奇跡と共に   作:祥雲

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此処は暗い海の底?
周りは何もわからない。

此処は狭い海の底?
どちらが前かもわからない。

此処は遠い海の底?
自分の居場所もわからない。

教えて下さい。
此処は本当に海なのですか?



虚像

玉座の間でひとしきり精神の安定化を味わったモモンガと、甘美な精神の幸福感を味わったベルンエステルの2人は六階層の『闘技場』に赴いていた。

リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの実験も兼ねていたが、問題なく階層間を転移出来たのは、とても良い収穫だったとモモンガは1人満足げに頷く。

 

「わぁ! ベルンエステル様!! ご帰還を心よりお喜び申し上げます!!」

 

「私もあんたに会えて嬉しいわ」

 

「そそそんな!? も、勿体ないお言葉です!!」

 

「顔を真っ赤にしちゃって照れてるの?」

 

「えっと……あぅあぅ……」

 

「くすくす」

 

これでアイテムの使用も可能。

ベルンエステルによる先のアルベドへの確認?も含めれば大収穫といっても過言ではないだろう。

楽しそうに会話する少女2人のすぐ隣でしきりに頷く骸骨は、控えめに見ても品定めをする魔王にしか映らない。

だがそれを指摘してくれる存在はいなかった。

 

「……そういえばあんたの片割れは? 一緒じゃないの?」

 

「あ!? し、失礼しました! コラァ、マーレ!! 至高の方々がみえられてるのよ!? 早く来なさい! 失礼でしょ!?」

 

「む、無理だよぉ……お姉ちゃん。だってこんなに高いんだよ?」

 

「いいから! さっさと来る!!」

 

「うぅ……っ……えい!」

 

そしてこの『闘技場』来た理由の一つは―

 

『……さん? モモンガさん? さっきから黙ってるけど、もうドイツ語が恋しいの?』

 

『いいえ!!』

 

と、思考の海に潜っていたモモンガの意識は条件反射といえる域に達した『ドイツ語』というキーワードをもって現実へと引き戻された。

勿論モモンガの身体が発光したのは割愛する。

 

やっと外界を認識したモモンガの前には双子のダークエルフの姉弟が並んでいる。

気を取り直してモモンガは口を開いた。

 

「アウラ。マーレ。急で悪いが少し邪魔をするぞ」

 

片や、スーツを着た男装の少女、第六階層守護者アウラ。

片や、スカートを穿いた男の娘、第六階層守護者マーレ。

 

ペロロンチーノの実姉である『ぶくぶく茶釜』が、『姉より優れた弟はいねぇ。むしろいらん』と造り上げたNPCである。

製作者のその海よりも深い信念は、先ほどまでの短いやり取りの中に如実に表れている。

服装を含め、彼女の業は深い。

 

「いえお邪魔だなんて! このナザリックの支配者であるモモンガ様とベルンエステル様を邪魔者扱いするヤツなんている筈ないじゃないですか」

 

「ぼ、ボクもお姉ちゃんと同じです。至高の方々を邪険にするヒトなんて…い、居ないです!」

 

アウラは快活に。

マーレはおどおどとしながらも力強く答えた。

その姿に、敵対する可能性は低いと判断したモモンガは内心胸を撫で下ろす。

 

「うむ。お前達や皆の忠誠を私は非常に好ましく思う。ベルンさんもそうでしょう?」

 

「えぇ。思わず抱きしめたくなる位」

 

モモンガが最早デフォルトになりつつある魔王ロールで。

ベルンエステルがその無表情を悪戯気に変えて告げてみれば、双子の姉弟は面白い位に動揺した。

その光景に思わずホッコリしかけたモモンガだったが、ここに来た目的を忘れる訳にはいかないと気持ちを切り替える。

 

「実は久しぶりに訓練でもしようかと思ってな。アウラ。マーレ。私とベルンさん2人分の的を準備してくれないか?」

 

そうモモンガが告げた瞬間、双子は大きく目を見開く。

 

「く、訓練!?」

 

「お、お二人の……ですか!?」

 

「? どうした? なにか可笑しいか?」

 

その様子にモモンガが首を傾げると、双子は動きをシンクロさせて首を横に振った。

 

「いえ! 至高の御方々の訓練のお手伝いが出来るなんて、すっごく光栄です!」

 

「す、すぐ的をご準備します!」

 

バシュッ!

