暗殺教室 ~バーニング・デイズ~   作:ロナード

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今回は中間テストの話となります。さあ、どういう結果となるのでしょう?


標的12 中間テスト来る!

浅野理事長が来た次の日、授業が始まると殺せんせーは昨日より多く分身を作り出し、クラスの皆の言った。

 

「さあ、今日は更に頑張って増えてみました!」

 

『増えすぎだろ!?』

 

皆が揃って言う程に殺せんせーは分身の数が前日の3倍以上は増えていた。本当に増えすぎて怖いと言うよりは気味が悪い・・・それに分身の残像も所々乱れているので、殺せんせーの体力も大分持ってかれている筈だ。それでも殺せんせーが分身を消さないのは、前日の浅野理事長の言葉が原因だと思われる。スピードだけでは変えられない事が有る、E組には最底辺のままでいてもらわないと困ると言われたからだろう。それが悔しくて否定したいから、こんな無茶をしてまで僕らE組の成績を上げようとしているんだろう。まあ、頑張り過ぎて分身が雑になり変な姿になっているのはご愛嬌かな?

 

 

授業が終わり、殺せんせーはさすがに無理して分身を増やし過ぎた事も有ってか、グッタリとしてしまう程に疲れた様なので、僕は殺せんせーにコップに水を汲んできて渡すと、殺せんせーはコップの水をあっという間に飲み干した。

 

「ふうっ。少し楽になりましたよ。ありがとう渚君。」

 

「それはコチラの台詞だよ。殺せんせーが教えてくれたお陰で苦手教科が少しは克服出来そうだよ。苦手教科以外の教科も家で復習に予習もしながら頑張っているよ。苦手教科は殺せんせーの教え方がいいから、今までで一番良い成績が出せそうだよ。上手くいけば、僕の決めた目標も達成出来るかも。」

 

「渚君の目標?先生の暗殺とは別のモノですよね?」

 

「うん。殺せんせーの暗殺も目標だけど、それは学生の本分とは違うよね。僕は成績を上げて何とか50位以内に入ってやろうと思っているんだ。E組の生徒であろうと成績のトップは狙える事を、崖っぷちに追い詰められた者の粘り強さっていうのを本校舎の生徒に示してやろうと思っているんだ。」

 

僕の目標を殺せんせーだけでは無く、このE組の教室全体に聞こえる様に言った。じゃないと、皆がこの様な考えに至らないと思ったからだ。これで少しは上の成績を目指そうと思ってくれる筈だと思ったのだが、クラスのほとんどが僕の考えとは違う反応を見せた。

 

「渚、それは無理だって・・・成績を上げてトップを狙ったとしても、所詮はエンドのE組だぜ俺達は。勉強の方はそれなりでいいかなと思っているんだ。」

 

「三村君!?そんな事無いよ。僕らだって頑張れば、成績のトップを狙えるという事を証明しないと今後も本校舎の生徒に教員からの扱いは変わらないんだよ!」

 

「三村君の言う通りだよ渚君。なんたって殺せんせーを暗殺出来れば賞金百億貰える訳だし、無理して成績を上げる必要は無いよ。」

 

「矢田さんまで・・・本当にそれでいいの?今から勉強をおそろかにしたら、もう一生最底辺の扱いから抜け出せないんだよ!?それを解っているの!?」

 

「渚、すまないけど・・・その大きな目標はお前とその考えに着いていける人と一緒にやってくれ。俺達は殺せんせーの暗殺さえ、出来れば百億貰える訳だしな。百億も有れば、成績悪くても人生困らないだろうしな。」

 

「岡島君・・・殺せんせーを暗殺出来たとしても、そのお金だって咄嗟の出来事で無くなるかもしれないんだよ。そういう可能性も考えられるからさ、勉強を頑張ってE組を最底辺の扱いから変える努力をしないと、もしもの時に困るかもしれないし。だから・・・」

 

「だから何?結局は渚の話も言い様ね。あなたの言ってる事は只の押し付けよ。そんな不可能に近い目標より、私達には暗殺の方が身近なチャンスなのよ。」

 

