season in the sun   作:Orfevre

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紅白戦(6)

 2-1、新入生チームがリードしている7回裏、新入生チームのマウンドに内野手が集まった。

 

「ごめん、ちょっと警戒が緩かったよ」

 美代子がバツの悪そうな表情で他の内野手に謝る。だが、意表を突いた相手のセーフティバントを責める者はいなかった。

「次、キャプテンっしょ。マジ燃えてくるっす」

 妙にテンションをあげている茶来、ピンチの場面でも変わらない雰囲気のこの男が集まった選手たちに言う。

「ま、take it easyってことで」

「オー!」

 守備位置に戻る各選手、響はかぶり直し、そのつばを傾けた。先程までと違い、かなり目深に被っており、目が隠れている。

 

--この場面、抑えてみせる!--

 

 響はセットポジションに入り、第一球を投じた。ピンチにも臆すことなく、勢いのある速球を投げ込み1ストライク。2球目は外角に外れるスライダー、これを見送って1ボール1ストライク。

 

--ピンチになってからボールの勢いが増した。こいつはエンジンのかかりが遅いタイプなんだな--

 塩原はそう考えながら、3球目を要求する。アウトコース一杯のストレート、あのスライダーを見ていれば、手が出ない。そう考えた塩原だが、田中山はこれをライト線へ大きな当たりを飛ばす。

 

「ファ、ファール!」

 ボールはフェンスに当たったが、ラインの右側、わずかに切れたファールボール。先輩ベンチからもため息が聞こえる。

 いい当たりだったが、結果的にファールとなってツーナッシングと追い込んだ。

「ああ、惜しい!」

「当たりますよキャプテン!」

 ベンチからの声援を背に受けた田中山へ、響がラストボールを投じた。田中山も響のストレートに対してフルスイングで応える。しかし、ボールは手元で浮き上がり、バットの上を通過した。

 

 空振り三振、響は田中山を抑え、このピンチをしのいで見せた。

--今のストレート、間違いなくホップしてた。こいつの武器になるかもな、次こそ打ってやる--

 田中山はそう思いながら、8回表の守備についた。8回の新入生チームは下位打線ということもあり、3者凡退。その裏、先輩チームの攻撃も調子が出てきた響をとらえきれず、3者凡退。9回の表、新入生チームは上位打線であったが、暮羽の貫禄に屈して3者凡退。9回の裏を迎える。

 

 しかし、7番からの下位打線も、響を打ち崩すことはできなかった。辛うじて、二死からポテンヒットでランナーを1人出したものの万事休す。

「ゲームセット!」

「「「「「「「「「やったー!!」」」」」」」」」

 

 2-1、新入生チームは先輩チームに勝つ大番狂わせを起こしてみせたのだった。

 

 





響VS田中山はとりあえず響が勝利、そのまま後続を抑えた新入生チームが逃げ切り勝ちを納めました。

今後もよろしくお願いします。
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