重甲ISビーファイター   作:赤バンブル

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次回予告するけど毎回タイトル変更してしまうものです。

なんか戦闘描写、あっさり過ぎるな・・・・。


合体怪人と呪縛の最期

アリーナ

 

「・・・・・ボーデヴィッヒ。」

 

千冬は、目の前で沈黙している自分のコピーを見る。コピーは雪片を構えて千冬に攻撃を始める。

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・やるしかないのか。」

 

千冬は一定の距離と取る。コピーはそれを読んでいるかのように距離を詰める。

 

「・・・・・過去に私が取っていた戦術か。近接装備のみならではの相手との距離を詰めて斬りかかる。過去の私らしいやり方だ。」

 

千冬は、ゴールデン・ドーンの装備である「プロミネンス」を展開する。

 

「だが、それは飽くまでも私の過去の動きをトレースしたに過ぎない。」

 

千冬は、プロミネンスで雪片を拘束する。コピーは抵抗するかのように強引に解こうとする。

 

「力は私以上にあるか・・・・・・どうやらジャマールのチューンアップの影響はこちらの方にもあるようだ。だとすればパイロットであるボーデヴィッヒにはそれ以上の負担が・・・・・」

 

千冬は一回プロミネンスの拘束を解き、ソリッド・フレアと呼ばれる火の粉を凝縮して作る超高熱火球を放つ。コピーは難なく雪片で切り捨てていく。

 

「多少強引だがお前を助けるためだ。悪く思うなよ、ボーデヴィッヒ。」

 

千冬は、ワザとコピーの攻撃範囲に近づく。コピーは遠慮なく単一仕様能力「零落白夜」を発動させ、一気に勝負に出る。

 

「流石私か。相手が自分の攻撃範囲に入った瞬間、相手に反撃を行う前に攻撃を仕掛けることで一気にシールドエネルギーを削り、自分の優位な状況へと持っていく。だが、その前に終わらせてもらう!」

 

千冬は、プロミネンスでコピーを拘束すると尾のパーツを腕のように動かしてコピーの胸に突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャマール要塞

 

ジャマール要塞では首領ガオームがデスマルトの戦闘を眺めていた。

 

「ほう・・・・・九死の策で三軍団の力を結集させおったか。」

 

ガオームは、圧倒的実力でビーファイターを追い込んでいるデスマルトを高く評価する。

 

「あの言葉・・・・・・もう一度だけ信じてみるか・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園

 

「うわあぁ!!」

 

ジースタッグたちは徐々に追い込まれていた。

 

「まずは一匹。」

 

デスマルトは剣を構えながらジースタッグに近づく。

 

「ビームモード!!」

 

「ん?」

 

その直後、背後からブルービートとセシリアが射撃攻撃をしてきた。

 

「タクヤ!セシリア!」

 

「遅れてすまない!」

 

ブルービートはジースタッグに肩を貸す。

 

「やっと三匹揃ったか。」

 

「三匹?違うわ、五人よ!私とセシリアも含めてね!」

 

「いくら増えたとて俺の敵ではない!」

 

「鈴、セシリアは射撃で援護を。俺と弾、マドカで行くぞ!」

 

「「おう!」」

 

ビーファイター三人はバラバラに移動しデスマルトを囲もうとする。

 

「ふん!そんな下らん小細工は通じん。」

 

デスマルトは翼のレーザーガンを回転させ三人に的確に撃つ。

 

「うわあ!?」

 

「きゃあ!」

 

「うおぉ!?」

 

「どうあがいでも貴様らに勝ち目はない。」

 

デスマルトは勝ち誇ったかのように言う。

 

「なめんなよ!」

 

ジースタッグは背部から妙なものを出す。形状はビートマイザーに近いが未完成なのか射出口がない。

 

「弾さん、それって・・・・・」

 

「未完成品でも爆弾としては使えることもあるんだ!行くぞ!」

 

ジースタッグはレーザーの雨を潜り抜けながらデスマルトに接近していく。

 

「弾、無茶よ!!」

 

「行くぜ!このごちゃ混ぜ怪人が!!」

 

ジースタッグはデスマルトの目の前まで来るとスイッチを入れる。

 

「喰らえ!」

 

ジースタッグは、武器をデスマルトに向かって投げる。デスマルトは武器を剣で切断するがその直後に大爆発が起こった。

 

「何!?」

 

「まさか、あれは爆弾!?」

 

「あひゃあぁ!?」

 

突然の衝撃に三幹部は、吹き飛ばされかかる。

 

