season in the sun   作:Orfevre

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最初の部活

 矢部と響が買い物をした翌日の月曜日、オリエンテーションや部活動の紹介等が先週にあったので、部活の仮入部はこの日からとなっていた。

 

「響ちゃんと、美代子ちゃんだね。私は紺野美崎、よろしく!」

 野球部の女子更衣室にて、響と美代子は入学式で挨拶をしていた女の子と出会う。優等生のイメージがあった美崎だが実際に話してみると、彼女は明るくて気さくな人物だった。

 そして、今、彼女たちはお互いに着替えている。選手としての入部になる響と美代子は練習着、マネージャーの美崎は学校指定のジャージへ。

 

「美崎ちゃんは可愛らしいねー」

 美代子は下着姿になった美崎に声をかける。美崎は美代子の方を見てから、戦闘力の違いにショックを受ける。ついで、美代子は同じように下着姿になった響の方を見る。

「響ちゃん、スタイルいいなー。着痩せしてたんだ」

 美崎も思わず響の方を見る、確かに美代子ほどではないが、服の上から推測したよりも高い戦闘力を発揮していた。推測では自身と同じ程度だと思っていただけにショックも大きい、美崎は空気を変えようと二人を急かす。

「遅れちゃうから!急ごうよ」

「そうだね、待ってるかもしれないから」

 響もこれに賛同し、最も遅くなりそうな美代子へと視線を送るが、彼女はすでに着替え終わっており、二人は言葉を失ってしまった。

 

 それから、響たちはグラウンドへ出た。すでに何人かの新入部員はストレッチやキャッチボールなどのウォーミングアップをはじめており、響と美代子も同じようにキャッチボールを始める。

 それを見ていた、サングラスが三流歌手並に似合わないちょっと大きめのレディが声をかけてきた。

「あなたたちも入部希望者でいいのかしら?」

 響と美代子がそれに頷くと、レディは納得したように顎に手を当てる。

「そうですの、今年からは条件付きとはいえ、女性選手にも門戸が開かれましたものね、あなたたちにも頑張ってもらいたいですわ。申し遅れました。ワタクシは佐藤カレン(さとうかれん)ですわ、3年間よろしく」

 それだけを言ってから佐藤は新入部員候補を集める。再び部員たちに自己紹介と挨拶を交わすと佐藤は練習方針を明かした。

「練習は毎日ありますけど、出席の義務も、サボりのペナルティはなし。あくまで、自主的に参加してもらいますわ」

 新入部員たちはその方針に驚く。要は最近の子供たちに欠けていることが多い自主性を養う、という方針なのだが、佐藤の意図に気づく部員はこの時点ではいなかった。

 

「明日は新入部員VS先輩部員の紅白戦を行いますわ。今日は新入生同士、親睦を深めつつ、明日のオーダーを決めてください、以上」

 佐藤はそういうと、美崎に声をかけ、マネージャーの仕事などをレクチャーしていた。一方で残された新入部員たちは唖然としていた。難題をいきなり突きつけられ、新入生たちは何をするべきか分からないままだった。

 

「注目でやんす!」

 手を挙げてから、新入部員の前にたっていた一人の部員、矢部。彼は新入部員全員の前で発言する。

「まずはポジション毎に並ぶでやんす。投手は右、野手は左でやんす」

 矢部の一声で選手たちは整列する。それから矢部は整列した選手たちからポジションを聞き出す。その姿勢に刺激を受けたのか数人の選手たちも選手たちを率先してまとめようとしはじめた。

 試合に勝つためには何が必要か、選手達が率先して考えさせる佐藤の意図を少しずつではあるが、選手たちが理解しはじめたのだった。

 

 

 




謎の補正でイケメンになりつつある矢部くん。このままイケメンロードを突き進むことはできるのか?

奥居や雅くんの活躍にも期待です。

佐藤監督……?まだ気にするのは早いですわ!
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