お姫様はヒッキーとの話で自分のする事が見えて来たような気がしました。自己満足の為の他人優先!予想がつかないから面白い!お姫様はこの二つ考えを今の自分の悩みに当てはめました。自分が友達の恋を成就させたという自己満足を求めて魔法のリップクリームは結衣に上げてしまおう。予想がつかない自分と王子様の恋愛は自分で苦労して苦悩しながら楽しんでみよう。というか逆は無理、自己満足を求めて魔法のリップクリームを使わずに結衣の恋愛の手助けをするのは自分には無理だと思ったのです。幸運にも自分がした事は国王様をはじめとする国中の人達から評価して貰え、そのおかげで国内の鍛冶技術の向上という仕事を国王様から任されました。その為、お姫様は郊外に出掛ける機会が多くなる予定で今までの様に結衣のカフェに遊びに行く訳にはいきません。そんな状態でお姫様は友達の恋のサポートなど出来る筈がないと思ったのです。魔法のリップクリームを自分で使う事に全く未練が無くなった訳ではありませんでした。王子様と恋をしたい、王子様に愛されたい気持ちは今でもお姫様の心の中に強く、大きく存在しています。
しかしそんな気持ちや自分の立場を全部ひっくるめて考えを整理整頓し、割り切り、踏ん切りをつけたお姫様は凄くスッキリした気持ちになりヒッキーの店を後にしました。城下町の商店街を歩いていても先程の様に周りが全く見えず暗鬱な気持ちになんかちっともならずに普段通りに歩けている事をお姫様はとても嬉しく思いました。これなら大丈夫!結衣と会って彼女の恋を応援してあげられる!そう確信してお姫様は結衣のカフェのドアをくぐりました。
「コンチワ~」
「優美子!いらっしゃい、さっきはどうしたの?っていうか時間が無かったんじゃないの?」
「あ、うん。仕事の事でアレコレ打ち合わせが必要だったんだけど思ったより早く済んだから、ちょっと寄ってみたんだ」
「仕事の事?優美子、何か仕事を始めたの?」
「家の仕事の手伝い。今までも少しはやってたんだけど親から一部門任される事になってさ」
「へ~、凄いじゃん。牧場のどんな仕事を任されたの?」
「あ~、もっと仕事が効率良く出来る様になる為の道具作り。鍛冶屋さんなんかに協力して貰いながら新しい道具を作る事になったんだ」
「鍛冶屋さんに協力!?だったら」
「うん。ヒッキーにも少しだけ協力して貰うつもり。なにしろ国王様からお墨付きを貰う程の鍛冶屋さんだし」
「そうだよね、それがイイよ」
「・・・結衣、なんでそんなに嬉しそうなの?あーしがヒッキーの奴を仕事で引っ張り回せばあいつ自身がもっと忙しくなって結衣が会う時間が減っちゃうんだよ?」
「それはそうだけどさ。友達が頑張るのが嬉しくない訳ないじゃん。それに・・・」
「それに?」
「国王様からお墨付きを貰うほどの腕前を持った鍛冶屋さんになったヒッキーはカフェの娘なんかより貴族のお嬢様と鍛冶工房をやったりした方がいいと思うんだよね」
「ちょっとナニソレ?」
「この間、ヒッキーがお城からの命令で郊外の町や村で鍬造りの技術指導をする為に十日ほど店を留守にしたんだけど、その時に雪ノ下家の次女がヒッキーをお抱えの鍛冶屋にする考えがあるって言ってたの」
「雪ノ下家のお抱え!?」
「うん、それどころかそれで不満なら鍛冶工房の共同経営者としてお金を出してもいいって」
「共同経営者って・・・それってアレじゃん」
「うん、雪ノ下家のお嬢様はヒッキーとそうなる事を望んでるんだよね。もちろん私だってヒッキーとカフェを共同経営出来ればいいと思ってるよ。て言うかむしろそうなりたい。けど今のヒッキーにとってはどっちの方かいいかと言えば・・・やっぱり」
