もしも隣人部に友達の少ないヲタクが入部したら⁉︎   作:中井 修平

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キリよく投稿している為、長かったり短かったりがバラバラです、ご注意を。


モン狩りの時間①

苗字だとよそよそしい、と言う事で、皆の事は名前で呼ぶ事になった。

 

「やはりゲームだと思うのだ」

 

「ゲーム?」

 

「そんなのにつられるのは子供くらいだって……」

 

俺と星奈が入部した次の日、談話室4に集まった隣人部の部長、黒髪の女子生徒、三日月夜空_____夜空が突然そう言いだした。

俺はその時、談話室4の扉を開けた所だった。

 

曰く、昨日1人でファミレスに行ったら(既に残念)、ゲームで遊ぶ高校生を目にしたらしい。

 

「んで、何のゲーム?」

 

「これだ!」

 

と言って鞄から取り出したのは、プレイング(P)ステイツ(S)ポータブル(P)(以下PSPとする)と、『モンスター狩人』だ。

 

最近巷で話題のファンタジーな世界観で登場するモンスターを、弓矢や剣、槍などで狩っていくハンティングアクションゲームである。

 

「あぁ、PSPか。俺持って無いんだよなぁ……」

 

といいつつ鞄を床に置く。

夜空は言葉を続けた。

 

「最近のゲームは協力プレイが出来るようでな、これを使って友達を作ろう、という訳だ」

 

「そういえばそうだな、"戦場3"でもスカイプしながらオンラインプレイするのが流行ってるらしいし」

 

「つまり、部活で腕を磨いて、一緒にゲームして友達を作ろう、って事か」

 

「そうだ、では来週の月曜日、PSPとモン狩りを持ってくる事、以上」

 

と言い、夜空は本を読み始める。

今日の部活動はこれで終わった。

 

===========================

 

次の月曜日。

 

「おーっす」

 

「むっ?それは何だ?」

 

部室には星奈と夜空が既に来ていた。

小鷹はまだ来ていない。

夜空は俺の背負っている荷物に興味を示す。

俺はその荷物をゆっくりと床に置いた。

 

「あぁ、この後行かなきゃ行けないところあってなそこに持っていくモン」

 

「この大きさ……若しかしてギター?開けてみてもいい?」

 

星奈が答えを言ってジッパーを開けようとするが、南京錠がかかっているから開かない。

 

「鍵かかってるから開かないよ、ほら」

 

と言って俺は鍵を見せる。

鍵は鞄のポケットに放り込んだ。

 

「おーっす、おお?これギターか?」

 

「この後行くところあってさ、そこに持っていくモン」

 

後から来た小鷹にも夜空達と全く同じ反応をする。

今ここで開けたら皆どんな反応をするだろうか……いや、無いな。理解があればとは思ったが、星奈も夜空も女子だ。

小鷹はもしかしたら……と思ったが、理解があるとも限らない。

とりあえず、ゲームを始めることにした。

 

夜空のは先週見た、小鷹は妹から借りたらしい薄いピンクの本体、星奈のはレッドのだ。

俺はバイト代を使って買ったネイビーの本体だ。

 

「操作とかは予習してあるな?」

 

「うん」

 

「忙しかったけど、ちょっとだけ試しに遊んであげたわ。まぁ、所詮はゲームなんて、お子様の遊びだけどね」

 

「まぁやってみたけど……どこまでできたかわかんねーな」

 

星奈はいつもの通りだ……こいつ馬鹿だろ、人間的に。

 

ぶっちゃけ持ってきてやって来たとはいえ、感心の無いものだから上手くは慣れない気がする。

 

「小鷹と乳牛と裕翔のゲームランクは?」

 

「俺はまだ1、全然倒せなくてな……」

 

「俺は2だ、操作に慣れなくてな」

 

「フッ、私は3だ」

 

夜空は自慢げに髪をかきあげ、そう言う。

 

「3?凄いな……」

 

しかし、それは早くも打ち砕かれる。

 

「あたしは6」

 

「「「6⁉︎」」」

 

星奈の方がレベルが高かったのだ。

その大きな胸を張って言う。

 

「ゲームも天才的だなんて、あたしはどこまで完璧なのかしら?」

 

「さっきちょっとだけって言って無かったか?」

 

「どんだけやりこんでんだ……」

 

俺と小鷹のツッコミが入ると、星奈は目に見えて狼狽えた。

 

「べっ、別にやりこんでなんか無いわよ……」

 

「レベル6って最高ランクじゃねーか。2日間やってたとしても、廃人クラスだぞ……」

 

俺が更に追撃を入れると、夜空が星奈の手からPSPを引ったくった。

 

「プレイ時間見せてみろ、肉!」

 

「ちょっと!勝手に見ないでよ!」

 

カチカチとPSPを操作する夜空の指が止まると、表情が少し変わる。

 

「ん⁉︎何っ⁉︎53時間だと⁉︎しかもなんか装備も可愛いし……生焼け肉の癖に生意気だっ!」

 

と言って夜空は星奈のPSPを机に滑らせる。

星奈は机の上で取り損ない、机から落ちる寸前で_____俺が止めた。

 

「……夜空、嫉妬で人の物を壊そうとするな。星奈は自分で集めたんだ、生意気ってお前はジャイアンか」

 

俺は夜空を睨みながら言う。

明らかに夜空の嫉妬だった。

星奈は驚いた表情をし、夜空は一瞬だけ驚いたが、「ふんっ」とそっぽを向いてしまう。

 

「でも、星奈のゲーム時間は確かに長いな。目の下にクマがぶら下がってるぞ」

 

「なっ⁉︎そ、そんな訳無いでしょ⁉︎」

 

俺が隈を指摘すると、星奈はファンデーションと手鏡を取り出して目の下につけ始める。

 

「さては肉、金曜家に帰ってから土日の間ずっとこれやってただろ?」

 

「っ……!」

 

星奈は一瞬躊躇うと、夜空を指差して言う。

 

「しっ、獅子はたかがモンスター狩りにすら、全力を注ぐのよ!」

 

「………乳?」

 

()()っ!」

 

「あぁ〜」

 

星奈の訂正。

こいつら……見てて面白いな……ちょっとハラハラするけど。

 

「さ、あたしがホストで、ゲーム始めるわよ。肩慣らしで手頃なクエスト受けてあげるから、準備しなさい」

 

気を取り直しでゲーム再開。

何だかんだ言って、真面目に部活に取り組んでんだよなぁ……

 

ふと小鷹を見ると、同じ事を思っている顔をしている。

 

「それじゃあ行くわよ!」

 




書き溜めがある限り毎週この時間に更新します。
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