古参吸血鬼の奮闘記   作:雨の日の河童

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もしかしたら書き直すかもしれません。


夜明け

森を風の如く、けれどその足音は小さい。

衣服は夜の色に馴染むように黒く、その身を最大限まで鍛えた教会の暗殺者。

 

彼等は教会に不利益をもたらす者達を排除する『刃』であり守護する『盾』。

故に、今回の吸血鬼狩りに参加したのは歴戦の者ばかりである。

彼等は、その目に目標である『紅い館』に到着すると突入と索敵の二班に素早く分かれ、言葉を交わすことなく行動を起こす。

 

外敵の侵入に備えた魔術的警報器を索敵班が手早く無力化し突入班に合図を送る。

 

合図を受け難なく彼らは敷地に侵入、そのまま吸血鬼の館に影の様に侵入する。

 

前の扉に十人、窓に三人、そして索敵班を導く者が五人。

索敵班に二十人。

合計、三十八人の暗殺者が紅魔館に攻撃を開始した。

 

「!?貴様ら、何時の間に!」

「敵襲!敵襲だー!!」

 

館の吸血鬼達が暗殺者達と戦闘を始める。

 

外に出て応戦する者、館の中で防御を固める者。

いきなりの奇襲で統率が取れない吸血鬼達は自身が最善と思った事をする。

 

吸血鬼は強靭な肉体を持ち、圧倒的な筋力を備える種族。戦闘に成れば人間に後れを取ることない。

それが、ただの人間ならだが。

一人、また一人と吸血鬼の数が減り始めた。

教会の暗殺者達は一人になった者から確実に仕留め、吸血鬼達を追い詰める。

彼等は、勝利を確信する。このままいけばこちらの損害はゼロのままで終えることが…。

 

 

「ねぇ、なにしてるの?」

 

背に宝石の様な異様な羽を持った幼い吸血鬼が階段から降りてくる。

 

「・・・殺せ」

 

躍り出る暗殺者。

それを少女は

 

「キュッとして・・・」

 

嗤いながら

 

「ドーカン」

 

手を閉じた。

その瞬間、暗殺者達の身体が肉片に変わる。

 

「なッ!?」

 

仲間が一瞬で死ぬ場面を眼前で見せられ硬直する。

 

「あーあ。壊れちゃった。おじさんたちは簡単に壊れないでね?」

 

あどけない顔で、おもちゃで遊ぶように嗤いかけた。

 

「撤退!撤退しろ!!」

 

あれは化け物だ。次元が違う!

彼等は理解すると同時に逃走を開始した。

 

「逃げられると思っているのかしら?」

 

クスクスと笑う声が聞こえた。瞬間、

 

「ぐおおォォォ!??」

 

魔力の槍に足を地面に縫い付けられた。

 

「あら?いい声で鳴くのね。でも、許してあげないわ」

 

青いドレスの幼い吸血鬼と紫色の魔女が無慈悲に告げる。

 

「紅魔館に来たことを後悔して逝きなさい」

 

これより始まるのはただの蹂躙。

暗殺者達は自身の死を悟り目を閉じた。

 

血に濡れた夜が明ける。

 

紅魔館はその名の通り紅色に染まった。

・・・が、館はボロボロ。庭は血と靴跡でぐちゃぐちゃに成り果てている。

そんな館を見たテロルは苦笑い。

遅れながらも約束通り帰ってきたラディアは館の惨状を見て気絶した。

 

「ふむ・・・。引っ越すか」

「あら、それじゃあ何処に行きましょうか?」

 

日傘を差しながらテロル伯爵の側に寄る奥様。

 

「はあ!!?引っ越しとか本気ですか!!」

 

気絶していたラディアが起き上がり抗議をしようとして、

 

「うるさいわよ」

「くぺッ!?」

 

奥様に謎の技を受け再び気絶したのだった。

 




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