黒猫さん、ごめんなさい!(土下座)
謝っている理由は本編を見て頂ければわかります。
時は少し遡る。
赤髪に赤色の瞳をした少年——城崎 甲は今日、彼女である春日部耀とデートする予定だった。しかしそれは突然にやって来た謎の黒いヘドロのようなものに邪魔されることになる。
突然本拠を襲われたのだ。それのせいでせっかくのデートはお流れとなってしまった。
「なんかこんなことが前にもあった気がするな」
そう、確か前の時はギャオスだったがせっかくの耀とのデートが流れたことがあった。
「確かその時は…」
その時は異世界の“ノーネーム”から魅剣秋人がやって来た時だった。
そして今回も…
「こ、甲!?」
この声に反応してそちらを見る。そこにいたのは
「この声…秋人か!?」
先ほど述べた異世界の同士、魅剣秋人がいたのだった。
「秋人、どうしてここに」
動揺して言葉が上手く出ないのを理解しながらも何とか秋人に理由を尋ねる。
「説明は後だ!今はこいつらをぶっ飛ばすぞ!」
「前もそんなんだったよ、な!」
甲はバーニング・フィストで近づいて来た黒いヘドロのようなものを殴りつける。
秋人は刀で黒いヘドロのようなものを斬りつける。
秋人と甲は背中合わせになる。
「さっきは後にしろって言ってたけど、これだけは教えてくれ。こいつらなんなんだ?」
「知らん!」
甲の問いに即答する秋人。
「知らんって」
「知らんもんは知らん!」
「そうかよ!」
こんな会話をしている間にも黒いヘドロのようなものを殲滅している二人。
しかしいくら倒してもキリがない。いや、本当に倒せているのか?そんな疑問が頭をよぎる。
「ああもう!うだうだ考えるのは性に合わねえ!甲!」
「なんだよ」
秋人は鞘を腰から取り、構える。
「ここは俺が引き受けた!だからお前は親玉らしきものを頼む!」
「親玉らしきものってそんなの本当にいるのか?見た感じ全部同じに見えるが」
「俺はそいつを追いかけてここに来た。だからいるはずだ!」
秋人の言葉に甲少し考える。確かにそれが本当なら二手に分かれた方がいいだろう。しかし
「それは別にいいんだが…なんでお前がいかないんだ?」
甲は少しだが秋人の性格を知っている。秋人を一言で表すのなら戦闘狂だ。とにかく戦うのが好きな。そんな奴が親玉を任せるには何かおかしい。
「簡単なことだ。認めたくないがお前の方が俺より強い。早く終わらせるにはお前が行った方が効率がいいからな」
秋人からしたら苦渋の選択なのだろう。甲はそれを理解し、
「わかった。その親玉的なやつに特徴とかはあるのか?」
「かくが違う。ここにいる奴らとは文字通りかくが違う、そんなやつだ」
「そうか。ならここは任せたぞ!」
甲はバーニング・フィストで一回回りを払うと探すために移動を開始した。
「さて、ここは任されたんだ。片っ端からぶっ飛ばしてやるよ…と、言っても数、多いなあ」
秋人は今目の前にいる黒いヘドロのようなものを見てげんなりとする。するといきなり秋人の視界にいた黒いヘドロのようなものは突然現れた雷によって消滅した。
「ストラ〜イク!」
秋人が声をした方向を見るとそこには黒髪で金色の瞳をした少年——
「真面目にやりなさい!」
その悠雷に突っ込みを入れるのは白髪で碧色の瞳をした少年——
「よお!久しぶりだな!」
秋人はその二人に声をかける。
「秋人!?どうしてここに」
「久しぶりだな!三年ぶりか?」
「そんなわけないでしょう!」
「そうだ違うぞ!二年ぶりだ!」
「それも違います!」
…ツッコミ役は疲れる運命にあるようだ。
一方その頃、甲は
「待て、この野郎!」
秋人が言う親玉らしきものを本拠内で追いかけていた。
「かくが違うって、そういうことかよ」
そう、確かに強さは他の奴らとは比べ物にならないがもう一つ、圧倒的な特徴があった。
「体の中に光る玉があったらわかるよ、な!」
そう、黒いヘドロの中に光る玉があったのだおそらくそれが核なのだろう。
いくら追いかけても全然追いつけない。むしろ引き離されている。
親玉らしきものが角を曲がって甲もその角を曲がると
「消えた?」
見えなくなってしまった。しかし
