僕らは暗殺者。標的は僕らの担任である殺せんせー。その殺せんせーを暗殺する為に僕らを鍛えてくれるのは見た目は赤ん坊の最強の殺し屋リボーン。この二人との出会いのお陰で僕らE組は少しずつ変わりつつ有った。例えば、杉野は対殺せんせー用BB弾を付着させたボールを投げて殺せんせーを暗殺しようとした。けど、そのボールは殺せんせーからすれば遅球に過ぎず、マッハ20のスピードで用具室のグローブを取り、杉野の投げたボールをグローブでキャッチした。それが原因で杉野は本当に野球を止めてしまおうかと考えたと思う。
そんな杉野に殺せんせーはアドバイスをした。杉野はボールを投げる時、メジャーリーグに所属するプロ野球選手の投げ方をしていたが、それは杉野の肩だと筋力が足りずにスピードが有る球を投げるのは無理だと伝えた。だが、それは杉野に野球の才能が無いっていう意味ではなく、その投げ方だと杉野の才能を生かせないという意味だった。杉野は手が軟らかいので変化球を投げる才能が有ると伝えたのだ。それで杉野は自信がつき、野球を続けて殺せんせーの暗殺も続けると決意した。その時の様子をリボーンは遠くから見ていた様で、どうやら野球に取り込む杉野の姿がリボーンの知り合いと重なって見えたらしい。リボーン曰く、『杉野は純粋野球バカ、アイツは天然野球バカだな。』という事らしい。
それから数日が経過し、僕らは今、リボーンから殺せんせー暗殺の為にも身体を鍛える事も当たり前だが必要だと言われたので、体育の時間でリボーンの指導をE組の皆が受けている。ただし、寺坂君と村松君に吉田君の三人と、狭間綺羅々という少し顔色が悪い感じの女子は不本意な感じだけどね・・・
「それじゃ、今日は軽く身体を軟らかくする運動だ。最初は手を回せ。そんで肩も回せ。」
リボーンが手と肩を回すのを見せると、僕らもリボーンの動きを真似るかの様に皆は手と肩を回す。更にリボーンはこの状態から指示を出す。
「おっし、更に脚も回せ。」
『えっ・・・脚!?』
クラスの皆は手と肩を回しながら、リボーンに言われた通りに脚も頑張って回すと、リボーンが更に指示を追加する。
「そして、首を回せ!」
首を回せと言うとリボーンがやる手本の首回しは首というよりは頭が回っているとしか言い様が無い・・・しかも、360度回っているし・・・
『首というか、お前の様に頭を360度回すなんて出来るか!!?』
さすがにクラスの皆が出来ないと発言する。リボーンは僕らに向けて何で出来ねえんだテメエらみたいな表情をしていたが、そんな顔をされても出来ないんだから仕方無いと思う。それに僕らは殺せんせーを暗殺出来る程の暗殺者になれる為に鍛えられているんじゃ・・・僕らはビックリ人間になる為に訓練してる訳じゃないから・・・
「仕方無いな、お前らには無理な指示だった様だな。なら、首じゃなくて構わねえぞ。首の代わりに鼻か耳のどちらかを回すだけでも良しとするぞ。」
『だから、それが出来ねえって言ってんだ!!ビックリ人間を作る気かよ!!?』
こうしてリボーンの指導は僕らがツッコミを入れながら進んでいったのであった・・・
あの無茶な柔軟運動をやらされた次の日、僕は参加しなかったが殺せんせーをクラスのほとんどで集団として暗殺に掛かったみたいだが、やっぱり簡単に回避され、殺せんせーに武器を取られてしまったみたいだが・・・殺せんせーがマッハ20のスピードで武器を取った生徒の手にクラスの皆で育てた花壇のチューリップに持ち代えさせたので、殺せんせーが知らなかったとは言え、クラスの皆で育てた花壇を荒らしてしまったので、殺せんせーはその謝罪としてハンディキャップを付けた暗殺大会を開く事にしたらしい。
僕はそのハンディキャップ暗殺大会の様子を見に行く。殺せんせーは木にロープで吊るされた状態だったが、それを物怖じせず、マッハ20のスピードでロープで吊るされた状態でハンディキャップ?暗殺大会に参加した皆の一斉攻撃を避けており、当たる素振りは無い。僕がその様子を見続けていると、茅野が防衛省にいる筈の烏間さんと一緒にやって来た。
