モンスターハンターStormydragon soaring【完結】 作:皇我リキ
小説の投稿というのは初めてなので何からしたら良いか分からないのですが、少しずつでも上達していければ良いと思っているので暖かい目で見守って頂けると幸いです。
カプコンさんの大作『モンスターハンター』をベースに少しオリジナル設定も付け加えて話を書いていく予定です。
以下注意事項
一部原作の世界観と設定の異なる描写があります。
具体的には話を書きやすくするためだけに科学的技術が昭和程まで高水準になっています。
ラノベチックにするために登場人物がかなり若いです。低身長で小柄でもハンマーや大剣を振り回します。
以上が無理な方はこの時点でバックボタンを!
では始まります。
モンスターハンターStormydragon soaring
【挿絵表示】
プロローグ
その知らせが来たのは見た事もない大雨の日だった。
「絶対にお父さんの仇を取ってくるからね。絶対に戻ってくるから」
そう言うと僕の憧れていた最強のハンターである姉は、男と一緒に街を出て砂漠へ向かう。
その時自分は何も知らない子供だった。
雨の日、姉が死んだと知らされた。
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物語を語る前に自分のステータスというのを話しておかなければならない。
これは自分の事を未だに肯定出来ず、自分が何者かすら分からない自分自身を見付けるための作業だと思ってくれれば良い。
矢口深海。これは自分の名前だ。
可もなく不可もなく五十点というところだろう。
身長は学校卒業時点で百七十五程度。髪は栗色。顔立ちは普通。歳は十七。
本当に何処にでもいそうなこの人間が今、休日のハズの日曜日にやっている事と言えば会社で資料の整理整頓である。
株式会社狩りに生きる。
この世界が高度な科学的成長を経て大昔から雑誌を出していただけのこのグループは世界に足を伸ばす大企業になったと言う。
と、言っても自分が産まれた頃には既に大企業だった訳で。それで自分は何を間違えたのかその会社で働いていた。
元々何になると決めた物も無く。ただ危ないだけのハンターになるよりは定職に着こうと考えて今に至る。
大企業と言ってもしたっぱはしたっぱ。事ある事に仕事を押し付けられ、入社から最初の日曜日すらこれだ。
「やってられるかぁぁぁ!」
誰も居ない部屋で一人叫んでみるも、誰が見ている訳でもない。
休憩と称してテレビを着ける。
『えー、今日のゲストは伝説のお笑いハンターの———』
なんて下らない番組がやっていた。
「何が伝説のハンターだよ」
ハンターなんて下らない。
収入は安定しないし常に危険が伴う。
仕事に出掛ければもう家には帰れないかもしれない。なら今の仕事の方が幾分かましだ。
「いや……帰れないのは一緒か」
気付きたくない事に気が付いてしまった。
「あぁ……目眩く美少女達とイチャイチャしたい。良い仕事してれば女の子が寄り付いてくると本気で思ってたのになぁ」
こんな人生のまま自分は歳を取っていくのか。そんな事を考えていた。
『いや、何がええかってゆったら。ハンターはモテる! これに限る!』
伝説の(?)ハンターはテレビ越しにそう語りかけてくる。
「モテる……だと」
『わいも初めはハンターなんて嫌やった。せやけども思い出したんや。子供の頃の夢を! 自分らも子供の頃は憧れとったやろ? ハンターに』
小さな子供がハンターに憧れるのは自然の摂理だった。
それはもう格好良いし。成功すれば生活は安定する。
でもそんなのは夢だ。
現実はそんなに甘くない。自分はそれを知っている。
『夢を掴むんは他人や無い』
そんな事は分かっている。
『せやかて自分でも無い』
なら誰やねん。あ、喋り方移った。
『周りの人間や。自分の長所をきちんと見てもらえれば自ずと道は開ける』
そう言われ、既に自分は立っていた。
『でもその周りを掴むんは自分や。ええか? 掴め。最高の仲間を。自分を高見に上げてくれる存在を』