最も近くにいたジースタッグは勢いよく吹き飛ばされ、壁に激突する。

 

「弾!」

 

鈴は急いで甲龍を解いてジースタッグの方へ駆けていく。その後を追うかのようにブルービート、レッドルもジースタッグの元へと走ってきた。

 

「弾!弾!しっかりしなさいよ!馬鹿!」

 

鈴はぐったりしてしまったジースタッグをゆする。

 

「・・・・・へっ、す、少し・・・・無理し過ぎたぜ。」

 

「もう・・・・・バカ。」

 

「弾、いくら何でも無茶し過ぎだぜ。」

 

「へへ・・・・・・・・・!?」

 

ジースタッグは体を上げる。目の前では無傷のデスマルトが煙の中から何事もなかったのかのように歩いてきていた。

 

「あの爆発で・・・・・・くっ、化け物め・・・・」

 

ジースタッグは無理やり体を動かそうとする。

 

「鈴、セシリア。悪いが弾を連れてここから逃げてくれ。」

 

「タクヤさん!」

 

「悪いが相手が強すぎる。責めて弾だけでも・・・・・」

 

ブルービートもボロボロの状態でありながらなんとか逃げる時間を稼ごうとした。しかし、デスマルトは卑劣にもブルービートの首に剣を向ける。

 

「お前は地獄行きだ。」

 

「くっ!デスマルト!」

 

ブルービートも今度ばかりは無理かと考えた。後ろでは三幹部が笑ってその光景を見ている。

 

「フッヒッヒッヒヒ・・・・」

 

「今だ!止めをさせ!!」

 

ジェラの指示の元、デスマルトはブルービートに向かって剣を振り下ろそうとする。

 

「お兄ちゃん!」

 

「「タクヤ!」」

 

「タクヤさん!!」

 

四人は思わず叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがその直後

 

「待て!デスマルト!!」

 

ギガロの呼び止めにデスマルトは攻撃を中断して後ろを振り向く。

 

「そんな剣など使うな!!尻尾で突き殺せ!!毒針の尻尾で我が合成獣軍団の兵士としてなぁ!!」

 

「し、尻尾!?」

 

ギガロの突然の命令にデスマルトは動揺する。

 

「何~!?」

 

「何を言い出すかギガロ!?」

 

「黙れ!この手柄を貴様等などに渡してなるものか!!」

 

「何言ってんだあぁ~!」

 

三幹部が喧嘩をし始める。

 

「さ、三幹部が・・・・」

 

デスマルトはブルービートから離れて三幹部の方へと行く。

 

「んあぁ!もう!こんな二人に耳を貸すな、デスマルトオォ!!我が戦闘メカ軍団の兵士らしくガトリング砲で一気に消し去ってしまえ!!」

 

「貴様まで何を!!」

 

「尻尾を使え!!毒針の尻尾を!!」

 

「何を言うかぁ、このオッサンはぁ!!ガトリング砲だぁ!!」

 

「剣で首を切り落とせ!!」

 

「尻尾だ!」

 

「ガトリング砲!!」

 

「剣だぁ!!」

 

「尻尾!」

 

「ガアァトリング・・・・」

 

とうとう三人での討論に発展してしまう。

 

「うわあぁ!!お、俺は・・・・一体・・・・・どの軍団の・・・・・・どの幹部の・・・・・どの幹部の命令に従えばいいんだあぁ!?」

 

デスマルトは剣を落とし、頭を抱え始める。その間にも三幹部の喧嘩はさらにエスカレートしていく。

 

「あああぁぁぁぁぁぁ!!!もう、どうしたらいいのかさっぱりわからん!!!」

 

デスマルトはさらに混乱し始める。

 

「そうか・・・・・奴にも弱点があったのか。」

 

ブルービートは立ち上がりながら言う。

 

「それってどういうことですの?タクヤさん?」

 

「いくら強いと言っても所詮は、ただ三軍団の力の寄せ集めで作った合体怪物。意識は継ぎ接ぎだらけで脆いというわけなんだ・・・・。」

 

「つまりジャマール製のフランケンシュタインの怪物みたいなものです。」

 

「ってことは混乱している今なら!!」

 

「ああ、倒せるはずだ!!」

 

「「スティンガーウェポン!!」」

 

「スティンガー・・・・・うぅ・・・・・」

 

ジースタッグは一人だけ跪いてしまう。

 

「弾、その体じゃ無理だ。」

 

「で、でもよ!」

 

「私にあの武器を貸して。」

 

「鈴!お前何言って・・・・・」

 

「一応他のISでも使用できるようにできているんでしょ?この間、タクヤから聞いたけど。」

 

