聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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人の選択 その三

 ちょことヂークベックは猛烈な勢いと訳のわからないノリで城へ突っ込んでいく。対して騎士たちは石像(ガーゴイル)のように無反応を決め込んでいる。

だが、ひとたび彼らの得物、馬上槍(ランス)の間合いに入ったれば石化の呪いは溶け、嵐のごとく二人に襲いかかった。

その実力はエルクたちが肌で感じたように「軍のエリート」や「王直属の護衛」といった情報から想定されるよりも遥かに格上。「竜殺し」や「神々の遣い」というような伝説として語り継がれるレベルの強さを誇っていた。

けれどちょこもまたシャンテが太鼓判を押す「天然の怪物」。繰り出されるランスをくるりと躱し、巨人のごとき拳を振り下ろす。騎士がそれをいなし、ちょこの逃げ道をなくそうものなら高圧の水玉をぶつけて濃霧を生みだし騎士の視界を奪った。

「鬼さん、こちらなの〜♪」

「こりゃ、これじゃあワシも見えんじゃないか!」

「ありり。じゃあちょこが手を握ってあげててもいいの」

普通なら身を固めて相手の出方を窺うところでも騎士たちは意に介することなく濃霧をつんざき強烈な刺突でもって二人を追い立てた。

「ありゃー、やっぱりアナタたちすごいの」

「悠長なこと言っとる場合か!逃げるぞ!」

「ユウチョー?それって村長さんよりえらい人のこと?」

会話は噛み合わず連携もちぐはぐだが、それでも不思議と竜殺しと渡り合っていた。

突き出されるランスを素手ではたき、お返しにと地面をめくる。バランスを崩したところを銃で狙い撃つけれどひらりと躱され反撃を受ける。これをバラ撒いた自立式小型ヂークベック人形爆弾で牽制する。

二人の動きはトリッキーだが、騎士たちは踊り手のように華麗で隙がない。

「ぜんぜん当たらないの~」

まるでそういう茶番劇のように。打って打たれてを延々と繰り返す。

 

 だからこそこのバランスを崩さなければ。グルガは外縁で立ち回る一体に狙いを絞って斧を振り下ろした。それは騎士にとってなんら脅威のない大振りで、造作もなく躱すことができた。そこに生きたトラバサミがいなければ。

「――――!?」

グルガの巨体から突如現れたパンディットが騎士の足に喰らいついた。騎士は行動を制限され、ランスでグルガの斧を受け止めるしかなくなった。ランスの素材は一級品で、用途は違えど攻撃の一つや二つはたやすく受けられる。それが太陽(ブラキア)の加護を受けた英雄の一撃でなければ。

「――――!?」

斧はまるでケーキのスポンジのようにランスをやすやすと真っ二つにし、ついでに騎士の体を切り裂いた。背後に回っていたエルクも槍で胴を一突きにし、中から焼いた。

一人仕留めた。誰もがそう思った。

だが次の瞬間、ローブの内側が蠢いたかと思いきや、何かが飛び出し、グルガの頭を鷲掴みにした。

「うぐっ!」

それは硬い鱗に覆われ、巨体の動きをビタリと封じる屈強な爬虫類の腕だった。エルクの炎もパンディットの牙もどこ吹く風。騎士はそのままブラキアの巨漢を思い切り地面に叩きつけてしまった。

「グルガ!」

叩きつけられた衝撃で軽い脳震盪(のうしんとう)を起こし、グルガの怪力は完全に封じられてしまった。代わりに爬虫類の怪力がその握力でグルガを握り潰そうとしている。救出しようにも別の騎士が割って入り、エルクたちを遠ざける。

だが、騎士はまだ敵をすべて把握しきれていなかった。

突如、グルガの影から爬虫類の正体とも言えるドラゴンの頭が飛び出したかと思えば、騎士の胴から生える腕を躊躇なく噛みちぎってしまった。次に地面が隆起し、騎士本体を天高く弾き飛ばした。