速水さんも僕の考えに賛同出来ないのか・・・押し付けと言われれば、確かに押し付けだが、本当に今から頑張っていかないと最底辺の扱いから抜け出せないのは事実だ。でも、皆に無理させてまで押し付けていい目標なのか・・・その不安だけは有る。僕が考えたこの目標に賛同しているのは前日に先に伝えたソルテだけだろう。カルマ君は賛同も否定もしそうに無いが、カルマ君の場合は元から成績がE組の中で一番優秀なので賛同せずともこの目標自体は達成出来るので、カルマ君は除く事にするが、他の皆の意識を変えないと僕の目指すE組が最底辺の扱いから抜け出すを達成出来ない。この目標を皆が目指してくれるのは、無理な話だったのか・・・僕は皆にこの目標を目指させるのは諦めようかと思った時だった。殺せんせーが皆に向けて口を開き伝えた。

 

「確かに押し付けかもしれませんが、渚君の話した目標はこのクラスの皆が目指すべきモノの筈です。渚君の言う通り今、勉強をおそろかにしたら、後で後悔します。渚君の話を聞いた後に暗殺を選ぶ生徒は残念ながら、暗殺者の資格は有りません。」

 

「だろうな。俺もそう思ったわ。」

 

「前原!?お前、渚の言う目標を本気で目指す気か?」

 

「ああ、そうだぜ磯貝。俺はちょっと前に、当たり前に学校通って勉強出来る事が一番の贅沢だと解ったからな。世界には勉強したくても、学校に通う事すら叶わない人が多いしな。その事に気付いてみると、勉強を嫌がらずに頑張ってみようかと思えてきただけさ。」

 

前原君は僕の目標に賛同してくれるみたいだ。前原君は勉強が当たり前に出来る事を一番の贅沢だと言っているのは、前に戦ったバロンの過去を聞いたからだろう。バロンは物心つく前に親がおらず、一人で生きていく為の知識を捨てられた教材で得ていたと話していた。だから、前原君は勉強を当たり前に出来る、普通に学校に通える事がどれだけ恵まれている事なのか、考えたんだろう。前原君は勉強が当たり前に出来る事を一番の贅沢だと知ったから、この目標に賛同してくれたんだろう。

 

「そうだな。俺は記憶が無くなる前の事は解らないけど、生きていく為には勉強を頑張って少しでも良い成績を残さないといけない筈だ。それに俺はこの学校の理不尽な教育方針をぶっ壊してやりてえしな!俺は皆より早く昨日の放課後に聞いたけど、渚が言った目標に俺は賛成さ。百億という金も無限じゃないし、働ける場所を得る為にも勉強は頑張るべきだぜ!」

 

ソルテは僕の目標に元から賛同してくれているので、僕の言う目標がどれだけ重要なのかの説明もしてくれた。

 

「前原君も渚君と同様にあの出来事の中で成長した様ですね。それは喜ばしい事です。ソルテ君も渚君と仲良くなった上に目標にも賛同してるので、とてもやる気に満ちてると言えますね!しかし、君達3人を除けば、このクラスの生徒は勉強をおそろかにしてる!そんな生徒に暗殺者の資格は無い!全員校庭へ出なさい。渚君と前原君にソルテ君の3人も例外無くです。後、リボーンお願いが有ります。烏間先生とイリーナ先生の二人を呼んできて下さい。」

 

「解った。あの二人を校庭へ連れ出せばいいんだな。」

 

殺せんせーはE組の生徒全員に校庭へ出る様に言うと、リボーンには烏間先生とビッチ先生の二人も校庭へ出る様に伝える様に頼んだ。

 

 

校庭に出ると、殺せんせーは校庭の広い範囲を使う気なのかサッカーゴールをどかし、校庭の端に移動させていた。ゴールを移動させ終えると、校庭にやって来たビッチ先生に声を掛けた。

 

「イリーナ先生、プロの殺し屋であるあなたに質問です。」

 

