銀色の船が空に見えた時、
これは、彼の『炎』がしたことじゃない。それだけはすぐに分かった。
……ううん、それだけじゃない。
『耳を
私は胸が悪くなって、周りに当たり
そのことでシャンテさんが私を
私が、悪者だって言ってた。
……だけど、私はどんな悪いことをしたの?
私は彼の言いつけ通り、ただ、待っていただけ。彼が、すぐに帰ってくると言ったから。彼の足を引っ張りたくなくて……。
……違う。分かってる。
自分で彼に打ち明けたじゃない。
私は、自分の
彼が
……どうして?どうして、そんなことをさせたの?
怖かったから?
彼を助けてあげられる自信がなかった。自分が自分でいられる自信がなかった。
私は誰かを巻き込むことでしか戦えない。
でも、『力』を使わない私が戦場に立っても、ほとんど意味なんかない。二人を混乱させるだけ。
……いない方がマシだったんだ。シュウだって、そう『言ってたじゃない』。
でも、結局私はどこにいても皆の
私の『力』は日に日に
ついさっきだって、私はシュウを殺そうとした。誰の手も汚さず、彼の心臓だけを
そして、殺す『力』は強まっても、この腕の中いる彼に私は何もしてあげることができない。
あれだけ彼を護りたい気持ちで
あれもこれも
これが、私の『力』なの?
私は、何をしているの?
――――見知らぬ人に手を引かれ、私たちは銀色の船に乗せられる。
大きくて
その姿に
何もできない私を
でも、私には関係ない。
沢山の人も、勇者も私には必要ない。夢も未来も何もかもいらない。
この人さえ無事でいれば。この人さえ笑っていてくれたなら、私はそれでいい。
私を『リーザ』と呼んでくれる彼だけでいい。
それなのに、
リリー……、
……誰かが私の
今まで私を
……ダメ、違うの、止めて。
今はお前の『声』を聞きたくない。
お前の『声』が邪魔で、彼の『声』が聞こえないの。
だからお願い、話しかけないで。彼を独りぼっちにさせないで。
私が彼の『声』を聞いていなきゃ、彼は迷子になっちゃう。『あの人』が彼を連れて行っちゃう。
彼の
『あの人』に、彼を渡したくないの。
もう、『悪夢』に光を
私はもう、彼なしに生きていられない。
笑う彼を見て
怒る彼に
リーザは『魔女』だから。
だからお願い。これ以上、私に話しかけないで。
……お前じゃ、ダメなの。
リリー……、
……誰にも渡さない。
この
アナタと歩いた町。アナタと
……アナタとキスをした瞬間。
アナタとした何もかもが
もしも、誰かがアナタを殺すなら私がその人を殺すわ。
アナタが望むなら、『あの人』とだって戦ってみせる。
だからお願い、帰ってきて。
私を、置いていかないで。
抱き締める彼の体は、とても熱い。
私がどんなに呼び掛けても『返事』は返ってこない。
まるで、「炎」そのものにでもなってしまったかのように。
――――目を
地面には見たことのない
海が見える。
……不思議なところ。
すぐ傍には数人の男の人の影があった。
彼を抱く私の手を引いて、
……声が、聞こえない。
恐い。恐いけれど、彼の
でも、やっぱり恐い。
……何処に行くの?
声が、出ない。
……ねえ、何処に行くの?
……嫌だ。
誰にも渡さない。
これは、私だけのもの。
誰にも……、渡さない。