もしも隣人部に友達の少ないヲタクが入部したら⁉︎   作:中井 修平

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はい!ゴメンナサイ!本当にすみませんでした!(土下座)
という事で、遅れに遅れた更新ですが、遅れた謝罪と待っててくれてありがとうと感謝を込めて5000字と少し多めに取りました。

今後とも「もしも隣人部に友達の居ないヲタクが入部したら⁉︎」を、どうぞよろしくお願いします!


星奈の携帯電話

夜空と俺の決闘の15分後位に小鷹が部室に来た。

 

「それで、決闘は裕翔の勝ちか……」

 

「まぁ夜空も結構頑張ったと思うぞ。何しろ初めてでアレだけ当てたんだから」

 

そう言うと夜空は悔しげな表情を浮かべる。

豪語しておいて1発外したのが相当悔しいのだろう。

 

「しにても裕翔先輩も相当ですよね、理科あんな射撃見た事無いですよ。私も射的は得意な方だと思ってたんですけど……自信無くしちゃいます……」

 

理科がそう言うのもわからなくも無い、何しろボルトアクションvsハンドガンだ。射撃の精密さは比べ物にならない。

その不利な条件で夜空に勝利したのだから。

 

「……大した事じゃない、射的位にしか生かせないし、これが実弾と実銃だったらわからないでも無いけど……それに練習すれば誰でも出来る」

 

実弾と実銃なら、まだわかる。

兄貴と兄貴の友人とグアムに行った時、実銃を撃ったが、実銃でも結構当てられた。

 

しかしここは日本、銃はない。

 

何の役にも立たないのは明白だ。

教室が静まり返る。

 

「さーて、銃のメンテでもしようかね」

 

雰囲気が落ち込むのを嫌った俺はそう言い放ち、ワザと音を立てながら銃を整備し始めた。

 

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整備が終わり、それぞれの時間を過ごす。

俺はもう直ぐ終わりそうな夏休み課題に手をつけ、小鷹は本を読んでいる。

理科はパソコンを弄り、幸村は隅でボーッとしているし、夜空は決闘の疲れが祟ったのかソファで寝始めた。

 

「……よし、では先輩、理科はそろそろ帰ります」

 

「もう帰るのか?」

 

小鷹が理科にそう問いかける。

 

「はい、あ、裕翔先輩、色々出来て面白かったです、また何かあったら持って来て下さいね」

 

「暫くは無いと思うけどあったら持って行くわ」

 

理科から受け取ったUSBメモリの事だ。

あのシステムを弄ったり見たり出来たのは相当面白かったらしく、何だか肌がツヤツヤしている。

 

ノートパソコンの入ったバッグをかけ、理科が教室を出た。

 

 

更にその45分後。

 

「すみませんあにき、裕翔のあにき、夜空のあねご、わたくしもそろそろしつれいさせていただきます」

 

幸村が帰宅の途につく。

 

「おう、ありがとな幸村」

 

「いえいえ、今日もあにきのパシリをさせていただきまして、こちらこそ」

 

では、と言って幸村が教室を出て行った。

 

「……今日は星奈が来ないな……」

 

俺がそう呟くと、小鷹は本から視線を上げた。

 

「そう言えば……いつもならギャルゲーやってるのにな……」

 

欲しいゲームの発売日でもあるのか……?

 

まぁ、考えても仕方ないので、課題に集中する事にした。

 

===========================

 

大分陽が傾き、あと1時間かそこらで完全に日没になる頃、夜空が目を覚ました。

 

「ん……」

 

「おっ、小鷹、夜空が起きたぞ」

 

小鷹は読んでいた本から視線を夜空に移す。

俺も課題をそろそろ終わらせ、片付け始めようと思っていたところだ。

 

「んっ……皆は?」

 

夜空は伸びをしてから俺達に問いかけ、小鷹が答えた。

 

「皆は先に帰った、俺達も帰るか」

 

「そうだな……」

 

と夜空がソファーの上で姿勢を正そうとした時、部室のドアが唐突に開いた。

 

振り向くと、星奈が立っていた。

 

「ふふーん、女神が降臨したわよー?」

 

これに対し。

 

「お、おう」

 