「・・・・・ったく、今、一時的にスティンガークローの使用をお前に譲渡する。でも、反動がきついから気をつけろよ。」

 

ジースタッグは、スティンガークローを出すと入力をし直し、鈴に渡す。鈴は甲龍を再展開するとスティンガークローを装着する。

 

「行くわよ!レイジングスラッシュ!!」

 

鈴が叫ぶと同時にスティンガークローは、アーム部分にエネルギーを込めて横一文字にデスマルトの体を斬りつける。

 

「グ、グウ!?」

 

「トルネードスパーク!!」

 

レッドルのスティンガープラズマーから竜巻状に収束した破壊ビームが発射される。

 

「アァァ・・・・・・」

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

ブルービートはスティンガーブレードでデスマルトの腹部に突き刺す。

 

「ガア・・・・アァ・・・・・・」

 

精神が極めて不安定になっていたデスマルトにはもはやどう対処すればいいのか考えることができなくなっていた。

 

「ビートルブレイク!!!」

 

ブルービートはデスマルトの腹部からスティンガーブレードを引き抜くと高速で回転させ、X字を描くように二段切りをする。

 

「がは・・・・・」

 

「あっ!デスマルト!?」

 

喧嘩していた三幹部はやられてしまったデスマルトを見て唖然とする。デスマルトはもがき苦しむように倒れて大爆発してしまった。

 

「ああ!!」

 

「あぁ・・・・・そんな・・・・・」

 

「おのれ・・・・・」

 

「こりゃあぁ・・・・・・不味いよおぉ・・・・」

 

三幹部は逃げるように消えていった。

 

ビーファイターたちはドッと来る疲れに思わず尻餅をついた。鈴の方はレイジングスラッシュで大幅にシールドエネルギーを浪費してしまったのか自動で甲龍は解除されていた。

 

「な、何とか勝てたわね・・・・・・・」

 

「ああ・・・・・だが、早く千冬姉の方に行かなくちゃ・・・・・・・・」

 

「それは大丈夫だ。」

 

後ろから声が聞こえた。

 

一同が振り向くとそこには気を失ったラウラを抱いた千冬がいた。

 

「千冬姉!」

 

「お姉ちゃん!無事だったんですね!」

 

「なんとかな。一瞬でもミスをしていれば私も危なかったが。」

 

「でも、どうやって・・・・・」

 

「ボーデヴィッヒの本体を無理やり引きずり出すことによってVTシステムを強制的に停止させた。最も一歩でも間違えれば殺してしまうかもしれない賭けだったが。」

 

「そいつはどうするんですか?」

 

弾は重甲を解いて千冬に聞く。

 

「今回の一件はボーデヴィッヒのことを見てやらなかった私にも責任がある。それにVTシステムは本来アラスカ条約で開発が禁止されている代物だ。認めたくはないがジャマールは今回のシステムの発見に貢献してしまったことになる。」

 

「ジャマールがドイツ軍の不正行為を見つけちまったってわけか。」

 

「でも、一番の問題はラウラさん自身でしょうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「はあ・・・・・はあ・・・・・・・」

 

ラウラは悪夢を見ていた。

 

場所は見たこともない無限に広がる大砂漠。

 

その場所でビーファイターたちと戦い・・・・いや、一方敵に追い詰められていた。

 

「はあ・・・はあ・・・くそ!」

 

ラウラはとにかく逃げ続けていた。後ろからはビーファイターたちが容赦なくインプットマグナムを発砲して来る。

 

「何故だ・・・・・・何故私の武装は奴らには効かないんだ!?」

 

ラウラは後ろを振り向いてレールカノンを放つ。しかし、攻撃はビーファイターの体をすり抜けていった。

 

「武装は強化されたはずだ!!なのに・・・・・なのに!!」

 

『トルネードスパーク。』

 

レッドルの攻撃でラウラは吹き飛ばされる。

 

「くっ!」

 

『レイジングスラッシュ。』

 

「何!?」

 

ラウラはすぐに後ろを振り向いた瞬間、ジースタッグが攻撃を加えた。

 

「うぅ!!」

 

『・・・・・・』

 

ダメージで弱ったラウラの目の前にブルービートがスティンガーブレードを構えて近づいてくる。

 

「うぅ・・・・・」

 

ラウラは中破したレーゲンでとにかく逃げようとする。

 

すると目の前に複数の人影が現れる。

 

「お、お前たちは!」

 

ラウラは唖然とした。

 

それは自分の部隊の部下たちだった。しかも銃を自分に向けて。

 