この時はただ、今この現状を変えたい。そう思っただけだった。
『ありがとうございました。今日のゲストは伝説の———』
何もかも捨てて会社を出ていく。
そうだ、ハンターになろう。危険と分かっては居るんだ。
なら危険から逃げる事くらいは出来る。
ハンターになればモテる。休みもあって収入も大きい。
なってやろうハンターに! 初めはそんな安直な考えだった。
さて、ここまで来て初めの一文に戻るとしよう。
物語を語る上で必要な自分のステータス。
ただのダメ人間。
これが矢口深海という男であった。
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自分の生まれ育った街、グングニールは大陸南部に位置していた。
反面を海、反面を密林に囲まれた大陸でも一番栄えている街である。
さて自分はというと今そのグングニールをモンスターから守る壁の外側に立っていた。
切り詰めた夕食代で買ったボーンシックルを背に生まれ育った故郷を眺める。特に思い入れも無い。
ところでハンターとは何か。
自分の父親がハンターをやっているし、自分は元々ハンターの育成学校で育ったから大体どんな物かは把握している。
高度な科学的成長を経た今でもこの世界にモンスターは存在し、人と付かず離れず暮らしている。
そもそもモンスターというのはこの世界に存在する人間以外の生き物の事だ。
小型の肉食動物や中型の草食動物、虫や巨大な哺乳類や魚類。
特異な力を持ったワイバーンとも呼ばれる飛竜、多くが謎に包まれた古龍。
陸に空に海に。この世界には様々な動物が存在し、生き物は生きるために他の生き物と戦うのが自然の摂理だ。
人は非力故に大昔からモンスター達に対抗する為の技術を磨いてきた。
様々な武器やアイテムを使って自分達より遥かに強力な動物達に立ち向かう。
それがハンターだ。
このポーンシックルというのもその武器の一つ。二本の双剣の手数で戦う戦いが出来る。
「さて」
まずは形から入った物も、やる事が分からなかった。
「ど、どうすれば良いんだ……」
勢いで出てきてしまったが、そもそもハンターは普通ギルドが発行する民間からのクエストをこなすのが仕事である。
「と、とりあえず形からだな。なんでやねーん、なんでやねーん」
形から入るタイプなのでとりあえず伝説のなんとかハンターの真似をしてみる。
「そういや学生時代はこの喋り方、流行ってたな。あの伝説のハンターが元ネタだったとわ」
なるほど強いハンターはこう喋るのか。伝説のなんとかハンターの真似。
昔学校で流行ってたのも納得が行く。
「なんでやねーん、なんでやねーん」
そんな事を言いながら密林を散策していた時だった。彼女と出会ったのは。
「ぁぅあ……っ!」
そんな声にもならないような、悲鳴のような声が聞こえる。
「なんだ? いや、なんや? なんて修正してる場合じゃない!」
声の聞こえた方へ走る。さっきのは女の子の声だ。もしモンスターに襲われた一般人なら助かる可能性の方が少ない。
「見付けた!」
木々の間に倒れている少女を見付ける。
白くてもふもふしていそうな防具に初めに目が行った。その次に黒いショートボブの髪、眼鏡。
「はぅぁ…………らん……ほす……っ!」
倒れている色白で小柄な少女は、はっきりしない滑舌でそう言う。
「なん…………や? らんほす?」
今ははたして伝説ハンターの真似をしている場合なのか。
しかしどうして、こんなに小柄な少女が防具を着て密林の真ん中で倒れているのか。
ふと視線をズラすと少女の脇にはヘビィボウガンが落ちていた。
弾を込めてモンスターに撃ち込む、遠距離用のハンターの武器だ。
なぜこの小さな女の子がそれを持っているのか不思議でならない。
「ぅ?! らん……ほす……っ!」
少し姿勢を上げて少女は今度は強めにそう言った。
「いや、だかららんほすってなん———」
「ギャイッ!」
問いただそうと大声を上げると同時にそんな動物の声が聞こえる。
ランポスというモンスターが居る。
細身の体躯に鮮やかな青と黒のストライプ模様、黄色い嘴の中に鋭い牙が特徴の鳥竜種のモンスターだ。