「結衣、あんたマジで言ってんの?」
「マジって言うか、現実的に考えればそうなっちゃうじゃん」
「そんなの現実でも何でもないよ。現実って言うのは目の前で起こった事を言うの。自分の頭の中でうじうじ考えた事じゃないっしょ」
「けど・・・」
「結衣はどうしたいの?」
「どうしたいって・・・」
「ヒッキーと結ばれたい?それともヒッキーの為に身を引いてあげたい?結衣が本当に望んでいる事を教えて。あーしはそれを応援する、ただコレだけは言っておくけど自己満足出来ない他人優先は絶対しちゃダメ!他人優先で行動するなら後悔しない為にも、ちゃんと自分で考えてからにして」
「優美子・・・そこまで言う」
「実はさ・・・あーしも好きな人が出来たんだよね」////
「え!ホントに」
「う、うん。隣の国で同じ仕事をしている人なんだけど」////
「いいじゃん、それってやっぱり仕事をしてて知り合ったの?」
「まあ、そんな感じ・・・ただ、どうも後で親から聞いたところによるとあーしを隣の国に行かせたのはお見合い的な意味合いもあったらしいんだよね」////
「へ~、お見合いか。どんなだった?」
「い、いや、その時はお見合いだって知らされてなかったし仕事の話をしただけだったんだけど・・・凄いイケメンでさ・・・一目惚れしちゃった」////
「一目惚れする程のイケメンなんだ。差し詰め優美子にとってはその人は理想の王子様だね」
「王子様・・・まあ、そんな感じかな」
「なんて名前なの?」
「・・・隼人・・・隼人さんって言うんだけど」
「隼人さんか~、これは一度時間を作って隣の国まで見に行かないとだね。今度はいつ会うの?あたしも一緒に連れて行ってよ。私、優美子の好きになった人を見てみたい」
「そんな見世物じゃなっつーの。それに・・・会うなら二人で会いたいし」////
「うわ~~~っ!優美子がデレた!」
「そう言う冷やかしヤメロって。姫菜にも散々からかわれてるんだからさ」////
「え、姫菜も知ってるの?」
「う、うん。ちょっとと言うか、かなりと言うか・・・知恵を貸して貰ったし」////
「ひょっとして姫菜は隼人さんを見た事があるの?」
「うん」////
「ひど~い。なんで私も誘ってくれなかったの?私も隼人王子見てみたいのに~」
「いや、隼人王子って・・・アレは姫菜があーしの知らない所で勝手にアレコレして、勝手に付いて来ちゃっただけだし」
「ホントに~、まあいいや。今度姫菜が来たらじっくり話を聞かせて貰おうっと」
「と、とにかく。あーしはあーしで自分の恋を頑張るつもりだし、結衣にも同じくらい頑張って欲しいの。だから結衣が本当にどうしたいのか教えて」
「・・・もう、そんな風に言われたら諦め切れないじゃん。頑張るしかないって感じ」
「だったら応援してあげる。今度来る時に前に言ったちょっとイイ恋愛アイテムを持って来るから楽しみにしてて」
「恋愛アイテムって・・・それって優美子が使わなくていいの?」
「それも考えたんだけどさ。あーしが隣の国に行ったのは言わば結衣の為にそれを手に入れる事が目的だったんだし、それはそれで達成しておかないと気分が悪いんだよね」
「え!優美子、その為にわざわざ隣の国まで行ってくれたの」
「前に言ったっしょ。ちょっと時間が掛かるって」
「けど、いくらなんでも、そこまでして貰うのはちょっと。やっぱり優美子が使うべきだよ」
「結衣、あーしがそうしたいだけだからさ。結衣の恋を応援したい、自分の恋も頑張りたい、どっちもあーしが自分で望んだ事なんだから気にしないで。と言うか受け取って貰えないと逆に気分が悪いし」
「そっか・・・なんか優美子らしいよ。じゃあお言葉に甘えてありがたくその恋愛アイテムを使わせて貰うよ」
