SAO-七つの魔剣~ギルド風林火山の狂戦士~ 作:うおさ123
すみませんでした! 2話のクラインさんの口調が変でした! 一応、直しました!
めんどくさい前書き失礼しました。
――2022年11月6日2時30分――
「いやぁー、気持ちぃー!」
俺は清々しい気分を、思いっきり味わっていた。目の前の景色は雄大そのもので、この丘からは後三歩踏み出せば地の底に落ちるなどという事は、全く気にならなかった。そう、全く気にしてなかったのだ。
突如、背中に衝撃が走る。
俺は不意打ちに呆然としながら後ろを振り向くと、青イノシシこと《フレンジ―ボア》様が、俺の背中にタックルをかましていらっしゃる。
やだなー、こんな所でタックルなんかかまされたら…………そりゃ落ちるよね、うん。
俺の身体が宙に浮き、ニュートンよろしく万有引力の法則を忠実に再現したバンジージャンプがスタート。
当然、紐なし。
「――ぃゃあああああ!!」
落ちる落ちる落ちる! やったら甲高い声をあげて、俺の全身は自由落下を始めた。
どうせここで落ちても、蘇生ゾーンで蘇るのがRPGって物だが、ほぼ完全なリアルを再現したこの世界でのフリーフォールは怖すぎる。
俺は、半分本能で右手に持っていた剣を崖の壁面に思いっきり突き刺す。
ガリガリガリガリガリガリ!
突き刺した剣で壁面が削れ、黒板を引っ掻いた様な音が混じる不快なメロディーが流れる。
「止まれ――――ッ!!」
現実だったら火花を上げている様な速度で、剣を突き刺した壁面は削れて行く。やがてだんだんと速度は落ちて行き、フリーフォール開始数秒でやっと俺の身体は止まった。
「危なかった~」
俺は突き刺さった剣にぶら下がりながら、ホッとため息を吐く。
「いやー、助かったぜ。全く一時はどうなる事かと……」
バキッ
何やら俺の腕の方から嫌な音がした。このバキッ、とは何かが折れた音であるのはまず間違いない。では、その折れたものは何か。何か鉄っぽい音だったし、な、何だろなー? い、いやー、皆目見当つかないぜぇ……
そんな現実逃避の後に上を見上げると、
大方の予想通り、折れていた。剣が。正確には《スモールソード》。一切手を付けていない、完全な初期装備そのままである。……耐久値以外は。
結論から言おう。剣は折れた。わーい。
「え、え~と……」
すると、剣が青白いポリゴンになって消滅する。当然、俺はさっきまで俺を支えていた筈の崖の壁面とは接点が無くなり、まだ十五メートル以上残っている崖下までワンモアフリーフォール♪
「いやだぁぁぁ!!」
叫びむなしく俺の身体は、何の意味も無くサー・アイザック・ニュートン先生を恨みながら、数秒後に地面に叩きつけられた。
――2022年11月5日午前9時20分――
「これでオレの勝ちだ!」
「「な、クラインに負けた!?」」
『何! クラインが勝っただと!!』
「おめぇら酷くねぇか?(涙目)」
あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!
何とクラインがトランプ大会に勝利したのだ。つい数時間前までクラインの奴は最下位ロード爆進中だったのに! (正確に言うと、俺が213勝で、ロンが229勝で、クラインが201勝だった)
「クラインやい、一体どんなセコ技使ったんでい!」
「クラインさん、ズルはいけないと思うっす!」
頭に赤いスカーフを巻いた、チョロヒゲおじさんの《ヨージン》と、頭が玉ねぎの如く逆立っている《アルベルト》が、クラインに問いただす。
ヨージンは、御年32歳で既婚者らしい。娘もいるらしく、娘&奥さんの自慢話を写真片手に語ったりした。おい、娘ほっといてゲーム買いに来んなよ、などと思ったりしたのは秘密の方向で。
アルベルト、略称アルは大学生で、そろそろ二十歳らしい。今学期の単位が怪しいとかなんとか言っていた気がする。何故コイツだけ敬語なのか聞いてみたら、そういうキャラだから、らしい。それで納得できるとでも思っているのか、コイツらは。
キャラ作りも大概にしろ、とかツッコんだら負けだと思ってます。
「おめぇら、ちっとはオレを信用しろって!」
「無理だな」
「無理でさぁ」
「無理っす」
「無理があると思うよ」
「やっぱりクラインにも負けた……。どうせ僕はもうダメだ。アハハハ……」
若干一名ノリがおかしかったが、全員即答。俺はずっと起きていたのでクラインが無実なのは知っていたが、ここはノリに合わせて一番最初に答える。
ちなみに四番目に答えたのは、ぽっちゃり体系のアフロ髪《ポッツ》。おとなしいの性格で、とても和やかな雰囲気を持っている。デブなどと言ってはいけない。絶対に。
「即答かよぉ――――!!」
クラインが半ば泣きべそかきながら叫ぶ。
と、同時に周囲からジトッとした目で見られた。
これは騒ぎ過ぎたか……。そう不安になったのもつかの間、
「九時三十分になりましたので、開店でーす!」
それを打ち消すかの様に店員が開店の合図を告げた。
おぉー! と今まで静かだった行列が、一気に騒がしくなる。俺達の事など目もくれず、立ち上がって各自バラバラに店内に駆け込み出す様子は、今まで三日間も座りっぱなしだった疲労を感じさせない物だった。
とはいえ、だ。実の所この百人集団は三日間、結構な纏まりをもって行動していた。
それも当然といえば当然のことで、この人数が三日分の衣食住、つまり着替え・食料・トイレを確保しようとすれば、必ず風紀の乱れが生じる。すぐ近くの公衆トイレやコンビニでは、多少いざこざがあったのも事実だ。
ゆえに、何人かの真面目な人々が率先して指揮――というより、最低限の治安を守っていた。これにより諍いは減り、結果ある程度の安全性が確保されたのである。
「おい、早く行こうぜノガラ!」
「お、おう!」
行列が一気になだれ込んで行き、俺も先へ進んだクラインについて行った。
「それにしても、凄いよね。これだけの人が一ゲームの為に三日も同じ場所に居たなんて。いや、裏を返せば一人がインフルエンザウイルスを持っていた場合、インフルエンザに集団感染。そしてその後に三日も家で療養して、他のプレイヤー達に情報格差を突き付けられて騙されるんだ。しかもクラインは寂しい一人暮らしだから、特にそれが顕著に表れて……」
「おい! 勝手にオレを巻き込んでんじゃねぇ!」
ついでに、そんなやり取りが有ったり。
――2022年11月5日9時30分――
俺達はこの日、地獄への片道切符を手に入れた。
も、文字数が少ない……もっと頑張らないと