とある不動のGMC   作:はち   .

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GMCは動かない

 試合が終わると、バカみたいに高級な、あのエンブレムは確か、ロールスロイスが3台ぐらい並んでやって来る。ロールスロイスの前には、なんか、しょっぼい装甲車。あれは生徒会が保有する連絡車だ。試合会場は、砲弾弾丸が飛び交うため非装甲車両での移動は危険と言う事で、ライフル弾程度なら防げる自動車で移動するのが常だ。前に、試合中の不発弾に気付かずに踏みつけて、車が吹っ飛んだなんて事もあったらしい。

 幸い、装甲車だったため、ひっくり返って車の裏が滅茶苦茶になっただけで済んだらしいが、正直、生きた心地がいしないだろう。戦車みたいに分厚い装甲があるわけでもないし。

 

「やぁやぁ、ご苦労さま」

 

 そして、しょっぼい装甲車から出てきたのは生徒会長のイザールと副会長のリーナスだった。

 

「お、貸金庫だ、珍しー」

 

 カナリスが告げると、その場にいた全員が首を傾げた。貸金庫?

 

「腰巾着じゃなくて?」

 

 ミーナが告げると、カナリスが少しの間沈黙し、頷く。

 

「そうかもしれん」

「オーライ、お前は黙ってろ」

 

 頭が痛くなってきたわ・・・

 

「それで、会長と副会会長がゾロゾロとどうしたのよ?あと、この指紋一つないピカピカのロースロイスは?」

「ユークレイン本社からのお偉いさんだから、失礼のないようにね?」

 

 イザールが告げると、全員がザワザワとした。そりゃ、そうだろう。ユークレイン本社と言えば、戦車道の為に重戦車や重突撃砲を生産し販売し修理まで請け負っている大手だ。

 

「静かにしろ!」

 

 リーナスこと腰巾着がパンパンと手を叩き黙らせる。此奴は、イザールの腰巾着で、何処に行くにもついてくる。まぁ、戦車道は『鉄臭い』『油臭い』『汗臭い』の三拍子が揃っているのが常なので、近づきもしなかったが、そんなリーナスも来ていると言う事は、本当にお偉いさんだ。

 

「部長は誰だね?」

 

 そして、イザールが車の扉を開けると開口一番降りてきた如何にも『金持ちです』と言う感じの中年のオヤジが私達を見る。男は嫌味な金持ちとは違って若々しく、健康そうな感じで後ろには役員っぽいオッサン達が続く。

 

「私ですが」

「ふむ、よくやった、とは言えんな。

 何故、動かない?我が社の戦車はどの戦車よりも強く、どの戦車よりも頑丈だということを世間にに知らしめねばならんのだぞ?」

 

 おっさんが私の前にやって来るとT28やらマウスやらを指差す。後ろで役員と思しきオッサン達がウムウムと頷いていた。

 

「はぁ?オッサンバカじゃねーの?」

 

 脇に居たカナリスがバーカジャネーノ?という顔で告げる。ミーナが素早くカナリスの頭をぶん殴り、ローが腹に良いのを入れた。

 

「どう言う意味かね?」

 

 おっさんが不愉快そうに私を見た。やれやれ。

 

「まぁ、彼女は馬鹿なんで、私の言った事を半分以上も理解していないと思いますが、正直、私も、アンタの意見には失笑せざる負えませんよ」

「ぶ、部長!!」

 

 ローが馬鹿か!という顔をしたが、無視しておく。

 

「重戦車最大の特徴は何か知ってます?」

「当たり前だ。重装甲と高火力で敵を叩きのめすんだろう?」

「それじゃ、三角1点、厳しい先生なら0点ですね」

「何ィ?」

 

 オッサンが私に詰め寄る。

 

「私の答えの何処が違うと言うんだ?」

「重戦車は高火力と分厚い装甲。そして、それ等から来る低速度と移動制限です。

 知ってます?あのヤークトティーガーって2日で90km進む事が大快挙ですよ?T28に至っては最大時速は13kmで、障害物も非常に限定されていて、まぁ、市街地ではそのデカさと乗越能力の制限で殆ど役には立たない。

 ()()()()11人でどうやってサッカーしろと?」

 

 脇ではローとミラコが頭を抱え、イザールとリーナスが青い顔をしていた。

 

「それで、反論は?」

「・・・・・・成程。ところで君」

「何か?」

「私を誰か知っているのかね?」

「ユークレイン本社のお偉いさんでしょう?

