ある日この鎮守府に悲報が入った。
それは…
提督「え!?今なんて!?」
薫「私の…息子が先日…亡くなりました」
そう、椎名提督の軍学校時代の先輩だった本山いつき中将の死だった。
椎名大将はその大胆不敵な戦略と確実の勝利の成績により先輩よりさきに大将にまで上り詰めていた。
提督「本山先輩が…そんな。死因はなんだったんですか!?」
薫「大本営からの…っ!」
提督「またあいつらか!くそっ!」ガンッ!
部屋にいた艦娘数名が震える。
だが、たまたまそこには本山提督の正妻だった長門が来ていた。
長門「落ち着いてください、椎名大将殿」
提督「あなたはたしか本山先輩の…」
長門「妻だった。私は誰よりもあいつのことを見ていたつもりだ。だからこそ言えるがあいつなりに満足のいく死だったと思う。この話は既に母上にも伝えてある」
そういうと長門はぐっと涙をこらえながらあの日あの鎮守府で起きたこと、あの時の状況、そして本山が下した指示などを細かく話した。
提督「わざわざ…お聞かせくださり御礼を申し上げます。此度のことは大変堪えたことでしょう。どうぞ客室にてお休みください」ニコッ
チラッと加賀を見る。
加賀「初めまして本鎮守府一航戦加賀です。客室までご案内します。」
そして部屋を出る時ふと薫は振り返り
薫「あの子の墓にもまた手を合わせてやってください」
提督「はい」すっと一礼する。
バタンッ
部屋には鳳翔と提督だけが残った。
提督「っ!クソガァ!っ!このっ!大本営のバカ!ふざけんなよ!本山先輩のなにがっ!まちがってんだよ!くそっ!うぁぁぁ!」
机を蹴飛ばし、机の上のものをなぎ払い、壁という壁を殴り飛ばし、頭を何度もぶつける。
ガンッ!ガンッ!バゴーンッ!バキッ!
鳳翔が慌てて止めに入る。
鳳翔「提督!おやめください!落ち着いて!血が…!」
提督「大本営のやつら…!みんな!ぶち殺してやるっ!」
鳳翔「…っ!」パチーンッ!
高い音が勢いよく執務室に響く。
提督「いたっ…」
鳳翔「うっ…グスッ。何を仰ってるんですか!一時の感情に任せてそのようなことを言ってはなりません!私は!そんな提督は大っ嫌いです!失礼します!」
バタンッ!
鳳翔は涙ながらに執務室を後にした。
提督「あ…」
執務室にはただ提督の手や頭から流れて落ちてくる血の音だけが静かに響いていた。
一方鳳翔はというと。
赤城「んー!間食はかかせません!」
鳳翔「はあ…」
赤城「あら?鳳翔さんじゃないですか」
鳳翔「?赤城さん」
赤城「どうかしましたか?元気がないようですが」
鳳翔「い、いえ。特には」
赤城「クスッ。隠しててもわかりますよ」ニコッ
鳳翔「赤城さん…」
赤城「どうしました?」ナデナデ
鳳翔「うっ…ぐすっ…私っ…提督に酷いことを…グスッ」
赤城「今は先にその涙を片付けましょうか」ギュッ
鳳翔「…っ!ぐっ…!ううっ…!」