「“
「……」
「それで?どうだった。
ただの
「
彼女の『力』もそうだが、竜の死に方そのものにも
俺を
俺が感じた「眠気」は竜を「
そこがどうしても
……
俺たち
だが、それでも、「
――――
俺に対して言った彼女の
そんな気がしてならない。
「シュウ。」
竜の周りをグルリと回り、観察していた彼女が俺を呼んだ。
「…どうした。」
「ここに、何か書いてあるよ。」
彼女の
文字は
「…サシャールダッド・パラ・ゲニマイ。…分かるか?」
聞いたことのない名だ。指名手配中の魔導師でもない。
「さあ、知らないね。」
「……ゲニマイ、ゲニマイ、ゲニマイ…。」
頭の中でさらに
「考え事なら歩きながらでもできる。先を急ぐんだろ?」
「…そうだな。」
「それで何とかなるもんかい?」
回収できたものは
「無理でも進むしかないな。」
最悪の場合、俺やエルクはこのまま姿をくらませば
だが、バスコフとリゼッティはそうもいかない。
二人を見捨てないのであれば、先に進むしかない。
「食べておけ。」
彼女は
あれ
「…静かだね。」
「……」
彼女と同じことを考えていた。
虫の
それが逆に息を
そうして歩くこと10数分。進行方向に待ち受ける何かに対し、第六感が本格的な
「何か見つけたのかい?」
「……分からない。だが、気を付けろ。」
そう言った直後、もはや五感でさえもその危険性を感じ始めていた。
その
「……何だい?この臭い。」
数分後、彼女は俺と同じものを感じ取り、思わず声に出していた。
それだけ、「臭い」はこの環境に
……腐臭だ。
だが、今回のそれは
さっきの竜は10mも
そこから
そこはこれまでの
「……こりゃあ、いったい何なのさ。」
もしも「
腐臭が
そんな光景が広がっていた。
「アタシゃ、今ほど自分の目を
腐臭は8体にも上る巨大な竜の
凍死した竜から感じていた薬品の臭いは笑い声に食い
骸は、その全てが何かとてつもない火力のものに焼き切られ、五体満足のものはない。
そして、やはりどの遺体にも「ゲニマイ」の名が刻まれていた。
…ゲニマイ……誰だ。これ程の数の竜を
それは8体の竜を
俺は影も形も
……
ガルアーノという一つの国を
生活を
アルディアのマフィア、スメリアのアンデル、軍事国家ロマリア、そしてアーク。
だが、シャンテの『力』を
そして今、それは
俺と「世界」との
――――まさか、こんなことになっていようとはのぅ……
「!?」
この異常な光景を説明する何かを探す俺の背後で、彼女の空気が
「どうした。」
振り返り、目にした彼女の
「この先に、誰かいるよ。」
……
おおよそ100m先。巨大な岩山の
だが、尻尾は
「……人か?」
「多分ね。それに、ジジイだ。それもだいぶ年のいった…。」
尻尾の
「一人か?」
「分からない。今のところジジイの声しか聞こえてこないけど、何かに話し掛けている
魔術師であれば
何にしても、その老人がここにいる竜全てを相手にしたというのであれば、敵味方
「
俺はシャンテを残し、黒い尻尾を
……そうだ。俺は表にいる人間を影に
そういう人間だ。
それができる人間だ。
「気づかなんで本当にすまなかった。」
だが、その息は今にも
そして――――、
さらに
それはまさに絵本の
「……安らかに眠るがいい。」
今まで見たものよりも二回り大きい黒竜が横たわっていた。
――――人影。
それら全てはミルクよりも白く、羊よりも
それは百という
やがて、老夫に
「……のぅ、お主ら。」
「?!」
老夫の
彼の傍に人影はおろか、虫や獣の姿もない。その問い掛けは間違いなく俺に向けられていた。
俺が老夫と竜の光景に
だが、どちらにしろこの老夫がただ者でないことだけは確かだ。
「不老や不死は人にどんな
俺の
不老不死?それがこの老夫、もしくは
今分かるのは、この老夫がこれまでの黒い竜らを
……いや、待て。「お主ら」だと?