 でも、アンタがイスラエルの大工の息子だろうが、釈迦族の王子様だろうが、()()()()()()。私が我慢ならん物の一つに、自分の権力にものを言わせて、()()()()()()()()()な作戦を押し付けてくる()()です。

 オッサン、アンタはどっちだ?自分の権力にものを言わせて糞より劣る間抜けな作戦を私に押し付けるクズか、それとも、自社の製造した戦車の特性を熟知し無傷、無損で強豪校を叩きのめす作戦を持っている私を応援するか・・・えぇ?」

 

 言うと、オッサンは小さく笑い、それから大笑いし始めた。

 

「良いだろう!気に入ったぞ、部長君!

 そう言えば、我が社で新たに戦車を作ったんだ。おい、開発部長!」

 

 オッサンが呼ぶと、一人のメガネを掛けた神経質そうな男が如何にも秘書ですと言う感じの女性と共に前に出てPDAを差し出す。

 

「こちらです」

「うむ。これだこれ、E-100重戦車」

 

 オッサンが告げた瞬間、ローがフォォォォっと奇妙な叫び声を上げた。正直、超絶キモかったので、額をぶん殴って正常に戻してやる。

 

「そのイー100って何?」

「ドイツ軍のE計画の内、唯一車体が完成していた戦車ですよ!!

 主砲に150mm砲を乗せて副砲に75mm砲を搭載!装甲は最大で240mmの予定でした!時速は40kmで走るはずでしたが、まぁ、普通に考えてそんな事は無理でしょうけどね」

「ふむ、そのチンマイのの言う通りだ。だが、我がユークレインに不可能はァァナァァイ!!!

 マイバッハHL234の4ストロークV12気筒水冷エンジンの代わりに、我が社で開発した4ストロークV12気筒の水冷エンジンを乗っけたのだ!!当初の計画であった時速40kmは出なかったが、それでも時速25kmは確保した!主砲も、150mm砲と75mm砲を乗っけて、史実通りになる様に忠実に再現した。しかも、先ほど連盟の認可に降りた。まだ、先行試作段階のため、3両の試作しかしていないが、これが量産化された暁には我社は史上最強の戦車を量産する事になるのだ」

 

 オッサンがドーヨ?とドヤ顔を決めているが、ローと役員のおっさん以外、何言ってんだこいつ?状態だ。そして、空気を読むのが上手い役員共がスッスと前に出てくる。

 

「社長、そろそろ時間です」

「む、そうか。まぁ、頑張り給え部長。3両のE-100を送るから、活用したまえ」

 

 そして、嵐のように去っていった。本当になんだったのか、あのおっさんは?

 

「つーか、あの人社長なのね。薄々感じてたけど」

「正直、僕は君のせいで生きた心地がしなかったんだけどさ?」

「ふふん?あの社長が実力ある私を退学にしたら、他の無名校に取られるし、器の小ささが露見するから絶対に出来ないわよ。

 それより、E-100って戦車の方が問題よ。なに、世界最強の戦車って?マウスじゃねーの?」

「まぁ、それについては後で説明しますよ。それより、サンダースの人達があそこで待ってますよ」

「なら、嘲り笑いに行きましょう」

「やめてください!!」




E-100は出力低下させました
150mm砲とか、巡洋艦レベルの主砲乗っけて装甲も、何考えてんの?レベルに分厚いですね240mmとか

マウスとE-100のコンボはイジメでしょうね
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