リーザという司令塔を介したコンビネーションが「竜殺し」を上回った瞬間だった。

「ヘモ~~」

そこに『無関心』、『無気力』という隠れ蓑を取り払ったピンクの大男が現れ、その大口に腕を突っ込んだかと思いきや腹からモーニングスターを取り出した。グルグルと振り回し、落ちてくる騎士の頭部に遠心力を乗せた鉄球を思い切り叩き込んだ。

仲間(グルガ)の仕返しとばかりに地面に叩きつけられた騎士の頭部は完全に弾け飛んだ。「生き物」として生存する手段はない。にもかかわらず、そこから飛び出した臓器や血は独立して動き出し、分裂し、別の化け物へと姿を変えていく。

 

 割り込んできた騎士の黒い吐息が仮面の下から湧き水のように渾々と湧き出る。騎士から湧き出たそれが地面へしみ込んでいくと、砂糖水で誘き出されたアリのように石畳をひっくり返して白骨兵がわらわらと湧いて出た。

さらに黒い霧は知らずに肺に入れたエルクたちの胸を締めつけ、(ひる)ませる。

生き物としての本能が、そこに「天敵」がいるのだと警告していた。

次から次へと湧いて出る死者よりも、黒い息をするただ一人が危険だと。

臓器や血の変体も合わせ、怪物たちがパニック映画のように押し寄せてくる。気を取られたエルクの前に頭の潰れた騎士が躍り出る。ランスのように尖った腕がぐんぐんとエルクの視界を埋め尽くしていく。

 

ヤバい……ヤバい……

 

死の瞬間は世界が緩やかに見える。年不相応な彼をからかうのが好きな年長の仕事仲間たちの言っていた戯言。いつしかエルクはそれがこの界隈の挨拶なのだと体に馴染んでいった。そうしてついに「挨拶」自らがエルクの前に現れたのだ。

腕が亀のようにノロノロとやって来るのに対し、体はまるで石にでもなったかのように言うことを聞かない。ぐだぐだと陰口ばかりを叩き、酒場に入り浸る先輩たちのように。

そうしてそれが鼻先にソッとキスをすると、またも聞き馴染みのある風切り音が彼の耳を(かす)めた。

「……」

間一髪で腕の軌道が逸れ、ちぎれた耳をさらに削いで走り抜けていく。続けざまに一回、二回と風切り音が鳴ると、騎士は訳も分からないままその場に(ひざまず)かせられていた。

貴重な体験をした直後で呆然としていると、少年の首を黒く野太い腕が乱暴に引っ張った。

「目を覚ませ!」

「……あ、ああ。悪い」

グルガの一喝で正気を取り戻すと同時に、「弾道」の先を見た。そこに人影はまったく見えない。それでもあの人はそこにいる。エルクは緊張感を取り戻す一方で妙な安心感を覚えていた。

 

 しかし、雪崩てくる怪物(ザコ)に足止めを食っている間にちょこたちの相手をしている騎士の一人が弾道から狙撃手(かれ)の位置を特定し、ランスのグリップを持ち直して投擲の構えをとった。

「逃げろ、シュウ!!」

そんなことが可能かどうかを考えるよりも先に声が出ていた。そしてその叫びを掻き消すように、ミサイル(ランス)は放たれた。ただの鉄の棒が、数百メートル先の城の一部を木っ端微塵に吹き飛ばしてしまった。

「シュウーー!!」

構えてから着弾まで10秒とかかってない。いくらなんでも逃げられない。ガラガラと崩れていく様に目を奪われていると臓器の一匹がエルクの目の前に飛び出してきた!?