「何よ、質問なんていきなりどうした訳・・・まあ、答えられる程度なら答えるけど。」

 

「それで構いません。あなたが殺し屋として依頼を実行する時に用意する計画は一つだけでしょうか?」

 

「いいえ、本命の計画は思った通りに成功する事なんて少ないわ。場合の可能性を考えた上で予備の計画に直ぐ様に移れる様に綿密に作っておくのが暗殺での基本よ。ただし、あんたの場合は予備の計画も全て潰される程に規格外だった訳だけど・・・」

 

「ですね。これからも一生無理です。」

 

ビッチ先生に暗殺者は暗殺を行う為の計画を複数用意するのが定石だという事を話させると、殺せんせーは自分の暗殺は一生無理だと言ったのでビッチ先生は少し機嫌が悪くなった。そんなビッチ先生を放っておく様に、今度は烏間先生に尋ねた。

 

「次は烏間先生です。ナイフ術を生徒に教える時に重要なのは第一撃だけですか?」

 

「出来れば第一撃で相手を仕止めるのが理想的だが、現実はそう簡単にはいかない。第一撃は最重要だが、次の動きも大切だ。強敵相手には第一撃は回避される可能性がかなり高い。その為、第一撃を回避された後に追撃をいかに高精度で繰り出すかが勝敗を決する。」

 

「成る程な、よく考えた教え方だな殺せんせー。」

 

烏間先生が話を終えると、どうやらリボーンはビッチ先生に烏間先生に質問して答えさせた殺せんせーの魂胆に気付いたらしい。

 

「リボーン、あなたの思っている通りでしょう。私が烏間先生にイリーナ先生に質問して答えさせたのは、生徒達に自信が有る次の手を用意してるから自信に満ちた暗殺者になれる。それを君達に伝えたかったのです。君達はこの二人の先生に渚君と前原君にソルテ君の3人に対し、自分達には暗殺が有るからそれでいいやと考え、学生の本分である勉強をおそろかにして、勉強の目標を低くしています。」

 

「そういう事だ皆。渚の言った事は正解だ。」

 

「今、前原君が言った様に先程の渚君が言った事は正しいです。もしもの時に困りますよ。それは私を殺して百億が手に入った後の事だけではなく、私が君達の前から完全に姿を消して本気で逃げ去ってしまったら?もし、君達より先に先生が別の殺し屋に殺されるか、病気とかの予期せぬ事態で死んだらどうなる?暗殺という拠り所を失った君達にはE組の劣等感しか残りません。そんな危うい君達に先生からのアドバイス兼警告です。第二の刃を持たざる者は・・・暗殺者を名乗る資格は有りません!」

 

殺せんせーはそう告げると同時に身体を旋回させ、なんと校庭に大きな竜巻を作り出したのだ!!?殺せんせーの起こした竜巻が校庭の雑草や砂に土を巻き上げていき、校庭を綺麗に平らにしてしまった!?

 

「雑草に凸凹が多くなってましたし、校庭を綺麗にしておきました。先生は地球を滅ぼせる超生物だという事を忘れずに!この一帯をあっという間に平らにするなんて先生には簡単な作業なのですよ。もしもの事ですが、君達が第二の刃を示せずにいた場合は最早、この教室には先生の相手に価する暗殺者はいないと判断し、校舎とこの辺りを綺麗に平らにしてから先生は去る事にします。第二の刃を示す期限は明日です!明日の中間テストでクラス全員50位以内を取りなさい!渚君の話した目標通りです。この目標を達成しない限り、君達には劣等感しか残りません。この劣等感を無くすには、君達が50位以内を取り、自分達が劣等生では無い事を本校舎の者に教えてやりなさい!」

 

殺せんせーは竜巻を起こして辺りを綺麗に平らにした後に、クラスの皆に全員が中間テストで50位以内を取る様に言った。取れなかった場合は直ぐに自分は去ると宣言した。僕の目指した目標がまさか、こんな形で早くクラス全員の目標に定まる事になるとは・・・殺せんせーが去らない様にする為には、誰もが勉強をおそろかにせずに中間テストで良い結果が出せるかが左右する。