パタパタ!

 

 

そんな擬音が相応しいだろう動きで、アウラとマーレは慌ただしく動き出した。

闘技場の入り口付近に控えていたドラゴン・キンという、人とドラゴンを足した様なモンスターへテキパキと指示を与える。

観客席とを隔てる壁の隅に等間隔で、藁人形達が並ぶまでそう時間はかからなかった。

 

「ご苦労。ではベルンさん。私から先にやらせて貰おう」

 

『すみませんが、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの性能も確認したいので、お先に失礼しますね!』

 

「お先にどうぞ」

 

『くす。実はワクワクしてますって隠しきれてないわよ?』

 

<メッセージ>での会話を重ねつつ、モモンガは藁人形に向けて指先を向ける。

ユグドラシルというゲームでは、アイコンをクリックし、スキルを発動するという一連のプロセスがあった。

だが今はカーソルもアイコンも存在しない。

しかし、モモンガには解る。

まるで虚空にアイコンが存在するかの様に、それを意識できる。

 

効果範囲。

発動時間。

クールタイム。

 

全てが完璧に頭に浮び―

 

「<ファイヤーボール>」

 

藁人形へ向けた指先から、はち切れんばかりに膨れ上がった火球が放たれたソレは、狙いと寸分違わず藁人形へと着弾。

轟音を伴い、藁人形のあった地面ごと瞬時に燃やし尽くした。

 

「……ふふ……ははは……」

 

『ベルンさん見ました!? 魔法ですよ!? 魔法!!』

 

「お見事」

 

『ちゃんと見てるわよ。にしても、第三位階で結構な威力ね』

 

「す、凄いです! モモンガ様!」

 

「た、只の<ファイヤーボール>がまるで<ナパーム>みたいでした!!」

 

Level 100

 

カンスト勢のモモンガの放つ魔法は、その位階が低いとしても脅威的な威力を持つ。

1世紀前の格言を挙げるなら『これはメラゾーマではない。只のメラだ』といった塩梅だろうか。

その威力をまじまじと見せつけられたアウラとマーレの瞳は、それはもうキラキラと輝いていた。

モモンガの気分も最高潮である。

 

「ふはは! そうかそうか。では次はベルンさんに代わろう」

 

「あら、もう良いの? 私は気にしないから他にもやってみたら?」

 

「いや、1人だけ訓練というのも味気ないだろう。それにアウラとマーレもベルンさんの魔法を見たいよな?」

 

 

珍しくモモンガに配慮したベルンエステルだったが、自分を見る双子とモモンガ(あくまで主観)の期待を隠しきれない視線に根負けしたのだろう。

はぁ……とため息を零しながら頷いた。

そして藁人形を見やる。

さて、何を試そうかと考ようとした矢先に、モモンガからの<メッセージ>が頭に響く。

 

『ベルンさん! 久しぶりにアレが見たいです! アレ!!』

 

『良いけど……視覚的な魅せスキルではないわよ?』

 

『構いません! カッコいいですから!!』

 

精神安定作用は仕事を辞したのか。

そう勘ぐらずにはいられないベルンエステルだったが、モモンガの実に楽しそうな声に思う所があったのか。

チラリとモモンガを一瞥するだけに終わる。

そして魔女は『宣言』した。

 

 

【赤き真実 藁人形は存在出来ない】

 

 

「「えっ!?」」

 

「おお!!」

 

ベルンエステルの後に続いたのは、アウラ・マーレの驚愕に震える声とモモンガの感嘆の声。

それは当然の結果である。

皆が共通する視線の先。

並んでいた藁人形達は綺麗さっぱり消えていたのだから。

 

その後は、機嫌の良すぎるモモンガによるギルド武器自慢や、その暴走に純粋に聞き入る双子。

召喚された<根源の火精霊>と喜々として戦闘する姉と、泣きながら巻き込まれる弟。

モモンガが労いと称して<無限の水差し>を取り出して振舞ったり。

ベルンエステルも、モモンガに倣って<無限の金平糖>を振舞ったり、という一幕を経て時間は過ぎていく。

その幕間のカーテンコールは余りに自然に訪れた。

 