「そんなに距離は離れていなかったと思うんだが」
甲は辺りの気配を散策する。すると
「そこか!」
後ろに気配を感じ、拳を振り…抜けなかった。そこにいたのは
「よ、耀?」
自分の大切な人、春日部耀だったから。
「どうしてここに?」
「殺し…倒しそこねがないか探してた」
「そうか、ところで中が光ってる奴見なかったか?」
「見てないけど、どうして?」
「いや、多分そいつが親玉だと思うからそいつを倒せば終わりかと」
「そう、なら私はこっちを探すから」
「わかった」
甲と耀は二手に分かれて探し出した。
「ふう、こんなもんかな」
秋人は回りを見回した。目に見える黒いヘドロのようなものはいなくなっていた。殲滅仕切ったのだ。
「後は甲だけですが」
真がそう呟いた瞬間、
「悪い!見失った!」
甲が本拠から出てきた。
「見失ったってことはいたんだな」
「ああ」
秋人たちが集まると森の方で、
「いた!」
「え?」
親玉らしきものを見つけた。途端にそいつは逃げ出す。
「逃がすかよ!」
秋人が追いかける。
「おい!」
甲と悠雷がそれを追いかける。
「ではみなさん、少しの間待っていてください」
真が黒ウサギたちに一声かけてから秋人たちを追いかける。
「くそ、追いつけねえ」
秋人はどうしても追いつくことが出来ないでいた。
「秋人落ち着けって」
甲が焦る秋人をなだめる。
「つっても、おかしくね?あいつ」
親玉らしきものとの距離が縮まらない。秋人が追いかけても、甲が追いかけても、雷の速度を持つ悠雷が追いかけてもだ。
しかし距離が開くわけでもない。一定の距離を保っている。まるで何かを待っているかのように。
「遅れました」
そこに真が遅れて秋人たちと合流する。
「遅かったな。空間移動系の能力を持ってるのに使ってないってことは俺と同じく」
「ええ、使えませんでした」
真も秋人と同じく空間移動系の能力が使えなかった。
そんな話をしていると親玉らしきものが突然二体に分裂した。そして別々の方向に向かっていく。
「おい、どうする!」
「一応秋人と真は分かれたほうがいい、俺と悠雷だが悠雷の手綱のことを考えて真に悠雷を任せる!」
「了解!」
「わかったよ」
「ちょっとそれはひどくないか!?」
甲の指示に秋人と真は了承し、悠雷はツッコミつつもちゃんと真の方に向かっている。
甲と秋人チームは先ほどの様に追いかけているがやはり追いつけない。そんな時に空間に穴が空いていた。秋人がこの世界に来た時と同じ様に。
そして親玉らしきものはその中に入っていく。
「またかよ。けどま、逃がす気はないけどね」
秋人も続けて入っていく。
「ちょ、待てって!」
甲も秋人に続いて入る。
今度は前回と違い真っ黒な空間でなく森に出てきた。
「…また森?」
秋人は続けて森に出で来ることを疑問に思うが気にしないことにした。
「それにしても…また見失った」
「そうだな」
「で、どうする?甲。俺の経験から言うとここは別の箱庭のはずだが」
「それならとりあえずこの世界の“ノーネーム”にいこう。話はそれからだ」
秋人と甲がこれからの方針について相談していると後ろから突然声をかけられた。
「あれ?秋人と甲じゃん。久しぶり、どうしたの?」
その声に秋人と甲が振り返る。そこにいたのは白銀の色をした髪に紫水晶の瞳の少女——
「要か。色々あってな」
秋人は説明が面倒になったのか説明を全カットした。それに甲は苦笑しながら
「黒いヘドロのようなやつを追っていてな。そんなやつを見なかったか?」
甲が要に説明する。
「黒いヘドロのようなやつ?いえ、特に見なかったけど」
「そうか」
「どうする?甲。手掛かりなくなったぞ」
「片っ端から散策するしかないだろうな」
秋人と甲がどうするかを相談していると突然、秋人の腹から手が出てきた。その手は血で濡れている。
「カハッ!」
秋人が血反吐を吐く。どうやら内臓が傷ついたようだ。
「なにやってんだよ…」
甲が秋人を攻撃した相手に向かって叫ぶ。
「なにやってんだよ、要ェ!」
安倍 要は不敵に笑っていた。
黒猫さん、ごめんなさい!(土下座)←2回目
次回、次回要ちゃんにはちゃんと活躍していただくので何卒…!