くーさんこと露草です。
ちょっち日が空いてしまいましたが、これも露草クオリティというわけで勘弁してください~(^^;
さて、どうでもいい話のコーナーに参りましょうか(笑)
この小説のタグでもありますが、主人公の寅次郎くんは「not鈍感系」つまり普通にヒロイン全員の好意に気づいていたりします。
こうなるとですね~、まったく気付いていない(仔犬)、1人しか気づいていない(水樹)と比べ恋愛方向へ動かしやすくて結構やりやすかったりします。
まあその代わり、袖にするやり方が大変だったり……(笑)
では、「くんゆる」3話どうぞ!(≧ω≦)
放課後。
柘榴ちゃんからの「陸上部頑張ってきます!先輩との将来のために!」というメッセージを華麗に既読スルーし、僕は図書室に向かって歩いていた。
理由は単純、図書委員だからだ。
ガラッ
側面のあたりがボロボロの引き戸を開けると、本のにおいが漂ってきた。
4階だからか窓から入ってくる風もとても涼しい。
少し歩いてカウンターのところに行くと、分厚い本を読んでいる小柄な女の子がいた。
集中しているらしく、僕が来たことに気づいていないようだ。
僕は少しだけ見えた表紙で読んだことある本だと気づいた。
「確か、『あの丘の思い出』か」
「!?」
思わず呟いてしまった。
ビクッと震えた彼女が勢いよく振り返る。
振り返った勢いで彼女のメガネが取れ、床に落ちてしまう。
「あっ、メガネが……」
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
メガネを受け取った彼女は少し恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「ごめんね、脅かしちゃったかな」
「……寅次郎せんぱいは悪趣味です」
ぷんっと拗ねたようにそっぽを向く彼女。
そんな様子も彼女がやれば可愛いだけで、僕はクスッと笑ってしまう。
そしてそれを見た彼女がさらに拗ねるという悪循環だ。
いや、悪循環って言っても本気で怒っているわけではないだろうけど。
彼女の名前は、
きれいな藍色の髪のとても可愛い女の子なのだが、恥ずかしがり屋でいつも本に顔の半分を隠している。
現に今も目から上しか見えていない。
ちなみに彼女入学したばかりなので図書委員ではない。
以前会った時に特例で許したのだが……まあ、この話はまたでいいだろう。
どっちにしろ、そろそろクラス委員決めがあるだろうし。
「今日は誰か来た?」
「……いえ。」
「だろうね」
月渚ちゃんの答えに苦笑を返す。
そもそもこの図書室は利用人数がそう多くない。
最近流行りのマンガもおいておないし、少し歩けばちゃんとした図書館がある。
そんなわけで図書委員といっても別段仕事があるわけでもない。
「でも……私はこういう静かな雰囲気が好きです……」
「うん、僕もだよ」
図書館と違って強制されることなく作り出される静かな空間、それが学校の図書室だと僕は思う。
彼女の隣に座り僕も本を取り出す。
彼女との時間の過ごし方はこんな感じだ。
特に会話があるわけでもなく、ゆっくりと時間が過ぎていく。
「……」
「……」
静かな時が流れる。
椅子2つ分離れたところから本のめくる音が聞こえてくる。
「……」
「……」
静穏な時が流れる。
耳元に彼女の呼吸音が聞こえてくる。
「……」
「……」
清閑な時が流れる。
クンクンクンクンと彼女が鼻を鳴らす音が耳元で聞こえて……
「いや何をしてるのかな?」
「……?」
「そんなキョトン顔されましても」
いつの間にか月渚ちゃんは椅子2つ分どころかぴったり寄り添い、僕の肩に顔を置いていた。
というか、こんな体勢なのによく読めるね。
「近い、近いです」
「……わたしは平気ですよ?」
「僕が平気じゃないんだよなぁ」
彼女との距離は数センチ。
ちょっと首を曲げたらキスすらできてしまう。
と、月渚ちゃんは読んでいた本を僕に見せてきた。
「あの……このページ……」
「え?」
