異世界で悪魔退治するのは間違っているだろうか 作:しゅーぞー
ダンジョンを出た2人は外の噴水の縁に腰掛けていた
ネロは血塗れになってしまったコートを脱いで片手に持っており、顔を真っ赤に染め上げていたミノタウロスの血は洗い流した
「........」
「........」
2人の間にただひたすらに流れる重い空気
それもそのはず、ネロもアイズも会話が大好きというタイプではない
むしろ寡黙な方に分類されるだろう
こんな時
そう考えながら、しかしネロは尚も沈黙を貫いていた
隣のアイズに目をやると、どこか罪悪感を感じているような顔で地面を見つめていた
なぜかむしろこちらが罪悪感を感じてしまった
「あの...」
不意にアイズが話しかけてきた
「なんだ?」
多少驚きつつも返答する
するとアイズは座っていた縁から徐ろに立ち上がった
そしてネロの前に立ち
「さっきは...ごめんなさい。獲物を横取りしてしまって」
そう謝罪したのだ
別段、ネロはあのミノタウロスの特別執着心があったわけでもないので、特に気にしてはいなかったが、改めて言われると獲物を横取りされた形になるのか、と彼女の言を頭の中で反芻した
「クリーニング代なら出すから、許してほしい」
主人に叱られて謝る犬のような上目遣いだった
そして財布を取り出してこの世界の通貨をネロに差し出してくる
先刻コートを汚されたことからつい荒い口調で喋ってしまって萎縮させてしまったのだろうか
しかしそんなことで萎縮するような奴とも思えない
先ほどまでの沈黙はどうやって謝るかを考えていたのだろうか
とすればなんとも可愛い話ではないか
ネロはどこかおかしさがこみ上げてきてプッ、と吹き出してしまった
「?」
そんなネロを不思議そうな目で見つめるアイズ
「いや、悪い。なんかあんたが犬みたいに見えてよ、おかしくてつい笑っちまった」
「私は犬人じゃないよ?」
ネロの軽口にそう生真面目に回答するアイズ
どうも冗談が通じていないみたいだ
「とにかく、コートのことは気にすんな。クリーニング代もいらねえ」
「いや、でも」
「本人がここまで言ってんだからもう気にすんな。この話は終わりだ、いいな?」
なおも食い下がろうとするアイズの言をぴしゃりとはねのける
「それじゃ、俺はもう行くからな。じゃあ」
そう言って別れを告げて去ろうとするネロ
踵を返して立ち去ろうとすると髪を引かれるような感じがした
いや、実際には袖を引かれていたのだが
アイズがネロのパーカーの袖をキュッと掴んでいた
何事かと怪訝に思って尋ねる
「...なんだよ?」
「名前」
「
「前にヘスティア様の
唐突に始まった自己紹介に頓狂な返事しか返すことができないネロ
彼女は一通り自己紹介を終えてから
「それで、君は?」
と、ネロにも自己紹介を促してきた
生まれてこのかた自己紹介などほとんどしてこなかった彼はなんと言えばいいのか逡巡したが、彼女を真似て
「ネロだ。Lv.1、ってことになるのか?この前登録ってやつも済ませたばっかだし。」
そう言うとアイズの読み取りづらいその表情の中に一瞬確かに驚愕の色が浮かんだ
しかしネロにはその訳はわからなかった
「...そう。それじゃあ改めてこれからよろしく、ネロ」
「あぁ。」
逆方向に向かって歩き出す2人
こうして2人の本当の意味での初めての邂逅は終了した
(コートどうすりゃいいかなあ...)