「あれ?烏間さん・・・何でここに?」
「君は渚君だったな。俺は今日から、君達E組の副担任を務める事になった。それと体育の担当もやる事になった。宜しく頼む。」
「はい。これから宜しくお願いします、烏間先生。」
烏間さんが今日から烏間先生として僕らE組の副担任になったので、僕は烏間先生に宜しくお願いしますと言った。烏間先生はどうやら、今やっているハンディキャップ?暗殺大会の事を聞いた様で見に来たらしいが、現状を目の当たりにした烏間先生は頭を抱え、少し困惑した表情になる。
「これは暗殺と言えるのか・・・」
「ええと、渚。殺せんせーの様子を見てどう?」
「完全にナメられているね・・・」
殺せんせーの顔は黄色と緑の横縞になっているので、完全にナメられていると嫌でも解る。やっぱり、ハンディキャップじゃないよね・・・
「ちゃおっス。烏間、今日からお前もここの教師だそうだな。宜しく頼むぞ。」
「リボーンか。ああ、宜しく頼む。それより、あの様子を見るからに暗殺として成立してはいないと思うのだが・・・」
いつの間にか、僕らの近くに来たリボーンが烏間先生に挨拶すると、烏間先生がリボーンにあの状態が暗殺として成立してはいないと思うと伝える。すると、リボーンは僕の顔を見て、烏間先生に僕に聞けとでもかと言う様に促す。
「烏間、実は渚はな。あのタコの弱点というよりは生態調査結果みたいなものだが、気付いた事を弱点メモとして記録してるんだ。だから、渚は意外とあのタコの事を知ってるぞ。ついでに烏間、お前がいない間にあのタコに殺せんせーという名前が付けられた。」
「そうか。例え、その名前が定着したとしても俺は絶対に呼ばん。ヤツは標的に過ぎん。」
「相変わらず、ノリが悪いな烏間は。」
「ノリが悪いとかは知らん。それで渚君。君が書いたヤツの弱点メモで役立つ情報は?」
「ええと、リボーンが言う様に僕のメモした内容はどちらかと言えば、殺せんせーの生態調査結果みたいな感じなので役立つかどうかは解りません。けど、今の殺せんせーの様子を見るからに・・・」
殺せんせーは木にロープで吊るされた状態で未だに続く皆の一斉攻撃を舐めきった顔で避けていたが、マッハ20のスピードで避け続けていた為、そのスピードの重圧に耐えられなくなった木の枝が折れると、殺せんせーは地面に落ちた。そして、その隙を逃さずに皆が一斉に殺せんせーに突っ込んで行く。殺せんせーはロープでぐるぐる巻きになった状態の中、芋虫走りで逃げ回るがテンパっているので余計にロープが絡み付いた。
「殺せんせーの弱点メモ、その1。直ぐにボロが出る。その2、意外にテンパるのが早い・・・」
「な、言っただろ烏間。渚に聞いた方がいいとな。」
「確かにな・・・渚君、その調子でどんどんメモしていけ。そういう些細な事がヤツの暗殺に繋がる筈だ。」
烏間先生にも言われたので、僕はこれからも気付いた事が有れば、殺せんせーの弱点メモに記録していく事にした。殺せんせーは芋虫走りで逃げ回りながらも何とかロープを振りほどくと、ジャンプして校舎の屋根の上に着地し、皆に挑発するかの様な態度を取る。
「さすがに、す、少し危なかったです・・・でも、ここまでは来れないでしょ!!基本性能が違うんですよ、バーカバーカ!ぜえぜえっ・・・明日出す、宿題の量を2倍にします。」
『小さっ!!?』
テンパっていたのは解っていたが、勝手に自滅しかけておいて挑発しては宿題の量を倍増しにするって、子供かよ・・・殺せんせーの弱点メモ、その3、器が小さい。宿題の量を倍増しにすると宣言した殺せんせーの様子を見て、烏間先生もさすがに呆れていた。あれ?リボーンはいつの間にか姿が見えない。一体何処に?