「はぁ……」

 

「また寝る」

 

順に小鷹、俺、夜空の反応はこうだった。

 

「なっ、何なのよこの無反応っぷりは⁉︎これを見てもまだそんな反応が出来るかしらね!」

 

登場をスルーされた星奈がスカートのポケットから取り出したのは、携帯電話だった。

 

……しかも、予想通り小鷹と同じモデルで同じカラーリングである。

俺はそれを見て更に溜息を吐いた、これは完全に夜空に喧嘩を吹っ掛けに行っている。

 

「ふふん♪昨日パパに頼んだら、買ってくれる事になったの!」

 

「あれ?それ俺のと同じだな、色まで……」

 

小鷹がそれに気付き声を上げると、夜空はあからさまにムッとする。

 

「へぇ、奇遇ね」

 

「奇遇も何も……」

 

「小鷹のと同じ……?」

 

夜空はそう言って星奈を物凄い目で睨んでいる。

 

「という訳で、アドレス交換するわよ!裕翔も!」

 

「あ、あぁ、赤外線通信のやり方は分かるか?」

 

「当然よ!小鷹こそ昨日覚えたばっかのくせに」

 

「まぁな」

 

「俺のは赤外線出来ないから、メールアドレスを直接。星奈のも見せてくれ」

 

「良いわよ」

 

そう言うと小鷹と星奈で赤外線通信を始める。

俺は星奈にメールアドレスを直接教えて貰い、俺も星奈に教え、相互に交換した。

 

「ほらほら、夜空も交換してあげるわよ♪」

 

星奈はそう言いながら夜空に携帯を向けるが……

 

「私は貴様のアドレスなど要らん」

 

「えっ?折角買ったんだから教えてくれてもいいじゃない!」

 

当然の如く断られる。

 

「そんなに教えて欲しいのか……?」

 

「べ、別にそう言う訳じゃ無いけど?あんたのアドレスなんて全然知りたくも何とも無いけど、同じ部活の好でアドレス交換してあげようっていう事!」

 

感謝しなさいよね!といつもの調子で締めくくる。

 

「そうかありがとう、気持ちだけ受け取っておこう」

 

夜空にそう言われた星奈の表情は何だか一瞬寂しそうになり、反駁する。

 

「き、気持ちだけじゃダメなんだってば!」

 

「ふん、物欲しそうなアバズレめ、そんなに教えて欲しいなら誠意を見せてみろ」

 

夜空のそれは完全に悪代官だ……

俺も、何もそこまで言う事じゃ無いと思う。

でもこうなった夜空は誰にも止められない。

 

「せ、誠意って何よ⁉︎あ、足なんて舐めないんだからね⁉︎」

 

星奈も星奈で重大な勘違いをしている、誰も足を舐めろなんて言ってない。

ってか、誠意=足を舐めるって何だよ……と俺は呆れた。

 

「もう良いわよ!夜空のバカーッ!」

 

いつもの様に言い残し、星奈は走って教室を出て行く。

 

「……歯応えが無かったな」

 

そう言ってソファから立ち上がった夜空は伸びをする。

俺も途中だった帰りの支度を進める、部室にエアガンを置いて行ったら事だ。

 

ピロリロリーン♪

 

誰かの携帯が鳴った。

無論、俺のiPhoneはこんな音では無いし、携帯の音は切ってバイブだけ生かしているので音は鳴らない。

 

小鷹がポケットを漁る、どうやら小鷹の携帯らしい。

 

「……初メールがこれかよ……」

 

小鷹は画面を見て呆れた表情を浮かべる、どうやら星奈からのメールらしい。

 

そのメール画面を夜空は覗き込んでいた。

 

「ふん、あのバカ肉め……」

 

「おい夜空、人のメール画面見るのは失礼だぞ」

 

「知るか」

 

ジャイアンかこいつ……

 

「小鷹、肉のアドレスを見せろ。仕方がないから、私から肉にアドレスを教えてやる事にしよう……」

 

そう言った夜空の目には、暗い光が宿っていた。

 

「やめろ夜空、お前が何考えてるか分かる。止めておけ。小鷹も教えるなよ」

 

そう言って俺はトイレに立つ。

 