「うん、そうして。あ!ゴメン注文もしないで長話しちゃって。そうだ!ミートパイ四つ持ち帰りで頼めるかな」
「無理に注文しなくてもいいんだよ」
「いいの。一度うちの親にこの店のミートパイを食べさせたかったんだよね。出来れば家族で食べに来たいくらいだし」
「じゃあ腕によりをかけて作らないとね。隼人さんにも会ってみたいけど優美子のご両親にも会ってみたいからさ」
そういって結衣は厨房にお姫様の注文を伝えてに行きました。一人、店の中でお姫様は自分が結衣とちゃんと恋の話を出来た事を凄く嬉しく思いました。そしてそれ以上に自分がちゃんと割り切れた事、踏ん切りをつけられた事が嬉しくて溜まりませんでし。
いつの間にか顔がニヤけ、指先が落ち着きなくトントンと組んだ腕を叩きます。そしてお姫様の頭には郊外の町や村への技術指導と隣国へ行くスケジュールをどうやって調整しようか、どんな理由なら両親を納得させて隣国まで出掛けて行けるかを考え始めました。自分の仕事の事はともかく、自分の好きな人に会う為の方法や工夫を考える事はお姫様の顔を更にニヤつかせます。しかも無自覚にです。当然、出来上がったミートパイを持ち帰り用に包んで持ってきた結衣にもその顔を見られてしまいます。
「ゆ、優美子・・・?」
「・・・」ニヤニヤ
「優美子っ!ミートパイ四つ出来上がったよ!」
「え!あ、ああ、アリガト」
「大丈夫?なんかボーっとしてた・・・というよりニヤニヤしてたけど」
「う、うん大丈夫、超ダイジョウブ」////
「その顔・・・さては隼人王子の事を考えてたな~」(^。^)
「いや、その・・・」////
「もう、優美子ったら案外乙女だね。所構わずニヤニヤしてると危ない人だと思われるよ」
「そ、そんな事ないし」////
「けど考えてたんでしょ」
「・・・うん」////
「じゃあ、その続きは家に帰ってからにしなよ」
そういって結衣はお姫様にミートパイの入った包みを渡すと、笑顔でお姫様の背中を押してお姫様を店から追い出してしまいました。懐には焼き立ての暖かいミートパイ、背中には結衣の暖かな気持ちが感じられる手の感触。すると二つの異なる暖かな感触に挟まれている心までもがホンワカと暖かになっているのを実感しながらお姫様は上機嫌でお城へと帰っていきます、表情が千変万化するお姫様を見てアタフタと心配する材木座の様子にも気付かない程の上機嫌でお城へと帰って行きました。そしてお姫様は国王様、お妃様、大臣の三人にミートパイを振舞いながらヒッキーに対する対応や城下の他の鍛冶屋への技術向上の手助けをさせる事を相談、報告して了解を貰いました。
「しかし、この様に食事をしながらの交渉とは・・・」
「いいではありませんか。せっかく優美子が城下で自慢のミートパイを買って来てくれたのですから」
「うむ、中々旨いではないか。これなら焼き立てはさぞ美味いのであろうな」
「なら今度、みんなで食べに行こう。あーしが案内するからさ」
「姫様、それはどうかお止めください。城下はおろか城の中まで大騒ぎになってしまいます」
「じい、もう誰にもあーしを止められないよ♪」
お姫様は一人、先にミートパイを食べ終えると駆け出す様に部屋から出て行ってしまいました。そんな様子を見ていた国王様と大臣は
「お元気になられたようですな」
「うむ、あれならもう大丈夫だろう。大臣、優美子が無茶をし“過ぎ”ない様、注意しててやってくれ」
「多少の無茶は前提でございますか・・・已むを得ませんな」
いつまでもお姫様が出て行ったドアを見つめながらそんな国王様と大臣の会話を聞いていたお妃様はお姫様が迷いを振り切って何らかの決心をした事を感じ取り、お姫様の事を頼もしくそして一層愛おしく感じていました。
