暗殺教室 ~バーニング・デイズ~   作:ロナード

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今回は前回の最後に登場した敵キャラとの戦いの序幕となります。


標的5 覚悟の時間

並盛観光二日目、ボンゴレアジトで寝ていた皆が起床すると、僕らは食堂に行って自分達の手で朝食を作る事になった。ここにいる間は外食以外の時は料理は自分達で作れとリボーンに言われたからだ。リボーン曰く、これも社会勉強だという事らしい。幸い食材は食堂の冷蔵庫に有るのを好きに使っていいので材料費が懸からないのもそうだが、料理が下手な人は少なかったので見た目と味に匂いが普通に美味しそうに出来たので良かった。問題点が有るとすれば、カルマ君がロシアンルーレット餃子を作った事ぐらいかな・・・僕らは朝食を作り終えると、リボーンと殺せんせー、それに正一さんやスパナさんにジャンニーニさんと一緒に朝食を食べた。

 

「目玉焼きは菅谷が担当したんだよな。焼きすぎだろこれ、黄身が固いな・・・目玉焼きは半熟だろ。」

 

「仕方ないだろ杉野。人の好みの焼き加減は知らないし、それに俺は黄身が固くないと嫌なんだよ。歯ごたえが無いじゃんか。」

 

目玉焼きって本当に焼き加減で好みが別れるよね。ついでに僕は焼き加減はどちらでもいい派。多分、焼き加減での話が終わったら目玉焼きにかけるのは醤油かソースかっていう話になるんじゃ・・・杉野に菅谷は目玉焼きの焼き加減についての話を終えた後、二人は醤油をかけて目玉焼きを食べていた。ソースをかける人はこの場にはいない。皆が醤油をかけるか味付けは塩だけで済ませている。まあ、殺せんせーは目玉焼きに蜂蜜をかけたんだけど、試しでやったみたいで普段は醤油派らしく、蜂蜜は目玉焼きに味は合わなかったらしい。

 

 

朝食を食べ終えた後、皿洗いなどの後片付けをした後に僕は気になった事が有ったのでリボーンに聞いてみた。

 

「リボーンが並盛に来たのは里帰りっていう訳じゃないけど、前の生徒だった人が住んでいる家に行かなくていいの?」

 

「行っても今は誰もいないからな。アイツがSAOに閉じ込められ意識が戻らない中、不安になっていくママン・・・アイツの母親を少しでも励ませる様にと俺と同じくアイツの家に居候していた奴等が世界を見て回って、アイツが意識を取り戻したら旅行の話でも聞かせてやろうという面目で一緒に世界を見て回る旅に行かせたんだ。だから、アイツの家には今は誰もいない。行ったところで誰もいない家に用なんて無いからな・・・」

 

「ごめん、何か気まずい事を聞いちゃったみたいで・・・」

 

「気にするな渚。別に俺は気にしてねえ。さてと、今日は好きに過ごせ。並盛を好きに見て回るか、このアジトの中で過ごすかは自由にしろ。他のメンバーにも伝えるから、お前は好きに過ごせ。」

 

リボーンはそう言った後に皆に好きに過ごす様に話に回った。僕は少し気まずく思っているので、僕はアジトの外に出て適当に並盛の町をぶらつく事にした。

 

 

 

 

「ねえ、君?見ない顔だけど余所者だよね?」

 

僕は並盛の町を歩いていると、風紀委員の腕章を付けた学ランをマントの様にかけてこの町に有る中学校の風紀委員と思われる小さな鳥を連れた一人の黒髪の青年が僕に声をかけてきた。確かに余所者では有るけどさ、何で初対面の相手に喧嘩腰なのこの人は!?

