穂むらの弟子になった。   作:とらなかく

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更新遅れて申し訳ないです!
少しバタバタしており、執筆する時間がなかなか取れなかったんです……

それでは本編をどうぞ!


運命の期末テスト

「無理ですね、許可できません」

 

 理事長から冷たい答えが返ってくる。

 なにが許可できないかというと生徒会が廃校を防ぐために独自で行動することだ。

 

「なぜ許可してもらえないんですか!?」

 

 絢瀬先輩が納得できないという表情で理事長に問い詰める。

 

「わからない?そうねぇ、ヒントをあげるわ」

「ヒント……?」

「そう。ヒントはあの子たちと貴方の違いよ」

「あの子たち……まさかμ’sの事ですか?」

「ええ、そうよ。あとは自分で頑張りなさい」

 

 μ’sと絢瀬先輩の……いや生徒会長との違いか。あ~!そういう事ね。随分とわかりやすいヒントだな。

 東條先輩の方を見ると理事長のヒントがわかっているのか、ヒントに対して相槌を打っていた。そうなるとわかってないのは絢瀬先輩だけみたいだな。

 

「ヒントをくださり、ありがとうございました。希、御影君。行きましょう」

 

 絢瀬先輩に戻るよう促され、ドアに一番近い俺がドアを開けると予想外の人物たちが理事長室の前に立っていた。

 

「あれ?徹君なんでいるの??」

「俺は生徒会で……お前らこそ何でここにいるんだ?」

 

 すると、真姫が穂乃果を押しのけ絢瀬先輩の方に向かった。

 

「理事長にお話しがあって来ました」

「各部の理事長への申請は生徒会を通す決まりよ」

「申請とは言ってないわ!話があってきたの!」

「真姫ちゃん。上級生だよ」

 

 言葉遣いが荒くなった真姫を穂乃果が注意して後ろに下げさせる。

 

「どうしたの?」

 

 そしてタイミングを見計らったのか理事長が自分で理事長室のドアをノックした。

 どうやら話は聞いてくれるみたいだ。1年生組を外に待たせておき、それ以外の人で理事長室に入った――――――

 

 

 

 

 

「へぇ~”ラブライブ!”ねぇ~!」

 

 ”ラブライブ!”の内容がさっぱり理解できない俺は、μ’sの中で1、2を争うアイドル好きのにこ先輩に聞くことにした。

 

「あの、にこ……先輩」

「なによ、徹。あんた先輩って言うの躊躇ったでしょ」

 

 にこ先輩がジト目でこちらを睨んでくるが気にせずに話を続ける。

 

「さっきから言ってる”ラブライブ!”って何のことですか?」

「ああ、あんたはまだ見てないもんね。”ラブライブ!”はスクールアイドルの甲子園よ、スクールアイドルのランキングは知ってるでしょ?」

「ええ、たまにチェックしてるんで」

「そのランキングの上位20グループが出場することが出来る。極めてレベルが高い大会なのよ」

 

 じょ、上位20グループだってぇ~!!そんなハイレベルな大会に今のμ’sで大丈夫なのか?うん。絶対無理だね!!

 

「しかも大会はネットで配信されるから、学校の名前をより多くの人に知ってもらえるチャンスなのよ!」

 

 ということは、”ラブライブ!”に出れたら……

 

 

 ”ラブライブ!”出場!

 ↓

 μ’sが有名になる!!

 ↓

 音ノ木坂学院の入学希望者が増える!!!

 ↓

 廃校阻止!!!!

 

 

 ……みたいな感じで廃校の阻止が現実的に可能になるんじゃないか?

 まあ、そんな簡単に言ったら苦労しなくて済むんだが。

 

「私は反対です。理事長は、学校のために学校生活を犠牲にするべきではないとおっしゃいました。それならば……」

 

 と、妄想をしていると絢瀬先輩の冷たい言葉で現実に引き戻される。

 そして絢瀬先輩が最後まで言い切らないうちに理事長が口を出す。

 

「そうねぇ……でも、いいんじゃないかしら。エントリーするぐらいなら」

「本当ですか!?」

「ええ」

 

 理事長からエントリーの許可をもらったことで4人が嬉しそうにお互いの顔を見合わせた。

 

「ちょっと待ってください!なぜ彼女たちの肩を持つんですか!?」

「別に肩を持ったつもりはないのだけれど……」

「それなら、生徒会が独自に動くことも許してください!」

「それは、先ほども言ったように許可できません」

「……っ!」

 

 生徒会は許可されなかったことに苛立ちを感じた絢瀬先輩は、東條先輩を置いていき1人で生徒会室から出て行ってしまった。

 

「ですが、部活のために学業がおろそかになるのもいけません。よって、次の期末テストに赤点1人でもいた場合”ラブライブ!”の出場は認められません!」

「いやいや、さすがに高校生で赤点をとる奴なんて……」

 

 いないと思っていた。そう、5秒前までは。

 

