孤独色   作:名も無き呟き

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リョウに起こる悲劇は次の次に書きます!
そして、過去編に入っていきます!


過去編①~ショウとアリス~

ここら辺で僕とアリスが出会った経緯を話しておこうと思う。時は少々さかのぼり、3年前の話となる―

 

「ふぅ。」

僕は、幻想郷の空を飛んでいた。理由は至って簡単で、新しく幻想郷入りした家を見に来たのである。魔法の森の中にポツンと建つ一軒家。降りて見てみると、電気がついていないため、家主が留守であることがわかる。

「どこにいるのだろう?」

どんな人が住んでいるか気になった僕は、とりあえず人里に向かって飛んだ。着くと、相変わらずの賑わいの中で上白沢慧音こと、慧音に会った。

「やぁ、慧音。」

「おおショウじゃないか。人里になにか用か?」

「いや、特に用はないが。散歩だな。」

「ふむ、そうか。実はな、また、お前に寺子屋で子供達に勉強を教えてほしいのだが…」

「僕なんかでいいのかい?」

「ああ、お前がいると子供達も喜ぶからな。」

「わかった。いつぐらいからだい?」

「そうだな…来週からでどうだ?」

「それでいいよ。」

「じゃあ、来週からよろしくな。」

そんなやり取りをして、僕と慧音は別れた。

さて、再び誰なのか探すか。

探している内に細い路地に入ると―

「やめてちょうだい。」

「いいじゃねぇかよ、ねえちゃん。」

一人の男が女性に言い寄っていた。

金髪に青い目、白い肌とまるで人形のように美しい女性であった。しかし、妖力を感じたので、魔女か高位の妖怪だと思われる。人里の中では力を使えないため、助けてあげることにした。

「君、やめてあげたまえ。」

「ああ?なんだよてめぇ。」

「嫌がる女性に無理やり迫るのはよくない」

「は?何様のつもりだよ!」

その瞬間、そいつは僕に殴りかかってきた。それを難なくかわし、逆に腕を押さえつけて関節を決めた。

「いたたたたっ!」

「やめる気になったか?」

「うー、いててて。くそ、覚えてろよ!」

その男は立ち去っていった。

「大丈夫ですか?」

「ええ。」

改めて、その女性と顔を合わせる。

「さっきは助けてくれてありがとう。私はアリス・マーガトロイド。最近ここに引っ越してきたのよ。」

「アリス…か。いや、どうってことはないさ。」

「それでさっきのお礼をしたいのだけど、私の家に来てくれないかしら?」

「いや、でも悪いよ。」

当然、僕は一度は断った。けれど

「人に貸しを作るのも作られるのも嫌いなのよ」

さも当然のことのようにさらりと彼女―アリスは言った

「わかった。では、ご厚意に甘えて。」

そこまで言うのであれば、断るのも失礼だと思ったのでアリスの「お礼」を受けとることにした。

「じゃあ、案内するからついてきてちょうだい」

僕らはアリスの家に向かっていった。なんとそこは、僕が家主を探していた家だった。

「ここが、私の家よ。」

そう言ってアリスは僕を家の中に招き入れた。

「!」

家の中に入ってまず驚いたのは、大量の人形がいたことだ。8体ほどの人形は動いており、おそらくアリス自身が動かしていると思われた。

「上海、蓬莱。お客様よ。」

「シャンハーイ」

「ホラーイ」

そう言って2体の人形は僕に頭を下げた。

それにつられてか、他の動いていた人形達も一斉に僕に向かって頭を下げた。

なんとなく奇妙な気分だった。目の前にいるのが人形だとわかっているが、まるで人のようだったからだ。

「お礼と言ってもお昼をご馳走するくらいしかできないけれど。」

と言いつつアリスは昼食を作る。手際よく色々な料理を作っていき、大した時間もかからない間にテーブルの上は色とりどりの料理で溢れていた。

「できたわよ。」

最後に紅茶をいれてくれた。そして、アリス自身にも紅茶をいれて、僕の真向かいに座った。とりあえず食べることにした。オムライスにサラダ、スープなど洋食でとても美味しかった。アリスも食べていたが、わりと少食で、僕一人でほとんど平らげてしまった。

「ふぅー。美味しかった。」

「そうかしら?ありがとう」

心なしかアリスは嬉しそうにしていた。すぐに帰るのもあれだったので、少しアリスと話をした。

「君は、何の種族なんだい?」

「私は魔女よ。でも、純粋な魔女じゃなくて修行をして魔女になったのよ。あなたはどうなの?」

「僕は神だよ。神と言っても本当は竜だけど」

「そうなの!?」

ずいぶんと驚いた顔をして僕を見た。当たり前の反応だと思う。みんな大抵は驚くからね。

「へぇー。妖怪ではないと思っていたけど、まさか神とはね。どんな能力なのかしら?」

「ありとあらゆるものを変化させ元に戻す程度の能力だよ。」

「それってどんな能力なの?」

興味津々で僕に聞いてくるアリス。ちょっと可愛い。

「例えばこの紅茶を…」

といってアリスの目の前で紅茶を水に変えた。

「こんな風に水に変えたりできるし、」

そしてもう一度手をかざして、

「元に戻すことができるんだ。」

そこには紅茶が入っていた。

「かなり便利な能力なのね。」

感心したようにアリスが言った。

「君はどうなんだい?」

「私は…そうね、魔法が扱えるのと人形を操る程度の能力ね。」

「なるほど、君のもかなり便利だね。」

そう言って僕がニヤリと笑うとアリスもつられたように笑った。

そのあと僕達は日がくれるまで話をしてすっかり仲良くなった。今夜はもう遅いと言うことでアリスの家に泊まった。それからというものの、僕はちょくちょくアリスの家に遊びに行って、そこで魔理沙とも知り合った。

そして、2年ほど経ったある日のこと…

「あら、ショウ。どうしたのかしら?」

この頃にはもうアリスのことを友達としてではなく一人の女性としてみていた。要するに、この頃にはもうアリスに恋をしていた。

「実は…」

思い詰めたような顔で何かを言おうとする僕にアリスは

「大丈夫?」

と心配そうに僕の顔を覗き込んだ。っ///やっぱり可愛すぎる。

「実は、外の世界に行かなければならなくなったんだ。」

「えっ!?」

当然驚くアリス。

「なんでなの?」

「それは言えないんだけど、いかなくちゃならなくて、しばらく君とは会えないと思ってお別れの言葉を言おうとしてここに来たんだ。」

「そうなの…」

一気に悲しそうな顔をされた。ごめん、と心のなかで謝った。ただ、外の世界に残してきたものがあったせいである。危険にさらされているあの人達をほってはおけるような僕ではない。

「事情があるのよね。私はここで待ってるから、その事情が片付いたら、帰ってきてね。」

友達の僕が心配なのだろう。心底心配そうにしていたが僕が約束を破らないことを知っていてこういう約束を取り付けたのだろう。友達―か。思わず一瞬不安になってしまった。もしかしたら僕がいない間に、アリスが別の誰かと付き合っているかもしれないという予想に。そんなことを考えると嫉妬で狂いそうになってしまうので、考えるのをやめた。

「それじゃあ、またね。」

「ええ…またね。」

アリスとの軽い挨拶を済ませ、僕は外の世界に旅立っていった―




また長くなってすみません(汗)
そして、次回はショウ兼リョウの過去編にしますが、少し間が空いてしまうと思います。
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