「おや? わたしが一番でありんすか?」

 

甘い声音の郭言葉が聞こえたかと思えば、地面から影が扉の形に浮き上がる。

その影からするりと身を躍らせたのは、白蠟の肌に銀色の髪を揺らした少女。

その者は第一・第二・第三階層が守護者。

ペロロンチーノが己の魂の限りを詰め込んだ最高傑作。

吸血鬼の真祖・シャルティアであった。

周りを見渡そうとして、視界に青い髪を捉えた瞬間、シャルティアは嬌声をあげる。

 

「ベルンエステル様ではありんせんか!? ご帰還をお待ちしておりましたでありんす!!」

 

「……ありがとシャルティア」

 

興奮して鼻息が荒いシャルティアを見つめるベルンエステル。

その両眼はしっかりと胸に注がれていた。

 

『アレ相当盛ってるわよ』

 

『? なんの話ですか?』

 

そんな会話が裏で行われているとは露知らず。

シャルティアはモモンガへと抱き着く。

 

「あぁ、我が君……わたしの唯一支配出来ぬ愛しのお゛!?」

 

が、言い終わる前にアウラに側頭部から綺麗に蹴られ吹っ飛んだ。

きりもみしながらゴロゴロと転がるも、瞬時に反転するあたり流石は近接ガチビルドと言えるだろう。

 

「チビすけ! いきなり何するでありんすか!!」

 

「いきなりモモンガ様に抱き着くなんて失礼よ! この偽乳!!」

 

突然の攻撃に憤慨するシャルティアだったが、アウラの最後の一言でビシリと亀裂が入った彫刻の様に固まった。

 

「……なんでしってるのよー!?」

 

「一目瞭然でしょ。そんなヘンテコリンな盛り方しちゃってさぁ。何枚重ね? 7枚位?」

 

「うわー!? うわー!?」

 

『あ。そういう意味でしたか』

 

思わずポンと手を叩いたモモンガ。

そして郭言葉で話すだけの余裕はシャルティアにはなかった。

そんなシャルティアにアウラは邪悪な表情を浮かべる。

 

「走れないから<転移門>使ったんだよね? 走ったら飛んでっちゃうもんねー。ぷぷっ! 未来のある私と違ってあんたは大変ね。そうでしょ? シャ・ル・ティ・ア・お・姉・ちゃ・ん?」

 

「おんどりゃぁー! 吐いた唾は飲めんぞー!」

 

互いに一触即発の空気。

その脇でオロオロするマーレ。

モモンガはその光景に懐かしさを感じた。

まるで、ペロロンチーノとぶくぶく茶釜の姉弟が喧嘩していた時の様な。

そんな気安さを感じるやり取り。

彼女らの背後に、かつての仲間の姿がダブって見える錯覚すら覚える。

 

「サワガシイナ」

 

その諍いを終わらせたのはくぐもった声。

視線を移せば、口から冷気をだす氷色の巨体が立っていた。

それは第五階層守護者。

昆虫の頂点たる『蟲王』・コキュートスである。

言い争う2人を、もう一度窘めるとすぐさま膝をついた。

 

「ベルンエステル様。コノコキュートス。ゴ帰還ノ時ヲ心待チニシテオリマシタ」

 

「ありがと。あんたは元気だった?」

 

「ハッ! 息災デゴザイマシタ。近頃ハ侵入者モ無ク、鍛錬ニ費ヤス日々デシタガ」

 

「そう。これからも励みなさい」

 

「ああ。期待しているぞ」

 

「アリガタキオ言葉」

 

「あぁ!? ずるいでありんす!」 

 

それから一言、二言会話をしていると如何にも出来るビジネスマンという表現が相応しい男が姿を見せた。

 

「おや。お待たせして申し訳ありませんね」

 

出来る男という風格を漂わせるこの男こそ、第七階層守護者。

最上位の悪魔たるデミウルゴスである。

その後ろには、デミウルゴスをここまで連れてきたのであろうアルベドの姿もあった。

 