「「「はああああ~~~」」」

 

 大きく溜息をついていたのは各学年に1人ずつ、ショートカットとサイドテールとツインテールの3人だった――――――

 

 

 

 

 

「大変申し訳ありません!」

「ません!!」

「ごめんなさいニコ~♪」

 

 今、部室では”ラブライブ!”出場のために理事長からの条件である、誰も赤点を取らないことを達成するために赤点候補である3バカ――――

 穂乃果と凛とにこ先輩の苦手教科を徹底して教えている。

 

 さっき3人に聞いたところ、穂乃果とにこ先輩は数学が苦手で、凛は英語が苦手だということが判明した。しかも3人ともこの学校に入学したことが不思議なくらいの重傷だったので、2人で教えることになった。

 穂乃果には海未とことり。凛には花陽と真姫。にこ先輩には俺と東條先輩。

 東條先輩はにこ先輩と同学年だからまだしも、俺がにこ先輩の勉強を教えるのはやはり俺が天才だからだろう。

 

 冗談はさておき、一応3年の範囲までは終わらせているから、にこ先輩に教えるのは特に難しい話ではない。

 

「よし!これで準備はできたね!!明日から頑張ろ~!!」

「お~!!」

「今日からです!」

 

 

 ~~~~~~~~~

 

 

『そう。ヒントはあの子たちと貴方の違いよ』

 

 理事長からの言葉が脳内で何回も響いてくる。

 

 私とμ’sの違い。

 違っているのは廃校を防ぐための手段だけであり、根本的な部分では私とμ’sは同じ部分にいる。

 なのに、理事長はμ’sの活動だけを認めて、生徒会は認めてくれなかった。一体どうして?

 

 考えているうちに私は、近くにあるノートパソコンからμ’sのこの前出来た7人でのミュージックビデオを見ていた。

 もう、これで5回目になる。けれどもさっきから一向に理事長からのヒントがわからない。

 まるで、永遠に続く迷路をさまよってる気分になる。

 出口が見えなかった私は、さっきから鳴っている携帯を取り出して、応答ボタンを少し強めに押した。

 

「もしもし?……わかったわ、すぐ向かうわね」

 

 ノートパソコンを閉じて、私は迷路から出ることを一旦諦めた――――――

 

 

 ~~~~~~~~~

 

 

 今日から始まった勉強会だが、初日から赤点をとりそうな雰囲気が部室内に漂いまくってる。

 穂乃果は寝るし、凛は真姫と花陽の気を逸らそうとしてるし、にこ先輩はお得意の”にっこにっこにー♪”やってるし……

 こいつら本当に”ラブライブ!”に出る気があるのかと疑ってしまう。

 

「東條先輩、俺これから用事あるんでにこ先輩の勉強は頼みます」

「よっしゃ、ウチに任せて!」

「待って!!いま、徹が帰ると、にこピンチなんだけど!!」

「ワシワシされないように頑張って勉強してくださいねー」

「ちょっ!待ちなさい!」

「にこっち~?逃げたらワシワシするよ~」

「嫌!やめて……来ないで……いやああああああ!!」

 

 にこ先輩、ご愁傷さまです――――――

 

 

 

 

 

 校門を出るとなんか聞き覚えのある曲が聞こえてきた。

 音楽室で真姫が歌っているわけでもなさそうなので、不思議に思い周囲を確認すると、プラチナの髪をしている女の子が音楽プレーヤーでμ’sのファーストライブの映像を目を輝かせながら嬉しそうに眺めていた。

 

 あ、目が合った。

 

「わぁ!μ’sのマネージャーの御影 徹さんですよね!?」

「ああ、俺が御影だけど君は……?」

「ごめんなさい!わたし、μ’sのファンの絢瀬 亜里沙と言います!」

 

 絢瀬だと……?ってことはまさか、絢瀬先輩の妹なのか?

 

「あの、どうかしましたか?」

 

 呆然と突っ立っている俺に心配してくれたのか、亜里沙ちゃんが小首をかしげる。

 もし、姉妹だとしたらあまり似てないな。

 

「あのさ、亜里沙ちゃん。君って――――」

 

『お姉ちゃんいる?』と言いかけたとき、学校から見慣れた先輩が亜里沙ちゃんの名前を呼びながら歩いてきた。

 そして、俺に気がついたのか驚いた顔をする。

 うーん、この2人あんまり似てないかな?

 

「御影君……」

「どうも、絢瀬先輩。少しお話ししませんか?」

「わかったわ、そこの公園で話しましょう」

 

 μ’sを敵視している人とμ’sのファンであるその妹。そしてμ’sのマネージャー。変な組み合わせで公園に向かった――――――

 

 

 

 

 

「お待たせしました!!」

「ありがとな。……おでん?」

 

 飲み物を買いに行ってくれた亜里沙ちゃんが買ってきたのはおでん缶だった。え?なに?最近の女子中学生ってこういうのが流行ってんの?