「ハッ、そんな化け物みたいな奴を指して”人”だって言ってる時点でアンタは
「!?」
声の主が老夫に
彼女が近付いていたことに
振り向けばそこに
「死なねえことが人間の求める幸せだってんなら戦争も病院もこの世にありゃしないんだよ。それに、知ってたかい?そんなバカなことを言う奴に限って死にたがりなんだよ。しかもヤツらはいつだって誰かを道連れにしようとしやがる。悪魔より悪魔みたいなヤツさ。」
予想以上の
その
「ホッホッホ。
「…ジイさんはそうは思わないのかい?」
「いやいや、その答えは
「それで?ジイさんはアタシたちの敵なのかい?」
そうだ。少なくとも今の俺たちにとって最も重要なことはその一点を置いて他にない。
引き金を引くべきなのか。そうでないのか。
だがもしも戦闘になった場合、俺は
「ホホ、
「でも、味方でもないんだろ?」
「それはお前さんたちの
他ならぬ「不死」が話題に上がったからには。
そして、
俺と彼女ではこの老夫に
黒竜を撫で殺してしまうような実力を持つ相手に、
そもそも、この老夫は俺たちの戦うべき相手じゃない。
老夫もまた、そうであるはずだ。
「魔導師ゴーゲン、スメリア王暗殺の
老夫があの青年の
今となっては、あの青年がスメリア王暗殺の犯人であるとは思っていない。万が一そうであったとしても、それは
だが、
第一、ギルドにおけるアーク一味の情報は少ない。現在の彼らがどういう
老夫が
それに、そこはかとなくあの好青年の身内とは思えない”悪意”のようなものが、この老夫からは感じ取れた。
もしも、現在この老夫が青年と敵対関係にあるのなら、
老夫の目的がアンデルやガルアーノでないのなら、それを話したところで意味もない。そもそも、竜一匹に手こずるような俺たちが
今はただ、何も知らないフリをしていた方が良い。
「……ホッホッ、さすがに
老夫は俺の
そして、この会話に
魔導師ゴーゲン。
「
だからこそ、老夫がその杖を振りかざすまで俺は問い続けた。
「サシャールダッド・パラ・ゲニマイ、これもお前たちの仲間の名前だな?」
竜の足首に
だが、この老夫がわざわざこの場に姿を見せている以上、無関係ではないはずだ。
「ホッホッホッ。あの文字が読めるとはお前さん、中々に
「質問に答えてもらおうか。」
「まあ、どうでも良いではないか。少なくともお前さんには
「関わりならある。俺たちはここに来るまでに奴の操る竜に襲われた。…もう一度同じ質問をするべきか?」
「今現在、お主らは生きておるのだろ?なら話しはここで終わり。それで良いではないか。」
言うと、老夫はわざとらしく
「なぜ答えない。お前たちにとって
「関わらぬ方がお主らのためというだけよ。ロマリアにも、ガルアーノにもな。」
「……なぜ知っている。」
バスコフ、リゼッティの根回しもあって、俺たちがガルアーノと敵対していることは
だとするのなら…、
「なに。お主にこびり付いた『炎』の臭い、女神さんの首を落とした時に
『炎』……、エルクのことか。
どういう目的だったのかは分からないが、少なくともあの
「あの
シルバーノアの出現とともに、青白く
通常の落雷でああはならない。
あれは人が
「どうだ。キレイじゃったろ?敵とはいえ、女の晴れ舞台じゃ。少々力を入れてみたんじゃよ。」
この言葉を信じて良いのなら、この老夫がまだアーク側の人間である可能性は高い。
……どうする。アークと接触したこと、俺たちの本当の目的を伝えるべきか?
「ホッホッホッ、そう難しい顔をせんでもよい。さっきも言ったが、
「……お前たちはいったい、何者なんだ。何を
10名
時に思いもよらない行動を起こす
それなのに、彼らの落ち着き払った
……だが、この老夫と話している内に、この異常な部隊の説明をする
「アークからは何も聞いておらんのか?…まあ、
老夫は俺たちが青年と接触したことも知っている。どうやら彼が今もまだ青年の身内であることは間違いないようだ。
「まあ、一言で
「何?」
「世界を
「…
「……」
「……”アーク一味”という少数精鋭の部隊はカモフラージュだ。お前たちの本当の名前は”レジスタンス”。お前たちの目的は世界
……ホッホッ……、ホッホッホッホッホッ………
※シャンテの力
前回、彼女が黒い竜(ギアではありません。次回、解説します。)を倒すために使った魔法は「ダイヤモンドダスト」……と簡単に説明できればいいのですが、原作での「黒い竜(仮)」のレベルは47。平均的プレイ進行度でのシュウたちのレベルは30~40。
いくらシャンテの魔力が強いからといってダイヤモンドダスト一発。って訳にもいかないかなと。
だから今回は複合技というかなんというか、以下の能力が同時に発生したと思ってください。
ディスペル(アンデッド系専用の一撃必殺)
ディストラクション(魔力低下効果、今回はシャンテの魔法に対する耐性を下げたと思ってください)
天の裁き(光属性の広範囲攻撃)
スリープウィンドウ(眠り効果を与える補助魔法)
ディバイド(体力を奪い、自身を回復させる補助魔法)
ダイヤモンドダスト(水属性の広範囲攻撃)
これだけ一度にぶつければなんとかなるでしょ(笑)
※サシャールダッド・パラ・ゲニマイ
今はまだ彼についての紹介は伏せておこうと思いますm(__)m
※中近東
原作で言う「アララトス」「バルバラード」「アリバーシャ」辺りを指します。
私たちの世界でいうと、イスラエル、トルコ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア辺りのことです。
※象の墓
いつ頃取り上げられた話かは分かりませんが、野生の象の死体をほとんど見かけない人々が「象はどこか人には知られない特定の場所で死んでいる」と噂し始めたそうです。
実際は、肉食動物や微生物が短期間で分解してしまうため、滅多に見かけることがないそうです。
そもそも象は長寿(だいたい70年)らしいので、短期間で老衰による死が重なることはあまりないのかもしれません。
私は初め、「クジラの墓」というものがあると思っていました。
群れの鯨たちは同じ場所を死に場所にしている……という話を聞いたような気がしていたんです。
でも、そんなものはないみたいですね。
代わりに「打ち上げられた鯨の死骸は爆発する」だとか「ホオジロザメは水族館で飼育できない」なんて動画を見て調べものが終わってしまいました(笑)
これとは関係ありませんが、日本には捕鯨を
※シャンテの発言
「戦争も病院もこの世にありゃしないんだよ」
「戦争」
争いの中で命を落とす可能性が大きく、「命」を大切に思うのならそもそも「命」を危険に晒さないよねってこと。
「病院」
「命」を
っていうシャンテなりの嫌味のつもりです。
スゴク分かりづらかったと思います。でもこれ以外にハマる言葉が分からなかったので使いましたm(__)m
※老夫(ろうふ)
年老いた男。
……今まで勘違いして「老父」と書き続けていました。折を見て訂正するつもりです。すみません(~_~;)