紫は藍を使って情報を聞き出そうとし、藍に密かな指令を下す。その手腕は驚くべきもので―?
「紫様?」
「…。」
「紫さまぁ?」
「…。」
あの態度からして、ミスティアは絶対になにかを隠している。会ったことがあるのか、それとも何かしらの情報を握っているのかはわからない。でもあの様子だと、私が再び訪れても口を割らないわね…。霊夢達に頼んでみましょうかしら…
「紫様!」
「あら?藍、どうしたの?何か用?」
「いえ、私は特に用は無いのですが橙、用件があるのだろう?」
「はい。藍しゃま。霊夢さん達から言伝を貰ったのですが、アリスさんとかの傷は骨折を除いて治ったそうです。」
「そう。ありがとう、橙。」
「はいっ!紫さま!」
橙は退出していった。
「そういえば紫様、最近博麗大結界が妙なんです。何故か綻びが直っていくのです。自然と穴が塞がって、消えていくのです。」
「…?私はなにもしてないわよ?」
悪いことではないわ。だけど今までそんなことはなかった。不思議ね。
「それはわかっております。一応耳にいれておいた方がよいと思いましたので、お伝えしたまでです。」
生真面目よねぇ。ちょっとからかってみようかしら。
「…ところで藍。」
「なんですか?」
「貴女、恋とかはしたことあるかしら?」
「!?いっいえ、わっ私にはそんなことあ、ありませんが…。」
「ふふ。藪から棒にごめんなさいね。私にはあるから何となく聞いてみたのよ。」
「はっ…?」
藍と橙。二人の報告を聞いていると、何故か昔の記憶が蘇ってきた。まだ私が若い頃、1度だけ体験したあの感覚を。
「…結局実らない恋だったけど。」
「あ、あの、紫様?何を言いたいのですか?」
さすがの藍も困惑を隠せない表情をしている。そうよね。まだわかるとは到底思ってないもの。
「そうね。人も妖怪も神も好きな人を守るためなら手段を問わないと言うことよ。」
「つまり…?」
「ミスティアの場合も同じだと思うわ。恐らく好きな人っていうのが私の言う特徴を兼ね備えた人で、必死なのよ。」
「はあ…。」
「それでね、貴女にお願いがあるのよ。」
(少女説明中)
「わかりました。」
藍はスキマを開いて私の頼みを伝えに行き、私は同じくスキマを使って博麗神社を訪れた。
「…紫?なんのよう?」
「あら?霊夢しかいないの?」
「それがまずいわけ?」
「いえ、まあ用件を伝えるわね。ミスティアが今回の異変の鍵を握ってるの。がんばって聞き出してちょうだい。」
「ミスティアが…?」
「そう。じゃ、頑張ってちょうだい。」
「はぁ!?ちょっと待ちなさい!紫…無駄か。」
なんで私にばっかり重石を乗っけるのかわからない。本当にムカツクわ。
「おーい霊夢ー!」
「魔理沙?なに?」
「ん?なんか偉く不機嫌だな。」
「うっさいわね。なんでもかんでも面倒を押し付けられたらこうなるわよ。」
「どんなことなんだ?教えてくれよ」
「なんかね(少女説明中)なんだって。」
「あー、なら私が行こうか?ついでに永遠亭によりたいからな。」
「ほんと!?あんたもたまには役に立つじゃない!」
「たまにってなんなんだよ!まあいいぜ。」
一瞬後、空へ向かって飛び立つ。
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「全く。まるで私が疫病神みたいじゃないか。」
霊夢んとこから先に夜雀亭、つまりミスティアのところに向かった。
「おーい!ミスティアー!」
「ま、魔理沙さん!?」
相当驚いた顔をして出迎えてくれたぜ。確かに何か怪しい。
「よっ…と。お前さ、好きな人いるんだろ?それってどんな格好してるやつなんだ?」
「…それについては言えません。秘密です。」
ふーん。一瞬で表情が険しくなったな。こりゃなんか隠してるわけだ。さて、どうしたもんかな。
「魔理沙さん。もしかして紫さんに頼まれたんじゃないですか?」
「!い、いや、そんなことはないぜ?」
「嘘ですね。図星そのものの顔をしてますよ?」
ちっ。バレちまったか。しょうがない、ここは…
「さあな?私が本当にそうなのかは自分で考えな?んじゃっ!」
逃げるに限るぜ!とりあえず迷いの竹林へいき、永遠亭に寄る。
