「…………迷った」
ここはデュエルアカデミア、遊戯王を専門に学ぶ学校……試験を終えた後、私たち合格者は船に乗ってこの孤島に着いたんだけど……
「ブルー寮って……どこにあるんだろ?」
抜かったなぁ……私以外にブルー生徒がいないなんて……そもそも一般受験者でブルーになる生徒はいないらしい……え?じゃあなんでおまえブルーなんだよって?女子は全員ブルーになるらしいよ……そりゃ一般受験しないね……
「お腹すいたなぁ……」グゥ
考えてみれば私、今日一日何も食べてないんだよなぁ……昨日食べた秋刀魚が懐かしいよ……
「……ダメだ、食べ物のこと考えると……余計に……」グゥ
なんか気がまぎれそうなこと……歌でも歌う?なに歌う?……GXだからなぁ……よし!
「セロリうまいしっ!!」グゥ
あ、よけいにお腹減った……今ならセロリもおいしくいただけそうだ……
「そもそも……ここどこだろ……」
森……だね?とりあえず、周りには木しかなく、建物らしき物は見つからない……いや、見えるには見えるんだけど、遠すぎてやってられないと……いやはや困った困った……
「……ん?あれは……人!?」
救いの神はいた!あいつは私を殺したけどね!兎にも角にもこれでご飯にありつける!
「す、すいませ────」
「────こんなところに呼び出して……なんの用かしら?」
……無視か、いや聞こえなかっただけだとは思うけど……ってかもう一人いる?
「あ、あの!一目見た瞬間に好きになりました!つ、付き合ってください!!」
おふ、告白だ……まぁ何度も見ているんだけどね?主に妹関係で……あいつ、わざわざ私の前で告白されて私の前で振るんだよ……『私はおねえちゃん一筋だから』っていうふざけた理由……相手の男の子、まるで私を親の敵みたいに睨んできてさ……
「そう、ごめんなさい……ボウヤじゃ私を満足させられないの」
モテルやつは振ることに馴れている……こともないと思うんだけど……この女の子、紫色のツインテールガールは本当に手馴れてそうだな……
「そ、そんな……お、俺なんでもします!君のためならどんなことだって……!!」
「……じゃあここで死んでみせてよ」
「………え?」
え?死んでみてって……え?え??
「なんでもできるんでしょう?それとも……嘘だったのかしら?」
「うぅ……うぅぅ……」ガチガチ
男の子は歯を鳴らして恐怖に耐えている……好きな子に「死ね」といわれて、心を乱さないやつがいるだろうか……
「……できないのね……私、嘘つきは嫌いなの」
「あぁ……うぅ……」ガチガチ
とどめ……だよな、今の……
「それじゃあね?ボウヤも早く戻りなさい」
「ふぅ……!!ふぅ……!!」ガシッ
っ!?これはちょっとまずいかな!?
「……なんのつもりかしら?」
「ば、僕は……僕は、ぼくはボクはあぁぁぁぁぁぁあ!!!」グイッ!
「きゃあ!?」
男の子は掴んだ女の子の腕を思いっきり引っ張る、その拍子にバランスを崩したのだろう、受身もとれずに倒れてしまった……しかたないな、うん……
「っ!?なにをするつもりかしら?」
「ふぅ……!ふぅ……!!」
男の子は拳を固めて、女の子に歩み寄る……女の子は足を痛めているのか、恐怖しているか、いずれにしろ動こうとはしなかった……
「ふぅ……!!あぁぁぁぁぁぁああぁぁあ!!」
「っ!!?」
男の子の拳じは、真っ直ぐ放たれた……────
「はい、そこまで」
───男の子の拳が、女の子に当たることはなかった……
「いててて……女の子に暴力はダメだよね?」
当たったのは、私の背中……女の子を守るように覆いかぶさったから、必然的にそこに拳が入る……超いてー……
「あぁ……あぁ……」
「うん、大丈夫、大丈夫だから、ね?早く寮に戻りな」
私は出来るだけ優しく対応する……この男の子だけが悪いわけじゃないってこと、私は知ってるから……
「ごめん、なさい……ごめんんさい……」
「うん、わかった、だから早く、ね?」
そうして、男の子は走り去ってしまった……さて、と……
パァン!!
