孤独色   作:名も無き呟き

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ずいぶんと時間が空いてしまいましたが、今回はリョウを主題にして書いていきます!


悲劇

ヤバイ…かなりヤバイことになった。そうだ、考えてみれば俺から霊夢をデートに誘ったんだ。いつも忙しいから、久しぶりの休みくらいはゆっくり過ごさせたかったし、寂しい思いもさせてると思ったから、約束したのにな…。ってこんなこと考えてる内に着いちゃったか。目の前に広がるのは数時間前にいた博麗神社。おそらく、霊夢は怒っているに違いない。敷地内に足を踏入れた。すると、

「ガシャーン!」

何かが落ちて割れた音がした。

「な、なんだ!?」

思わず謝罪することも忘れて中に入っていった。

「霊夢、大丈夫か!?」

「いたたた…」

痛そうにうめいている霊夢のそばには、割れた湯飲みらしきものが落ちていた。足の上に落としたのだろうか。

「だれ?ってリョウか。」

こともなげにさらっという。あれ、もしかして怒ってない?だとしたら、何でだ?

「何があったんだ?」

「湯飲みを足の上に落としちゃったのよ。」

やっぱりそうか。

「ちょっと見せてくれないか?」

「でも、別にこれくらい平気よ」

「いいから。腫れてたら大変だろ。」

見てみると、少し赤くなっていた。ちょっと迷ったが、優しく霊夢の足に触れた。

「触っても、痛くないかい?」

「痛くなんかないわよ。」

そういってそっぽを向く霊夢の顔は少し赤くなっていた。あれ?俺なんかしたかなー。普通に心配だったから見ただけなのだが。うーん。

「大丈夫なら良かった。」

「だから平気だって言ったでしょ。」

思わず苦笑してしまったが、不意に俺がここに来た理由を唐突に思い出した。本来の目的―霊夢への謝罪だ。

「あ、あのさ、霊夢」

「なによ。」

「さっきは、俺から遊びに行くって言ったのにすっぽかしてごめん!!!」

そう叫びつつ土下座をした。それだけで霊夢の機嫌が直るなんて到底思えなかったが。

「別にいいわよ。」

「へっ?」

思わぬ答えに間抜けな声を出してしまった。

「そりゃあ、命の恩人に会えると思ったら人間誰しもその人を優先するに決まってるじゃない。だから、別に寂しくなんかないわよ…。」

最後のはほとんど呟きに似た小さい声だったが、俺はしっかり聞き取っていた。また、霊夢に寂しい思いをさせてしまったのか。ほんと、俺って最低だな。

「それでさ、わがまま過ぎるかもしれないけど、今から人里に行かないか?」

「デートに?」

「うん。」

はっきり言って、このままでは俺の気がすまなかったので、霊夢をデートに誘った。

「…いいわよ。」

あれ?なんか霊夢が素直だ。まあ、いいか。断られなかったし。

「じゃあ、行こうか。」

俺は霊夢の手に自分の手を絡ませた。俗にいう、「恋人繋ぎ」ってやつだ。霊夢はそんな俺の行動に驚いたようだったが、握り返してくれた。

そしてしばらく飛び、人里についた。デートと言っても喫茶店に寄ったりするくらいなのだが。

「さーてと。」

回りを見渡すと人が沢山いた。その中には俺達と同じようなカップルも数組いてホッとした。一組だけってのもなんか恥ずかしいからな。

「いつもの喫茶店に行くか?それともその前に買い物でもするか?」

「たまには、買い物もいいわね。」

「わかった、じゃあ、あそこに行くか。」

そう言って俺が向かった場所は、最近里の女子に人気の雑貨屋だった。そこには、ペアでつけられるペンダント等が売っており、友達同士でつけるのもよし、恋人とペアルックにするのもよしのフレーズで大人気だった。

「わぁ…。」

霊夢が驚いた声を出した。恐らくこういった店に入るのが初めてなのだろう。もちろん、俺だって初めてだが。

奥の方にペアグッズが売っている一角があった。なんとなく俺はそこに向かった。

「すげえな。」

「すごいわね。」

沢山の種類のペアグッズがあった。猫や犬などの定番のものから、狼などのちょっと珍しいものもあった。見ているとかなり欲しくなってしまうな、これは。さりげなく霊夢に視線を戻すと、あるものをじっと見つめていた。それは、イルカのペアペンダントだった。男性用が薄い水色で女性用が薄いピンク色だった。おそらく、それがほしいのだろう。霊夢だって普通の女の子なのだ。

「あの」

「なにかご用でしょうか?」

近くによって来た店員さんに声をかけた。

「このイルカのペアペンダント下さい。」

「はい!かしこまりました。」

「えっ…。いいの?」

「もちろん。俺の奢りだよ。」

「あ、ありがとう。」

霊夢はすごく嬉しそうだった。

「2000円になります」

俺はそれを支払った。

「早速おつけになりますか?」

「お願いします」

俺は自分でつけたが、霊夢は店員さんにつけてもらっていた。赤を基調とした服に薄いピンクはよくあっていた。

「似合うな、霊夢。」

「そ、そうかな。ありがとう///」

外に出てみると、夕暮れに近かった。

「そろそろ帰るか?」

「そうね。」

俺は霊夢を博麗神社に送った。そして、俺も自分の家に帰り、簡単に夕食を済ませて寝た。

 

翌朝―

 

「ドンドン!」ドアを強く叩かれる音で目が覚めた。眠たい目をこすり、ドアを開けると、そこには霊夢が仁王立ちで立っていた。

「ど、どうしたんだ?」

「ちょっとこれみて。」

霊夢から渡されたのは「文々。新聞」だった。何気なく大見出しを見ると―

俺と霊夢が手を繋いでペアペンダントをしながら、笑顔で人里を歩いている写真が載っており、タイトルには

「博麗の巫女!遂にスキャンダル発覚!」と書かれていた。

「これは…。文の仕業だな。」

って、いうことはまさか…

「そうよ…もう幻想郷中に広まってるわ。」

う、うそだ。ヤバすぎるだろ。これは、しばらく人里には出掛けられないな。あ、でもこれで霊夢に手を出すやつもいなくなるからな。これは利点だろう。

「でも、これで霊夢が俺のものってことが広まっ…」

「バッ、ババババカじゃないの!?ふざけないでよ!///」

こうして霊夢の平手打ちを顔にくらい、顔が赤くなってしまった。ま、顔真っ赤な霊夢を見られたからだいぶ満足だけどね。




私の都合により、過去編は次回作に回します。今回はラブシーンを多めに入れてみましたが、かなりいい加減になっていると思います。それでもよければ見てください。
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