「あら?魔理沙、お見舞い?」
「そうだぜ!」
「そう。あんまりアリスを怒らせないようにしてね?」
「わかってるって!」
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「アーリースー?」
「魔理沙?今度は何のようなの?前回と同じだったら即上海と蓬莱で追い出すわよ?」
「まあ、そう怒るなって。」
あちゃー。大分不機嫌だな。
「不機嫌で悪かったわね。」
「まあ、それはおいといて。ミスティアが今回の異変の鍵を握ってるらしいぜ。」
「!ミスティアが!?」
アリスにとっても驚きらしい。くっくっ。そうこなくっちゃな。
「ああ。アリスも一緒に来るか?」
「そうね…。私も行くわ。」
「足は平気なのか?」
「だいたいは。歩いたり、飛ぶ分には問題ないのよ。走ったりとかの激しい運動はできないけど。」
「ふーん。じゃ、いこうぜ!」
アリスside
最初はまたからかいに来たのかと思ったけど、重要な情報をくれたわね。最近あってないから聞いてみるのも良いのかもしれないわ。…魔理沙だから少し疑わしいけど。
「なーに人の背中でぶつぶついってんだよ!落ちるぞ~?」
「ちょっと!急にスピードを速めないで!」
「なんのことかなー?」
「ふざけないで!」
実は自分で飛んでいない。魔理沙の箒に乗っけてもらっているのだけど、乗り心地は非常に悪い。
「ここだぜ!」
「やっとついたのね…。」
流石にもう乗っていたくなかったので、自分で降りる。するとミスティアがボーッと突っ立っていた。
「ミスティア?」
「えっ…。アリスさん…?傷は平気なんですか?」
「ほとんど大丈夫よ。」
「そうなんですか。それは良かったです。」
私の容態を知って少し明るくなったミスティアの表情はすぐに暗くなってしまう。何か悩み事でもあるのかしら。
「あの…。」
「うん?」
「アリスさんって付き合ってますよね?」
「え、ええ。そうね。」
急に話題を飛ばされて驚いたと共に微かにうんざりしてしまった。周りの人は私にそればっかり聞いてくるもの。
「それで相談したいんですが…。実は私には好きな人がいるんです。」
「!誰なの?」
そういうことだったのね。恋の悩みは苦しいもの…。
「名前とかは明かせないんですが、見た目とか服装なら明かせます。会いたくて、探してほしいんですよ。」
「そう…。教えてくれないかしら。」
「黒髪に紫の瞳で、かなり…その、イケメンです。大体黒っぽい服装をしていて、雨の日にしか来てくれないんですよ。心当たり、ありませんか?」
すがるような目付きで私を見てくるミスティア。きっと必死なのね。でも…
「…ないわね。ごめんなさい。」
「そう、ですか…。すみません。」
ガックリと肩を落としているわね…。なんだか申し訳ないわ。
「何処に住んでるとかは言わなかったの?」
「妖怪の山、としかおっしゃらなかったので具体的にはわかりません。」
「わかったわ。できる限り協力するわね。」
「ありがとうございます!」
嬉しげに言うミスティア。…聞き出したりしてごめんなさい。さて、紫様にご報告だな。この姿を保つのはそろそろ限界だからな。すぐにその場を後にして、報告に行く。
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「紫様…。聞き出せました。妖怪の山にいるそうで、特徴は(少女説明中)だそうです。」
「わかったわ。ありがとう、藍。」
恐らく、それが首謀者ね。早く倒さないと、幻想郷の存在に関わるわ。
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「…あんた誰なの?私の前に立ちはだかるなんてよっぽど命知らずなのね。」
「別に。博麗の巫女ごときに俺は負けない。」
「そう。流石は異変の張本人といったところね。」
「だからどうした。」
「私は博麗霊夢!あんたを退治するわ!」
「ふん。倒すだと?出来るものなら殺ってみろ。」
「霊符・夢想封印!」
「邪符・黒雷・零!」
対峙する霊夢とクレイ。未だに紫は気づかないせいで、霊夢の命運はどうなってしまうのか!そしてミスティアはどうするだろうか?