「お、お前たち一体何を・・・・」

 

『撃て!!』

 

副官の命令で隊員全員がラウラに向かって発砲する。既にシールドエネルギーが底尽きかけていたレーゲンは強制的に解除され、ラウラに銃弾の雨が降り注ぐ。

 

「うわあぁ!!」

 

銃弾がいくつも彼女の体を貫いた。ラウラは倒れる。

 

「何故だ・・・・・・・・・なぜお前達まで・・・・・」

 

『無駄な抵抗をするな、ジャマール!!』

 

「違う!私はジャマールでは・・・・・!」

 

副官に言われて否定しようとしたラウラは自分の体がいつの間にか変化していたことに気がつく。

 

「こ、これは・・・・・・・・」

 

それは、自分と組んでいたデスマルトの姿そのものだった。

 

「・・・・・違う・・・・違う違う違う違う違う!私はジャマールなんかじゃない!!」

 

ラウラは必死に走って逃げようとする。

 

だが目の前にブルービートが忽然と現れた。

 

「貴様!貴様のせいで私は!!」

 

ラウラはいつの間にか持っていた剣でブルービートの顔を叩き斬る。するとブルービートのマスクが割れた。

 

「なっ・・・・・」

 

ラウラは思わず後ろに引き下がった。

 

ブルービートの素顔がタクヤではなく千冬だったのだ。

 

「きょ、教官・・・・・・」

 

『ビートルブレイク。』

 

千冬は冷淡な顔でスティンガーブレードを高速回転させる。

 

「い、嫌だ・・・・・・」

 

ラウラはまた逃げようとするが体が硬直して動けない。

 

「助けて・・・・・・・・」

 

スティンガーブレードが自分の体を切り裂く。

 

「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 保健室

 

「ハッ!?」

 

千冬に体を斬りつけられ死んだ後、ラウラは悪夢から現実に引き戻された。顔に手を触れてみると噴き出る嫌な汗が全身を濡らしていた。

 

「わ、私は・・・・・・・」

 

「気がついたかね?」

 

「ひっ!」

 

聞き覚えの無い声にラウラは思わず怯えベッドから落ちてしまう。逃げようとしたが全身が痛み、動けない。

 

「驚かせてしまったかね?」

 

顔を上げると老人の顔をした巨大なカブトムシ・グルが杖を持ってラウラの前にいた。

 

「うわあぁぁ!!」

 

「儂は何もせん。落ち着きなさい。」

 

グルは、優しい声でラウラを落ち着かせようとする。

 

少ししてラウラは、グルに憶える様子を見せなくなったが手の震えは治まる様子はなかった。

 

「私は・・・・・・・取り返しのつかない事をしてしまった・・・・・・・もう教官にも、祖国にも合わせる顔も・・・・・・」

 

「お前は何故ジャマールに付いた?」

 

グルはラウラに問う。

 

「私は・・・・・・許せなかった・・・・・・教官を奪ったタクヤ・ミューゼル・・・・・織斑一夏が・・・・・」

 

「彼はお前に敵意を持っていたか?」

 

「・・・・・いや、奴は敵意をこれっぽちも持っていなかった。でも、私は見てもらいたかった。教官に・・・・」

 

「それで邪魔なものを排除しようというのか?」

 

「それは・・・・・・」

 

「お前はその心の弱さをジャマールに付け込まれた。お前はお前自身の手で見てもらおうとした者にまで牙を向けておったのだぞ。」

 

「ああ・・・・あぁ・・・・・・・」

 

ラウラは泣き崩れた。

 

「・・・・・・一つ聞きたい。」

 

「なんじゃ?」

 

「・・・・あなたの名は?」

 

「・・・・・老師グル。」

 

「・・・・・老師、あなたに一つ頼みたいことがある。」

 

ラウラは思うように動けない体を無理して動かし、ベッドの脇の窓に飾られていた花瓶を落として割り、手頃に尖ったものをグルに渡す。

 

「それを私の喉元に突き刺してほしい。」

 

「自ら命を断とうというのか?」

 

「私は取り返しのつかないことをしてしまった。もう、教官に会わせることは愚か存在している意味もない。いっその事殺してほしいんだ・・・・・・頼む。」

 

ラウラは、絶望と失意だけしか残らぬ表情でグルに縋り付いた。

 

そんな彼女にグルは、持っている杖の先っぽで彼女の額を叩いた。

 

「痛!?」

 

「馬鹿者!!いい歳した若者が自ら命を絶って何になる!少しは別のことを考えんか!」

 