「あなた、そして大臣。どうやら優美子は一歩大人に近づいたようです。どうか子供扱いをするのはお控えくださいね」
お妃様は嬉しそうにそう言うと国王様と大臣はキョトンし黙り込んでしまいました。そうしてお姫様は気持ちが準備万端になると一層仕事に精を出します。執務室で城下町の鍛冶屋での郊外の鍛冶職人の研修制度を提案し、その具体化を始めました。第一に国中の鍛冶職人のリストを作成する為に兵士を国中に派遣し、その名前と住所と技術のレベルを一覧化すると、第二に城下の鍛冶屋の設備を確認させ研修の受け入れが出来る店と出来ない店を区別してリスト化。第三にその2つのリストを擦り合わせる様に研修スケジュールを組み始めます。一人およそ三か月を目途にして郊外の全ての鍛冶職人に研修を受けさせる様に計画を組みます。しかし二つのリストを擦り合わせると郊外の鍛冶職人の数が城下の研修を受け入れ出来る鍛冶屋の数より圧倒的に多いので、第四に順番が後回しになる鍛冶職人や町や村での鍛冶技術の向上に対するモチベーションを下げない為にお姫様自身とヒッキーが国内行脚で地方の貴族や町や村の長と会う事と技術指導も合わせて行う事も考えます。
大勢の鍛冶職人と城下の鍛冶屋の組み合わせという複雑なパズルを少しずつ組み上げては鍛冶職人や鍛冶屋のスケジュールを確認し、調整をします。その繰り返しを何度となくやっていくと、どうにか一週間ほどで研修スケジュールが完成しました。更に第五にその研修の受け入れをしてくれる城下の鍛冶屋に研修の褒賞、そして研修生の給与に相当する額の奨学金を出す事と郊外から城下までやって来る鍛冶職人の往復の旅費を出す事、そして最後にヒッキーを含めた城下の鍛冶屋を集めて指導要綱の作成とそれをクリア出来た職人に対する城からの認定証を発行する事と研修制度を悪用した人間を厳しく罰する旨を決定しました。そして計画は大臣を通じて国王様に承認を貰い正式にお城からの御触れとして交付しました。城下の鍛冶屋に郊外から鍛冶職人がやって来るとお姫様はそれぞれの鍛冶屋を視察に行き研修を充実したものにする様、励ましの言・・・と言うよりほぼ脅迫の様な言葉を掛けて行きました。発案・企画・制度策定の陣頭指揮、更には国王様への承認申請と現場視察もこなすという正に八面六臂の大活躍でした。そうして第一期の研修生が全て城下の鍛冶屋にやって来ると、お姫様はやっと一息つけました。しかし、この後にはヒッキーを連れての郊外への技術指導と各地域の実権者への面会の仕事がありますから、そうそうのんびりもしていられません。お姫様は郊外に出掛ける前に、結衣に魔法のリップクリームを渡す事を決心しました。
お姫様は足が遠のいていた図書室に向かいました。心配を掛けた姫菜に自分の決心を聞いて貰う為にです。ちょっとだけのためらいを持って図書室のドアを開けると姫菜が少し怯えているかの様な態度を見せますが深く呼吸をし直すと
「ゆ、優美子!・・・久しぶり」
「うん、久しぶり」
「あ、あのさ・・・」
「心配かけてゴメン」
「え!?」
「もう大丈夫だからさ。あーし決めたから」
「優美子・・・」
「魔法のリップクリームは結衣に使って貰う。隼人王子との恋は苦労しながら、悩みながら楽しんでみようって決めたから」
「本当にそれでいいの?」
「うん。いろいろ考えたんだけど、これが一番だって思ったし。だから明日、結衣のカフェに魔法のリップクリームを持って行くから付き合ってよ」
「分かった。優美子がそう決めたんならそうしよう。けど、どうやって決心したの?」