 

「君達の第二の刃は先生が既に育てた筈です。本校舎の教師達に劣る様なトロい教え方はしていません。ですので、自信を持って第二の刃を明日の中間テストで見せ付けて下さい。この目標を達成して恥じる事なく笑顔で胸を張れるように頑張りなさい!自分達が暗殺者であり、E組の生徒である事に!そして、本校舎の者達に教えてやりなさい。自分達E組は雑草扱いの劣等生では無い事を、本校舎の花冠を被った優等生気取りの者達に思い知らせてやりなさい!」

 

殺せんせーは既に皆には中間テストで50位以内に入れる様に教えてきたと伝えた。明日の中間テストでクラス全員が50位以内に入って、E組である事に誇れる様に頑張ってみせる!クラスの皆はどう思ったかは知らないが、僕は明日の中間テストで絶対に50位以内に入ってみせる!

 

 

 

その日の放課後、僕はソルテと勉強会を行おうとして一緒に下校して、適当な飲食店に入った。勉強会に杉野や茅野達も誘ったが断られてしまったので、ソルテと僕の二人だけでやる事になった。

 

「明日は中間テスト本番だ。苦手教科は殺せんせーが教えてくれたけど、一応、得意苦手関係無く5教科全ての復習をやろうか。」

 

「そうだな渚。後、リボーンから聞いたんだが、本校舎ではあの理事長が自らテスト範囲の授業を行ったらしい。」

 

「理事長が自ら!?何でそんな事を・・・」

 

「多分、アイツの主義を通す為じゃないのか?E組である俺達に頑張っても、本校舎の生徒には敵わないって思わせようっていう魂胆じゃねえの?」

 

「う~ん、やっぱり、それしか無いのかな・・・浅野理事長がE組には最底辺のままでいてもらわないと困るからって、そこまでやるのか・・・」

 

「やっぱり、好かないぜ。あの頭デカっちの理事長は!!待てよ、さすがにあの理事長がテスト範囲を軽くお復習する程度の授業を行う筈が無い・・・もしかしたら、テスト範囲を変えたりしてるんじゃないか!?本校舎の生徒に教員だけには教え、俺達E組には教えずにテスト範囲を変えた可能性が有るぞ!」

 

「さすがにそこまでは・・・やりかねないかも、あの理事長だと・・・」

 

「だろ!今日は出来るだけまだ習ってない範囲のところも覚えてから帰ろうぜ。予習同然な上、何処が出るのか解らない以上は少しリスクが高そうだけどな・・・」

 

「それでもやるしかない!まずは従来通りのテスト範囲をお復習しようか。その後に予習をしよう。僕は一応、予習してた箇所も有るけど、その部分以外もやるべきかな?」

 

僕とソルテは勉強会をし、復習を終えると予習を開始した。予習だとさすがに正しい解き方なのかどうかは判断出来ないがそれでもやった。浅野理事長の事を考えると、本当にテスト前にいきなりテスト範囲を変えるなど平気でやりそうなので油断出来ない以上はやるしかなかった。しばらくして、外も暗くなり、飲食店の店員からは咳払いされ迷惑そうだったので勉強会はここで終える事にした。

 

「ソルテ、勉強会はここまでにしようか。店員さんが迷惑そうな顔になっていたし、外も暗くなってきたしね。」

 

「そうだな。ここまでにするか。復習よりは予習の方が多かったけどな・・・」

 

「本当にそうだね。家に帰った後は自分の力だけで復習と予習をして頑張ろうか。」

 

「ああ。それじゃ、じゃあな渚!」

 

「うん。じゃあねソルテ。明日の中間テスト頑張ろうか。」

 

僕とソルテは勉強会を終えると帰宅した。僕は帰り道の途中でも復習と予習をし、家に帰った後も勉強を頑張り、少し満足したところで眠りについたのだった。

 

 

 

 