 

「余所者だけど、だからって僕が君に何かした訳じゃないだろ!」

 

「確かにね・・・君は見たところ、そこらの草食動物達と変わらない様に見えるけど、どこか違う雰囲気を持っていたからね。もしかしたらと思って声を掛けたんだけど、違った様だね。忠告しておくけど、面倒事を避けたいなら早く並盛から去った方がいいよ。じゃないと、僕の邪魔になった時には容赦無く噛み殺すから!」

 

青年はそう言った後にこの場から去っていた。何だよ、面倒事を避けたいなら早く並盛から去れって・・・見たところ、風紀委員だけど不良の人で喧嘩の邪魔になるなって事かな。カルマ君の言う様に血の気が多い人が本当にいたな・・・とりあえず、気を取り直して並盛を見て回ろうかな。

 

 

 

 

渚と話していた青年こと雲雀恭弥は渚と別れた後、並盛山の奥に入っていた。青年は何者かの気を感じ取ると自分の得物である仕込みトンファーを構える。

 

「仕込みトンファーを構えて戦闘態勢はバッチリの様ですね、雲雀恭弥!」

 

「君かい?この数日で並盛の暴力団を複数壊滅させた上に、並中の風紀委員が何人か襲われた事件の犯人かい?」

 

「そうですぜ!す~べ~て、俺っちがやっちまた事件ぜ!ま、正しく言えば、俺っちだけじゃ有りませんけ~どね!」

 

雲雀の質問に男は簡単に答えたが、その答え方はどうも余裕なのかどうかは知らないがふざけた態度を感じるので雲雀はイラついた。

 

「その喋り方イラつくね君・・・」

 

「そうですけい。イラついたなら謝りやすぜ。ごめん野菜!どうですけい?今のは『なさい』と『野菜』を強引に掛けやしたシャレですぜ!」

 

「ふざけてるみたいだね・・・絶対に噛み殺す!!」

 

「いや~、そんなに怒っちゃんイヤで~すよ。ま、俺っちのおふざけタイムもここまでですぜ。俺っちの名前はバロンですぜ。じゃ、アデュー!」

 

「何!!?」

 

バロンという男はわざとふざけた喋り方で雲雀をイラつかせ、判断力を鈍らせ、バロンの仕掛けた罠が雲雀をカプセルの様な容器の中に閉じ込め、雲雀を身動き出来ない状態にした後に立ち去った。雲雀が閉じ込められたカプセルはどんな衝撃も吸収する特殊な素材で出来ている上に特殊な炎に対する耐性も高く、雲雀の実力でも脱出するのには少なくとも半日は掛かる。バロンは相方と協力して雲雀以外にも六道骸とその仲間達にシモンファミリーのメンバーまでも雲雀と同じ様にカプセルに閉じ込めたのだ。

 

「これで時間は稼げますぜ旦那。さて、次のステップに入るとしましょか。」

 

 

 

 

 

昼になりお腹が空いてきた僕は並盛商店街に有る飲食店で何か食べようと思って美味しそうなモノが有りそうな飲食店を探していると、カルマ君に茅野、杉野、奥田さんと合流したのでこの四人と一緒に昼食を食べる事にした。結局は見慣れたファミレスで昼食を食べたのだが、いつもとは違う場所で食べているのでちょっとした思い出になったかもしれない。昼食を食べ終えた後、僕らはボンゴレアジトに戻ろうとして人気の無い路地裏を使って近道しようとして通った時だった。

 

「いけないな。ガキがこんな人気の無い場所に保護者を連れてない状態で来たら危ない目に合うぜ。」

 

そう僕らに告げる男の声が何処からか響くので杉野が声の主に言う。

 

「おい!誰か知らねえけど、姿ぐらい見せろよ!」

 

「おっと、そりゃ失礼。姿を出して話し合わないと失礼だな。」

 

声の主が姿を現した場所は僕らの影の中からだった。まさか、影の中から人が出てくるとは思いもしなかったので僕ら五人は驚きの他に常識を覆した登場に恐怖をも感じた。影から姿を現した男は銀髪のツンツンした髪で白いスーツを着こなした目付きが鋭い男だった。

 

「おじさん、どういう種か知らないけどさ、影の中から姿を出すなんて非常識にも程が有るんだけど・・・」

 

「おじさんねえ。俺は26なんだが、ま、ガキからすればおじさんかもしれねえがな。影から姿を出すのは俺の能力みたいなモノだ。能書きはここまでにするか。お前らから一人適当に連れていくぜ!」