だがそれはすぐに見慣れた戦斧によって叩き潰された。彼の声はさっきよりも荒々しくなっていた。

「これ以上死人を増やしたいのか?!それともここで死にたいのか!?選べ!!」

「く……っ!」

もっともな言葉が無性に腹立たしかった。それでも大人しく視線を敵に戻すと、その腹立たしさを忘れさせる何かがそこにいた。

頭の潰れた騎士が脆弱な手足を捨て、灰色の細胞を樹齢数千年にまで膨張させた胴を地面にめり込ませ、彼らを上から見下ろしている。それは……

 

……どこかで……

 

「はい、タッチなの!」

残りの一人と追いかけっこを続けていたちょこがようやく騎士の体を捉えたにもかかわらず、あくまで「追いかけっこ」をしていただけなのだとその小さな手はソッと触れただけだった。

しかしそれが彼女の仕事だった。

 騎士の純白のローブに、対照的な黒々しい札が一枚貼りついていた。

「まずは一匹よ」

後方で待ち構えていたサニアがポツリと言うと、エルクたちを襲っていた白骨兵がボロボロと崩れ、ちょこの相手の前で高く高く積み上がっていく。

「わぁ、骨の怪獣さんなの♪」

いつかの海底油田で見せたサニアの秘術。ヤグンを噛み砕いた邪竜。それは肉も鱗も持たない。望まない死を遂げた怨念の白い心臓が連なってできている。ドラゴンの威を借りて吐き出す憎悪は「身に覚えのあるもの」にしか聞こえない。「身に覚えのあるもの」ほどけたたましい咆哮となって赤い脳、赤い心臓を求める。

そして、その騎士には咆哮が聞こえていた。

 すると、それまでちょこと互角に渡り合ってきたかの「ロイヤルガード」が、ソレを見るや異常なほどにうろたえた。ウサギが狼に睨まれるかのように震え、強張った。

違和感。

それは騎士の抑えられない感情によって凶悪な可能性へと姿を変えた。彼らに悪夢の再来を告げたのだ。

「キキーーッ!!」

突然、今の今まで人間然として戦っていた騎士がランスを地面に叩きつけ、恐怖を追い払うかのように石畳を捲り、地団太を踏み始めた。

そう、まるで()()()()()

「……まさか、そんなこと……」

絶句するサニアをよそに、完全に理性を失くした猿騎士はエルクたちを飛び越え、白骨の竜から逃げ出した。四つ足で。

怒りとも恐れともつかない感情に突き動かされ、(あぶく)と唾液を撒き散らし、サニアへと一直線に突進していく。

「リーザ、逃げろ!」

狂った猿は止まらない。咆哮でもって狂気を加熱し、襲いかかる。もしくは逃げ惑う。

今も猿の目にはサイコロを振る怨霊たちの姿が見えているのかもしれない。カラカラ、カラカラと転がる音が猿への恨みを叫んでいるように聞こえるのかもしれない。

それに比べたならピュルカの炎は水のように温く、魔女の声も、それに従う獣たちの牙も痒みしか覚えない。だのに、狼の放つ鉛玉は猿を転ばせた。

「……どうやって?」

もはや彼がどう立ち回っているのかも、どこを狙い、何を撃っているのかも理解できない。ただ一つ理解できることがあるとすればそれは、「アルディアの狼」に狙われたら誰であろうと無事ではすまないということ。誰も彼を殺せないということ。

「おいで~~♪」

混乱と狼狽、それでも起き上がろうとする猿の背後で緊張感のない声が響く。

巨大な朱色の石碑(オベリスク)がせり上がり、その頂点に立つ赤毛の少女が号令をかけると石碑の四面に描かれた瞳がパカリと開く。現れた瞳がギョロリと四人の騎士を捉え、水平線から現れる朝日のように眩しい光が放たれた。

対面する三人はそれすらもまだ痒いと各々の力で(しの)いだが、背中を見せていた猿だけは反応が一歩遅れ、頭を射抜かれた。

猿は仕留めた。だが絶望は続く。三人の瞳がそれを物語っていた。

「ありりぃ、お目々ちゃんもダメなの?あなたたち、本当にすごいのね!」

 

