「ここは…」
2人の不死者は密林の中に倒れていた。
「そうだ、俺は火をついで…」
「ん…あう、おはようございます。」
「なんで普通の寝起きみたいに目覚めてくんの?慌てようよこの状況を見て。」
「え、この状況って…あれ!?私達火の炉にいたんじゃ!?」
「おせぇよ!」
ちょっとしたコントを繰り広げる2人
「で…いまはどんな状況なのですか?」
「全くわからん。俺も目覚めたらこの状況だ。火の炉の面影もないが…」
「うーん。」
ーバキッー
『は?』
2人のこえが重なる。当然だろう。密林の木が突如として折れ、気があった場所には、黄色と青の二色の鱗を持つ龍が首を覗かせていた。」
ーグラァァァァ!!ー
「糞っ!走れ!!」
「言われずとも!」
同時に龍と正反対の方向へ逃げ出す2人。
だが龍は腹を空かせているのか、ありえない走力で木をなぎ倒しながら追ってくる。
「このままじゃ追いつかれます!」
「あぁぁ!ついてねぇ!やるしかねぇよ!お前は逃げとけ!」
そう言ってアレックスは振り返りながらハルバードの側面で龍の顎を打ち抜いた。
逃げる一手だった敵に突然の反撃を食らった龍は、はガードも回避もままならず、顎に強烈な打撃を受け怯んだ。
「逃げるわけないじゃないですか!」
龍がひるんだすきに、アリスが龍の背中に飛び乗る。
「はあぁぁぁぁぁぁ!!」
両手のムラクモ龍の背中をズタズタに引き裂くアリス。
そんな様子を指をくわえて見ているアレックスでは無く、全力の突きを暴れ回る龍の喉に打ち込んだ。
「やったか!?」
「それはフラグです!!」
龍は背中を引き裂かれ、喉に突きを食らおうとも、空腹を癒すためだけに立ち向かってくる。
…だが当然衰弱はしているわけで全力の一撃が見事に的を外れ、近くの木を倒すのみにとどまった。
「セイッ!」
「ヤァッ!」
掛け声が揃い、上からはムラクモ、下からはハルバードが龍の首を捉える。
最早抵抗する力など無く、龍は力尽きた。
「はぁ…はぁ…」
「ふぅ…結局、なんだったんですかね?こいつは。龍であるならばこの程度で倒れはしない筈ですが…」
「だよな…それに鱗もある。シースのように鱗が無いせいで不死性を失ったわけでは無いだろう。」
「どうします?これから。」
「取り敢えず人を探そう。それとこいつは取引素材になるかも知れない。鱗と牙と爪を剥いでいこう。」
「賛成。」
「これくらいでいいですかね?」
「あぁ、十分だろう。」
「それじゃあ、人を探すとしますか。」
「あぁ、…いこう。」
歩くこと数十分、大量の龍の素材を持って歩くのなど困難だが、2人ともソウルで筋力をかなり強化しているので苦にならない。もちろん装備重量にも問題は無い。
「あんた…なにもんだ?」
青を主体とした装備に身を包んだ男に遭遇した。
「俺はアレックス。」
「で、私がアリスです。」
「いや…そういうことじゃ無くて。…まあいいや、俺の名はジェイクだ。ハンターをやっている。」
「わかった。ジェイクだな?ところでここら周辺に村や町は無いか?」
「この近くじゃねえが、俺がユクモ村ってところから来ている。来るなら来い。」
「喜んで行かせてもらうよ。ところでこの素材はどれぐらいの金になる?」
「任せろ、俺は目利きもできる。…そいつはティガレックスの素材だな。それも、下位と上位の中間レベルの個体だ…ちょっとそこの爪を貸してくれ。…うん、十分な強度だろう。」
「それじゃあ、だいたい幾らに?」
「聞いて驚くな…半年遊んで暮らせる。」
「なん…だと?」
「マジですか!?」
「あ、アリスいたのか。」
「ちょっとさっき戻ってきたんですよ。近くに猫がいたのでモフってました。」
「で、ユクモ村にくるか?」
「あぁ、喜んで行かせてもらうよ。」
「じゃあついてきな、この先に馬車が停めてある。」