……忠告はしたからな……

 

===========================

 

トイレから戻り、隣人部の部室を開けると、夜空も小鷹も帰りの準備をしていた。

 

俺は自分のライフルバッグと鞄を取り、小鷹達に声をかける。

 

「んじゃ、俺はそろそろ帰るわ」

 

「おう、お疲れー」

 

特に何もなく今日も終わろうと……はしていなかった。

 

隣人部の部室を出て数歩歩くと、礼拝堂の入り口からバタバタと足音が聞こえた。

足音は近づいてくる。

 

廊下の先、礼拝堂の入り口の最終コーナーとを曲がって来たのは、星奈だった。

今にも泣きそうな涙目になって走る。

 

「……星奈?」

 

「ゆ、裕翔!あ、あたしの携帯が……!」

 

涙声で星奈はそう言う。

そして俺はここで、ピロリンピロリンピロリンと、さっきから星奈のポケットでメールの着信音が鳴りっぱなしなのに気がついた。

 

星奈はそれだけ言うと、再び隣人部の部室へと走りだす。

俺も気になり、後を追う。

 

バン!とドアを開ける音が響く。

 

「何よ!何なのよ!」

 

星奈の絶叫が響く。

それと同時に星奈が本格的に泣き始める。

 

数秒後、部室から出てきたのは、してやったりという表情をした夜空だった。

 

「助けてよ小鷹!」

 

その星奈の叫びと共に、夜空の表情が変わる。

具体的には、驚いたような、悔しげな表情だった。

 

俺は、そんな表情の夜空に声をかける。

 

「……言ったよな?止めろって」

 

「ゆ、裕翔……お前、まだ帰ってなったのか?」

 

俺は、多分隣人部に来てからこんなに腹が立ったのは初めてかもしれない。

そのせいか、俺が趣味バレした時よりも強く夜空を睨む。

 

「俺が帰ってなかった?どうでもいいそんな事は。お前は俺より頭脳で優秀な癖に、こう言う事に至っては本当に底抜けのバカとしか言いようが無いな」

 

「……っ」

 

「俺、カラオケから帰る時行ったよな?星奈を遠ざけるんじゃなくて、自分から近づく努力しろって……なのにこれは何の真似だ?どういう事だ?俺はお前が小鷹に気がある事には気付いてた、何でかまでは知らねえがな」

 

「そっ……それは……!あのバカ肉が!」

 

「黙れ」

 

「っ⁉︎」

 

大声を出している訳じゃ無い、が、夜空は迫力に負けてか、押し黙る。

夜空の問題点、見栄っ張りで、嫉妬深く、陰険で、面倒臭い。

 

「何でも星奈のせいか?ここまでやって自分は悪く無いと言い張るか?お前、イジメてる奴と一緒にするなって言ってたよな?お前がやってる事はそいつらと同レベルだぞ、どっからどう見てもな。流石に軽蔑されてもお前は文句言えないぞ」

 

俺はそのまま、隣人部の部室へと向かう。

 

「……後で星奈に謝っとけ、真面目にな」

 

夜空にそれだけ言い残すと、俺は隣人部の部室へと再入室する。

部室では、星奈が泣きながら小鷹に助けを求め、小鷹があたふたしながら設定を弄っていた。

 

「小鷹、星奈」

 

「裕翔?まだ帰ってなかったのか?」

 

「途中で星奈とすれ違って、気になってな……ちょっと携帯見せてくれ」

 

と言って星奈の了承を受けてから小鷹から星奈の携帯を受け取る。

機内モードにしてメールを確かめてみる。

 

……予想通り、ちょっと厄介な事になってる。

 

迷惑メールのテンプレのような文章がいくつかのアドレスから。

アダルトサイトの迷惑メールが4つくらいのアドレスから。

自殺志願者サイトの迷惑メールが4つくらいのアドレスから。

ワンクリック詐欺サイトの迷惑メールが3つ位のアドレスから。

 

「裕翔……あたしの携帯、治る……?」

 

「治るか?裕翔」

 

星奈は涙声で、小鷹は心配そうに俺に問いかける。

俺はいくつかのアドレスを割り出し、iPhoneのメモ帳に次々とメモしていき、2人にこう言った。

 

