さて……困った……え?またかって?そんなこと言わないでおくれよ、私だって好きで困ってるわけじゃないんだよ?アレだよ、強いられてるんだよ……
私の目の前には、この学校での制服が綺麗にたたまれて置いてある……そう、「おいてある」だけ、着ていません、え?なんで着ないのかって?いやね?私も普通の学生服ならなにも躊躇わずに着て見せますよ?でもさ、コレは……
「……スカート、短すぎだよね?」
アレだよ、膝上20cmみたいな?アホか、いろいろ丸見えだよ、ど恥ずかしいわ、藤原たちは何の躊躇いもなく穿いていたけど明らかにおかしいからね?ミニスカートなんて生易しいレベルじゃないよコレ、下手したらパンツの周りに布巻いてるだけだよ?
「……うん、ムリ、絶対穿きたくない」
コレを穿いて羞恥を感じるぐらいなら、私服で行って怒られたほうがずっとマシだ、うんそうしよう、怒られよう、んで逆ギレしてやろう、校長に詰め寄ろう、あわよくばこれ以外の制服をもらいにいこう……
『マスター!早くしないと遅刻するよ?』
私のパートナーである精霊のヒータが、急げ急げと急かす……そうだよね、遅刻してたら始まらないからね……よし!
「……さて、いこっか?」
『うん!』
私たちは自室を後にして、教室へと向かうのだった……
「あら、私のかわいい子、おはよう」
斬新な挨拶だね藤原さんや……まぁボウヤと言われなくなっただけよしとしようかな?
「……はよ、昨日は結局来なかったんだね?」
「ふふ、私が来なくて寂しかったのかしら?」
それどころじゃなかったね昨日は、来たら来たでさらに面倒だっただろうしね……
「昨日は麗華に捕まっちゃってね……部屋から出られなかったのよ」
そうかそうか、その麗華という人のおかげで私の貞操は守られたわけだ……今度あったらお礼しよう……
「ん、まぁ別に気にしてないから」
「今夜は絶対に行くわね?」
あれ?身の危険を感じるんだけど?おっかしいなぁ~、なんでっかな~……なんでっかな~じゃないよ、理由なんて明らかだよ、私の貞操の危機だよ、しかもヒータに視姦されるというおまけつきだよ、やだな~……明日香さんの所に避難しようかな……
「ところで……どうして制服を着てないのかしら?」
「それは制服じゃない、痴女の着るユニフォームだ」
生憎と私は痴女ではないのでそのようなハレンチな格好はしない、絶対にしない!
「痴女って……おもしろい子ね」
こちとらなんも面白くないけどね?っと……先生来たかな?
「ミナサ~ン!おはようなノ~ネ!」
……なにこの色物……金髪オカッパ、凄まじく色白で高身長、気味の悪い口紅、似非外国人風なしゃべり方、そんな男……男なんだよ……
『うわぁ……気持ち悪っ』
ヒータ、思ったことをすぐに口に出しちゃだめだよ?
「ワタ~シがこの学校の教頭のクロノスなノ~ネ!ワタ~シは実力主義ですか~ら、実力の高い者にはそれなりの対応をするノ~ネ!」
実力主義ね……それって暗にオベリスク・ブルーの生徒を優遇しますよと宣言しているようなものなんだよね……ハァ、やだやだ、どこの世界でも能力のあるなしで上下を作っちゃうなんてさ……
「ところ~デ……セニョリータ舞、どうして私服なんでス~ノ?」
急に私に話し振らないでよ教頭センセー、みんなが私に大注目だよ?キャー、はずかしー
「あの制服は着たくないです」
「ペペロンチーノ?なぜでス~ノ?」
……ツッコミ待ちなのかな?あえて放置するけどね?
「あんな短いスカート穿いたら、太ももどころか股の下まで丸見えですよ?」
そう言って周りを見渡すが……あれ?そんなこともない?普通の長さだ、少なくとも穿いて困るレベルではない……
「ん~??ひょっとしま~スト、旧式の制服を間違えて渡してしまったかもしれないの~ネ、今すぐ校長のところに行って申請してくるの~ネ!」
…………授業は?