中間テスト当日、僕を含めたE組の生徒全員は本校舎の教室に入りテストを行っていた。テストの時は全校生徒が本校舎で受ける決まりなので、E組の生徒も例外無く本校舎の指定された教室でテストを受ける。しかし、それは同時にアウェーの状態でテストを受ける事になる。それは本校舎の生徒からだけでは無く、教員も例外無くだ。実際今、E組のテストは本校舎のD組の担任である大野が見張っているのだが、大野はわざと大きな咳払いをしながら、教卓を指で叩き音を発てては僕らの集中を乱そうとしていた。

 

「お前らE組は落ちこぼれだからって、カンニングはするなよ。俺達本校舎の教師が見張っているからな!」

 

大野はそう言いながら、わざとらしい咳払いや指で音を発てる妨害を続けていたが、大野の頭上からまるでコントの様に大きな金だらいが落ちてきて、大野の脳天に直撃すると大野は脳に振動が伝わったのか気絶した。

 

「全く、この学校の本校舎の教師はクズ揃いだな・・・」

 

とリボーンが僕らの後ろで教員姿でいる為、大野を気絶させた金だらいを落下させた犯人は間違いなくリボーンだ。今ので妨害相手を気絶させてくれたので、リボーンには本当に感謝しないとね。金だらいで気絶した大野は放っておいとき、僕らはテストに集中した。この学校のテストはとにかく難しく凶悪な怪物かの様だ。その怪物を撃破すべく、ペンという得物を手にこの怪物を解き攻略する方法を探す。まずはよく問題文を見てみよう。問題文をよく見ないと勘違いしたまま、間違った答えを書いてしまう。そうなったら、この怪物に飲み込まれるも同然だ。よく観察しよう、この怪物を生み出す問題文を一つずつ丁寧に観察してみる。すると、殺せんせーの教えてくれた事を思い出した。

 

「いいですか?問題文を一つずつ丁寧にみれば、確実に少しずつ解き方が解ります。少しずつ問題文を見極めていき、それを繋ぎ合わせていけば、どんな問題だろうと難無く解けます。」

 

本当にそうだ。問題文をよく見て、問題文の中でも重要な部分を見つける事が出来れば、後は解く事を考えればいい。解き方のコツも殺せんせーが教えてくれた通りだ。問題文を見極めさえすれば、解き方のコツも載っている事に気付く。解る、この問題は完全に解った。殺せんせーがマッハで教えた通りだ。これなら余程の事が無い限りはこのやり方で解いていける筈だ。今の問題の答えを記入し終えると、次の問題に進み、その問題の答えも直ぐに解り記入した。その次の問題も例外無く解いた。他の皆もここまでは順調の様だ。だが、この調子でいけたのは少しの間だけだった。

 

 

問11か。これは殺せんせーが教えていない範囲の問題だ。この問題以降の問題もパッと見したが、その先も殺せんせーが教えていない範囲がほとんどだ。おそらく、ここでE組の生徒は力尽きただろう。僕とソルテにカルマ君、それと前原君を除いて。僕とソルテは浅野理事長がテスト範囲を変える可能性を考えて勉強会で予習したので、何とか生き残った様だ。カルマ君は元々頭が良いので、予習したかどうかは知らないが残れたのだろう。前原君は勉強が当たり前に出来るのが一番の贅沢だから嫌がらずにやるべきだと言ってたので、多分自力で予習をしていたのかもしれない。

 

ここからが本番だ。予習した事を生かしながら、殺せんせーの教えも混ぜないとこの先の問題は解けないだろう。ますこの問11を解く事を考えよう。問11は多数の計算式で構築された厄介な問題だ。これを解くにはまず、問題文に有る脆い計算式から解いていき、その答えを問題文の他の箇所に有る計算式と繋ぎ合わせないとならない。この場合はまず、問題の根本を抑える必要が有りそうだ。僕は問11の問題文に書かれた下の計算式から解いてき、その答えを上の問題文に繋ぎ合わせていきながら、頂点の問題文に到達すると、この問11の答えが解ったので記入した。

 

