前の回でマドカのニックネーム他にもあるんじゃないかと思ったけど考えたらなんかいい感じがしなかったのであれにしました。
IS学園 寮
「なあ、タクヤ。一つ聞いていいか?」
「なんだ弾?」
鈴が転校してきた日の夜の寮でタクヤと弾は何気ない会話をしていた。
「鈴にはさ、本当のことを言ってもいいんじゃないかって思うんだ。」
「・・・・」
「ダメかな?」
「・・・・彼女までジャマールに関わらせるわけにもいかないだろ?」
「でもよ~現にオルコットさんだってこの間、巻き込んじまっただろう!現にガオームゾーンに。」
弾は真面目な顔で言う。タクヤは机でパソコンをいじっていたが弾の方を見る。
「俺、正直言ってお前にこれ以上嘘をついてまで隠さなくてもいいと思うんだ。そりゃあ、ジャマールはお前の両親の敵でもあるし、地球を征服することを企んでいる。そして、それを阻止するために誕生したのが俺たちビーファイターだってこともわかっている。でも、巻き込みたくないと言ってもこの間のようにジャマールはいつでも攻めてくるんだ!だから鈴ぐらいならいいんじゃないか?俺たちとの仲なんだしきっと受けれてくれる。」
「弾・・・・」
そのとき部屋のドアからノックの音が聞こえた。タクヤが出て見るとそこには鈴が立っていた。
「ちょっと、話がしたいんだけどいい?」
「・・・・・別に構わないけど。」
外
「ここまで連れて来て何の用だい?凰さん。」
「鈴でいいわよ。一夏。」
「だから俺は・・・・」
「千冬さんから無理やり問い詰めて聞いたよ・・・・アンタの本当のことを・・・。」
タクヤも思わず舌打ちをしてしまった。
「千冬姉め・・・・口が軽すぎだろ(汗)」
「アンタの妹がいることもビーファイターとかっていう奴になってえ~っと、ジャマ何とかと戦っているっていうことも聞いたよ。でもさ」
鈴はタクヤの目を見ながら言う。
「私がアンタと別れる前に行った約束覚えている?」
「約束・・・・・あ!あれか!ある意味プロポーズ的な・・・・」
「あれも名前を変えちゃったから無理かな?」
鈴はしょんぼりしながら言う。
「それは・・・・まだ決められない。」
「決められない?じゃ、じゃあダメってわけじゃないのね!?」
鈴は顔を近づけながらタクヤに聞く。
「あ、ああ。(汗)」
「こうならまだチャンスがあるということか!よし!」
鈴は一人で何かを納得している。
「こうなったらあれしかないわ!」
「はあ?」
「もし、今度のクラス代表戦でアンタに勝ったら私もビーファイターに加えて!」
「ええ!?」
「そうでもしなくちゃ一夏・・・・じゃなくてタクヤを誰かにとられちゃうから・・・あっ、付き合ってって言うのはその後に言うつもりだからえ~っと・・・」
「鈴、もうわかったから口に出すのはそのぐらいにしろ。」
「え?」
鈴は周りをよく見る。すると物陰でマドカがじっと二人のことを観察していた。その瞬間鈴は顔を赤くする。
「う、う、きゃあああああああ~!!恥ずかしいぃぃぃぃ!!!!」
鈴は顔を隠しながら逃げて行ってしまった。それを確認したらマドカは物陰から出てきてタクヤの方に来る。
「ある意味で本当にすごく大胆な告白でしたね。」
「マドカ、いるなら出てくればよかったんじゃないのか?」
「でも、あの鈴さんって言う人思っていたより面白そうな人でしたから。」
「はあ、物好きな妹だ・・・・。」
「あの人なら私のお姉ちゃんになってもらっても大丈夫ですよ?」
「お前までそんなことを言うな・・・」
翌日の夕方 アリーナ
「よし、今日はここまでにして寮に戻ろう。」
三人はインセクトアーマーを解除して帰ろうとしていた。
「あ、すみません。お兄ちゃん、弾さん。私、少し約束事があるので先に帰ってください。」
「え?用事?」
「そうなのか、じゃあマドカちゃんも気をつけてな。」
「はい。」
そう言うとマドカはタクヤたちから別れて行った。彼女がやって来たのは整備場だった。そこには本音と水色の髪の少女がISを組み立てている最中だった。本音はマドカの存在に気づくと作業をしている少女に声を掛ける。