「や、やっとついた……」
どれくらい経ったのかな?校舎内の校長室を探していたのに外に出るとは思わなかったよ……
ってかおかしくない?制服とかって購買で買うもんじゃないの?なんで校長にお願いするの?別にいいけど……
「さてと……失礼しまー「いいから早くしてください!!!」……す?」
私が校長室に入るや否や、突然怒鳴り声が響き渡った……え、誰?校長?
「そういわれましても……本人の意思を確認しないわけには……」
「必要ない!今すぐ学校を辞めさせます!!」
……えと、髪の少ないおじさんが中学生くらいの女の子に怒鳴られてます……おじさんの方が、たぶん校長だよね?
絵図的にどうなの?見たくなかったよこんなの、父親の隠された性癖を露見するのよりもつらいよ、弱い大人は見たくないよ、なぜなら見てるこっちが情けなくなるからだよ……
「ふむ……ん?誰かな?」
私が失礼極まりないことを考えていると、校長(だと思うハゲおやじ)が私に気づいたらしく、私に声をかける、それと同時に、女の子の方も私の方を見る……────
「…………おねえちゃん?」
「いえ違います、人違いです、まったくの別人です、他人の空似です、赤の他人です、だから来ないでください、近づかないでください、詰め寄らないでください、怖い怖い怖い怖い」
今私を壁際まで追い詰めて、ありえないほど体を密着させてくるこの女の子、それは、この世界に存在してはならない人物、まだむこうの世界でよろしくやってるはずの人物…………沙耶だった……
「……なんで沙耶がここにいるの?」
「おねえちゃん……久しぶりのおねえちゃん……もう離さない、ずっと一緒……」ギュゥ
聞こえてない?またトリップしてるの?もうやだこの妹だれかなんとかして……
『マスター……なんかデレデレしてない?』
おいおいヒータさん、どこをどうみたらそうなるんだい?ってか沙耶には精霊見えてないのかな?
「さぁ帰ろう?こんな場所じゃおねえちゃんと一緒にいられないよ」
「いや、沙耶?私昨日ここに入学したばっかりなんだけど?」
入学した次の日に退学?冗談じゃないっての、高校受験なめちゃだめだよ?内申だけで受かると思うなよ?
「大丈夫!私がちゃんと養ってあげるから!」
「うん、今ので決まった、絶対に自活してやる」
妹の紐とか洒落にならん、私には私なりの夢があるんだよ?
「おねえちゃん……私のこと嫌いなの……?」
「…………嫌いじゃないよ?」
「今の間は何!?」
いや、本当に嫌いじゃないんだよ……ただちょっこと愛が重いかなぁ~って……ね?
「本当に嫌いじゃないよ、でもごめんね?私はここにいたいの……」
「そっか…………じゃあいいよ、無理矢理にでも連れて行くね?」
さて困った、こう言い出したら妹は絶対にやる、無理矢理連れて行かれる……さてどうしたもんか……
「ま、まぁまぁ落ち着いてください、妹さん」
と、ここで今まで黙りやがっていた校長が、ようやく仲介に入る……さて、何をいいだすのやら……
「ここはデュエルアカデミア、せっかくですから、デュエルで決着をつけるというのはどうでしょう」
「お断りd「大賛成!さぁ始めようおねえちゃん!」……終わった……」
そう、終わった……私の学校生活が終わった……勝てるわけないだろ、シンクロやエクシーズなんて持ってないよ、勝てるわけ…………ん?
「……さ、沙耶?シンクロやエクシーズは?」
「ん?あぁうん、持ってないよ……さすがに世界観が崩壊するから没収されたのかな?」
…………よし!よし!!よし!!!勝てる!可能性はゼロじゃない!沙耶のデッキはエクシーズが主体のガジェット!ギアギアントさえ出てこなければこっちのもんだ!後はフォートレスにさえ注意すればどうにでもなる!