 

男が指を鳴らすと、茅野の後ろに有る影から一つの巨大な黒い悪魔の様な腕が出現し、その腕が茅野を捕らえて茅野を影の中に引きずり込んでいく。

 

「渚、カルマ助け・・・」

 

「茅野!?」

 

僕らは茅野を助けようとしたが、既に遅く茅野は影の中に引きずり込まれ姿を消してしまった。

 

「おじさん、茅野ちゃんを何処に連れて行ったの?教えてくれない?じゃないと、俺はおじさんぶっ飛ばさないと気がすまないんだけど!」

 

カルマ君が男を殴ろうと拳を突きだしたが、簡単に受け止められた上に男がカルマ君の腹部に強烈な拳の一撃を加え、カルマ君は悶絶した。

 

「ぐがっ・・・うっぁ・・・」

 

「実力の差ぐらい察しな、ガキんちょ!あの嬢ちゃんは大事な人質になってもらうだけさ。何も手は出さないさ。ただし、俺からの要求を飲んだ場合だがな!」

 

「要求って何ですか?本当に手は出さないんですよね?」

 

「勿論、要求通りに答えさえすれば人質には手は出さないぜ眼鏡の嬢ちゃん。要求ってのは、ボンゴレ十代目の居場所を教えてもらえればいい。簡単な話だろ。ボンゴレ十代目の居場所はあの赤ん坊が知ってる筈だ。リボーンの事だ。リボーンからボンゴレ十代目の居場所を聞いて俺に教えに来な!ただし、タイムリミットは十時間以内だ。十時間以内にボンゴレ十代目の居場所を教えられねえってなら、人質の嬢ちゃんは無事じゃすまねえからな。じゃ、この地図に記した場所にタイムリミットが過ぎない内に来るんだな!俺の名はラフェイル!この名を忘れない様にして、さっさとボンゴレ十代目の居場所をリボーンから聞き出してきな!おっと、あの超生物も連れて来いよ。じゃないと対策されそうだしな。」

 

ラフェイルと名乗る男は建物の影の中に潜り込み姿を消した。

 

「おい渚とカルマに奥田。これからどうする・・・」

 

「ひとまずアジトに戻ろうか。リボーンと殺せんせーや皆に話を聞いてもらわないと・・・」

 

「渚君の言う通りだね。ひとまずはアジトに戻って、皆に茅野ちゃんが連れ去られた事を伝えようか。」

 

僕らはボンゴレアジトに急いで戻った。

 

 

 

ボンゴレアジトに戻った後、皆に茅野がラフェイルという男に拐われた事を話した。

 

「茅野が拐われた!?で、茅野を解放する条件としてボンゴレ十代目の居場所を伝えに来いってのかよ・・・それよりも、殺せんせーも連れて来いってのは殺せんせーを殺すのが目的じゃなくて、殺せんせーに対策されない為に連れて来いって感じだな・・・」

 

「岡島君の言う通りかもね。だけど、殺せんせーなら茅野っちを拐った奴なんて一瞬で倒せるんじゃない?」

 

「そうだよ!不破さんの言う通りだ。殺せんせーなら、あの影男だって倒せるって!殺せんせーの方が化け物だろうしな!」

 

「杉野君!?それどういう意味ですか!?先生の何処が化け物なのですか!!?」

 

いや、化け物だよ殺せんせー・・・でも、殺せんせーならあのラフェイルという男を倒せる筈だ。だって、マッハ20で動けるから撹乱出来る。殺せんせーなら勝てると思っていた僕らだが、リボーンは否定する。

 

「おそらく無理だな。多分、茅野を助けようとしてタコだけで動けば殺られるのはタコの方かもしれねえぞ。」

 

「何故そう思えるんですか?」

 

「奥田、俺がそう思った理由はレオンを見れば解る。」

 

リボーンがそう言ったので、皆はリボーンの帽子の上にいるレオンを見たのだが、レオンの尻尾は切れており、レオンは姿を変えて繭の様な状態になった。

 

