問題児達と残虐な逃亡者が異世界から来るそうですよ?《更新停止》 作:鴉紋to零
とりあえず、落下していることは分かった
そして、俺の能力ではこの状況をどうすることも出来ないことも
なので俺は、最善の手としてなるべく背中から落ちるようにしながら鼻を手で塞ぎ、口を閉じる
なんとか背中を下にすることが出来たところで着水
その湖に派手な水飛沫が四つほど起きた
全身が血で汚れていたから丁度いいには丁度良いのだが、流石にいきなり高所からの紐なしバンジージャンプは頂けなかった
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空に放り出すなんて!」
罵詈雑言を耳に入れながら、回りを見渡す
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「……。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
二人の会話を聞いて分かったのは、こいつらも俺と同じくここに呼ばれた者であることということだけだった
そう頭で考えながらも手は止めない、上着を脱いで中の防弾チョッキを脱ぐ
ついでにそこの湖で上着を洗う
血独特の臭いが鼻を刺激するがなれた作業なので気にすることはない
「此所……どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぼいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃないか」
どうやらこの少年はあまり混乱していないらしい
そういえば、男の悲鳴らしい悲鳴も聞こえなかったなと思い出した
「まず間違いないけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前らにも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは、``オマエ''って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」
「………春日部耀。以下同文」
「そう、よろしく春日部さん。それじゃあ、野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴そうな逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取り扱い説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
「最後にそこでずっと上着を洗ってる貴方は?」
「あ?ああ。自己紹介か?」
そろそろジャケットから血色が抜けてきたので絞って羽織る
湖の水で冷たいが、気候が暖かいので風邪を引いたりはしないだろう
大雑把に絞ったので絞れていないところがあったので、立ちながら絞る
「リュカ・フォン・キルリだ。リュカでもフォンでもキルリでも好きなので呼んでくれて構わない」
「よろしくリュカ君」
「ああ。よろしく」
………ああ。人とちゃんとした会話をしたのはいつだっただろう
少し感慨深くなっているが、仕方あるまい。なんせ数十年は人と会話した記憶がないのだ
目頭が暑くなっている気もしたが、ここでいきなり泣き出すのもどうかと思い、額を殴って思考を止めた
置いておいた防弾チョッキを肩に担いで、俺は改めて回りを見渡した