ネロと別れた後、アイズは再びダンジョンの方向へと向かっていた
別にまた潜りに行くというわけではない
ファミリアの面々達と合流しにいくのだ
実はアイズはダンジョンの深層攻略の帰りであった
しかしその中途でミノタウロスの群れに襲われたのだ
しかし、問題はミノタウロス
ミノタウロスは皆深層攻略の疲弊もあったが問題なく片付けることができていた
しかし、そんなロキファミリアの圧倒的な強さに恐れをなしたのか、一匹のミノタウロスが上階へ逃げて行ってしまった
上層にいる冒険者たちはLv.1がほとんどだ
そんな彼らでは束になってかかってもミノタウロスには勝てないだろう
それゆえアイズはミノタウロスを急ぎ追いかけ仕留めようとしていたのだ
追って追って、駆けて駆けて彼女がやっとミノタウロスを見つけた時そこには目を疑うような光景が広がっていた
Lv.1であるだろう青年が事もあろうにミノタウロスの突進を片手のみで止めて、さらにその角を圧し折ったのだ
結果的にはアイズがミノタウロスを仕留める結果になったが、あのままアイズが傍観を決め込んで居れば確実にミノタウロスはネロによって仕留められていてことだろう
そんな彼の圧倒的な、まさに鬼神のごとき強さを見せられた
今まで十余年と短い人生の中でも、あそこまで圧倒的な強さを見たことが彼女はなかった
ともすればオッタルと並び立つ、いや、越えているのかもしれない
先ほどの会話で師事を請いたくなるほどに、あれこれと栓
彼女は彼に並々ならぬ興味をその心の内に宿していた
その強さに、その強さの理由に
「アイズたあああああああああああん」
向こうから自らの主神の自分の名を呼んでいる声が聞こえてくる
彼女は歩を速めた
そして、夜
ネロはベッドに横になりながら今までに起きた出来事を整理していた
突然この世界に飛ばされてから、激動の日々を過ごしてきた
これまでのことを思い出しながら、ネロは違和感を感じていた
それはさほど重大なものではない気がするのだが、ネロの頭に引っかかり続けている
ふと、記憶の引き出しから一つの記憶が飛び出してきた
思い出されるのは、一週間前のシルとの会話の記憶
『うーん、それじゃあ、今晩
『...OK,んじゃあ今夜ここに来るよ。楽しみにしとくぜ』
この世界にきてから初めて、戦闘においての危機感以外でネロの頬を冷や汗が伝った
(...忘れてた)
あの後すぐにオッタルとの戦いがあり、そこからの勧誘地獄ですっかり忘れていた
自分はあのとき確かに恩返しのためにその日の夜に食事をしに来ると約束したのだ
自分を助けようとしてくれた少女に
ベッドからゆっくり体を起こした
体感的には、まだ21時ほどだろう
幸運なことにあの少女の店は見た感じ酒場だった
この時間なら余裕でまだやっているだろう
ネロに割り当てられていた部屋のドアを開け、近くの椅子にかけられていた自分のコートを取り、勢いよく羽織り少しの金を持って部屋を出て行った
大通りを歩いていると、そこはむしろ昼間よりも人が多く、その様相は昼とは打って変わって乱雑なものとなっていた
うろ覚えの記憶で通りを歩くネロ
方々の酒場から景気よく大声が打ち上がっており、後から怒声や笑い声が続く
解放された店の窓から漏れ出るオレンジ色の灯りと一緒に、いくつもの人影が舗装された道の上を踊っていた
しばらく大通りを周囲を見渡しながら歩いていると、ようやく記憶に合致しそうな建物の前にたどり着いた
「...ここか?」
他の商店と同じ石造り
二階建てでやけに奥行きのある建物は、周りにある酒場の中で最も大きいかもしれない
店の中に入ると最初に目についたのは、カウンターの中で料理やお酒を振る舞う恰幅のいい女性の姿であった
おそらくはこの店の主人だろう
チラリと見える厨房では見覚えのある猫耳を生やした少女たちがてんてこ舞いに動き回り、そして客の注文を取る給仕たちもさも当然のように全員ウェイトレスだった
店内のスタッフの全員が女性だった
そしてその中の1人が入店したネロに近づいてきた
「いらっしゃいま...!?」
言葉途中で途切れてしまった店員の顔を見やると、彼女は一週間前にも会った少女、シルであった
やはりネロが突然来たことに驚いたのか、ネロを見上げるその目にはあからさまに驚愕の色が浮かんでいた
ネロは罪悪感からか居心地悪そうに頬をポリポリとかきながら