そのページは、主人公の男の子とヒロインの女の子が夕日の川辺で寄り添いキスをしている場面だった。
月渚ちゃんまた口元に本を戻し、少し頬を赤くして僕を見た。
「再現……したいです……」
「あぁ、うん。ちなみに月渚ちゃんはこの本は読んだことあるのかな?」
「え?あ……はい」
そこまで言って気が付いたのだろう。
一気に彼女の顔が真っ赤になってくる。
「ならこの後のシーンも知ってるわけだよね?」
一見したらこの本は人間の男の子と吸血鬼の女の子の初々しい純愛物語に見える。
だが、この後川辺で……まあなんと言うか、BやC的なことをするシーンがあるのだ。
ちなみにその後は最後までそんな感じのシーンばかりが続く。
「というか、13歳の女の子が官能小説ってどうかと思うよ?」
「……せんぱいだって15歳じゃないですか」
「男の子はいいんです」
「何ですか、それ……」
適当な返しをすると、月渚ちゃんは本の陰でくすくすと笑っていた。
どうやらごまかせたようだ。
「それで……再現お願いしてもいいですか……?」
訂正、まったくごまかせてなかった。
困った目で月渚ちゃんを見ると、彼女も頬を赤くしながら、けれども真剣な目で僕を見ていた。
「弱ったなぁ……」
「……お願いします。わたし、せんぱいのことがす、好きですから」
「うーん、それは知ってるけど……」
真っ赤な顔で好意を口にする月渚ちゃん。
それ自体はすごく嬉しいのだが。
僕ははーっとため息をついて、彼女に苦笑を向けた。
「……キスはダメだよ。その手前までね」
「……!あ、ありがとうござい……ます!」
心底嬉しそうな月渚ちゃん。
それでは、と姿勢を変え、メガネを外した。
「『先輩、私幸せです』」
「えっと……『僕もだ。君に会えてからずっと幸せだよ』」
「『……本当にいいんですか?あなたは人間で、私は吸血鬼なんですよ』」
「『そんなの関係ないさ。僕が君を愛してる、それがすべてだよ』」
2人とも読まなくても内容は覚えている。
ここで少しだけ黙って、僕の……というか主人公のセリフだ。
「『やばいすごいキスしたい』」
「『……別にしていいですよ』」
「『ダメだよ。したら止まらなくなりそうだから』」
「『……ダメです、先輩。わたしがもう止まれません』」
このセリフの後、ヒロインの女の子がキスしてくるのだ。
まあ、再現だから実際にはやんな……
「むぐっ!?」
「んっ……」
ってなんでキスしてるの!?
驚いて彼女を見ると、完全にトリップした顔をしていた。
ヤバいと思い彼女を引き離す。
「る、るなちゃ……うひゃ!?」
「ぺろっ……せんぱいおいしいです……」
ぺろりと月渚ちゃんの小さな舌で、鼻をなめられた。
慌てて僕は彼女をゆする。
「月渚ちゃん!」
「……はっ!?せ……せんぱい……」
ようやく正気に戻ったようだ。
彼女はさっきまで自分がしていたことを思い出したようで。
「あぁぁ……ふぁああああああああ~!!!!」
湯気が出そうなほど顔を真っ赤に沸騰させた彼女は、彼女にしては珍しい大声を出して走って行ってしまった。
って、かばんも本も置きっぱなしだし。
「はぁ……」
彼女のカバンと本を持ち、僕は立ち上がる。
とりあえず彼女を探さないとなぁ。
彼女を発見した後、何と声をかけるべきか考えながら僕は図書室を出て行った。
という感じです!(笑)
3人目のヒロインは月渚ちゃんと書いて「るな」ちゃんです!
若干キラキラな感じがしますが、普通に漢字変換の候補にあったんですよね~(^^;
個人的には、小説に向かない読み方とはいえ、きれいな響きがしていい気がするのですがどうでしょうか?(*^^*)
ちなみに当初考えていた漢字は「瑠那」でした(笑)
月渚は妄想系といいますか、妄想暴走系文学少女って感じですかね~?
妄想暴走オレ変装yeah!って感じです(どういう感じだよ)
個人的には好みドストライクだったり(笑)
では、またお会いしましょう!
感想、評価、お気に入りお待ちしています!(*^^*)
では、こぐっばい!