「かんちゃん~かんちゃ~ん。マッちゃんが来たよ~。」
「え?ま、マドカちゃん?」
かんちゃんと呼ばれた少女は慌てて顔をあげる。
「今日も手伝いに来ました。」
「ごめんなさい、いつも来てもらって・・・・・それにもう丁寧語で言わなくてもいいから。」
「マッちゃんは優しいもんね~。」
「のほほんさんもちゃんと手伝ってくださいよ。」
そう言いながら三人は作業に戻っていく。彼女、更識簪とマドカが知り合ったのはつい数日前、タクヤたちとの訓練を終えて帰ろうとしたところを偶然隠れて見ている彼女を見つけた所から始まった。最初は内気で中々自分のことを話すことができなかった簪であったがマドカと触れ合っていくうちに徐々に自分のコンプレックスを彼女に打ち明けた。マドカは簪に対して兄も同じコンプレックスで苦しんでいたと言いながら彼女を励ましていき、そのうち彼女の未完成の専用機「打鉄弐式」を作るのを手伝うようになった。
「それにしても簪さんのお姉さん、実はですけどこっそり見ていたことが何度もありましたよ?」
「え!?それいつの話!?」
「うそ~生徒会長がそんなにかんちゃんの所に来るなんてことないと思うよ~。」
本音は相変わらずおっとりとした口調で言うがマドカははっきりと言う。
「今もそこの物陰で見ているし。」
「え~。」
「え!?」
簪たちは驚きながら物陰を見ようとすると誰かが駆け足で去って行く音が聞こえた。
「さっきの足音って・・・・」
「生徒会長の足音だと思うよ。」
「でも、どうしてお姉ちゃんが・・・・」
「簪さんのことが心配だったからじゃないんですか?」
「私のことを?」
「姉妹だから妹のことを心配するのは当たり前だよ。お兄ちゃんもいつも私のことを心配してくれるし、千冬お姉さんもなんだかんだと言って私達兄妹のことを心配してくれている。きっと簪さんと生徒会長も同じだと思うよ?」
「・・・・お姉ちゃん。」
「かんちゃん、愛されているんだね~。」
「でも、正直言うとそれが逆に困ることなんだよな・・・・なんて言うのか本当に生徒会の仕事しているのかって。それに過保護気味なところもちょっと引いちゃうし・・・」
「まあ、クヨクヨしても仕方がないのでそれはそれで今度みんなで言ってしまおう。もう日が暮れるし、今日はこのぐらいにしましょうか?」
「そ、そうだね!じゃあ、部屋でシャワーを浴びてから食堂に行こうか!」
「家の学園の学食美味しいからね~。」
「のほほんさんはまたあの着ぐるみみたいな恰好で来ないでくださいよ?」
「え~~あの格好お気に入りなのに~。」
そんな会話をしながら三人はアリーナを後にして行った。三人が去った後に簪に似た少女が物陰から現れ、嬉し涙を拭きながら三人の後姿を眺めていた。
「簪ちゃんが友達を作るなんて・・・・・・なんかうれしくなっちゃうな。でも、あのタクヤ・ミューゼルといい、あの妹といい、なんで私がいることに気づくのかしら?」
生徒会長・更識楯無はそう不思議に思いながらも三人に悟られぬようにアリーナを去って行くのであった。
???
「・・・・・・」
暗い部屋の隅で一人の女性がニュースを見ていた。
『今回のジャマールの襲撃も無事ビーファイターの活躍により阻止され、政府は今後ISの開発をインセクトアーマーと呼ばれる新型の開発を中心に着手するかについて議会で・・・・』
「う~~ん、ビーファイターね。」
ウサギ耳のカチューシャを付けた女性・篠ノ之束は情報を整理しながら言う。
「そして装着者が・・・・」
キーボードを操作すると装着者の名前と顔画像が現れた。
「タクヤ・ミューゼル・・・・・いっくんったら妹のために名前まで変えるなんで随分大層なことしたね~。でも、束さんにはお見通しだよ。」
束は近くに機能停止している無人機・ゴーレムに対象をインプットさせる。
「攻撃対象はブルービート及びビーファイターにしてと。束さんお手製のゴーレムでどれぐらいの力か見せてもらうよ、いっくん。」
束はタクヤの写真を見ながら言う。
次回のサブタイトルは「ビーファイター対ゴーレム」の予定。