「おい、殺せんせー。」
「にゅやああっぁっ!?り、リボーン。ど、どうしてここに!!?」
「俺は最強の殺し屋だぞ。こんなボロ校舎の屋根の上にまで登るのは朝飯前だ。」
リボーンは校舎の屋根の上に立っていた殺せんせーの後ろに移動していたのか・・・殺せんせーに向けてリボーンが銃で発砲し、殺せんせーは避けながら、殺せんせーに言う。
「殺せんせー。お前、宿題の量を2倍にするって言ったな?」
ああ。その事を注意する為にわざわざ校舎の屋根に登ったのか。リボーンは弾が勿体無いと思ったのか、銃をしまうと殺せんせーの顔を睨む。
「ああ!言いましたよ!!宿題の量を倍増しにするって勝手に決めた、どうせ身勝手な教師ですよ私は!!」
「いや、俺が言いたいのはそういう事じゃねえ。倍にするのは宿題の量じゃなくて、宿題の難易度だ!だから、明日からは宿題の難易度は倍だ。以上、殺せんせーのハンディキャップ暗殺大会は終わりとするぞ。じゃあ、お前ら。明日からの宿題を楽しみにしとけよ!」
『おい、ちょっと待て!!指摘する部分が間違っているだろ!!』
クラスの皆が宿題の難易度を上げられた事に批判的な意見を出すが、リボーンには聞き入れて貰えなかった・・・殺せんせーはその間にこっそりと逃げて何処かに去っていた。烏間先生も少し戸惑った様だが、僕らはめげずに殺せんせーの暗殺を続けていこうと思う。例え、明日から宿題の難易度が倍増しに上がっていたとしてもだ・・・
烏間先生が来て、しばらく経った日の五時間目に体育の授業で烏間先生が体育の教師として僕らを指導している。それを見ている殺せんせーの姿、そしてその殺せんせーに烏間先生、僕らを含めた全員が見える位置でテーブルを置いてはコーヒーを飲むリボーンの姿も有るが、リボーンの事は皆が気にしない様にして体育の授業に集中する。
「烏間先生の授業で元気に動く生徒の姿を見るのも良いものです・・・生徒が対先生用ナイフを握っての素振りじゃなかったら・・・普通に平和な景色なのですが・・・」
「何故、ここにいる・・・体育の教師は俺の筈だが、何故お前がいる?」
「それは生徒からの人気だった体育の授業が出来なくなって寂しいからで・・・」
「嘘付くんじゃねえ!お前の体育の授業はお前のスピードだから出来る事をやらせようとした無茶苦茶な授業だったじゃねえか!!」
『リボーンが言える事じゃないだろ!!?』
クラスの皆がそう思った。殺せんせーの体育もそうだが、リボーンの体育の授業も無茶苦茶だ。僕らとこの怪物二人ではスペックが違い過ぎるから、本当についてこれない授業だった・・・その後、殺せんせーは烏間先生に授業の邪魔だから砂場で遊んでいろと言われたので泣きじゃくりながら砂場で遊んでいる中で、皆がナイフの素振りが意味有るのかと言う疑問に対して烏間先生は基礎を鍛える事が大切だと言うと、烏間先生は磯貝君に前原君を相手にして、もし二人のどちらかが自分にナイフを当てられたら今日の体育の授業を早めに終えてもいいと言うので、磯貝君に前原君の二人が烏間先生を相手にするが、烏間先生によって簡単に捌けられてしまった。
「この様に多少の心得が有れば素人二人のナイフぐらいは俺でも捌ける・・・グハッ!!?」
磯貝君と前原君のナイフを捌けていた烏間先生だったが、後ろからリボーンの飛び蹴りを喰らって仰け反った・・・
「待て、リボーン・・・今、何故俺を蹴り飛ばしたのだ・・・」
「いやぁ、お前が結構一途前の事を言ってるからな、俺が鍛えていた頃からどれくらい成長したか確かめたかったんだが・・・この程度の蹴りを避けられない様ではまだまだだな!」
『今の不意討ちを避けられるのは実質、そこの砂場にいるヤツだけだ!!』
リボーンが烏間先生に飛び蹴りを喰らわせ、何か理不尽な事を言ってたので烏間先生とクラスの生徒全員がリボーンにそうツッコミを入れた。ついでに砂場で遊んでいた殺せんせーは今の出来事が有った中、砂場の砂で大阪城を作った上に茶室の小道具を持ってきては衣装も着替えていたので何かムカついた。
