思いつき二次創作   作:おーり

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ISうろおぼえ【2】

「少しいいか」

「ああ、久しぶりだな」

 

條ノ之 箒、珍しい名だが忘れてはいない。幼なじみだ。

件の発表者の妹であるが、彼女もそれに色々と迷惑を被っているはずなので嫌ってはいない。いや、そもそも嫌う人物自体別にいないが。

詳しい部分を良く知る二人の姉は、迷惑に思うだけで嫌いではない。迷惑だが。大事なことなので二回言う。

 

「あ、ああ、覚えていたのか?」

「当たり前だ。幼なじみを忘れるほど薄情じゃない」

 

何だか戸惑っているような。

立ち上がるぐらいはすべきか?

 

「その、なんだ、あー……」

 

ん。言葉の続きが中々出てこない。

まあ久しぶりなのだし、こちらから話題を放ってみるか。

 

「剣道はまだ続けているのか」

「む! あ、ああ。というか、空手ってなんだ、聞いてないぞ、私は!」

「始めたのは中学だ、当然だ」

「う」

 

相変わらずいきなり怒鳴る。

神谷嬢が怯えているではないか。

 

「中学で知り合った友人と妙に馬が合ってな、付き合いで始めたら趣味になった」

「つっ、突き合い!? 女か!?」

「男だ。何に変換した貴様」

 

友人だと言うとろうに。

 

「そ、そうか、すまん……」

「まあ気にしないが」

 

というか、この場で話すのは色々支障が出そうな気もする。明らかに女子らは聞き耳を立てているし。

そうしているぐらいなら明石崎に声でもかけてやれ。なんか気障な格好で黒板に寄り添っているぞ。

 

「その、だな、聞きたいことがあるのだが……」

「早めにな、次の授業まで時間がない」

「ああ……、その、千冬さんと、何かあったのか?」

 

む。

いや、それはここで話すことじゃないのでは。

そうも思ったが、別にいいかとも思い直す。聞き耳を立てている女子らにも、隠すようなことでもない。

 

「別に。ただ離れて暮らしていたというだけだ」

「だが、二人だけの姉弟だろう?」

「いつまでもべたべたとしている姉弟こそ見苦しいだろう。離れるのが少し早かった。それだけだ」

 

酷く簡素で、一般的な理屈。

更に何か裏にあると、箒なら気づいているだろうな。

だが話すことでもない。

結局は自分の一方的なものの見方であるし、それでは姉はただの悪者か愚者でしかないからだ。

 

結局聞いてくれることもなく、その日はそうして授業は終わった。

客寄せパンダの気分を味わった一日だった。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

「一夏、部屋なのだが、明石崎と共同になる。我慢してくれるか?」

「織斑先生、明石崎に対して何やら辛辣では」

 

プレハブ小屋を用意されて、男子二人での共同生活だと言われた。明石崎は不満そうだったが自分としては気にすることでもない。

ただそれを告げにきた姉の発言は中々に辛辣。明石崎、お前何をした?

 

「いや、どうにも性格に難のありそうな奴だからな。いやらしい目でしか女性を見てない、今の世の中では逆に珍しいタイプだし」

「男としては普通なのでは……、まあわかりました。自分は特に気にしてませんし」

「ああ。それと、私のことは昔のように呼んでくれても構わないぞ?」

「学生として。馴れ馴れしい呼び方は他に示しがつかないでしょう。なのでお断りします」

 

悲しそうな顔をしないで欲しい。

当然のことを言った程度なのだから。

 

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