「レオンの尻尾が切れた時は大体、俺の生徒及びその関係者が死にかける時なんだ。」

 

『縁起悪っ!!?ってか、カメレオンは尻尾切れるっけ?』

 

「うるさいぞ、全員でハモって言うんじゃねえ!レオンは記憶形状カメレオンだ。レオンは尻尾が切れると、記憶形状が乱れてしまい不安定になるんだ。ある程度落ち着くと、こんな感じの繭になる訳だ。だから、タコに任せきりだとタコが先に死ぬかもな。そんで持って約束破棄と認識され茅野は無事で済まねえだろうな。茅野を拐ったラフェイルという男の実力は実際、一撃を喰らったカルマは知ってるよな。」

 

「そりゃ勿論ね・・・加減はされてたけどさ、それでも肋骨に響いたよ。多分、加減されていなかったら俺はあの時点で腹を貫かれて死んでた。冗談抜きでね・・・」

 

カルマ君がそこまで言うなんて、やはり、あのラフェイルという男は只者ではないという事か・・・次にリボーンは一番信じられない事を言った。

 

「そうそう、俺は付き添って行くが、戦わないからな!」

 

「待て!!俺らはてっきり、殺せんせーだけじゃなくてリボーンが加勢してくれると思っていたんだけど・・・」

 

「菅谷、俺はボンゴレファミリーの掟で特殊弾以外の弾は撃ってはいけない決まりなんだ。肉弾戦は出来るには出来るが、そんな得意じゃないし、そもそもボンゴレファミリーが許可しない限り戦うなと掟で縛られているんだ。」

 

最悪な掟だな・・・少しは破ってもいいのではないかと言おうと思ったが、多分しらを切られるので言ったとしても意味は無いな。リボーンは戦わないと言う中、倉橋さんが提案を思い付いたらしく口にする。

 

「ねえ、烏間先生とビッチ先生に助けを求めようよ。」

 

「倉橋、残念だが並盛全体が電波ジャックされている様でな援軍は呼べないぞ。」

 

ラフェイル、あの男はそこまでしてボンゴレ十代目の命を奪いたいのか・・・僕らとボンゴレ十代目は面識が無い赤の他人だ。だからといって、ボンゴレ十代目の居場所をリボーンが聞かせてくれたとして、僕らがラフェイルに伝えてしまえば、茅野は助かってもボンゴレ十代目の命は無いだろう。ボンゴレ十代目の居場所を伝えてしまったら、僕らは面識が無い他人とは言えど、人一人の命を見捨てた事になってしまう。そうなったら、僕らは正気を保てるのか・・・僕が思っている事と同じ事をこの場の皆が思っているだろう。そんな僕らが悩んでいる姿を見た殺せんせーは口を開く。

 

「皆さんは茅野さんを助ける為にボンゴレ十代目の居場所を伝えてしまったら、見ず知らずの人間とは言えど、人一人の命を見捨てる事になる。でも、ボンゴレ十代目の居場所を伝えずにいたら茅野さんが無事ですまない。皆さんは知人か見ず知らずの人間、どちらかの命を助けるのか葛藤してる事でしょう。ですが、どちらかの命を諦める選択は認めません。茅野さんかボンゴレ十代目、どちらかの命が無くなったとしてもあなた達はそれを後悔するでしょう。だから、先生は提案します。今回は先生だけが戦っても茅野さんは助けだせるかどうかは解らない。しかし、先生と君達、この場の皆が力を合わせれば茅野さんを助けだせるかもしれません。それと同時にボンゴレ十代目の居場所を伝えずに済み、ボンゴレ十代目の命も守れる筈です。つまり、先生の案は皆さんで協力して誘拐犯を倒して茅野さんを助けようという案です。」

 

殺せんせーは茅野を助ける為に僕らに戦えと言った。確かにその方が手っ取り早い。だけど、僕らは勝てるのか・・・あのラフェイルに。影に潜りこみ、影から巨大な腕を出現させて攻撃する様な相手に勝てる以前に倒せるのか・・・そんな不安を抱いた僕らにリボーンが告げる。