体育の授業が終わると、女子生徒からは烏間先生の容姿が良い方なので烏間先生の話が多かった。そんな皆の前に赤い髪の少年が立っていた。僕は彼の事を知ってる。彼の名前は赤羽業。業と書いてカルマと読む珍しい名前だ。
「カルマ君、停学解けたんだ。」
「渚君、久し振り。で、あれが例の殺せんせーか。それと殺せんせー暗殺の為の指導を行うのがあの赤ん坊リボーンか。」
カルマ君が殺せんせーに近付くと、殺せんせーは停学が解けた初日から遅刻したカルマ君を叱る。カルマ君は殺せんせーに生活リズムが戻らないからと言うと、殺せんせーに自分の事は下の名前で気楽に呼んでほしいと言い手を出したので、殺せんせーはカルマ君に挨拶として握手したのだが・・・カルマ君と握手した殺せんせーの触手一本がどろどろに溶けた。その後にカルマ君が制服の袖口に仕込んだのか対先生用ナイフで殺せんせーを刺そうとしたが、殺せんせーはマッハ20のスピードで避けて一瞬の内にカルマ君から離れた。
「本当に効くんだ、このゴムの様なナイフ。細かく切って手に貼り付けたんだ。でも、こんな簡単な細工に気付かない上に、俺から距離を離しすぎだし、殺せないから『殺せんせー』って聞いたんだけど、先生って実はチョロいんじゃないの?」
カルマ君の言葉を聞いた殺せんせーの顔が赤くなる。殺せんせーは赤くなった時は怒りを表しているので、今のカルマ君の挑発にイラついた様だが直ぐに気を落ち着かせると元の黄色い顔に戻った。それにしても初めてだ。殺せんせーにまともなダメージを与えた人は初めてだ。僕とリボーンは対先生用BB弾をかすめるだけだったのに対して、カルマ君は触手一本をどろどろに溶かす程のダメージを与えた。まあ、その触手は直ぐに再生したからダメージが無かった事になった感じだけどね・・・教室に戻る時に茅野にカルマ君がどの様な人物なのか尋ねられたので、僕はカルマ君が2年生の時に暴力沙汰で停学を食らいE組に落とされたと教えた。でも、そんなカルマ君がこのE組では一番の優等生かもしれない。何故なら、カルマ君は今の様に不意討ちや凶器の扱いの基礎は群を抜いているからだ。
カルマが殺せんせーの触手一本を溶かした程のダメージを与えたのを見たリボーンは、思わず呟いた。
「赤羽業か・・・これは面白い生徒だな。まあ、暫くは様子見で観察する事にするか。ボンゴレファミリーのメンバーにスカウトしたいところだな。」
そう思ってボンゴレファミリーのメンバースカウト候補に第1候補として記録したらしい。
カルマ君が戻ったので六時間目から授業に参加した。と言っても今日は小テストなので、僕を含めたE組の生徒は小テストに集中したいのだが・・・さっきから殺せんせーが教室の壁を触手で多分、壁パンチをやっているんだろう。しかし、触手がやわらかいので壁にダメージは伝わらずに教室中に少し不快な音が響くので、クラスの皆から小テスト中だからうるさいと注意されてしまっているので、そんな殺せんせーを見て僕は教師として大丈夫なのか少し不安になってくる。そんな中、寺坂君達三人がカルマ君にちょっかいを出してくる。
「カルマよぉ、あのバケモンを怒らせたら危ないぜ。だから、どーなっても知らねえぜ。」
「もう少し家に引きこもってればいいんじゃねえの!」
と、挑発的な言動をカルマ君に向かってやっていたが・・・
「小テスト中だぞ!!私語は慎まんか、この三バカトリオ!!」
リボーンによってチョークをおでこに向けて投げられ、寺坂君達三人はチョークを喰らって気絶した。しかも、あまりの威力にチョークが粉と化したので、カルマ君を含めたクラスの皆が戦慄した。だが、小テスト中なので直ぐに気持ちを切り替えて小テストに集中する。でも、カルマ君は何処からか持ってきたか知らないジェラートを舐めていた。
「怖いねえ、リボーンは・・・殺せんせーより、リボーンの方が殺せないんじゃねえの?」
「ちょっとカルマ君。今は小テストです。そんな物を舐めている暇が有ったら・・・って、それは先生が昨日、イタリアに行き、キャバローネファミリーのボスからオススメされた店で買ったジェラートじゃないですか!!?」