「……わかった、始めようか……」
私はできるだけ冷静に対応する、駄目だ……まだ笑うな……コレは勝てるゲームだ……妹の呪縛から解き放たれる時が来たのだ……!
「「デュエル!!」」
「先行は私がもらうね?ドロー!」
先行は取られたか……でもまぁ、エクシーズのないガジェットなんて……────
「手札を一枚捨てて、THEトリッキーを特殊召喚!」
・THEトリッキー ☆5 2000/1200
「捨てた処刑人─マキュラの効果により、このターン、私は手札からトラップを発動することができる!手札から破壊輪発動!THEトリッキーを破壊してお互いにその攻撃力分のダメージを受ける!破壊輪にチェーンして地獄の扉越し銃を発動!」
舞 LP4000→2000→0
────……は??
「さ、帰ろう?」
「うん、ちょっと待ってね?」
「待たない、だって私の勝ちだよね?」
いやおかしいよね?禁止カード二枚も……しかも一ターンのうちに、使ったカードの半分だよ?おかしいおかしいおかしい……
「校長、今のはどう考えてもおかしいです、禁止カードのオンパレードです、やり直しを要求します」
「う、うむ、そうですな、妹さん?禁止カードは使ってはいけませんよ?」
「……禁止カードを使わなければいいんだね?」
……なんか含みのある言い方だね…………気にしすぎかな?
「まぁそうだね、それでもう一回ね?」
「ちぇ……まぁ、別にいいけど……」
「「デュエル!!」」
「今回も先行は私!ドロー!!」
さて、私の手札は悪くないな……妹の動き次第では次のターンに一気に…………
「連弾の魔術師召喚!」
・連弾の魔術師 ☆4 1600/1200
「手札から火の粉発動!相手に200のダメージを与える!連弾の魔術師の効果発動!通常魔法が発動したとき、相手に400のダメージを与える!」
舞 LP4000→3800→3400
今度はバーンか……でもまぁコレくらいの火力ならどうにでも……────
「手札から魔法石の採掘発動!手札の深淵の暗殺者を二枚捨てて、火の粉を手札に加える!通常魔法が発動したことにより400のダメージ!さらに墓地に捨てた深淵の暗殺者の効果発動!このカードが手札から捨てられたとき、墓地のリバースモンスターを一体手札に戻す!それぞれの効果で深淵の暗殺者を手札に!さらに火の粉発動!200のダメージ!400のダメージ!手札からもう一枚、魔法石の採掘を発動!」
舞 LP3400→3000→2800→2400→2000→→→→-∞
────……は??
「さ、帰ろう?」
「とりあえずソリティアやめない?」
「やめない、だって手段を選んでいられるほどの余裕はないもん!」
おかしくない?さっきから私のターンが回って来ないんだけど?おかしいよね?
「校長先生、コレはデュエルですか?」
「う、むぅ……」
コレはデュエルですか?いいえ、暴力です
「し、しかし……今回はルールを破ったわけではないですからなぁ……」
皆で楽しくデュエルするのが遊戯王だよね?コレ楽しい?私はぜんっぜん楽しくないけどね!
「おねえちゃん……文句が多いよ?」
だったらまじめにデュエルしろよと思ってしまう私は器の小さい人間なのだろうか……
「私はちゃんとルールを守ったよ?なのにおねえちゃんは約束を守らないの?」
「む……それは……」
確かに、沙耶はルールは破っていない……一回目はともかく、二回目は規定内のことで私を瞬殺した、それに腹を立てる私はどうだ?ただの子供じゃないか……
「おねえちゃん……そんなに私と暮らすのいや?」
「うん」キッパリ
だって紐だよ?姉としての立場というのがだね?いや、確かに楽だけど……
「どうして……?私、こんなにおねえちゃんのこと好きなんだよ!?」
「うん、とってもうれしい、でも私は妹に養ってもらうのはやだ」
だって私だって働きたいし、なにより自活したいし……
「……じゃあ、おねえちゃんが私を養ってくれる?」
「あ、それは別にいいよ」
姉としての尊厳も保てるし、かわいい妹が毎日家で待っていてくれるのは…………なんかうれしい……
「ほ、ほんとに?私のこと捨てたりしない?」
なんで大事な妹を捨てるの?そんなにネガティブ思考じゃなかったでしょ?しっかりしなさいな
「え、えへへ……///おねえちゃんとずっと一緒……///」
うれしそうで何よりですね、んで……
「私が働くためにも、このデュエルアカデミアを無事に卒業する必要があるんだけど……」
「……なんかうまく丸め込もうとしてない?」
「ソンナコトナイデスヨ」
「なんで片言!?」
いや、実際本当にそんなことはない、まぁしばらくはここでのんびりしたいなとは思ってるけどね?