「どうやってって・・・まあ、あちこちで愚痴ってさ。あれこれ考えて」
「あちこちで愚痴る・・・優美子がこんな事を愚痴れる相手なんているの?一体誰?」
「そ、それは・・・」
「国王様やお妃様じゃないよね。あの2人なら愚痴をこぼすどころか、ああしろこうしろって言われまくりでしょ。かと言って大臣じゃあ心配しまくりで余計にアレコレ考え込んじゃいそうだし・・・けど、まさかざい・・・チューニ君じゃないだろうし」
「・・・ヒッキーだよ」
「え、ヒッキーさん。優美子、ヒッキーさんに相談しに行ったの。そんな事したら結衣に協力する事がバレちゃうじゃん」
「あーし、そこまで馬鹿じゃないし。ちゃんと隠すべき事は隠したから」
「けどヒッキーさんか~・・・確かに私達の同世代の人間で丁度いい相談相手かもね」
「うん・・・無関係じゃないけど余計な事を全然知らないし、何よりあーしが王家の娘だって知ってるのに全然遠慮ないしね」
「そういえばヒッキーさんって国の郊外を回った時も優美子に丁寧な言葉遣いはしていたけどかなりフラットな接し方してたよね。なんて言うの、こう変に持ち上げ過ぎないって言うか」
「言えてる。無礼だけど適当に距離があるせいで、こういう話がし易いっつーか」
「ふ~ん・・・」
「なに姫菜、どうかした?」
「うん。ちょっとね・・・結衣が少し羨ましくなっただけ」
「結衣の事が?なんで?」
「結衣にとってのヒッキーさん、優美子にとっての隼人王子、まあ隼人王子は雲の上の人で私にとっては縁の無い人だけどヒッキーさんは同じ平民だし何か巡り合わせが違えば結衣より私の方が先に知り合えたのかなって・・・そう思っただけ」
「え!姫菜、ああいうのがタイプだったの?」
「タイプって言うか、仕事は出来るし、頼りになるし、鍛冶屋の跡取りで将来性もあるし、まあ、あの目つきは少々問題あるけど基本目鼻立ちも良いし結構優良物件だと思うんだけど」
「まあ否定はしないけどさ・・・ふ~ん、姫菜ってああいうのがイイんだ」
「まあ今更どうこう出来ないけどね。今は私も結衣を応援している立場だしさ」
「それでいいの姫菜?自己満足出来ない他人優先は控えた方がイイっしょ」
「自己満足出来ない他人優先?ひょっとしてそれがヒッキーさんのアドバイス?」
「そんな気の利いたモンじゃないっつーの」
「大丈夫、今の私は百%結衣の応援団だよ。尤も結衣がフラれてヒッキーさんがフリーなら考えるかな」
「それ、超ムリだから」
「なんで?可能性は低いかもしれないけどゼロじゃないでしょ」
「ゼロじゃないけどさ、あいつ結衣か雪ノ下の次女かを自分で決めるつもり無いらしいし」
「どういう事?」
「どっちも良くって自分じゃ決められないから、どっちかが諦めて言い寄る女が一人になるのを待ってるって言ってたし」
「ナニソレ・・・それって女にとってスッゴクしんどい話じゃん」
「言えてる。けど、この話を聞いた時はあーしも自分で決められないって言うのは同じだったからさ。それも、しょうがないんじゃないかって思った」
「それを聞いたからには結衣が諦めるまでは応援するしかないか」
「それでイイの?」
「自己満足が出来なくても、義理と人情を秤に掛ければ義理が重いのが女の世界でしょ」
「そんな貴族や王族みたいな事言っていると損しちゃうって」
「普段そういう人間と付き合いがあるからね。少なからず影響を受けちゃうんだよ」
「アリガト・・・姫菜」
そして、その翌日に結衣のカフェに出掛ける為にお姫様はいつも通りお城の門の近くの部屋で平民の服に着替え始めましたが、その時、お城の門に大人数の行列がやって来たのが窓から見えました。
「ナニ?あの行列?」
― 続く ―