森に乾いた音が響いた……
「……ちょっといいすぎたよね?」
「…………」
はいはい、そんな目で見てもダメですね~、間違いを間違いだと指摘してあげることが、年上の義務というやつなんだよね……
「君みたいな子にとっては、今みたいなことは日常茶飯事かもしれないけど……あの子にとっては特別なことだったんだよ?」
「……だったらなに?付き合ってあげればよかったのかしら?」
パァン!!
再び乾いた音が鳴り響く……
「あの子をバカにすんな、確かに、傷つけないように振るのは難しいし、そこまで気を使う必要はないと思うよ?でもね?……相手の好意を踏みにじる違うよね?」
「じゃあなに?私が悪いっていうのかしら?」
女の子は私を睨みつける……気が強いねまったく……
「そうじゃない、どっちが悪いわけでも、良いわけでもない……だから難しいのかもしれないね?」
さてと……そろそろ行かなきゃね……ご飯が私を待っている!
「っ……立てないわね……」
ご飯が私から遠のいていく……待ってよぉ、一口で言いからぁ!
「……じっとしててね?」
できるといいんだけど……私の体も若干幼くなっちゃったしなぁ……
「よいしょ……っと」
「あらあら、随分と大胆ね?」
大胆って……女同士なら割と普通なんじゃないの?お姫様抱っこぐらい……
「……随分軽いね?ご飯ちゃんと食べてる?」
「特に意識はしてないけど……アナタ、本当に女の子?」
どういう意味だよ……女に見えない?妹と同じ遺伝子を受け継いでいるはずなのになぁ……
「正真正銘女だよ」
「……ボウヤ、名前は?」
「誰がボウヤだ、私は桐野舞、君は?」
「藤原……雪乃」
女の子改め藤原は私をじっと見つめる……なんなのいったい……
「……ねぇボウヤ」
「何でボウヤなの?今名前名乗ったよね?ってかそんなに男に見えるの?」
「……いいえ、とてもかわいらしい顔だわ……食べちゃいたいくらいに、ね?」
ん?今ゾワッてしたんだけど……なんでだろ?
「……そうね、これが私の答えなのかもしれないわね///」
んん??今ゾワゾワってしたんだけど……おかしいな?
「っん……はぁ、あ……あぁ……ゾクゾクするわぁ~///」
ダメだ、完全に風引いてるよこれ……寮についたらすぐに寝たほうがいいのかもしれないなぁ……
「ねぇ……後でボウヤの部屋にいってもいいかしら?」
「ん?いいんじゃないの?」
私は多分寝てるけどね……一人部屋なのかな?でも寮だから多分相部屋だよね……
「デュエルしましょ?お互いの大事な物をかけて……ね」
「……アンティは好きじゃないんだけど……」
「別にカードをかけるわけじゃないわよ?よくありがちなあれよ、勝った方の言うことを一つだけ聞くっていう、ア・レ」
遊びみたいなもんか……だったらまぁ
「じゃあ私は明日のお昼でも奢ってもらおうかな」
「そう?それじゃあ私はボウヤの貞操をもらおうかしら?」
おふ、聞こえちゃいけないもんが聞こえたぜ、フィルター、しっかり仕事してくれよ
「……私はお昼ご飯でもおごってもらうかな」
「私は貞操をもらおうかしら」
おいおいおい、ストライキ起こすにはまだ早いぜそうだろ?これからじゃないか!
「……聞き間違えだよね?」
「どうかしらね?」クスクス
笑ってんじゃねぇよ、なんも面白くねぇよ……
「……藤原は女だよね?」
「そうだったかしら?」クスクス
……ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!
「冗談よ?ふふっやっぱりまだまだボウヤね、かわいいわ……」
どっから!?ねぇどっから冗談なの!?
私は藤原を運びつつも、ビクビクしながら寮へと戻るのだった……
第三話終了です!
原作キャラが出てくる前になぜかTFキャラが……まぁ、それもいいか!
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!