さっきまでの落ち着いた態度とは裏腹にグルはラウラを叱りつけた。態度の急変にラウラは唖然とする。

 

「お前が死のうが儂の知ったことではない!だが、それで解決するものはあるか?残りの後始末を全て学園とドイツ軍に丸投げするというのか?本気で反省してるんなら己の態度で示さんかい!!」

 

「ろ、老師・・・・・・しかし・・・・・」

 

「しかしではない!自分の罪を認め、それを償おうとするのが基本じゃあ!それもせんで・・・・・・お前はそれでも組織に入っている人間か!!少しは恥と知れ!」

 

グルは息を荒くして話すのをやめる。ラウラはしばらく頭の痛みに手を押さえたがそれ以上にグルの言葉が胸に突き刺さった。

 

「はあ・・・・・はあ・・・・・儂にもお前と少し似たような倅がおる・・・・・・」

 

「倅?老師の?」

 

「百年前に出て行ったきりだが・・・・・・・・・お前がタクヤを憎んで居ったように奴は儂を憎んでおった。」

 

「憎んで?」

 

ラウラは耳を疑った。自分にここまで説教をするグルが人に、それも息子に憎まれるようなことがあるとは思えない。

 

「昆虫族の長老の身であったために家族の傍に居ることができず、妻には苦労をかけっぱなし、挙句の果てには亡くなった時も傍に居てやることもできなかった。」

 

「老師・・・・・」

 

「それは千冬とて同じ、奴もタクヤが誘拐されたとき何もしてやることができなかったと今でもそのときのことを後悔している。」

 

「教官も?」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ・・・・・お前は確かに取り返しのつかない過ちを犯した。しかし、そのことを棚に上げ、自ら命を断とうなどとは言語道断。お前も誇り高い軍人だというのなら覚悟を決め、その罪を受け入れ、償う事こそ大事なことなのじゃ。」

 

「老師・・・・・・・う、うわあぁぁぁぁぁ!!」

 

ラウラは思いっきり泣いた。

 

自分の未熟さが招いた罪を。

 

傷つけてしまった恩師の弟に対して。

 

自分のせいで顔に泥を塗らせてしまった祖国に対して。

 

ただ申し訳ないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ラウラ・ボーデヴィッヒの処罰が決定した。

 

コスモアカデミアの調査でシュバルツェア・レーゲンに条約で禁止されている『VTシステム』が搭載されていた事

とシステムがジャマールのシュヴァルツにハッキングされていたことが判明した(但し、ハッキングに関しては会長であるスコールの口実のため真相は不明)。

 

しかし、ジャマールに利用されたことに関しては、かなりの問題であるため、学園側では反省文100枚及び臨海学校の準備期間に入るまで停学処分が、祖国であるドイツの軍からは、部隊長資格の剥奪と階級の降格処分が言い渡された。

 

なお、回収されたシュバルツェア・レーゲンは、ジャマールに改造されたことで何が仕掛けられているかわからないため、コスモアカデミアで預かることになった。

 

ラウラは現在、コスモアカデミアの施設で大人しく過ごしている。

 

会長のスコールの話によれば、こう言っていたと言う。

 

 

「次に会ったときは、タクヤ・ミューゼルとその兄妹、友人たちに謝罪したい。」

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャマール要塞

 

「ひゃあぁへへ・・・・」

 

「貴様が手柄を焦らなければ奴を倒せたというのに!」

 

「俺のせいじゃない!コイツのせいだぁ!」

 

「とんでもない!三軍団が組むなど最初っから無理だったんだ!!」

 

「なんだとぉ!?」

 

一方、ジャマール要塞に戻ったジェラ、ギガロ、シュヴァルツはまだ喧嘩をしていた。

 

そんな三人の目の前にガオームが現れる。

 

「「「ガオーム様!?」」」

 

「お前たち、何をしておる!」

 

「「「も、申し訳ございません!!!」」」

 

「この愚か者!!」

 

ガオームは掌の水晶から光線を三人に向かって放つ。

 

「「「ぎゃああぁぁ!!!」」」

 

 

 

 

三人はその後もガオームに謝ったのであった。




取りあえず、ラウラは臨海学校編(そこまで長くはないけど)まで退場。

次回予告

デスマルトの敗北によって後がなくなったジャマール三幹部。

首領ガオームから言い渡された命令はビーファイター打倒だった。

もう失敗は許されない三人は決死の覚悟でビーファイターに挑む。

次回、重甲ISビーファイター

「決死の対戦!?三幹部対ビーファイター!!」

お楽しみに!
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