「……必ず治す、俺の家に来れば、治せる環境も整ってる。2人とも今から俺の家に来れるか?」

 

星奈はその場で了承、俺のスマホから柏崎邸に電話させた。

 

小鷹は小鳩に飯を作らなきゃいけないという事で先に帰宅する事になった。

 

遅れると言う連絡を取り付けた星奈は、俺にスマホを返す。

 

「……それじゃ、行くか」

 

「えぇ……家に行くからって、へ、変な事しないでよね!」

 

「しない、約束する」

 

そう言いながら部室を出る。

部室出た時、夜空の姿は無かった。

 

===========================

 

駐輪場に自転車を取りに行き、正門から学校を出る。

星奈の家は正門前を通る道を門から出て右手に一直線、バス停1つ分だ。

 

対する俺の家は、柏崎邸を通り過ぎて自転車で20分ほどのところにある。

星奈はローファーだし、歩かせるのは酷だろう。

 

「良いか星奈、次来るバスに乗って、5つ目の"古波(ふるなみ)団地"ってバス停で降りろ、そこで俺が待ってるから、案内する」

 

「分かったわ、じゃあまた後で」

 

と言って俺は星奈をバス停に残し、目的のバス停まで自転車を飛ばす。

流石に暗がりで女子を、1人待たせる訳にはいかない。

 

学校前の道を走り、左折。

そのまま家の方面まで自転車を20分ほど走らせて、目的のバス停が見えた。

 

まだ星奈はいない、つまりバスはまだ来ていないという事だ。

バス停のすぐ側に自転車を停め、星奈の乗ったバスを待つ。

 

バスが来たのは、俺が到着してから約5分後だった。

 

「お待たせ、裕翔」

 

「おう、テンプレみたいだけど俺も5分くらい前に着いたんだわ、行くぞー」

 

俺は自転車を押して星奈と共に歩き出した。

バス停から大体歩いて5〜6分の所に、俺の家がある。

 

それにしても……と少し考え出す。

何で小鷹と同じ携帯にしたんだろうか……

星奈は性格上、わざわざ夜空に積極的に喧嘩を売りに行く奴ではないと言うのはこの短い間の付き合いでも分かっている。

どちらかと言うと、売られた喧嘩は買う方だ。

 

となると……小鷹と同じ携帯を買えば操作方法は分かるから教えて貰う為か……?

いや、それなら俺のiPhoneや理科や幸村のスマホ、夜空のガラケーでも良い筈だ。

 

するとなると……と最後の予感がよぎった時、俺は胸にチクリと何かが刺さったような感じがした。

 

何故かサッと血の気が引き、視界が一瞬クリアになる。

 

「ねぇ、裕翔……?」

 

星奈の言葉で、俺は我に返る。

 

「ん?何だ?」

 

「え……と、その……家に行くって……ほら、友達同士……で、やる事じゃない……?」

 

星奈はつっかえつっかえにそう言う。

それは確かにそうだ、親しい間柄の友人同士は、互いの家に遊びに行ったりする。

 

「……まぁ、そうだけど。でも今から俺の家に行くのは遊びに行く為じゃ無いしなぁ……」

 

「!そ、そうよね!あくまで携帯を治しに行く為だものね!」

 

「それに、友達同士じゃ無くても互いの家には行くと思うぞ、例えば……」

 

……ヤバい、例えが出てこない。

例えば……とか言っといて例えが出てこないとかカッコ悪すぎだろ……!

 

「ま、まぁとにかくだな、友達同士で無くとも互いの家には行ったりはするんじゃないか?」

 

知らないけど、と付け加えて俺は締めくくる。

 

「……誤魔化したわね?」

 

「……悪かった」

 

星奈のジト目に耐えられず、素直に白状した。

そうこうしているウチに、家に着いてしまった。

 

ベルトにつけている鍵で家の鍵を開け、玄関のドアを開けた。




次回以降、すみませんが不定期になります、お待ち頂いてる方々には本当に申し訳ないです……
しかし!エタらせるつもりは本当にありませんので、安心して頂きたい!
次回まで長くても1ヶ月は開かないと思うので、お待ち頂ければ幸いです!
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