「悪い、色々ゴタゴタしてて来るの忘れてた。許してくれ」
そう一言、謝った
そんなネロに一瞬ハッとなっていたシルは瞬間、ニッコリとして
「大丈夫ですよ、そんなに申し訳なさそうな顔しなくても。ほら、こんなとこに立ってないで席に座りましょう?」
そう言われると断ることもできずに、ネロは下げていた頭をあげて、ネロを席に案内するシルの後ろについて行った
この時ネロは大きな勘違いをしてしまっていた
(良かった、あまり怒ってはいなさそうだな)
5分後には彼のそんな考えなど跡形もなく打ち砕かれてしまうことも知らずにそんな呑気なことを考えながら歩くネロ
案内されたのはカウンター席の一番端
初めてこの店に来るネロに配慮してくれたのだろうか
しかしその気遣いは生来他人の視線など気にもとめないネロには不要なものであったが
とりあえずは案内された席に座るネロ
お詫びにたくさん注文したいのは山々だったのだが、ネロはもうすでに夕飯を食べてしまっていた
なので非常に申し訳ないのだが、量が少ない料理を食べる心算だった
メニューをシルにも見えるように傾けながら尋ねてみる
「なぁシル。量が少ない料理って...」
「このパスタですね」
半ばかぶせるようにそう言ったシルが指差しているのは、魚介類が盛りだくさんのパスタだった
とても今のネロに食べ切れる量には見えない
嫌な予感がした
「...ん?い、いや、シル。俺が聞いたのは量が少ない料理なんだが...」
「このパスタです」
珍しく面食らった様子でシルに同じ質問を繰り替えすも、またもや被せるようにシルが同じパスタを指差しながら同じ答えを口にする
シルが指差しているパスタから横に少し視線をずらすと小さい皿に盛られたパスタの写真も載っていた
なぜこちらを紹介してくれないのか
もうネロの中で答えは出ていた
(怒ってるなこりゃ...)
ここは逆らわずに言う通りにしたほうがいいな、と悟ったネロは
「...じゃあ、それで」
普段優しい人が怒った時が一番怖い、という世界共通概念をこの日ネロは再認識することになった
「はぁ〜い♪」
機嫌の良さそうな返事と共に厨房へ戻り、ネロが注文したパスタを厨房の料理人に伝える
しばらく待っていると料理が出てきた
「デケェ...」
写真よりも3割増しほどに増量して出てきたパスタにネロはそう端的に感想を述べるほかなかった
「アンタがシルのお客さんかい?ははっ、冒険者のくせに整った顔してるねぇ!なんでもアタシ達に悲鳴を上げさせるほど大食漢なんだそうじゃないか!じゃんじゃん料理出すから、じゃんじゃん金を使ってってくれよぉ!」
「
告げられた言葉に驚くネロ
ばっと背後を振り返ると、いつの間にかそばに控えていたシルはさっと目を横にそらした
やりやがったな...
「なぁ、俺はいつから大食漢になったんだ?初耳なんだが」
「......えへへ」
「......」
呆れて物も言えなくなったネロ
取り繕うようにシルが言い訳をする
「その、ミアお母さんに知り合った方をお呼びしたいから、たっくさん振舞ってあげて、と伝えたら.....尾鰭がついてあんな話になってしまって」
「
「私、応援してますからっ」
「金もあんまり持ってきてねえし、そんなに食えねえぞ?腹も減ってねえし」
「何日もネロさんが来るのを待っててー来てくれたと思ったらこの仕打ちなんてー酷すぎますー」
棒読みでそう言い放つシル
そう言われると罪悪感から何も言えなくなってしまうネロ
そんなネロを見てシルは微笑みながら
「ふふ、冗談です。ちょっと奮発してくれるだけでいいんで、ごゆっくりしていってください」
「...わかったよ」
注文して料理が出てきたからには食べないわけにはいかない
木製の食器入れからフォークを取り出して勢い任せにスパゲッティを口に運んでいく
勢いで完食できるかと思いきや、5口目を口に運んだあたりから腹がキリキリと痛んできた
もう胃の中は満タンだとアピールしているかのようだ
先ほどまでネロがスパゲッティを食べている間に時々話しかけてきていたシルは他のテーブルのオーダーを取りに行ってそばにいない
少しの孤独感を感じつつもネロは無理やり口の中に運んでいく
全体の80%ほど無理やり胃の中に収めてもう少しというときに、店内にどっと十数人規模の集団が酒場に入店してきた
ネロが座っている席とちょうど対角線のぽっかりと空いた一角に案内されていた
(...ん?)