 

「俺は戦わないが、サポートはしないとは言ってない。戦闘になったら、アドバイスぐらいはしてやる。もし、戦うのが怖いってなら強制はしねえ。戦ってやるという覚悟を持った奴だけ10分以内に出発の準備をして会議室に集まれ!解ったな!」

 

リボーンからそう言われた後、一旦解散し、僕は部屋に戻り戦いに行く為に準備をする。と言っても、服装を動きやすいモノにして荷物はスマホとスポーツドリンクと銃を持っていく事にした。銃は殺せんせー用の弾しか撃てない玩具同然だが、無いよりはましな筈だ。僕は荷物を纏めて会議室に向かった。

 

 

 

会議室に入ると、会議室の中には皆がいた。

 

「結局、皆行くんだね。」

 

「当たり前よ渚君。人の知り合いに手を出した不審者はとっちめてやらないとね!」

 

「中村の言う通りよ。皆で協力して茅野を助けよう!それにしても、前原だけいないのはさすがにね・・・今は何処にいるか解らないし、電波ジャックされていて電話は繋がらないし、どうしようか・・・」

 

岡野さんが言う様に前原君だけは昨日、元一流の剣士だった寿司屋のおじさんに連れていかれた後、何処にいるか解らない。前原君はどうしようか・・・そう思っていると、リボーンが正一さんにスパナさん、ジャンニーニさんと一緒に会議室に入ってきた。

 

「どうやら、結局は全員が行く気みたいだな。お前ら本当に戦う覚悟有るのか?」

 

「正直言うと、覚悟がどうとか解らないけどさ・・・ここで逃げたら男として・・・いや、人として一生後悔すると思ったんだ。あまり強くない俺だけど、茅野さんを助ける為にも俺だって戦ってやるさ!」

 

三村君が僕らの思いを代弁してリボーンに告げると、リボーンは少し笑みを浮かべ、正一さん達に何か合図を送ったらしく、正一さん達はテーブルに様々な種類の銃とサバイバルナイフにスタンガンを置いた。

 

「これは全てリボーンさんに頼まれて、君達の為に僕らが用意した武器だよ。」

 

「これって、本物の銃・・・これで拐った奴を殺せと言うつもり・・・」

 

「いや、速水。俺は拐った奴の命を奪えとは言わねえ。只、弱らせ無力化させろって事だ。」

 

「リボーンが言う様にあんた達に渡すこれらの銃は殺傷力は抑えられたモノで相手を殺す為じゃなく、弱らせる為にウチらが作ったモノだ。弾も殺傷力が低めのもので出来ているし、麻酔弾も用意してある。そのサバイバルナイフは柄に麻酔薬が出るスイッチが付いている。麻酔薬が浸透したナイフでかすり傷でも付ければ、像でも20分は寝る。中々に強い麻酔が用意されている。スタンガンは言うまでも無いかな。」

 

「つまり、私達技術者が言いたいのは君達専用に作ったそれらの武器で相手を無力化し気絶させればいいという事です。」

 

「という事だ。相手がお前らを殺す気で来ても、お前らは相手を死ぬ気で気絶させりゃいいって事だ。解ったなら、その武器を持って戦いに行くぞ!」

 

「前原君だっけ?彼には僕らが責任を持って探しだしてこの事を伝えるよ。話を聞いた後に彼がその気なら君達の後を追う筈だ。僕らは君達の健闘を祈るよ。」

 

正一さん達に見送られながら、僕らは戦って茅野を救出しに向かった。前原君は正一さん達が探してこの事を伝えてくれる様だし、前原君も来る事を祈りながら僕らは出撃した。

 

 

 

 

 

僕らはラフェイルに渡された地図を見ながら、目的地を目指していた。目的地は並盛の外れの山に有る今は使われていない製鉄所だ。僕らは道なき山の中を進んでいくと、製鉄所に人が勤務してた時に使われていたと思う集落の中に入った。今は人一人住んでいないのだが、僕ら以外の誰かの気配を感じ、皆の動きが止まる。僕らの動きが止まると何者かが僕らの事を見ているのが解る。殺せんせーはその何者かに向けて声を発する。

