思いつき二次創作   作:おーり

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ゼロの使い魔【代替】その2

 

   『ゼロの使い魔 完!!』

 

あれから――、俺たちが転生してから十六年が経った。

 

平賀サイト、として転生したアイツは以前と大して変わることなく生活しており、その図太さにはいささか呆れるところもある。

ちなみに見た目のほうは今のほうがずっといい。イケメンというわけではないが、見た目だけなら大丈夫だ、と部活の仲間からはお墨付きをもらっている。但し、見た目「だけ」なら。

言動が以前と変わらないので、俺からしたら対応は別段変わってない。しゃべらなければクラスの女子ももう少し話してくれるだろうに、とは思うのだが、アイツは例のハルゲニア? とかいうところへ行くことを完全に受け入れているらしい。クラスの女子より漫画の女子のほうが好みのようだ。前より可愛い子が多いと思うのだが。

 

俺はというと、鍛えれば超能力染みたものが手に入るということを知っているので、とりあえず剣道と剣術を嗜んだ。剣道は部活で。剣術は実家に剣道場があり、祖父がそういう道を教えることができる人間だったということで、俺は剣術を学んだ。

名を「五十嵐流なんとか道場」という。無駄にチートスペックな祖父は剣術以外でも武道の達人だったらしい。

ちなみにその類の鍛錬は中二で止めた。ある程度技術を知り、念も覚えた今では無用の長物でしかない。

というか、覚えたところで使い道がないということに中二で気づいた。

 

――……気づくのが遅すぎるだろ、俺……っ!

 

まあ、お陰でパートナー(念獣、というらしい。サイト(もはやアイツをそう呼ぶことにも慣れた)の知識だ)も作れたし、背も以前より伸びたし、筋肉もついてそれなり逞しい身体になった。部活も楽しいし、今では軽い自己鍛錬程度になった道場での稽古も嫌ではない。

前世とは違って趣味のようなものを見つけられたことに生き甲斐も感じる。そうなっただけでも、祖父の鍛錬をやった甲斐もあったものだ。そう信じよう。

 

サイトにも誘いはかけているのだけれど、アイツはアイツで召喚されれば強くなれることを知っているから、それを理由に付き合ってくれない。前準備をしておいても問題ないと思うのだが。

 

   ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

さて、そんなある日の朝のことである。

 

「ん? メール?」

 

『件名:召喚されるためにアキバに行ってくるお!

本文:そろそろ時期だしいってきます!

   上手い言い訳ヨロシコ!』

 

一瞬、意味がわからなかったが。

 

「ああ、例の」

 

何でも、本来の物語では「サイト君」はパソコンのパーツを買いに秋葉原に行ってそのまま召喚されたとか。

というか此処数週間、日曜になるたびにそんなメールを一々送ってくるアイツはいったい何なのか。

 

今日も肩透かしとならないことを祈るのみである。

 

「さあて、と。とりあえず鍛錬でもするか」

 

特に返信も返す必要もないと思ったので、ケータイをベッドに放り、寝巻きから鍛錬着に着替えて部屋を出る。

胴着ではない。黒いインナーに肩の部分が無い妙にぴっちりとしたそれに、下が袴、というある意味漫画みたいな格好だ。

かっこつけでやらされているのかと祖父さんを疑ったが、下半身に空気の抵抗を与えるとか動きを相手に悟らせないとか色々と言い訳をしてきたので聞き流すことにした。

まあかっこつけるのは嫌いではないし、そもそも人に見られることもないので恥ずかしくはない。

 

中二の頃に散々やった言い訳を心中で繰り返しつつ、道場の扉を開いた。瞬間、まばゆい光が視界を埋め尽くして――……、

 

   ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

まばゆい光に包まれたと思ったら、気がつくと神様の目の前にいた。転生のときの球磨川みたいなしゃべり方のやつだ。どゆこと?

 

「『やあサイト君』『ごめんね?』」

 

え、本気でどゆこと?

僕様ってば召喚されたんでしょ?

 

「『いやあ、』『ブリミルだっけ?』『あっちの神様。』『彼のキャパが思ったよりも小さいらしくってさ、』『キミみたいに』『魂を三つも四つもくっつけた人間じゃ』『召喚に世界扉自体が耐えられないみたいなんだ。』『だから』『キミじゃなくって』『キミのお友達が替わりに召喚されてしまったみたいなんだよ。』『ごめんね?』」

 

ちょ、ちょっとまってよ!

そしたら僕はどうすればいいの!?

召喚で再現できるはずだったチートはどうなるのさ!?

 

「『安心していいよ。』『キミはもう用済みってだけだからね』」

 

――……は?

 

「『使い道がないってことだよ』『キミも』『キミにくっつけた特典もね。』『だから』『改めてサイト君を起こしてあげようかと思うんだ、』『元々その身体はサイト君のものだし』『当然だよね』」

 

それって僕は

 

「『消えるね。』『大丈夫だよ』『死は救いだとも言うし。』『やったね!』『今度こそ死ぬことができるよ!』」

 

い、嫌だ、死にたくない、消えたくない、たすけ

 

「『え?』『これは元々』『サイト君を助けるための措置だよ?』『もう必要なくなったキミを残しておいても』『サイト君の邪魔でしかないじゃないか』」

 

「『うん、』『まあもう聞こえてないだろうけど。』『じゃあサイト君』『元の世界へ戻してあげるね』『Ⅰt‘s』『AllFiction!』」

 

   ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

………………はっ!?

あ、あれ、ここどこだ!?

アキバ? えーと、確かパソコンのパーツを買いに来たんだったよな……? そんで、何してたんだっけ?

 

……なんだか長い夢を見ていたような気がするけど、まあ気にしても仕方ねえか。

 

さあて、早く帰ってギャルゲでもするかな!

あー、なんだかピンクの髪の女の子がヒロインのやつとか無性にやりたくなってきたなー。

 

 

 

――こうして、平賀才人は異世界に召喚されることもなく、平穏無事な人生を歩んでゆく。

記憶の何処かに残るのはほんのわずかな寂寥。

しかし、それもすぐに消える、儚いものでしかなかったのは、誰にも与り知れぬことであった。

 

――ゼロの使い魔 完――

 




続きが何処かで見た赤い弓兵の召喚される二次によく似てしまったので頓挫。
こんなコレどうよ?
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