不意にネロの視界に金色の髪が飛び込んできた
大勢の冒険者の中でひときわ異彩を放ち周囲の注目を集めているのは、アイズだった
周りのざわめきにも微動だにせず静かな表情で落ち着き払っている彼女は
『......おい』
『おぉ、えれえ上玉ッ』
『馬鹿、ちげえよ。エンブレムを見ろ』
『......げっ』
周囲の客は彼等が【ロキ・ファミリア】だということに気づいた途端にこれまでとは異なるざわめきを広げていく
顔を近づけあって密談を交わすようなひそひそ話が始まっていた
『あれが』『......巨人殺しの【ファミリア】』『第一級冒険者のオールスターじゃねえか』『どれが噂の【剣姫】だ?』
方々からそれぞれ好き勝手言い合っているのがネロの耳にもよく聞こえてくる
「よっしゃあ、ダンジョン遠征みんなご苦労さん!今日は宴や!飲めぇ!」
おもむろに一人の人物が立って音頭をとった
ロキだった
まああの面々は皆【ロキ・ファミリア】の構成員であるだろうから、当たり前と言えば当たり前だろう
彼女のその音頭を起点として【ロキ・ファミリア】の構成員達は騒ぎ出した
『ガチン!』とジョッキをぶつけ合ったり、料理を豪快に口に運んでいたりしていた
外見は目立つアイズは少しずつマイペースに食事を進めていた
先ほどまで注目を一身に集めていた【ロキ・ファミリア】が宴会一色の雰囲気に突入すると、他の客達の我に帰ったのか、それぞれの食事や酒に手をつけ始めた
「【ロキ・ファミリア】さんはうちのお得意さんなんです。彼等の主神であるロキ様に、私たちのお店がいたく気に入られてしまって」
いつの間にそばに来ていたのだろうか
シルが横で解説をしていた
しかし、ネロにはさして興味のない話題だったので、そうなのか、と短く返事だけして放置していたままだった少量だけ残っているスパゲッティに再び手をつけ始めた
わざわざアイズに挨拶しに行く必要もないだろう
しかし、料理に没頭しようとしたネロの意識は再び【ロキ・ファミリア】内の会話に引き寄せられてしまった
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
「あの話......?」
アイズから見て席が二つほど離れた斜向かいに座る獣人の青年が、何かの話をせがんでいるようだった
「あれだって、帰る途中で何匹か逃したミノタウロス!最後の一匹、お前が五階層で始末したしただろ!?そんで、ほら、あんときのトマト野郎の!お前あの後介抱してやってたんだろ?」
どうやら獣人の青年はネロのことを話題に挙げているらしい
【ロキ・ファミリア】の会話などネロにとっては特に興味のないことだったのだが、自分のあずかり知らぬところで噂されるのはやはり気になりようで、耳を傾けていた
なおも会話は続く
「ミノタウロスって、十七階層で襲いかかって返り討ちにしたら、すぐ集団で逃げ出していったやつ?」
「それそれ!奇跡みてぇにどんどん上層に登って行きやがってよっ、俺たちが泡食って追いかけていったやつ!こっちは帰りの途中で疲れたってのによー」
その青年が言っていることから推察するに、【ロキ・ファミリア】は深層まで遠征していて、帰路の際に
なんとかそれを追いかけていった後、アイズがとどめを刺した
どうやら【ロキ・ファミリア】の中ではこういったシナリオになっているらしい
「それでよ、いたんだよ、いかにも駆け出しっていう世間知らずそうな
ネロのことだ
「抱腹もんだったぜ、俺は最後の瞬間しか見れてないんだけどよ、アイズが真っ二つに両断したミノの裂け目の間からそいつが見えてきたわけよ!」
「ふむぅ?それで、その冒険者どうしたん?助かったん?」
「アイズが間一髪のところで助けてたからな。なっ?」
アイズにそう同意を求める青年
アイズはわずかに眉をひそめているように見えた
「それでそいつ、あのくっせー牛の血を全身に浴びて......真っ赤なトマトになっちまったんだよ!くくくっ、ひーっ、腹いてぇぇ......!」
「でもその後二人はどうしたん?どっかいったんでしょ?」