 戦う前から異様な強さだというのはわかっていた。けれど、それが何故かまではわからなかった。

騎士たちは一人として言葉を発しなかった。それに甘えて侵入者と番人として向き合ってさえいればそれに気づくこともなかったかもしれない。

けれど、()()()()()()サニアと猿のせいでわかってしまった。

あの醜い灰色の巨体の騎士も、黒い息を吐く騎士も、十中八九、本来そういう扱いを受けるべきじゃないモノたちの複製生物(クローン)なんだと。

そう思うとマスクの下にある見えない表情がありありと目に浮かんでくる。脂ぎった声が再会を喜び、鼓膜をねぶる。

「こんなの、俺たちだけでなんとかなるのかよ……」

鳥肌が立ち、猿の感じた恐怖が理解できたような気がした。

「なにを今さら。もとよりオリジナルでさえ確実に勝てる相手ではなかった。ならば今まで通りにやるだけだ」

今まで通り、グルガは言うけれど、そもそも猿の時もアルディアの癌の時も「今まで通り」じゃなかった。なんとなく、その場のノリで殺れただけだ。他の二体に関しては直接戦った経験すらいない。

 癌が、躾とばかりにヘモジーを血塗れにし、放り捨てた。気づいた彼らへの褒美とばかりに白装束を脱ぎ捨て、「肉」を露わにし、かつての姿をエルクに見せつけた。

「肉」のそこかしこに浮かび上がる顔が厭らしく笑い、「思い出」を語っているように見えた。

……今まで通り……

「……チッ!」

 

――――大丈夫、アナタならやれるわ

 

指輪が、彼の炎を少し熱くする。

 

――――ほら、前を向いて

 

目尻がメラメラと燃え、歯茎を赤く染めた

 

 

 少年は炎をまとい、暴言を吐き捨てながら突っ込んだ。なぜか癌は無防備な彼に手を出さない。すると、憎らしいあの男に見えると同時に彼女そのものに見えた。もう一度、私を燃やせと笑い、泣き叫んでいるように見えた。

たとえそれが何に見えても少年は立ち止まらない。その約束が彼の薬指で燃えている限り。

 

「炎」は連鎖する。その肥え太った体に蓄えた命の数だけ「彼女」の悲鳴が重なる。

 

――――イヤだ、イヤだ、イヤだっ!イヤだッ!!

 

自由になりたかったという命の叫びが聞こえる。

癌は一切抗わない。まるで「彼女の悲鳴」を堪能するかのように満足げに佇んでいる。もはやその怪物に闘う意志はない。それでもその狂った姿は護るために闘う者の刃を引き寄せた。

「ふんっ!」

佇む癌の太い首に、英雄の光り輝く戦斧が駆け抜ける。太陽を背に、黒い体の中で一際輝く双眸(そうぼう)が怪物を睨んだ。ざんばらな髪を振り乱し、島に残した愛しい娘を想って狂おしいほどに叫んだ。

「自由を!」と。

首が宙を舞うことはなく、ゴロリと落ちた。癌はそれでも笑い続ける。「これぞ愛だ!」と満足げに空を仰ぎ見る。

 