「……わかった、でも条件があるよ!」
条件……?お前の心臓をよこせとかはムリだよ?
「おぉ!広い広い!」
「あんまり暴れないでね?」
沙耶の出した条件とは、まぁここに滞在させろということだった、部外者の沙耶がこの島に滞在することが許されたのかと聞かれれば、はい、許されました……ここの校長は心が広いようです、ていうより、多分沙耶の実力を見て決めたんだろうね……うまくすれば来年入学させられるし……
あ、そうそう!沙耶が来てて忘れてたけど、制服、どうやら新しいのは無いらしいからしばらくは私服でもいいってさ!よかったよかった!
「そういえば……授業戻るの忘れてた……」
……ま、いっか……
『マスター……もう一緒に寝られないの?』
う~ん……沙耶には精霊は見えてないようだし……
「……実体化しないならいいよ」ボソッ
『!う、うん!』
「ん?なんか言った?」
「なんにも?そういえば、どうして沙耶がこっちの世界にいるの?」
確か、私が車に引かれた後……どうしたんだろ?見てないからわかんないや
「わかんない、いつの間にかこっちの世界にいたの……大量のカードと一緒に」
ってことは……沙耶も転生者っていう扱いになるのか?
「大量のカードって……5DsとかZEALとかも?」
「うん……でもこっちの世界じゃあ、シンクロもエクシーズも使えないみたいだし、三幻魔とか三幻神とか三邪神とか自縛神とか、あと設定上青眼の白竜のカードもなかったよ」
それ以外のカードはあると……この世界でも主人公するきですかこの子は……
「ま、いっか、こうしてまた会えたしね?」ナデナデ
「うん!///」
ちょっと聞き分けが悪くて困るけど、私のかわいい妹だしね?
「ところでおねえちゃん……この部屋からおねえちゃん以外の臭いがするんだけど……だれ?」
だれって……う~ん、一度デュエルした相手を友達と呼ぶべきか否か……少なくとも取り巻きは取り巻きだけど……あ
「……女王様とその取り巻き、かな?」
「その説明で分かるわけないよね!?何にもなかったんだよね!?」
何かって何?デュエルしただけなんだけど……
「その人たちとキャッキャウフフな展開とか!」
あるかいな
「あのね?私もその人たちも女なの、分かる?」
そういう関係にはなりえないんだよ?若干三人ほど怪しいのがいるけど……
「そ、そっか……よかった……じゃあ私が初めてでいいんだ……」
「なんの初めてか聞かないけど、沙耶はそっちのベッドで寝てね?」
「……まぁ、寝込みを襲えばいっか……」
よし、今日は藤原の部屋を借りよう、いや……あっちもあっちで危ないか……
「ヒータ……なんかあったら起こして……?」ボソッ
『うん!絶対に守って見せるから!』
頼もしいね……これでひとまずは安心かな?
「……今日も疲れたし、ちょっと早いけど寝よっか」
「う、うん!///やさしくするからね!?///」
……ヒータさん、マジで頼みますよ?
と、いうわけで第5話終了です!
今回は妹回でしたね、ちなみに原作知識は持ち合わせておりません
使用デッキは今後紹介します……さすがにソリティアだとあっけないですからね……
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!