次こそは…深淵歩きを…
ある世界の火の炉の前に、1人の男がいた。
ある世界の火の炉の前に、1人の女がいた。
男は火を継がんと火の炉を目指した。
女は火を継がんと火の炉を目指した。
2つの世界に接点などなかった。
2つの世界に接点などなかった。
男は霧をくぐった。
女は霧をくぐった。
男の世界は
女の世界は
女の世界に
男の世界に
重なった。
「え?」
「あ?」
先ほどまで全く誰もいなかった隣に、霧をくぐった瞬間人がいたのだ。驚くのが当たり前の反応だ。
2人は迫ってくるグウィン王の刃に気づかず、切り裂かれた。
2人は王の器の前に転送された。
「おまえは?」
「あなたは?」
声が重なった。
「俺はアレックスだ。おまえは?」
「私はアリスです。ですが、なぜ私達は同じ世界に?」
「俺が聞きたいね。…まあ、この
「まあ、大方そうでしょうね。…ところで、1つ質問をいいですか?」
「なんだ?」
「あなたは火を継ぐ気ですか?それとも、闇の王となる気ですか?」
「俺は火を継ぐ。それが、俺が望む世界だ。」
「ならよかった!私も火は継ぐ気でして。でしたら協力しあって奴を倒しませんか?」
「ああ、そうしよう。それがいい。よろしく頼むぞ、アリス。」
「ええ、こちらこそ、アレックス。」
2人の不死人は握手を交わした後立ち上がった。火を継がんと、2人の不死人が階段を降りていく。
男の装備は上級騎士装備で、紋章の盾を左手に持ち、ハルバードを携えている。
女の装備は黒金糸装備で、両手にムラクモを持つ。
そこから火の炉へ辿り着くまで、時間はかからなかった。
どの黒騎士を相手取った時も、会ったことも無かった2人のコンビネーションは完璧だった。
「ふう、到着だ。」
「ですね、にしても随分と短い時間でここまでこれましたね。」
「ああ、そうだな。…行くか。」
「ええ、火を継ぎに。」
2人は同時に霧を超えて行った。
グウィン王のジャンプ攻撃が2人に迫る。
だが、先ほどまでとは違う。アレックスがパリィを決め、ガラ空きの胴体に致命の一撃を叩き込む。
グウィン王が起き上がると同時に、アリスがダッシュで距離を詰め、連撃を食らわせる。
グウィン王が怯んだ隙に、アレックスがバックスタブを決める。
2人の動きに無駄などなかった。『10年ともに戦ってきた。』と言っても、誰も疑わないぐらいには。
ードサッー
グウィン王が、膝をついた。
『…薪が…燃え尽きる時がきたか…』
そう言葉を残し、グウィン王はソウルとなっていった。
「終わったな。」
「ええ、あっけない終わり方でしたね。」
「じやあ…火を継ぐとしようか。」
「はい、不死の時代を…終わらせましょう。」
2人はともに、火の炉中心部へと歩いていく。
ーボッー
火の炉に手をかざすと、2人の手には火が灯った。
火は、2人の体を包む、だが2人は、苦痛は感じず、むしろ心地よい暖かさを感じていた。
2人を包んでいた火が消えた時、そこに2人の姿はなかった。しかし、燃えかすも何もなく。彼らが燃えたというのは不正解である。
冒頭であんなことは言ったが。深淵歩きはもう少し休載だ、すまない。