「さあな、俺はそっからは見てねえけど。だってよ、あんまりにも可哀想すぎるだろ?真っ赤になってそんで介抱されてるときにまた俺にバカにされたらよ!俺だったら冒険者やめてるぜ、思い出したらまた笑えてきたわ、くくくっ」
「うわぁ.......」
「アイズ、あれ狙ったんだよな?そうだよな?頼むからそう言ってくれ..............!」
「.........そんなこと、ないです」
獣人の青年は目元に涙をこらえ、他のメンバーは失笑し、別のテーブルでの話を聞いている部外者達は釣られて出る笑みを必死に嚙み殺す
一方ネロはといえば、残ったイカをフォークで刺して、口に運んでいた
そばにいたシルはまた他のテーブルの注文を取りに行ってしまっているようで、またネロは独りだった
なおもネロの話で盛り上がる【ロキ・ファミリア】
「しかしまぁ、久々にあんな情けねえやつを目にしちまって、胸糞悪くなったな。女に介抱されて、恥ずかしくねえのかよ」
「......あらぁ〜」
「ほんとざまあねえよな。ったく、雑魚なんだったら最初から冒険者なんかなるんじゃねえっての。ドン引きだぜ。なあ、アイズ?」
「......」
好き勝手言い続けている青年に、さすがのネロも少し苛立ちを覚えた
いわれのないことで非難されることほどムカつくことはない
「あぁいうやつがいるから俺たちの品位が下がるっていうかよ、勘弁してほしいぜ」
「いい加減そのうるさい口を閉じろ、ベート。ミノタウロスを逃したのは私たちの不手際だ。巻き込んでしまったその青年に謝罪することはあれ、酒の肴にする権利などない。恥を知れ」
「おー、おー、さすがエルフ様、誇り高いこって。でもよ、そんな救えねえやつを擁護して何になるってんだ?それはテメェの失敗をテメェで誤魔化すための、ただの自己満足だろ?ゴミをゴミと言って何が悪い」
「これ、やめぇ、ベートのリヴェリアも。酒が不味くなるわ」
ーーーイライライラ
「アイズはどう思うよ?自分の前で震え上がるだけの情けねえ野郎を。あれは俺たちと同じ冒険者を名乗ってんだぜ?」
「ネロは、そんなんじゃありません。彼はすごく強いです」
「おいおい、そんなわけねえだろ?俺の目を誤魔化そうったってそうはいかねえぞ?お前が助けた現場、しっかり押さえちまったんだしな。
そもそもそんなにつえぇなら一人でミノくれぇ倒せるだろ?」
その一言でまたドッ、と場に笑いが起こった
「.......彼はまだダンジョンに慣れていないようでしたし、初めてでは仕方ないと思います」
ーーームカムカムカ
「何だよ、いい子ちゃんぶっちまって。......じゃあ質問を変えるぜ?あのガキと俺、ツガイにするならどっちがいい?」
「.....ベート、君、酔ってるの?」
「うるせえ。ほら、アイズ、選べよ。雌のお前はどっちの雄に尻尾を振って、どっちの雄に滅茶苦茶にされてえんだ?」
「......私は、そんなことを言うベートさんとだけは、ごめんです」
「無様だな」
「黙れババァッ。おいアイズ、あんな軟弱野郎を選ぶのかよ?顔ばっかいいだけで中身が全然伴ってねえじゃねえか。デクだぜ、デク」
ーーーイライライライライライラ
「あんな奴好きんなる女なんてよ、
我慢の限界だった
椅子を弾き飛ばすように立ち上がり、ツカツカと獣人の青年に近づいていくネロ
それにアイズもロキも気付いたようで
「あっ.......」
「...誰かと思ったら........白髪頭やないか!」
そんな二人の反応などの目も耳もくれず、獣人の青年だけを目標に近づいていく
獣人の青年もネロの目的は自分だと気付き、こちらを鋭い目付きで睨んでくる
しかし表情は何かに気づいたかのような気色に変わると途端にバカにしたような表情に変わった
「テメエ、誰かと思ったら昼間の
その一言にまたもや笑いが起きる
しかしそんなものには全く反応を示さない
ネロは獣人の青年の獣の耳が生えた頭をむんずと掴むと
「
テーブルに猛烈な勢いで強烈な音を立てながら叩きつけた
いかがでしたでしょうか
正直最後のベートへの制裁を書いてるときはすごく目が輝いてたと思います笑
原作を読んでたときから何とか復讐してあげたかったので笑