この先は今の問11と同様の問題が待ち構えているが、何とか今の様に解いていき、中間テストを生き残るしかない。クラス全員が50位以内に入るという目標が達成出来ないのは残念だが・・・それでも残った僕とソルテにカルマ君、前原君の四人が倒れた皆の分までこの先の問題を解いていくしかない。その後の問題も何とか解き方を見つけては、解いていき答えを記入していった僕だったが残念ながら時間が足らずに残った問題が有り、残念な結果を残して僕はそのテストの前から姿を消すしか無かった・・・

 

 

 

中間テストが終わり、テストが返却された。その結果、僕は5教科の合計点が412点で187人中47位だった。50位以内には入れたが、これは微妙な結果だ。とても満足出来る様な結果では無い。

 

「何とか50位以内に入れたけどよ、ちょうど50位って・・・ギリギリじゃないか・・・」

 

前原君は50位に入ったらしく、50位以内に入れた様だが本当にギリギリなのでため息を吐いていた。他の皆は残念ながら、あの問11の影響で結果を出せず、高くても磯貝君の68位だった。烏間先生は今回のテストがどう考えてもおかしいと思った様で、本校舎の教師と電話で話している。烏間先生と電話相手の教師との会話でやはりテスト二日前に出題範囲を全教科で大幅に変えた様だ。その事に烏間先生は普通では無いと言うものの電話相手の教師が言うには、進学校だから直前の詰め込みにもついていけるか試すのも方針の一つだと言う。

 

全教科のテスト範囲を大幅に変えた上で浅野理事長は自ら本校舎のクラスで教壇に立っては、変更部分を授業で教えたらしい。ソルテの考え通り、浅野理事長は自らの主義の為には手段は選ばないと今改めて感じた。烏間先生は電話を切ると、殺せんせーに目を向ける。殺せんせーは責任を感じているのか、皆とは目を合わせようとはせず僕らに背中を見せていた。

 

「先生の責任です。この学校の仕組みを・・・いや、あの理事長を侮っていた様です。君達に顔向けする資格なんて有りません・・・」

 

殺せんせーは責任を感じており、僕らに顔向けする資格は無いと落ち込んでいた。そんな殺せんせーにカルマ君が対殺せんせー用ナイフを投げた上にリボーンが『堂々と背中を見せるとは、そんなに死にたいなら今すぐ死ね!』と言って銃を発砲した。殺せんせーはカルマ君とリボーンの不意打ちを回避すると、二人に文句を言った。

 

「ちょっと!?リボーンにカルマ君、空気読んで下さいよ!?私は今、落ち込んでいるんですよ!!」

 

「知らないよ、そんな事。顔向け出来ないと、俺やリボーンに殺されそうになっても見えないよ。それに俺はテスト範囲が変わったとしても問題無いし。」

 

カルマ君はそう言って、殺せんせーに自分のテストを見せた。カルマ君の合計点は494点で187人中4位だった。その結果を見たクラスの皆はカルマ君の事を純粋に凄いと思った様だ。

 

「殺せんせー、アンタが俺に合わせて余計な範囲も教えてくれたからだよ。俺以外にもテストで50位以内に入ったのは俺だけじゃないし。渚君は47位で前原はギリギリで50位だしね。ソルテはトップ10は逃したけど11位さ。社会だけが低かったからベスト10は逃したみたいだけどね。」

 

「社会だけは本当に苦手なんだよ・・・地理は興味有る物が出ないとつまんないし、歴史は退屈だから苦手なんだよ。」

 

ソルテは本当に社会だけは苦手だが、それ以外は断トツに良い成績を出したので頭の良さはカルマ君とほぼ変わらないレベルなんだろう。まあ、ソルテは社会が苦手と言うよりは、社会がつまらないから嫌だという感じだな。テストで50位以内に入れば、E組から本校舎の元のクラスの担任の許可さえ有れば、元のクラスに戻る事が出来る。僕の元のクラスはD組で担任である大野が戻っても良いと許可したみたいだが、僕は戻る気は無い。そもそもE組に落ちた時に僕の事を散々酷く言っておきながら、今回の中間テストで50位以内に入った途端に手のひら返しで態度を変えたので、信用するに値しないので戻る気は無い。カルマ君の話は続いていき、殺せんせーの真意を確かめようとしてかディすり始めた。