「これはベルンエステル様!? 無事のご帰還をこのデミウルゴス。心よりお喜びさせていただきます」

 

「そう言ってくれると嬉しいわ」

 

「至高の御方々に仕える身として当然でございますれば」

 

デミウルゴスは優雅に礼をした。

この場に守護者が集まったのを確認して、モモンガは魔王ロールを開始する。

 

「よし。これで皆集まったな」

 

「恐れながらモモンガ様。まだ2名ほど来ていない様ですが?」

 

「あの2人は除外とする。流石にナザリックの防衛の要を完全に抜いてしまうのは避けたいからな」

 

「左様でしたか。モモンガ様のお考えを汲めず申し訳ありません」

 

デミウルゴスが守護者皆の代弁をしたのか、他に疑問がある者はいない様だ。

 

「では皆、至高の御方々に忠義の儀を」

 

アルベドの守護者統括に相応しい凛とした言葉を受け、守護者達は一列に並んだ。

 

『え? なにが始まるんですコレ?』

 

『さぁ? とりあえず好きにさせたら?』

 

守護者達の表情は真剣そのもの。

モモンガとベルンエステルの困惑を他所に、端に居たシャルティアが前へと一歩踏み出た。

 

「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン。御身の前に」

 

跪き、臣下の礼をとった。

シャルティアに続き、コキュートスも前に踏み出す。

 

「第五階層守護者、コキュートス。御身ノ前ニ」

 

シャルティアと同様に臣下の礼。

次に双子のダークエルフが前に出た。

 

「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ。御身の前に」

 

「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ。お、御身の前に」

 

此処までに跪いた4人は、体格差をものともせず見事なまでに整った並びだ。

彼らがそうであるならば、残る2人が出来ぬという道理はない。

そしてデミウルゴスが優雅さをもって踏み出した。

 

「第七階層守護者、デミウルゴス。御身の前に」

 

涼しげに流れる水を思わせる華麗さをもって臣下の礼をとる。

最後に残ったアルベドが微笑みを携えて前に出た。

 

「守護者統括、アルベド。御身の前に」

 

その見惚れる様な笑顔は『モモンガに』まっすぐ向けられている。

頭を下げる直前までアルベドは微笑を崩さなかった。

 

「第四階層守護者ガルガンチュア。及び、第八階層守護者ヴィクティムを除き、各階層守護者、御身の前に平伏し奉る。…ご命令を至高の御方々よ。我らの忠義全てを御身に捧げます」

 

その様は正に圧巻。

数はたった6人。

しかし彼らから感じられる忠誠心に、モモンガは息をのむ。

ベルンエステルも若干頬が引くついていた。

 

『べ、ベルンさん…なんか凄い事になってます!』

 

『…まさここまでとはね。会う度に畏まって喋るから覚悟はしてたけど…』

 

『でもやるしかないですね。…よし! 頑張るぞ!』

 

だがサイコロは投げられたのだ。

もう後には引けぬとモモンガは意を決して、魔王ロールを続ける。

 

「面を上げよ」

 

守護者達が乱れのない動きで頭を上げた。

彼らの瞳に映るのは、絶対なる忠誠を誓う主の姿。

 

「今このナザリックに異常事態が起きている」

 

「「「「「!!」」」」」」

 

「それに気付けたのは私とモモンガさんだけ。セバスには一足先に地表の探索を命じたわ。もう少しでこの場に来る筈よ」

 

モモンガとベルンエステルの言葉に、アルベドを除いた守護者に衝撃が走った。

同時に、見計らったとしか思えないタイミングでセバスが小走りに現れる。

 

「モモンガ様、ベルンエステル様、遅くなり誠に申し訳ありません」

 

「良いセバス。ご苦労だった」

 

「皆にもあんたの見たモノを伝えてちょうだい」

 

「はっ。まずナザリックの周辺1kmは草原でございました。以前の毒のある沼地ではありません。知的生物は確認出来ず、人工物の類も発見出来ませんでした」

 

「ありがと、セバス」

 

「はっ」

 

