っていた

 そしてたどり着いたのは五階層

 今までの階層と空気が違うことをネロはなんとなく感じ取っていた

 そんな感覚を覚えながらネロはしばらく五階層を歩き回っていた

 すると何かの足音のようなものが聞こえてきた

 身構えるネロ

 その足音は時間が経つに連れてどんどん大きくなっていく

 相当近い、とネロが感じた次の瞬間

 壁を突き破り、モンスターが飛び出してきた

 全身をこの前のオッタルを彷彿とさせるような無骨な筋肉で覆われた牛人

 ネロでも名前だけなら知っている

 "ミノタウロス"

 半牛半人のモンスターだ

 猛々しく天を衝くように生えた角

 息は荒く、野生の本能が荒れ狂っているのを感じる

 

「久々にちゃんとやれそうなやつじゃねえか。来いよ、相手してやる」

『ブモォォォォォォォォォォォ!!!』

 

 興奮状態なのか、唾を飛ばしながらこちらを威嚇してくるミノタウロス

 ネロは不愉快そうに顔を歪めながら

 

「汚ねえな、コートが汚れちまうだろうが」

 

 なんとも緊張感のない様子である

 しかし今までの奴らとは格が違うと分かったネロはレッドクイーンに手を伸ばし、柄を捻る

 刀身に熱が込められ真っ赤に染まる

 そしてレッドクイーンを地面に突き刺し、そこによりかかって頬杖をついた

 それから右手を突き出し、人差し指をクイクイ、と曲げた

 そんなネロを見てミノタウロスは蹄で地を二、三度踏みしめて突進体制をつくる

 ネロは今だにレッドクイーンに寄りかかったままだ

 と地を力強く蹴りながらミノタウロスは爆発的にネロへ襲いかかった

 自慢の角を低く下げ、ネロを突き上げるつもりなのだろう

 凄まじい突進のスピードに二人の距離がぐんぐんと縮まっていく

 ミノタウロスは動かない相手に勝ちを確信したような様子であった

 そして二人が激突しそうになるその瞬間に

 

Too slow(遅すぎだろ)

 

 ネロの退屈そうなその一言と同時に二つの影は激突した

 そこには突進の体勢のまま停止しているミノタウロスと、右手でその角を掴み、突進を止めているネロがいた

 ネロはつまらなそうにミノタウロスを見下ろしており、ミノタウロスはなぜ突進を止められたかを把握しきれていない様子だった

 

「なんだよ、これで本気か?」

 

 バキィ、と小気味良い音がダンジョン内に響き渡った

 

『グモォォォォォォォ!?』

 

 自慢の角をいとも簡単にへし折られたミノタウロスが怯み、二、三歩後ずさった

 本能的にネロとの実力差を感じ取ったらしく先程までとはうってかわってその目には恐怖が浮かんでいた

 戦意を失った相手に用はない

 そう結論付けたネロはミノタウロスに止めを刺そうと近づいていく

 そしてレッドクイーンを振りかぶり袈裟懸けに切り刻もうとーーーーーーーー

 

『ブモォォォォォォ!?』

 

 まだその体にネロの剣は届いていないのも関わらず、ミノタウロスは断末魔の悲鳴をあげる

 

「??」

 

 ネロが動きを止めて訝しむ

 すると

 バキバキバキィ!

 ミノタウロスの体が二つに裂けた

 そこから大量に飛び出してきた血液で覆われるネロ

 そして二つに裂けたミノタウロスのその向こうに

 

「大丈夫ですか...って、あ...」

 

 アイズ・ヴァレンシュタインが立っていた

 今再び邂逅する二人

 ミノタウロスの血にまみれたネロの口から出たのは

 

Bullshit(ざけんな)

 

 コートも顔も汚されたことに対する怒りの言葉だった




いかがでしたでしょうか
正直コボルト相手だとネロくんの強さが正直あまり表現しきれないです
ミノでなんとかしようかと思ったんですけど、ネロくんがミノに苦戦するビジョンがまったく思い浮かびませんでした...笑
やっぱりチートキャラって扱いが難しいですね
それと、更新の間隔が空いてしまい申し訳ありません
しっかりと書いていくつもりはあるので、応援していただけると幸いです
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