『お前のかよ!!?』
「ってか、あのへなちょこ・・・何を呑気にイタリア観光をさせてんだ・・・次会った時にしばいてやる。」
カルマ君が舐めているジェラートは昨日、殺せんせーがイタリアに行って買ってきた物らしい。それとジェラートを勧めたのがキャバローネファミリーというマフィアのボスらしく、そのキャバローネファミリーのボスとリボーンが知り合いなのか、標的である殺せんせーを呑気にイタリア観光させた事に怒っている様だ。カルマ君が舐めているジェラートを取り返しにカルマ君の席に近付こうとした殺せんせーだったが、カルマ君がいつの間にか床に散らばせていた対先生用BB弾を踏んでしまい、殺せんせーの脚の触手がジェラートの様に溶けた。
「また引っ掛かったね。俺は授業中だろうと何度でもこんな手を使ってあんたを殺しにかかるよ。それが嫌なら俺か俺の両親、挙げ句の果てには俺に関わった人を殺せばいい。でも、それをやった瞬間から、もう誰もあんたを先生として見なくなる。只の人殺しの怪物さ。そうなれば、あんたという『先生』は俺に殺された事になる。それとジェラートを舐めていたのは小テストをとっくに終えたからだよ。多分、全問正解だよ。じゃあ俺は帰るよ。明日も遊んでやるぜ、先生。ついでにジェラート返しておくよ。」
カルマ君は言いたい事を殺せんせーに告げた後、ジェラートを殺せんせーの服にぶちまけると教室を出ていった。殺せんせーは無言でジェラートをぶちまけられた箇所をハンカチで拭く。カルマ君は頭が良くその上でどんな物でも器用に扱う。だけど、それを他人とぶつかる為に使ってしまう。だからなのか、殺せんせーとのギリギリの掛け合いを楽しんでいる様に見える。小テストが終わった後、僕らは下校した。寺坂君達三人は未だに気絶してるけど・・・
僕は杉野と一緒に下校するが、僕は電車で帰るので杉野とは駅の入り口前で別れた。杉野と別れ直ぐに、本校舎の生徒が僕をからかってくる。
「おい、渚だぜ。もうすっかりE組に馴染んでるし、ありゃもう俺らがいる本校舎に戻ってこねえな。」
「うわ、カッコ悪い!?しかも停学してた赤羽も戻ってきたんだってよ。」
「それは最悪だね。俺だったら、E組に落ちるぐらいなら死ぬわ。」
この様な感じでE組の生徒は本校舎の生徒からはからかわれる運命だ。しかも、向きになってからかってきた本校舎の生徒に抵抗するのも許されない。本当にこの椚ヶ丘中学校のルールは理不尽で有る。だけど、僕をからかってくる本校舎の生徒は直ぐに黙る事になった。
「ふーん、落ちるぐらいなら死ぬんだ?じゃあ、今すぐ死ぬ?」
カルマ君が僕をからかっていた生徒二人の後ろで炭酸飲料の入った瓶を壁にぶつけて割ると、割れた瓶をその二人に向けた。
「赤羽だ!!?に、逃げろ!!?」
「こ、殺される!!?」
「あーあ、本当に殺す訳無いじゃん。もっといい玩具が有るし、また停学になる暇は無いしね。」
同じく電車で帰ろうとしたカルマ君と合流した僕はカルマ君と一緒に帰る事にしたのだが、カルマ君に殺せんせーの事で尋ねられた。
「あの先生はタコと言ったら怒る?」
「いや、逆かな。殺せんせーの自画像はタコだし、ゲームで使うアバターもタコオンリーらしいし、この前なんかは校庭の砂場で穴を掘ってはタコつぼっていう一発ギャグをやっていたよ。まあ、その時はさすがに隙だらけだったからリボーンが銃で発砲していたけどね・・・」
「なるほどね。一種のトレードマークってところか。そーだ、下らないけど効果的な事を思い付いたよ。それに俺は嬉しいよ。あの先生が只の怪物ならお手上げだったんだけど、見た目はともかくもちゃんとした先生でね。ちゃんとした先生を殺せるチャンスなんて多分、この先は無いだろうし、それに前の先生は勝手に死んだも同然だったしね。」
カルマ君がそう言うが、僕は少し理解出来ない。前の先生は死んではいない。まあ、他の学校の教師と比べれば見れば教師としてクズかもっていうヤツだったのは確かだ。カルマ君が言う死んだっていうのはそういう意味なのかな?