 

「ごめんなさい。ロシアの暮らしが長くて日本にあまり慣れてないところがあるの」

「そうだったんですね。初耳です」

「亜里沙、それは飲み物じゃないの」

「……ハラショー」

 

 ん?ハラショーってなに?多分、ロシア語なんだろうけど全く意味が分からない。”おでん”と関係している意味なのかな?

 

「悪いけど、別の買ってきてくれる?」

「うん!任せてお姉ちゃん!」

 

 ……不安だ。

 ここの公園の自販機は、なぜかネタ系の飲み物ばっかりだし。設置した人は何を考えているのやら。

 

「絢瀬先輩、理事長の言っていたヒントわかりましたか?」

「いいえ。全然わからないわ。御影君はわかったの?」

「まあ、ざっくりとですけど」

「教えて!」

 

 いつもとは違う、力強い声で俺に聞いてきた。だいぶ迷走してたんだろうな、答えは出なかったぽいけど。

 

「これは自分で理解しないと駄目なんで、別のヒントなら教えられますけど」

「ヒントでもいいわ、知りたいの。なんでかわからないけど答えが出ないと駄目な気がするの!!」

「ちょ!ちょっと!落ち着いてください絢瀬先輩!」

 

 絢瀬先輩が至近距離に顔を寄せてきたため、いったん落ち着かせた。こっちまでテンパったよ……

 

「教える代わりに、こっちからも聞きたい事があるんですけど、いいですか?」

「ええ、大丈夫よ」

「じゃあ、まずはヒントから。生徒会長として廃校を阻止することが絢瀬先輩のやりたいことですか?」

「……」

「あとは自分で考えてください」

「わかったわ、ありがとう。それで聞きたい事は何?」

「なんで、μ’sを敵視しているんですか?」

 

 μ’sだって、廃校を阻止するために活動している。そこは絢瀬先輩と一緒だ。

 なのに、何で絢瀬先輩はμ’sに対して厳しくしているのか。ずっと疑問だった事を聞いてみる。

 

「私にとって、スクールアイドルは素人にしか見えないの。1番上手いと言われているA-RISEでさえもね」

「なんで、素人なんて言えるんですか?」

 

 自分に沸き立っている怒りを抑えながら言う。

 なぜ、あんなにも人を惹きつけるのに素人だなんて言えるのだろう。

 

「……私ね、昔はバレエをやってたの。ロシアでね」

「バレエですか……」

「そう。賞もいくつかは貰ったけど、上手い子たちには歯が立たなかったわ。それに比べ、μ’sは素人のようなダンスをしているようにしか見えないの」

 

 そう言って、絢瀬先輩はカバンの中から音楽プレーヤーを取り出して映像を流し始めた。

 その映像には1人の女の子がステージの上で踊っている。その子の踊りは本当の意味で人を惹きつけていた。

 今のμ’sと比べてもレベルが遥かに上回っている踊りで、いままでのμ’sは何をやっていたんだろうと思ってしまった。

 そこに1つのアイデアが浮かび上がった。

 

「これが、私の最後のバレエよ。どうだった?」

「絢瀬先輩……μ’sにダンスを教えてあげてください!!」

「その話はテストが終わった後でしましょう」

 

 そして、絢瀬先輩は亜里沙ちゃんを連れて公園から去っていった。

 

 

 ~*~

 

 

 放課後、部室ではそれぞれが机の上に、返却された解答用紙を広げていた。

 俺、真姫、海未の点数は全部90点以上という高得点。

 花陽、ことりは70~80点の間で赤点を余裕で回避した。

 

 そして1年生の赤点候補である凛は……英語が59点で赤点を回避。

 3年生(笑)であるにこ先輩は……数学が67点で回避。さっすが部長!

 

 最後に穂乃果は……数学が53点で赤点回避!!

 

「よっしゃ!誰も赤点じゃないから、”ラブライブ!”にエントリーできるぞ!」

 

 全員が歓声をあげながら理事長室に向かう。そして、理事長室のドアを開けると――――

 

「そんな!説明してください!」

 

 俺らの前に絢瀬先輩が先客として理事長室に来ていた。

 

「ごめんなさい。でも、これは決定事項なの……音ノ木坂学院は来年より生徒募集をやめ、廃校とします」

「「廃校……?」」

 

 残された時間は予想よりも短く、刻々と廃校に向かってきている。

 

 

 




そうです。徹君は勉強できる子なんです……作者とは違うんです。
まあ、自虐ネタはそこら辺に置いといて。

いよいよ今日から、ラブライブ!サンシャイン!!のアニメが始まりますね!
ハーメルンにもサンシャイン小説が増えるんですかね?
ちなみに、私はいまのところ曜ちゃん推しなので、曜ちゃんの小説が増えて欲しいなぁ

twitter始めました!執筆状況などつぶやきます。
https://twitter.com/toranakaku

それではまた!
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