 

「隠れているのは解っていますよ。皆は気配を感じて動きを止めましたし、私に限っては臭いましたしね。火薬の臭いがね!」

 

「ほう。臭いを感じとるとは噂以上の様だな超生物!」

 

僕らの前に姿を見せたのは顔の左側を道化師の様な仮面で隠した橙色の短髪で少しつり目な高身長で腕と脚が長い女性だ。服装は青いデニムのガウンとジーパンで少し男っぽい感じだ。

 

「アタシの名前はアメルダ。ラフェイルの旦那の部下さ。その様子を見るからにボンゴレ十代目の居場所を吐きに来たって感じじゃないね。だとしたら、交渉決裂って取るよ。と言っても、こうなる事もラフェイルの旦那の予想通りだった訳だけどね!」

 

予想通りだって!?ラフェイルは最初から交渉が通らないと解っていたのか・・・

 

「ラフェイルの旦那は正直言って趣味が悪くてね、相手を散々悩ませては相手が悩み抜いて決意したところで心をへし折り、いたぶっていくのが趣味のサディストさ。旦那が言っていた十時間の間は人質には手は出さないけど、お前達は別だよ。ラフェイルの旦那からはお前達が来たら、徹底的にいたぶれと命令されているのさ。まあ、アタシもラフェイルの旦那と同じ趣味って事さ!」

 

アメルダと言う女はそう言うと同時にバズーカ砲を手にして、僕らを目掛けてバズーカ砲の引き金を引いた。バズーカ砲から大きな弾丸が放たれるが、殺せんせーには止まって見えるのマッハのスピードを用いて弾丸をキャッチする。

 

「ヌルフフフ、私の生徒達をいたぶる事はこの私が許しませんよ。女性と言えど、敵なら戦うしか有りませんしね。私が手入れをしてあげましょう!」

 

キャッチした弾丸を食べながら、殺せんせーはそう言うとアメルダと言う女と戦おうとしたが・・・

 

「おっと超生物!お前の相手はお前の生徒達をいたぶった後だよ。それまでは大人しくしな!言い忘れていたけど、所々に隠された監視カメラが有ってね、監視カメラを通してラフェイルの旦那にはこの事は筒抜けさ。超生物かリボーンが戦いに参戦した時点で制限時間に関係無く人質になった女は死ぬ。それが嫌ならさもないと、人質の命は無いよ!」

 

「卑怯な・・・ですが、茅野さんを助ける為には仕方無いですね。皆さん、今の話は本当でしょう。先生とリボーンが戦いに参戦した時点で茅野さんの身が危険にさらされる以上は君達に任せるしかない。皆さん、戦ってください。先生は君達の勝利を信じて見守る事にします。どうか気をつけてください。相手は裏の世界の人間だ。しかも、私の命を狙う暗殺者では無い為に君達を殺す事に何の躊躇いも無い。死にそうになったら無理せずに逃げてください。先生が率先して安全な場所まで連れて行きます。」

 

殺せんせーはそう僕らに告げると後ろに下がった。僕らだけでアメルダという女の相手をしないといけない訳だが、茅野を助ける為には戦って勝つしか方法が無い。それに相手が僕らを殺す気で来ても、僕らは相手を死ぬ気で気絶させるなりで無力化させればいい。相手は裏の世界の人間だが、僕らだって殺せんせーを殺す為にこの1ヶ月は鍛えられた暗殺者だ。プロとルーキー、経験や場数では負けるかもしれないが相手が一人で戦うのに対して、僕らは14人だ。個人としての戦闘での能力の差は皆との連携で埋める。そうすればどんな相手でも勝てる筈だ。

 

 

こうして、僕らとラフェイルの部下であるアメルダとの戦いの火蓋が幕を開くのだった。




茅野が拐われ、渚達は茅野を助ける為に戦う事になりましたが、渚達は勝てるのでしょうか?次回、この作品にて渚達の初めての対人戦が始まります。
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