リボーンは小テスト中のカルマと殺せんせーとの掛け合いを見て思った。カルマは根は善良だが、彼は何故か『先生』という存在を嫌っている。だからなのか、殺せんせーを追い詰める程の奇抜な策を思い付ける。だが、殺せんせーはそう甘くない。殺せんせーがカルマに完全に目を着ければ、カルマがどんな策を思い付いても警戒した殺せんせーが隅から隅まで見るので詰んでしまうだろう。そう、カルマは『先生』という存在を殺そうとしている余り、周りが見えていないとリボーンは考えている。だが、それは自分じゃなく、殺せんせーによって気付かせてもらおうと思い、リボーンはこのまま見守る事にした。その後、リボーンは気絶してる寺坂と村松に吉田の三人を一ヶ所に集めると、三人を同時に引っ張ったく。
「さっさと起きろ、三バカ共!!」
『イッデェエッ!!?』
リボーンは寺坂達が起きるまで、引っ張ったいた。寺坂達三人は頬が少し赤くなった後に下校した。寺坂達三人が下校したのを確認すると、リボーンはメモを確認する。
「寺坂竜馬、アホだが体力は有るし、やろうと思った事は必ず実行するヤツだろう。村松拓哉も寺坂同様にアホだが、以外と料理が美味かったな。まあ、アイツの家のラーメン屋で出されるラーメンはクソ不味いけどな。吉田大成、他の二人よりはマシな方だがやっぱりアホだな。でも、アイツの実家がバイク屋で、サーキットに行った時に吉田がバイクを運転したのを見て解った。吉田は乗り物を乗りこなす才能は高いとな。この調子で他の生徒の特徴や才能を記録しないとな。そんで持って、目星を付けたヤツをボンゴレファミリーにスカウトするか。今のところ、第1候補はカルマで、第2候補が決まらないな。ナイフの技術で一番の磯貝か狙撃で一番の才能を持つ千葉のどちらかだな。」
やっぱり抜け目が無いリボーンだった・・・ボンゴレファミリーへのスカウトはおいといて、リボーンはジェラートを買い直しに行った殺せんせーに電話した。
「おい、殺せんせー。少しいいか?」
『あっ、はい。電話すると電話代がヤバいので今すぐに戻ってきます!』
殺せんせーは電話を切ると、マッハ20のスピードで直ぐに戻ってきた。
「それで話というのは?」
「殺せんせー。解ってると思うが、教師を続ける為には生徒に危害を加えては駄目だ。当然、生徒の親や関係者にも手を出すなよ。」
「勿論、その事は解っていますよ。でも、リボーンは生徒を思い切りぶん殴っている様な・・・」
「確かにな。俺は生徒への成長を思っての祈りを込めて殴りはしても加減はしてる。厳しく見えるだろうが、それは俺の愛情だ。それに厳しくしないと人は成長しない。だから、俺とお前がいる事でE組の生徒が確実に成長する筈だ。だから、俺は鞭。お前は飴だ。俺とお前の飴と鞭の教育でこのE組を成長させるぞ!」
「はい。それではこれからも宜しくお願いしますリボーン先生。でも、まずはカルマ君をどう手入れするか考えないとなりませんね。」
「殺せんせー。俺は先輩教師としてアドバイスはしねえからな。カルマの問題はお前がどうにかするんだな。」
「解っていますよ。カルマ君の事は私がどうにかしないとダメです。私はカルマ君に信じてもらいたいですしね。一人の教師としてね!」
リボーンと殺せんせー。姿は違えど、互いにE組を思い合う二人はこれからも教師として頑張っていくだろう。果たして、殺せんせーはカルマにどう向き合うのだろうか・・・
今回はここまでとします。次回は殺せんせーがカルマを手入れします。その後は原作で言う『毒の時間』になるのかな?