『エルク、危ないっ!』

息つく間もなく彼女の『声』がエルクの頬を叩いた。我に返り振り返ると、レーザーサイトの赤い光がエルクの目をチクリと刺した。

「――――ッ!」

直後、青く針の穴を通したようなか細い光がエルクの立っていた場所を差す。そこは一瞬にして数千度に達し、ドロリと溶解してしまった。

続けざまに鳴る爆発音に視線を走らせると、黒い霧を吐く騎士をヂークベックが牽制していた。

「こりゃあ!手が空いたならこっちも手伝わんかい!」

騎士はランスと黒い霧でもって白骨の竜を(ほふ)ったが、改めて白骨兵を召喚したところで同じように利用されるだけ。ならばと騎士は人差し指を胸に置き、十字を切った。

すると突然、ちょこは騎士に背を向け、屈みこんだ。

「ビックリなんかしてないもん!」

騎士が得物を振った訳でもない。炎や氷が彼女を襲った訳でもない。だからエルクたちにはいつものようにただただふざけているようにしか見えなかった。

だが、ちょこには特別な「何か」が見えているのだ。恐いもの知らずのちょこが目を背けるほどの「何か」が。

いや、もう一人、「見える」者がいた。そして、彼女はようやく合点がいった。あの藁人形がどうしてあんな風に腐ってしまったのか。

「あんなの、普通じゃない。あの子、どうしてアレを防げるの?」

呪術師の、浅黒い顔が青褪めていた。それほどにその呪いは死を極めていた。

騎士は再び胸に手を置いた。だがそこへ小さなヂークが抱き着き「小さな衝撃」でなんとか騎士の術を妨害し続けていた。

残る騎士はそこかしこに配備された石畳を蒸発させる高圧レーザーの砲台を操り、エルクたちだけでなく、遠く離れたリーザたちまで追い回した。

 

 彼らは()()()二人を撃破した。だが彼らと縁のないレーザーと黒い霧は本能のままに彼らをじりじりと死の縁へ追い詰めていった。

それでも「運」は彼らを見放さなかった。

「な、なんだ!?」

突然、昼が夜に変わった。かと思えば空から少し鬱陶しい、俗っぽい男の声が降ってきた。

「ワシのピンクのマヌケを随分と可愛がってくれたみたいじゃないか。礼はきっちりと返させてもらうぞい!」

陽の光を遮る物々しい戦艦、もとい神々しいスメリア王の遺品がロマリア城上空を席巻し、怒りの爆撃を宣告した。

「ヘモ~」

血だらけの「ピンクのマヌケ」は主人の救援を知り、むくりと起き上がって両手を上げて喜んだ。

騎士はレーザーで迎撃するけれど、例の大魔導士の魔法で相殺され、効果がない。その上、頑なに見せない狼がいずこからか砲台を次々に沈黙させていく。

黒い霧を吐く騎士が異常な視力でもって狼を見つけ出し胸に手を当てると狼は敏感にそれを察知し、姿をくらました。

そんな攻防の傍ら、エルクたちは巻き添えを食わないよう一目散に物陰へと飛び込んでいく。

 

その数秒後、威風堂々たる白銀の船体からいかにもな手作りの爆弾が雨あられと降り注いだ。

騎士にとってその一つ一つはヂーク爆弾同様に大した脅威ではないのかもしれない。しかしその数たるや、ゆうに百は超えていた。小賢(こざか)しく仕込まれた鉄片が無数のかまいたちとなって騎士を容赦なく切り刻む。

一つ一つは手榴弾程度の爆発でも、数百のそれらはロマリアの地を揺らし、ロイヤルガードの巻き添えを食うまいと沈黙を保っていたロマリア軍についに警報を鳴らさせた。

『シルバーノアの接近を確認!総員、迎撃態勢!繰り返す、総員迎撃態勢!』

「なにボサッとしてんのよ!早く中に入るわよ!」

シャンテは現状を見守るエルクの首根っこを捕まえ、脳震盪を引きずるグルガをサニアとリーザが肩を貸して城に突入していた。

「なに言ってやがる。アイツらはここで確実に仕留めておかねえと後々厄介になるに決まってるだろ!」

「バカね!わからない?この揺れがあのちゃちな爆撃だけのせいだと思う?!」

言われてみれば、いくらなんでも揺れの規模が大きい。まるでどこかの国の伝承にある地底のオオナマズが暴れているみたいに。何かが地下からせり上がってくるような……。

「アイツら、何かやる気なのよ!こんな所で油売ってる暇があると思う?!」

そこまで言われてようやくエルクは引っ張るシャンテを逆に抱きかかえ、城へと駆け出した。

シルバーノアに釘付けだった騎士は目ざとく彼らの「侵入」を察したが、阻止しに向かおうにもチョンガラの爆撃とシュウの狙撃を前にそれが叶うことはなかった。




ちょっと区切りが悪いですが、長くなってしまいそうなので今回はここまでにしようと思います。
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