 

「それで殺せんせー、アンタはこれからどうするの?全員が50位以内に入ってないと言い掛かりして尻尾を巻いて逃げるの?それって結局は殺されるのが恐くて嫌だからビビって逃げたいだけじゃないの?」

 

カルマ君の今の言葉で殺せんせーに若干火が着いたらしく、クラスの皆はそれが解ると一斉に殺せんせーをディすり始めた。

 

「殺せんせー、本当は恐かったんだ。」

 

「そういう事なら正直に言えばいいのに。」

 

「恐くて仕方有りませんから逃げたいって!」

 

「泣きたい程、殺されるのは嫌だったら言ってくれればいいのにな!」

 

クラスの皆が殺せんせーをディすると、殺せんせーは怒りで顔が真っ赤になり、叫んだ。

 

「そんな事有りませんよ!!逃げる訳無いでしょ!!残りますよ、この教室に!!期末テストでリベンジして今回の借りを倍返ししてやりましょう!!」

 

そう言った殺せんせーに皆は笑いながら答えた。殺せんせーは笑う生徒に悔しくないのかと言ったりするが、内心は自分を元気付けてくれた生徒達に感謝してるんだろう。リボーンはそんな殺せんせーと僕らを見ると、ニッと笑顔を浮かべながら言った。

 

「そうだな。期末テストで倍返ししてやれ!!その為に俺はE組に新しい教員を派遣する事にした。楽しみにしておけよ!それと寺坂、テメエ・・・俺が教えてやったのに中間テストの結果が187人中144位ってどういう事だ?テメエ、やる気有るのか?」

 

「待てよ・・・俺は一応、マジで頑張った。本当だ・・・これは嘘じゃねえ!!?」

 

「言い訳無用だ。これからも俺が責任持って、期末テスト前に再度お前の成績アップの為にネッチョリとしごいてやろう!」

 

「夢なら覚めてくれ!!?」

 

寺坂君はやはりクラスで一番低い成績だった為、リボーンの指導が期末テスト前に再び行われる事になった。それにしても、リボーンが言う新しい教員か。一体、どんな人なんだろう・・・

 

 

こうして、中間テストは残念な結果で終わったが、それでも僕は心の中でE組で有る事に胸を張った。このクラスでいる事こそが僕にとって一番誇れる事で有る様に!




今回の話で前原は勉強が当たり前に出来る事に当たり前に学校に通えるのは一番の贅沢だと言っていましたが、実際そうです。学校に通う場合は必然的にお金が必要です。学費の他にも教科書代とか有りますしね。世界には金銭的な問題で学校に通いたくても、通えない人が多いです。日本は義務教育で中学校までは確実に通えますが、それが恵まれた事だと知ってる人はどれだけいるのでしょうか・・・高校や大学に通っても、サボろうとする人がいますが、そもそも通えるのは大半の人が親が学費などのお金を払ってくれているからの筈です。もし、お金を払っているのが自分では無いのに学校をサボって遊び放っていたら、お金を払ってまで学校に行かせてくれる人の気持ちを考えると胸が痛む筈です。学校に通えるのを当たり前だと思わず、学校に通えるのは恵まれた事だと認識する必要が有るかと思います。


殺せんせーが言っていたE組は雑草の様に扱われる劣等生、本校舎の生徒は花冠を着けた優等生気取り。だというのは『魔法科高校の劣等生』の世界観を元ネタにした言葉です。

問11、原作ではE組の生徒を追い詰めた問題ですが、今回の話では渚はソルテとの勉強会で予習した事も有り、何とか解く事が出来ました。前原も自分で予習してた様で解いた様です。カルマは言うまでも無いですね。

リボーンが呼んだE組に来る新しい教員は一体誰なのかは次回で明らかにします。出来れば、修学旅行の話にまで持っていきたいですね・・・
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