報告を終えたセバスが列に加わる。

守護者達は佇まいこそ変わらないが、明らかに動揺しているのがわかった。

表情の奥には、何とかこの異常事態に気付けなかった失態を払拭したいという感情が透けて見える。

それこそが2人の狙いなのだが。

 

「という訳だ。各階層守護者達よ。ナザリックの警戒レベルを一段階上げよ。侵入者がいたら生かして捕えよ」

 

「マーレ。あんたは魔法で周囲の草原にナザリックのダミーを作りなさい。その後、この大墳墓にはダミーと同じに見える幻術を私とモモンガさんが掛けるからしっかりね」

 

「は、はい! ぼ、ボク頑張ります!!」

 

「防衛守護者のデミウルゴス、守護者統括のアルベドは全ての階層の警備を厚くせよ。ただし第九と第八階層は例外とする」

 

「畏まりました」

 

「僭越ながら全力を尽くさせていただきます」

 

「シャルティアは地表からの侵入者の警戒にあたりなさい。必要なら私の『猫』を貸すからその時は<メッセージ>で伝えて。コキュートスはシャルティアと連携して行動なさい。上層のあんた達の働きが特に重要だからね」

 

「了解しましたでありんす」

 

「承リマシタ」

 

「セバスはプレアデス達を使い、各階層の連絡・伝達を徹底させよ」

 

「しかと努めさせていただきます」

 

至高と称える支配者2人からの命令。

それは失態を拭いたいと願う守護者達にとって、暗闇に差し込まれた光に等しいのだから。

 

「最後にお前達に聞きたい。お前達にとって私とベルンさんはどの様な存在だ? ―シャルティア」

 

「モモンガ様もベルンエステル様も美の結晶。モモンガ様のその白きお身体と、ベルンエステル様の深く美しき瞳はこの世のどんな宝石ですら見劣りする程でありんす」

 

「―コキュートス」

 

「我ラ守護者ノ誰ヨリモオ強イ方々デアリ、ナザリック地下大墳墓ノ支配者ニ相応シイ御方々カト」

 

「―アウラ」

 

「とても慈悲深く、深い配慮に優れた御方々です」

 

「―マーレ」

 

「す、凄く優しい方々だと思います」

 

「―デミウルゴス」

 

「賢明な判断力と聡明な頭脳、何より瞬時にご決断の出来る判断力を有された御方々。まさに端倪すべからざる、知者は水を楽しむ、という言葉が相応しきかと」

 

「―セバス」

 

「モモンガ様は至高の方々の総括を任せられ、私達を見放さずお残り下さった慈悲深き方。ベルンエステル様はその魔導だけでなく知識すら深淵を覗かせる、再びこの地にお戻り下さった温情溢れる方です」

 

「―最後になったが、アルベド」

 

「至高の御方とその最高責任者であります。

そしてモモンガ様は私の愛しい御方です」

 

「……お前達の考えは十分理解出来た。なぁベルンさん」

 

「……そうねモモンガさん。これなら十二分に任せられるわ」

 

「では今後とも忠義に励め」

 

「期待してるわよ」

 

「「「「「「ハッ」」」」」」

 

守護者達が一斉に頭を上げたのを確認して、2人は転移した。

行先は円卓。

椅子にもたれかかり、完全に脱力したその姿に、数秒前までの威厳は全くなかった。

今は少しでも気を落ち着かせたいとモモンガは思う。

 

―だってアイツラ……ガチなんだもん

 

見た目もロールも魔王な骸骨の心はガラスなのだ。

取り扱いには十分なご注意を。

 

「そういえばパンドラズ・アクターには会わないの?」

 

「―ぁ」

 

パリィンとナニカが割れる音がした。




今話は長めになっておりますが如何でしたでしょう。
この話は一気に登場キャラが増えました。
それに詳細はありませんが、ベルンエステルのスキルもチラリと。
後に詳しい描写を書く話が入り込みますので、それまでは色々とご想像を膨らませて頂ければと存じます。

UA・お気に入りが一気に増えていて驚きました。
ご感想を下さった『ラゼ』様をはじめ、この作品を読んで下さっている方々。
皆様には感謝しております
誠にありがとうございました。
今後も頑張らせて頂きます。
では次話にて。
                                     祥雲

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