その生息域はリオレウス等よりも広いと言われ、環境に適した亜種も多数存在する。
普段は群れで行動し、高い知能とコミュニティー能力で敵を翻弄する賢いモンスターでもある。
それが目の前に三匹居た。
「あぁ……ランポス」
この三匹に追われていたのだろう。
少女は三匹を見るや丸まり固まってしまう。
仮にもハンターならこんな危険は当たり前だ。
それが嫌で父親や……姉のようになる気は無かった。
忘れていた訳では無いが覚悟が出来ていた訳でもない。
ただ戦う気がないなら初めからこの少女を助けようとして探しもしない。
「なんやお前ら三匹で寄って掛かってこないな小さな女の子を一人……恥ずかしく無いんか?」
ただ三匹か、どうしよう。とりあえず挑発してみる。
「ギャイッ!」
怒られた。
三匹は正面に並んで、警戒しているのかまだ手を出してくる気は無いようだ。
しかし自分とこの少女がこの三匹のお腹の中に入るのは時間の問題。
構えては見た物の双剣は複数を相手取るには不向きだ。
せめて後ろで丸まってる少女が一匹でも退治してくれればと期待してみるが、少女は未だに白いラングロトラになっている。
「ヘビィボウガンか……」
一瞬昔あった出来事が頭を過る。
憧れていたその人はそれを背負って出掛けて、二度と帰ってくる事は無かった。
良く見たら同じ種類のヘビィボウガンじゃないか。
「なんの運命だ? これ」
片手に持った双剣の片方を頭上に投げ、ランポスの視線がそっちに一瞬向いた隙に少女のヘビィボウガンを迷わずに拾い構えた。
双剣で戦うよりその方が確実と判断したからだ。
ボウガンには色々な種類の弾丸が存在する。
その中でも、たまたまそのボウガンに入っていた弾丸はこの現状を打破するに調度良い物だった。
標準も合わせずに銃口を三匹に向けるだけ向けてトリガーを引く。
次の瞬間ボウガンは既に装填されていた弾薬を弾き発射した。
弾はボウガンから離れるや否や一瞬で粉々に砕け散りそれぞれがランポスに向かっていく。
「ギャイッ!」
勢いを殺さず粉々になったそれの大半はランポスに直撃し、その身体を遠くに飛ばした。
散弾はその名の通り発射されると散々になって広範囲の敵にダメージを与えられる弾だ。
ダメージもそのため下がるがランポスくらいなら怯ませる事は用意である。
「キャィッ」
ランポス三匹は可愛い鳴き声を上げてその場から逃げていった。賢い事で。
「ふぅ、なんとかなったな……。ほら、大丈夫か?」
ランポスが去るのを確認してから少女に手を差し伸べる。良く見たら可愛い顔してるなこの娘。
なんでこんな娘がこんな格好でこんな場所に居るんだ?
「アカリ!」
少女に手を差し伸べていると背後からそんな声が聞こえる。ハスキーで格好良いモテそうな声だ。
「無事だったか、良かった。君がアカリを助けてくれたのか?」
長身の茶髪の男が話し掛けてくる。
誰だこのイケメンは。この娘の彼氏か?
「せ、せやけど?」
「妹なんだ、目を離した隙に……。助けて貰ったお礼がしたいんだが着いてきてくれないか?」
兄だった。似てないな。
「お礼なんて別に……」
そんなつもりで助けた訳でも無いし。
「良いからさせてくれよ」
強引?!
「こっちだ」
勝手に話が進んでいる?!
「お、おい少し落ち着けや!」
「ん? あぁ、自己紹介がまだだったな。俺は橘圭介、気軽にケイスケって呼んでくれ」
「そういう話や無いわ!」
「妹の橘小明だ」
「……」
こくりと頭を下げるメガネ少女。
「なんでやねーん!!」
ここぞと言う瞬間に練習の成果が出た。
「よし行くぞ」
「話を聞けやぁ!」
これが自分と小明、いや皆との出会いの始まりだったのだ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
一週間に一度くらいの更新を目標にして投稿していきたいと思います。
もし目に止まって少しでも面白いかもと思って頂けたなら、応援してくださると幸いです。
二度目になりますが今回は読んで頂きありがとうございました。